最近の爬虫類用UVB LEDランプの測定結果
- 2022.05.11
- LED
かれこれ最近はTwitterしか書かなくなってましたが、今回のネタは情報量が多いので、久しぶりにブログで書くことにしました。まともなブログ記事書くのは5年以上ぶりかも🤔💦
しばらくリハビリにお付き合いください🙇
ようやく出回り始めたLED製UVBランプを測定してみました!
今回用意したのは以下の3種類
- ZOOMED ReptiSun UVB/LED (9W) ¥23000円 (2022/4発売)
- ゼンスイ Mycro/マイクロ UV LED (3W) ¥8700円 (2020/11発売)
- 中華 M6208 (3W) ※当時$60 (2020/7購入) ※今もっと安いの増えたけど💦
その他、比較用として以前測定したUVB蛍光管の中から EXO-TERRA ReptiGlo 10.0 (26W) を用いました。本来なら総UVB量の多いビバリアを使いたかったのですが、ヴォルテスみたいな反射灯具が手元になかったので、裸ランプでの測定でより有利になるように、ビバリアより蛍光管が長いEXO-TERRAにしました。(実際、ビバリアよりEXO-TERRAの方が1.3倍程強く出ました)
各社UVB LED素子の外観とビーム角の確認
まずはLED素子の確認から。
ZOOMED ReptiSun UVB/LED (9W)
ZOOMEDは、UVB 310nm×4ヶと、UVA 370nm×1ヶと、高演色白色LED×8ヶで構成されてました。これで合計9Wです。恐らくUVBと白LEDが各0.5Wドライブで、370nmが1Wドライブの計7Wくらい、電源部で2W消費として計9Wと言う計算かな🤔
尚、 400nmは不採用でした。
ゼンスイ Mycro/マイクロ UV LED (3W)
ゼンスイは、 UVB 310nm×2ヶと、400nm×2ヶと、白色LED×1ヶで構成されてました。これで合計3Wです。恐らくすべて各0.5Wドライブで計2.5Wくらいでしょうか🤔
尚、 UVA 370nmは不採用でした。
中華 M6208 (3W)
中華製は、 UVB 310nm×1ヶと、UVA 370nm×1ヶと、UVA 400nm×1ヶと、温白色LED×2ヶで構成されてました。これで合計3Wです。恐らく全て0.5Wドライブで計2.5Wくらいでしょうか🤔
波長設計としては、310nm/370nm/400nmの三つ巴でUV域を構成してる点は素晴らしいですね✨
尚、各LED素子のビーム角は、公称の半値角ではなく、目視によるザックリ角度です。特にUVB LED素子の出力はまだまだ弱いので、ドーム型の集光レンズを採用してUV照度を高めた製品が多いです。中でもZOOMEDは「1mでも届く」が売り文句なので、採用したUVB素子はかなりの狭角ビームでした。
まずは爬虫類界隈で御用達のUVBチェッカーで測定
実際に爬虫類のケージに設置して爬虫類が光線を浴びる距離として20cm位が妥当かな?と判断して、離隔20cmを標準的な測定距離として測定しました。
結果は、さすが狭角ビームのUVBを4素子も採用してるZOOMEDの圧勝でしたが、ゼンスイもなかなか頑張ってました。中華も弱いながらもちゃんとUVBが出てました💦笑
続いて、高精度のUVB測定器による測定結果
まずは離隔20cmでの測定結果です。
UVBチェッカーと比べてZOOMEDとゼンスイがやや強めに出てますが、恐らくセンサーのレンジが微妙に異なるからでしょう。まーでもおよそ似たような値の範疇かな🤔
次に離隔50cmでの測定結果です。
仮に設置場所の条件が悪くUVBランプが遠くなっても、50cmでもこの程度のUVBを浴びることができるということになります。
ちなみに、照射距離1mが売り文句のZOOMEDの実際の離隔1mの測定結果は、約5μW/cm²出てました! すごい‼
スペクトル測定による波長強度比較
EXO-TERRAの蛍光管(黒線)と各社UVBランプのスペクトルの特徴を見比べてください。ZOOMEDもゼンスイも、このUVB強度は嬉しいですね。ひとまずLEDによるUVB照射の時代が到来した感があります✨
中華製は弱いけど、かれこれ2年前の製品だし、今は安価なE26スポットタイプもたくさん出てるので、それを調達でき次第また比較してみたいと思います。
あとは、 いずれヴォルテスみたいな反射灯具が用意できたら、今度は蛍光管の汚名返上編をやってみたいと思います✨笑
各製品のUVB強度分布を比較(ビーム角による影響)
最後に、離隔20cm設置で照射した場合、前後それぞれ20cmまでUVB強度がどのように分布するか、センサーを5cmずつズラして簡易測定を行いました。
※片側のみ測ってデータをミラー複製しました
EXO-TERRAは裸の蛍光管なので非常にフラットにUVB強度が分布しています。
ZOOMEDのUVB素子はビームが鋭く、どうしても光が中央に集中するため、中心から左右10cmまでが蛍光管並みの有効強度範囲という感じになりました。その点ゼンスイはZOOMEDよりややワイドなので、周囲12cmでもZOOMEDと同じUVB強度が出てました。
中華は、まー今後に乞うご期待です♪笑
ちなみに、ZOOMEDは光源が横長なので、不公平がないように左右データも測定して前後データと比較しておきました。
左右データ(Horizontal)の左右5cmの値が凹んでいるのは、UVB素子のビーム角が狭角なため、素子と素子の中間位置で各ビームの交差が弱いためかも知れません。何度測ってもこんな特性でした。
総評
確かにZOOMEDのUVB強度は十分に強いことが分かりましたが、価格がまだまだ高いので、ゼンスイなら2ヶ買えるし、最近の中華製なら$20程なので10ヶは買えます笑。そうなると、それで多灯した時にZOOMEDは負けてしまいますので、どっちが良いかよく検討された上で導入するといいでしょう✨
オマケ:UVBランプ設置時の注意点
紫外線UVBは280-320nmの範囲の波長を指しますが、この範囲の波長はガラスでも通過できないので、間違ってもガラス蓋越しに当てたり、ガラス蓋に載せて設置したりしないように注意してください💦
一般的な素材毎の波長透過率のグラフを貼っておきます。どうしても透明板のフタが必要な場合は、UVBが3-4割は減衰する覚悟でパラグラスが使えると思います。本当は石英ガラスが理想なのですが、フタサイズを作るとビックリ価格になるので現実的ではありません💦笑
以上、簡単ではありますが5年以上ぶりのブログ記事でした。
爬虫類の皆様のお役に立てば幸いです。
不明な点はお尋ねください。
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