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ユビワヒメホンヤドカリ / Pagurixus anceps (Forest, 1954)

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学名:Pagurixus anceps (Forest, 1954)
和名:ユビワヒメホンヤドカリ
環境:岩礁やサンゴ周辺
報告国内報告あり, 北陸, 四国, 沖縄本島
掲載:2014年6月3日

過去にPagurixus dissimilis (3枚目)をユビワヒメホンヤドカリとして掲載してましたが、ユビワヒメホンヤドカリの情報が少ないため写真での判定を断念しました笑。そもそも唯一の本種の写真はリファレンスのCRUSTAにあるような標本写真だけなので、結局当時の論文を入手して細部の特徴から同定するしかありません汗

そんな絶望も忘れ去られた昨今、遂にこれぞユビワ姫!と思える写真に遭遇!(上の1枚目) 伊藤さん凄い!
そこで、僕が過去最もユビワ姫に近いと思ってたPagurixus dissimilisと比較してみました笑

まず、P. dissimilisの第1触角の縞模様の構成は上から茶色・透明・茶色ですが、本種は茶色・青いラメ・茶色となります。これは論文の標本写真からは読み取れないので単に両者の相違点です。ちなみにP. ancepsの標本写真の第1触角は一見縞模様なしの無地に見えますが、適切に色補正すると先端から茶色・透明・茶色の縞模様の痕跡(or元々薄い)が見受けられるので、ここは無地にこだわらなくても良さそうです。
次に、P. dissimilisには各部に茶色い点々が点在するんですが、本種や標本には見当たりません。
次に、鉗脚の腕節の縞模様ですが、確かに本種にも標本にもありませんが、単に薄いだけかも知れません。また、歩脚の腕節の縞の数ですが、P. dissimilisには確実に上下2本の帯がありますが、本種や標本には上の1本しかないので有効打に思いたいですが、単に薄いだけかも知れません笑
念のため、論文から標本画像を引用しておきます。色補正してあります。第1触覚の茶・白・茶が分かりますか?
McLaughlin et al. (2010). The Raffles Bulletin of Zoology. Suppl. 23: 5-107. Fig. 14. B.

まとめるとこんな感じだと思います。


2021/11の沖縄遠征にて、本種もカシワジマヒメホンヤドカリコンペイトウヒメホンヤドカリのように夜間は婚姻色?で赤くなる様子が確認できました。⑩:夜間、⑪:日中、同一個体です。

①⑥⑦⑧:高知産、②③⑨⑩⑪:沖縄本島、④:伊藤孝幸さん提供、⑤:石垣島の撮影で石垣島 DIVE SERVICE WATANABEさん提供。
貴重な写真や個体を提供された皆様へ心から感謝申し上げます!
We are very grateful to be able to use your valuable photos. thanks!

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    Pagurixus anceps (Forest, 1954)
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(Eupagurus anceps Forest, 1954) Forest, J. (1954). Crustacés Décapodes Marcheurs des îles de Tahiti et des Tuamotu.- I. Paguridea (suite). Bulletin du Muséum national d'Histoire naturelle, ser. 2. 26(1): 71–79.

WoRMS : Pagurixus anceps (Forest, 1954)

CRUSTA : Pagurixus anceps (Forest, 1954) (標本写真あり)

ResearchGate : McLaughlin, P. A.; Komai, T.; Lemaitre, R.; Rahayu, D.L. (2010). Annotated checklist of anomuran decapod crustaceans of the world (exclusive of the Kiwaoidea and families Chirostylidae and Galatheidae of the Galatheoidea. Part I – Lithodoidea, Lomisoidea and Paguroidea. The Raffles Bulletin of Zoology. Suppl. 23: 5-107. (画像あり)

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