最新の中華製爬虫類用UVB LEDランプ ND-26 を測定しました
- 2022.05.23
- LED
前回の記事で予告していた最新の中華製爬虫類用UVB LEDランプが届きました。
前回の記事:最近の爬虫類用UVB LEDランプの測定結果
最新中華UVB LEDランプ:Aliexpress – UVB 5.0/10.0 Reptile LED Bulb
箱にはND-26と言う型番とNOMOY PETと言うメーカー名?が記されてますが、よく分からないので以降ND-26と呼びます。但し、このND-26にもUVB量の違いで5.0と10.0の2タイプがあり、今回は10.0を取り寄せました。
この記事では、類似筐体のゼンスイのUVBランプを用いて、外観や測定値の比較を行いたいと思います
注意事項:電気用品安全法 PSE について
まず、今回入手した中華製UVB LEDランプは、私が性能を検証するために海外通販で個人輸入した海外製品であり、日本の国内企業が製造時または輸入時に電気用品安全法PSEや電波法等の認証を受けてから販売している適法商品とは異なり、安全性や違法性に関して何ら担保がありません。従って、不安な方は勿論そうでない方も国内メーカーの合法品をご購入されることをお勧めします。多少高くても、法律への準拠には多大な労力とコストが掛かる訳で、それが安全性にも繋がるわけですから、やるべきことをちゃんとやってる国内企業を応援する意味でも、国内製品を選んであげてください。正直者が馬鹿を見る状況を放置するのは、爬虫類業界にしてもアクア業界にしても今後の業界発展のためにはよろしくありませんし、この趣味を心から愛していて今後も長く続けていきたいなら、我々で国内企業を支えていきましょう!
その上で海外製品を使う場合は勿論すべて自己責任で覚悟して使いましょう。※但し、電波法が絡む商品の場合は非合法品を使用した個人が罰せられるので要注意です
外観
それではまず、ゼンスイとND-26の外観の比較です。
ゼンスイはGU10と言う規格の口金ですが、ND-26はよくあるE26口金なので、まず灯具で困ることはないですね。また、写真では分かりませんが、ゼンスイには前面に薄い石英ガラスの板が貼ってあるため直接LED素子に触れることはできませんが、ND-26はガラス板がないため生体が誤ってLED素子に接近または接触して想定外のUVB強度に暴露される危険性があります。かと言って通常のガラスを調達して貼り付けても一般のガラスはUVBを通しませんから本末転倒です。貼るなら石英ガラスかパラグラスのようなUVB透過アクリル板が必要になります。
と、ここで重大なミスに気付きました💦
ND-26のソケットに220Vって印刷されてる!💦
しまった💦 110Vを確認しないで注文しちゃった💦
ところがですね、通販ページを探しても110V仕様が販売されてないのです😳
その代わり「10台以上買えば110Vにカスタマイズ可能」と記載されてます💦笑
しかたない、、、中の電源基板いじって110V仕様に落とすか🥺
うーん、、、
色々測ってみたけど、どうやらこれで定格ドライブされてるっぽいなぁ🤔
LED素子は5素子直列で両端電圧は約19V、電流は約190mA流れてました。それだと消費電力は約3.6Wになるし、0.5W素子ならまー普通に定格か、むしろオーバードライブですよね✨笑
そうか、この電源はよくあるAC85-220V仕様ってところか🤔
なんだよ「カスタマイズ可能」って💦
但し、必ず僕と同じ仕様品が届くとは限らないので、厳密な仕様は届いた現物を確認するしかありません。これはたまたまかも知れないし💦
ちなみに、このND-26の公称消費電力は5Wになってますけど、筐体自体が3W用のヒートシンクなので、5Wってことは無いと思いますね🥺
そーゆーとこだぞ中国さん!😠
とりあえず重大なミス疑惑はこれで解決したので、引き続き測定検証に移ります。
LED素子
ND-26のLED素子構成は、ゼンスイとほぼ同じでした。
ただ、395nmのLED素子にそこそこ小さいチップを使ってるので、ゼンスイほどの強度は出てないかも知れないなぁ🤔
あと、白LEDは蛍光体の色からして高ケルビンのタイプかな。演色性は悪そうに見えます🥺
UVB強度
前回と同様に、爬虫類界隈でお馴染みのUVBチェッカーと、高精度UVB測定器を使って、ゼンスイと比較しました。
UVBチェッカーとUVB測定器のセンサー感度が異なるため、それぞれの勝敗が逆転してますけど、まー似たり寄ったりのUVB強度ってことです💦
それにしても、前回測定した2年前の中華UVBランプと比べると10倍に迫る向上が見られますね✨ しかも価格が半分以下になって嬉しいし、やはりUVB LEDは今が過渡期なんだなぁ✨
スペクトル測定比較
次はスペクトルの比較です。黒線がゼンスイ、赤線がND-26です。
ゼンスイもND-26も基本的にはUVB+400nm+白LEDなんですが、よく見てください、UVBが310nmじゃなくて、なんと300nmなんです✨ これはそそられますね🤤
また、チップが小さくて強度を危惧していた400nmは、ゼンスイ並みに強かったです。てことは、ゼンスイの400nmチップの方が見かけ倒しだったのかな🤔💦
ただ、やはり白LEDはごく普通の青チップ+黄色蛍光体による低演色性タイプで、多分Ra75程度かな。まーそこは別に求めてないと思うけど、ゼンスイが高演色白色LEDだったので一応🥺
とにかく、UVB強度は大差ないけど、波長がUVBストライクの300nmというのが興味深いし、試してみたくなりますよね✨
UVB強度分布比較
前回同様、ランプ中心から左右20cmのUVB強度の分布特性を調べました。こちらもゼンスイとの比較です。
どちらもLED素子のビーム角が同等なので、当然分布特性も同じになりますね。
総評
ゼンスイもND-26もUVB強度と分布特性は互角なので、あとは波長が300nmと言う点がそそられる製品ですね。価格も約$20.0程度なので、安全性や法律さえ目をつぶれば、飛びつきたい衝動を抑えられない方も多そうだなぁ💦💦
なので、ゼンスイさんには今後益々頑張って頂いて、300nmを採用するとか、340nmや370nmも追加してUVAをよりフラットに強化するとか、それでいて価格を見直すとか、他の製品との差別化を進めて中華の安価な製品に負けないで頂きたいです😠
必要なら明林永二も設計に協力するのでお気軽にどうぞ✨
オマケ:間違ってもUVBハロゲン球は買うな!
2017年にもfacebookに書きましたが、基本的にハロゲン球はUVBを全く出してません🥺💦
UVBチェッカーをかざすと、一見微かなUVBの値が表示されはしますが、、、
スペクトルを測定すると判りますが、そもそもハロゲン球はUVBを含んでいないんです💦
と言うわけで、UVBチェッカーで示された値はただの誤差でした😠
くれぐれも騙されないようにご注意ください🥺
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