1.023world - ヤドカリパークとマリンアクアリウム -

海洋の仕組みと細菌・微生物から学ぶマリンアクアリウムサイト

1.023world Facebook

ワラワランド - リフジウムで水槽に微生物やバクテリアを

細菌・微生物・プランクトンなどに期待できる水槽への効果

海洋には非常に多種多様な生き物が存在しています。 それらを大きくカテゴリーに分類すると、魚のように水中を自由に泳ぎ回る「ネクトン」を始め、 水中を漂う浮遊者の意を持つ「プランクトン」、 そして岩や砂等の気質に依存して生活する「ベントス」に分けられます。 これらはその生体の大きさには関係なく、あくまでも性質によって扱われるため、 クラゲであってもプランクトン、底棲性のナマコやハゼはベントスと言う事になります。

ワラワランドでは、このうち特に水質浄化に好影響を及ぼすプランクトンや、 ベントスなどの有益な生物を対象に、 マリンアクアリウムでの効果を考えていきます。 また直接的な水質処理を担当する各種バクテリアについてもその特性や効果を理解する意味で併せて紹介しています。

これからナチュラルシステムやリフジウムを始める方は勿論、既に運用されている方も、 今一度、水槽に於けるワラワラたちの効果・恩恵に目を向けてください。

細菌による水質浄化に欠かせない撹拌生物の連携

ウミミズムシの仲間 ナチュラルシステムに於いて特に必要となるのは、 底砂表層を生活圏として砂の攪拌に従事するナマコやヤドカリその他微生物類や、 底砂の中を生活圏として各層間の物質の運搬に従事するゴカイや線虫類、 さらにその砂自体に定着し各層毎に異なる水質処理をおこなう各種バクテリアの存在です。 これらの撹拌生物と砂中の細菌群の連携により、密度の高い効率的な水質浄化が期待できます。 よって、本当の意味でクオリティの高いナチュラルシステムを実現するには、 彼らの連携による恩恵を無視する訳にはいきません。 彼らの存在と働きを知ることで、 間違っても単に岩と砂が入った強制濾過のない水槽がナチュラルシステムではないと言うこと、 またそのような水槽をナチュラルシステムと認識することの危険性を、 十分に理解することが出来ることでしょう。

植物プランクトンや藻類にとって天敵として機能する微生物たち

ソコミジンコの仲間 上記のような撹拌生物も含め動物プランクトン・ベントスなどは、種によって嗜好はあるにせよ、 多くは植物プランクトンや藻類などを摂取しながら生命活動を維持しています。 また、それらの食物連素によって抑制される植物プランクトンや藻類の活動は、 単に摂取される事による抑制だけではなく、 別の多くの競合相手によっても抑制しあい、均衡を保っています。
ナチュラルシステムでは、藻類等の単一種の蔓延を引き起こさないためにも、 如何に豊富な生物層が維持できるか、 バランスの取れた環境を実現できるかが、非常に重要になってきます。 決して、低栄養塩への心がけだけで、コケを抑制できるわけではないのです。

食物連鎖の起源としての細菌・微生物や小型プランクトン

造礁サンゴのポリプ ソフトコーラルのポリプ また、これらの微生物たちは、他の大型生物にとって大切な栄養源としての需要もあります。 プランクトンを主に摂取している魚類、多くのサンゴ類にとって、 プランクトンのような微小生物は食物連鎖の大きな土台となっています。 水槽では、食が細く餌付きにくい小魚にもとても有効ですし、 自然下ほどではないとしてもサンゴ類による多少の摂取もあると思われます。 ナマコも砂ハミによってデトリタスと同時に微生物も摂取していますし、 何より微生物を摂取する微生物も多く存在するのです。

本当に微生物が必要なのか?

ナチュラルシステムを始めるにあたり、 多くの人の意識には主要構成として以下のような図式があると思います。

ナチュラルシステム = ライブロック + ライブサンド + メタハラ + 水流ポンプ + クーラー

ケースによっては、プロテインスキマーやカルシウムリアクターも欲しいと考えるでしょう。
しかし、ライブロックやライブサンドは、 本来の意味を理解して収容している方がどれくらいいるでしょう。
中には、必要な置物の一つくらいに捉えている方も多いのではないでしょうか。

その上、実は一番大切なモノを忘れています。 それがワラワラです。

実はこれらは特に意識しなくても、立ち上げ当初はライブロックやライブサンド、 天然海水等によって勝手に水槽に持ち込まれている場合が多いため、 立ち上げ後しばらくはアクアリストの認識が無くても順調に推移してくれます。
そのため、「なんだ。ナチュラルって簡単じゃん!」と言う印象に繋がりがちです。

その後、生体密度による栄養過多、日頃の水質管理不足、 その中にワラワラを意識したスケジュールが無いために、 いつの間にかワラワラは消滅するか、単一種のオンステージとなります。 早ければ数ヶ月後、運良く続いても1~2年も持てば良い方でしょう。 下手をすると、それがリセットのサイクルくらいに考えてる方も居るのかも知れません。

「なんか最近コケが増えて消えないんだけど・・・」
「ヒゲゴケが取っても取っても生えてくるんだけど・・・」

どうしてでしょう?

直接の原因は栄養塩です。 多くの場合、水量に対して生体が多いため、 ライブロック・ライブサンドによる浄化速度が追いつかないために、 どうしても栄養塩が蓄積しがちになります。
一方で、「立ち上げ後と比較してそんなに増えてないんだけどなぁ」と言う場合もあるでしょう。

では、同じ栄養塩でさえ、コケが生えたり生えなかったりするのは何故でしょう?
そうです。実は根本にあるのは天敵の欠如だったのです。

ワラワラの威力を甘く見ないでくださいね。 それは一見、どこにでも存在する単なる食物連鎖のひとつでしかありませんが、 自然界で何かが蔓延した時の本当の理由を考えてみてください。

なぜイナゴが大発生するのか。
なぜ人間が大繁殖しているのか(笑)

正解

ナチュラルシステム = ワラワラ + ライブロック + ライブサンド + メタハラ + 水流ポンプ + クーラー

さあ、ワラワラを放ちましょう♪

その前にまず、海洋に於ける微生物やバクテリアのそれぞれの働きを知っておきましょう。

微生物関連参照書籍

  • 海洋微生物の分子生態学入門 / 培風館
  • 環境微生物学 / 昭晃堂
  • 海洋のしくみ / 日本実業出版
  • 水の科学 / ナツメ社
  • 日本動物大百科(無脊椎動物) / 平凡社