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ニテンヨコバサミ / Clibanarius bimaculatus (De Haan, 1849)

Unknown

学名:Clibanarius bimaculatus (De Haan, 1849)
和名:ニテンヨコバサミ
掲載:2020年5月13日

ニテンヨコバサミに関する記述をリファレンス↓のうみうし通信より抜粋。
3. ニテンヨコバサミ Clibanarius bimaculatus (De Haan, 1849)
多くの文献でC. virescensのシノニムとされているが、三宅(1982,1998)では独立の種として復活させている。模式産地は日本。De Haan (1849)の短い記載文と図(PL 49,Fig. 7:PL. 50, Fig. 4)をみる限りC. virescensとは全く異なる色彩型で、日本でこれに該する種はない。模式標本はライデン博物館に所蔵されていたはずだが、現在は無い。
一方Rahayu (1999)は、De HaanのC. bimaculatusによく似た種をインネシアで発見し、C. rubroviriaとして記載した。この中でRahayuは、De Haanの記載文と図から判断すると、C. rubroviriaC. bimaculatusはよく似ているが色彩と形態にいくつか重要な違いが認められるとして、別々の種であると書いてある。またDe HaanがC. bimaculatusは左鉗脚が右より大きいと記載しており、これは本属では紺脚が左右ほぼ相称である特徴をもつということからはずれるので、Paguristesの一種ではなかったかと推測している。
しかし私が両者の記載文と図を見る限り、種内変異やDe Haanの時代には正確な描画装置がなく、またC. bimaculatusの生時の色彩を記載した保証がないことを勘案すると、両者は同一種であると思われる。また先に述べたように、本属でも種によって鉗脚の不相称性はかなり認められる。
この入り組んだ問題はC. bimaculatusの夕イプ標本が失われ、なおかつ生時の色彩を確実に再現することは不可能である以上、迷宮入りかもしれない。私の推測では、一番最初の時点でラベルのつけ間違いがあり、東南アジア産の標本に誤って「日本産」のラベルをつけてしまい、それをDe Haanが信じたと考えると、全てが矛盾無く説明できる。もちろんそれを証明する証拠がないので、この説を立証することは難しい。
以上のことから本種は存在しない種と思われます。

(Pagurus bimaculatus De Haan, 1849 [in De Haan, 1833-1850]) De Haan, W. (1833-1850). Crustacea. In: von Siebold, P.F., Fauna Japonica sive Descriptio Animalium, quae in Itinere per Japoniam, Jussu et Auspiciis Superiorum, qui Summum in India Batava Imperium Tenent, Suspecto, Annis 1823-1830 Collegit, Notis, Observationibus et Adumbrationibus Illustravit. i-xxxi, ix-xvi, 1-243, Plates A-J, L-Q, 1-55. Lugduni-Batavorum.

WoRMS : Clibanarius bimaculatus (De Haan, 1849 [in De Haan, 1833-1850])

「うみうし通信」No.47 (2005.6) PDF
日本とその近海産ヨコバサミ属 Clibanarius Dana, 1852
(十脚目異尾亜目ヤドカリ科Decapoda:Anomura:Diogenidae)の分類学的研究
千葉県立中央博物館 朝倉彰 (Asakura,Akira)

WoRMSで本種のデータベースを確認する

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