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和名未定 / Pagurixus brachydactylus Komai & Osawa, 2006
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Anomura MacLeay, 1838 / ヤドカリ下目
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Paguroidea Latreille, 1802 / ヤドカリ上科 (8科 68属 460種)
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Paguridae Latreille, 1802 / ホンヤドカリ科 (38属 216種)
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Pagurixus Melin, 1939 / ヒメホンヤドカリ属 (27種)
- Pagurixus brachydactylus Komai & Osawa, 2006
和名未定
- Pagurixus brachydactylus Komai & Osawa, 2006
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Pagurixus Melin, 1939 / ヒメホンヤドカリ属 (27種)
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Paguridae Latreille, 1802 / ホンヤドカリ科 (38属 216種)
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Paguroidea Latreille, 1802 / ヤドカリ上科 (8科 68属 460種)
学名:Pagurixus brachydactylus Komai & Osawa, 2006
和名:和名未定
環境:岩礁やサンゴ周辺
報告:国内報告あり, 小笠原
掲載:2007年4月27日
Pagurixus brachydactylusは、小笠原の父島や母島の潮下帯から見つかった標本を基に2006年に新種記載されました。とは言え、ホロタイプはなんと半世紀も前(1968年)に採集された標本でした! と言うのも、当時はオガサワラヒメホンヤドカリとして報告されており、それが2006年の再検討で本種として新種に分類されたと言うわけです。
ちなみに、原記載の標本は甲長2.2-2.4mmなので、アズキヒメホンヤドカリの標本の甲長1.5-1.8mmと比べると3割ほど大きいので、比較的大型種のようですね。
2025年4月20日、訂正情報追加。
これまで「Pagurixus brachydactylusとアズキヒメホンヤドカリは酷似している」という扱いでしたが、改めて原記載を調べた結果、大きな勘違いに気付きました。これまでは「生時の色彩」と示された本種の標本写真が赤かったため、私も始めCRUSTAでもアズキヒメホンヤドカリとそっくりな赤い個体の写真が多用されており、正直両種の違いがよく解りませんでした(当図鑑で以前からPagurixus brachydactylusとして掲載していた画像もよく調べると本種でした)。しかも、原記載ではこの両者の酷似性には全く触れられてないばかりか、むしろ本種とサミダレヒメホンヤドカリの比較テーブルが掲載されており、なぜ赤帯の本種と黒帯のサミダレヒメホンヤドカリが比較されているのか長年の疑問でした。しかし、ようやく謎は解けました。どうやら本種の標本写真は「Color in life」(生時)のものではなく、保存液で黒が脱色して赤くなった標本の写真だった?(少なくとも経過時間が短く完全な脱色に至る前の保存標本)という事に気づいたのです。なるほど、それなら全ての辻褄が合います!
原記載より引用
確かに考えてみれば、通常の生時の色彩を示す標本の撮影は死後に胸脚を万歳させて撮影するのが基本ですが、この標本は保存液に放り込んであったように丸まった状態ですよね☝
●よって本種の生時の帯模様は赤ではなく黒だと思われる☝
●だからこそ本種が似ているのは小型種のアズキヒメホンヤドカリではなく大型種のサミダレヒメホンヤドカリ☝
●この翻弄?によりCRUSTAのPagurixus brachydactylusの写真はほぼ全てアズキヒメホンヤドカリだった??
CRUSTAのPagurixus brachydactylusのページのスクリーンショット
●また、同CRUSTAのアズキヒメホンヤドカリの写真も複数の別種が混じってました。
CRUSTAのアズキヒメホンヤドカリのページのスクリーンショット
これで長年の謎が解けました✨ (原記載をよく読めば早く気づけたのに...💦)
また、本種とアズキヒメホンヤドカリは、歩脚の指節の長さも異なっていました。
原記載より引用
種小名「brachydactylus」は、ギリシャ語で「短い」を意味するbrachyと「爪」を意味するdactylusから。
そして、この両種こそが共に歩脚の指節が短い似たもの同士でした。原記載での比較も納得です。
原記載より引用
そして、鉗脚も双方丸みを帯びてよく似た形状をしており、もちろん竜骨もありません☝笑
原記載より引用
モヤモヤが晴れてスッキリしました✨笑
尚、画像①②共に現時点での暫定的な割り当てです。鉗脚が小さいのは恐らく雌だからと考えています。
原記載より引用(左側)
画像はフランス領ポリネシアで撮影されたものでAdrien Cantatさん提供。
貴重な写真や個体を提供された皆様へ心から感謝申し上げます!
We are very grateful to be able to use your valuable photos. thanks!
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追跡遭遇
RECORD Pagurixus brachydactylus Komai & Osawa, 2006
和名未定
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Komai, T.; Osawa, M. (2006). A review of the Pagurixus boninensis species group, with descriptions of six new species (Crustacea: Decapoda: Anomura: Paguridae). Zootaxa. 1214: 1-107.
WoRMS : Pagurixus brachydactylus Komai & Osawa, 2006
CRUSTA : Pagurixus brachydactylus Komai & Osawa, 2006 (数枚の画像あり)
CRUSTA : Pagurixus carinimanus Komai & Osawa, 2006 (数枚の画像あり)
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