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Reef工房室 - マリンアクアリウムを自作しよう!

UV計(紫外線測定キット)

  1. 気になるメタハラのUV
  2. 秋月電子のUV測定キット
  3. 結果報告

気になるメタハラのUV

主にナチュラルシステムと呼ばれる水槽を手掛けるマリンアクアリストの多くは、 照明ランプにメタルハライドランプを使用している事も多いと思います。 その場合、生体に悪いとされる紫外線についても、やはり何らかのUVカット処理により、 これらの害から生体を保護しておられるのでは無いでしょうか。

では実際にどのランプがどの程度の紫外線を出しているのか?

またはランプの使用期間、時間経過によってどう変化していくのか?

となると意外と把握出来ないのが現状です。 実際、アクアリウム関連のアイテムで、こうしたモノを測定し把握する器具はあまり見かけません。 勿論、手元に市販の高価な紫外線測定器があれば別ですが、 一般庶民がこのようなモノを手にする機会は、そう無いでしょうし(^^; だったら、何か手軽に入手できる安価な測定器は無いだろうか・・・。 実はあるのです! ・・・但し、ある程度の工作技術が必要ですが( ̄ー ̄)

秋月電子のUV測定キット

UV測定キット完成品

これが今回制作した、秋月電子通商の紫外線測定キットの完成品です。 UVセンサーには浜松ホトニクス製の「G5842」を使用しています。 組立は比較的簡単で、電気工作の心得のある方でしたら問題なく仕上がると思います。 ただ、調整用にデジタルテスターが必要ですが・・・。

構成は、フルスケール200.0mVの電圧計部分にUVセンサーを取り付けただけの至ってシンプルなものです。 但し、設計図通りに組み立てると電源スイッチや感度切り替えスイッチなどが 別途必要になりますので用意してください。 もしくは私のように、「感度固定」「電気入れっぱなし」仕様にしちゃえば問題なし(^^;

結果報告

平成11年3月末の測定結果 UV[mW/cm²]

光源 ランプ下20cm 水面0cm 水面ランプ間 備考
ab:aqualine10000 6.7mW/cm² 4.1mW/cm² 30cm 150Wメタハラ 3ヶ月使用
岡村電産:スーパークール 3.8mW/cm² 2.0mW/cm² 25cm 150Wメタハラ 4ヶ月使用
興和システム:BB450 0.0mW/cm² 0.0mW/cm² 4cm 20Wx2蛍光灯 2ヶ月使用
太陽光 3.0mW/cm²
晴天の金沢 PM1:00頃

この結果からすると、アーベーの球が如何に紫外線を出しているか解ります。 確かにランプの下でちょっと水槽をいじっていると、 いかにも紫外線がチクチク差すように感じましたし、あとから腕がヒリヒリしてきたりもします。 これはいかんっ!・・・珊瑚が日焼けしちゃいます!(^^; ・・・なるほど、UVカットガラスの必要性が理解できました。

しかし、スーパークールの方はほぼ、太陽光と同じレベルでした。 それに水面ギリギリではかなり値が低下していましたし、 水中ともなればさほど気にならない程度と思われます。

念のため興和システムのBB450も測ってみましたが、 さすがに蛍光灯と言うこともあってゼロ(5cmでやっと0.02mW/cm²)でした。 いや待てよ・・・確かBB450は有効紫外線を含むんじゃなかったっけ? うーん・・・。単に強さの問題か?

あと、紫外線の中には「UV-A」、「UV-B」、「UV-C」がありますが、 この測定器だとセンサーの特性上260~400nm(Peak370nm)の範囲に感度を持っているため A ,B ,C の全てを含めた検出しか出来ません。しかし、センサー部「G5842」を 別売の「G5842-01」260~310(Peak290nm)に取り替えれば「UV-B」の検出が可能になるそうです。