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和名未定 / Nematopagurus vallatus (Melin, 1939)
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Anomura MacLeay, 1838 / 異尾下目
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Paguroidea Latreille, 1802 / ヤドカリ上科 (5科 68属 454種)
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Paguridae Latreille, 1802 / ホンヤドカリ科 (38属 214種)
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Nematopagurus A. Milne-Edwards & Bouvier, 1892 / イトヒキヤドカリ属 (19種)
- Nematopagurus vallatus (Melin, 1939)
和名未定
- Nematopagurus vallatus (Melin, 1939)
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Nematopagurus A. Milne-Edwards & Bouvier, 1892 / イトヒキヤドカリ属 (19種)
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Paguridae Latreille, 1802 / ホンヤドカリ科 (38属 214種)
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Paguroidea Latreille, 1802 / ヤドカリ上科 (5科 68属 454種)
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学名:Nematopagurus vallatus (Melin, 1939)
和名:和名未定
環境:深場(漁獲水深)
報告:国内報告あり
掲載:2020年5月13日
Nematopagurus vallatusは、1914年8月1-2日に小笠原諸島(東島/父島)の水深50-135mから採取された♂5個体♀2個体に基づいて新種記載されました。
その後、本種は原色日本大型甲殻類図鑑(I)で「イトヒキヤドカリ」として掲載され、長らく本種=イトヒキヤドカリとして浸透してきましたが、その後の調査で、実際にはその標本がNematopagurus tricarinatus (Simpson, 1858)だったことが判明したため、現在はN. tricarinatusがイトヒキヤドカリの和名を引き継いでいます。
また、台湾寄居蟹類誌によると、三宅(1982)がN. vallatusと誤認したN. tricarinatusを、Yu and Foo (1991)も本種N. vallatusの写真として三宅(1982)から引用して掲載していた経緯があるとのことです。(しかも採用した標本はN. australisだった)
以下、McLaughlin & Sandberg (1995)の色彩情報(保存状態)から引用。
Ocular peduncle with narrow, incompletely circular band of auburn color. Three specimens with longitudinal narrow stripes of rust-yellow on pereiopods; remaining virtually without color. Lateral faces of second and third pereiopods each with 4 longitudinal stripes not reaching distal or proximal margins of segments; dactyls with colored stripes not as distinct, but with circular band at base of claw. Mesial faces with only 3 longitudinal stripes on propodi, 2 on carpi, and 1 on meri. Chelipeds with 3 longitudinal stripes on lateral faces of meri, 2 on mesial faces. Carpi with 3 longitudinal stripes on lateral faces, 2 on each of dorsal and 2 mesial faces. Dorsal surfaces of palms speckled; keels with color between white crenulations.
意訳↓
眼柄部には赤褐色の細い不完全な円形の帯がある。3つの標本では、胸脚に錆びた黄色の細長いストライプがあるが、残りはほとんど色がない。第2第3胸脚の側面にはそれぞれ体節の遠・近縁には達しない4本の縦縞があり、指節には色のついたはっきりしない縞があるが、爪の基部には円形の帯があり、内面には前節に3本、腕節に2本、長節に1本の縦縞があるのみ。鉗脚の側面には3本の縦縞があり、内面には2本の縦縞があり、腕節は側面に3本、背面と内面にそれぞれ2本の縦縞を持ち、掌部の背面にはまだら模様があり、竜骨は白いしわの間に色を持つ。
以上の経緯から、N. vallatusはN. tricarinatusやN. australisに似た縦縞模様を持つイトヒキヤドカリのようです。
また、同じくMcLaughlin & Sandberg (1995)から模式図を引用。
鉗脚が側面からの図なので分かりづらいけど、イトヒキヤドカリの場合、鉗脚掌部の竜骨具合はノコギリの刃のようにゴツゴツしてますが、本種は包丁のようにスラリとしているようです。
その後、McLaughlin(2004)により、1965-1992年の間にニューカレドニア近海の水深10-76mの範囲で50体近くもの標本が確保されていることが報告され、またより詳細な模式図が掲載されました。
やはり鉗脚はかなりイトヒキヤドカリに似ているようです。
小笠原でダイビングすれば見つけられそうですね。
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追跡遭遇
RECORD Nematopagurus vallatus (Melin, 1939)
和名未定
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(Eupagurus (Catapagurus) vallatus Melin, 1939) Melin, G. (1939). Paguriden und Galatheiden von Prof. Dr. Sixten Bocks Expedition nach den Bonin-Inseln. Kungliga Svenska Vetenskapsakademiens Handlingar. 18: 1-119.
WoRMS : Nematopagurus vallatus (Melin, 1939)
McLaughlin & Sandberg (1995). Redescriptions of Gustaf Melin's "Eupagurus (Pagurillus)" Exiguus, "Eupagurus (Catapagurus)" Vallatus, and "Eupagurus (Spiropagurus)" Facetus (Decapoda: Anomura: Paguridae) Based on the Type Material. Journal of Crustacean Biology, Volume 15, Issue 3, 1 July 1995, Pages 569–587.
McLaughlin, P.A. (2004). A review of the hermit crab genus Nematopagurus A. Milne-Edwards and Bouvier, 1892 and the descriptions of five new species (Crustacea: Decapoda: Paguridae), in: Marshall, B.A. et al. (Ed.) Tropical Deep-Sea Benthos 23. Mémoires du Muséum national d'Histoire naturelle (1993), 191: pp. 151-229
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