電気用品安全法違反 & ヤフオク!ガイドライン違反について (2018/03/14)
本記事と同型のLEDライトは、本体内部に電流制限器(安定器)が組み込まれているため、日本の電気用品安全法が定める特定電気用品(116品目)に該当し、菱形のPSEマークの表示が義務づけられていますが、ヤフオクに出品されている同様の商品は日本向けに製造されていないため日本の電気用品安全法に準拠しておらず、PSEマークも表示されておりません。従って、これらの出品は完全に違法行為となりますのでご注意ください。
また、ヤフオク!ガイドライン細則 > C.出品ルール → 4.製品安全4法が指定する商品 にも指示があるように、「出品にはPSEマークが確認できる画像を明示すること」とあるにも関わらず、これらの出品にはPSEマークが確認できる画像が明示されていません。従って、ヤフオクのガイドライン違反でもありますのでご注意ください。
※タイトルの意味は後半で判ります(汗)
先日、照明について3のスレッドでも名前が挙がったReefBreedersと言うLEDライトですが、その後、これを修理して欲しい&スペクトルを知りたい&悪ければスペクトルを改善したい、と言うご依頼が偶然ありまして、先ほど入手に成功しました♪
ReefBreeders LEDとは?
そもそも僕はこのReefBreedersと言うLEDライトを知らなかったのですが、どうやら海外の製品のようです。公式サイトの製品画像はこちら↓
公式スペクトルがこちら↓
Radion、AI、Razorなど、最近よく見るパターンのスペクトルですが、一応420nmの存在感もあるし、400nmこそ入ってないけど「フルスペクトル風」ではありますよね(笑)
しかもコレ、本家でもメッチャ安価で買えるんです!
なんと!? $200ポッキリですぜ???
国内ではヤフオクで買える???
更にコレ、日本ではヤフオクでも買えるんですが、19,800円ポッキリですぜ???
凄いよね!
本家でさえ売価が2万なのに、それを日本に輸入しても2万のまま販売できるなんて!
タダでさえ安価なのに、どうやって利益を出してるの???笑
しかも今の為替レートだと完全に赤字じゃない???汗
ただ、まあ、お約束ですが、依頼品を見ると価格なりのクオリティではありました(汗)
- 案の定PSEが取得されてない
この製品は本体に電源が内蔵されてるので本体に菱形のPSEマークが必須
ケーブルは「PSE付きで安心」(苦笑)と謳ってるけど、この現物にはそれも無い - UV 400nm×2採用!と言う表記も嘘
UV系はすべて420nmでした。ま、後から変更になったのかも? - 本体が薄い鉄板で出来てる
依頼品は使用1年でしたが、ややサビが出始めてる。。。汗
ま、でも価格的には仕方のないレベルでしょう。
これが10万ならクレームの嵐でしょうが、2万なら自作キットと思えば気にならない(笑)
むしろ、よく2万で利益が出るな!? と♪
ヤフオクReefBreedersをフルスペ化♪
はい。そして、生まれ変わりました♪
コスト的には本体価格を上回る改造費が掛かりましたが(曝)
まず、修理自体は素子切れが1ヶあっただけで、それは素子交換にて完了。
そして問題の改造ですが、当初は製品価格が製品価格なだけに、あまりコストを掛けても仕方がないので、せいぜい素子を10ヶ程度変えて少しスペクトルが改善されれば良いかな?と言うスタンスで望みましたが、やってくうちに段々と夢中になり、、、気がついたら本気出してました(汗)
そうして仕上がったのがコレです!
LED素子×30ヶ換装&プリズムレンズ化♪笑
新LEDデザインはこんな感じで。
スペース(限られた素子数)の関係で、やや強引に400+420nmデュアルチップ素子も4ヶほど使ってみたり♪
CH1(白ch)は8/27ヶ、CH2(青ch)は22/28ヶ、計30素子の換装になりました。
ちなみに、赤の630nmと660nmは敢えて残してみました(笑)
また、元々依頼者からは「蛍光グリーンばかりがガンガン揚がる!どうして?」と伺ってたので、それはよほど青LEDばかり多いか、加えてレンズのビーム角が鋭くて光強度が強すぎるか、どちらかあるいは両方だろうと予想を立てていましたが、やはりビンゴでした。
まず、ビーム角は公称の90°レンズではなく、LED製品の初期によく見られた45-50°レンズでした。これだと確かに光強度も極端に強くなり、その分照射範囲も狭くなり、またクリアレンズだったので色ムラも生じやすくなります。また、CH1(白ch)はいろいろブレンドされてましたが、CH2(青ch)は28素子すべてが青LED!。ヤフオクページでは「450nmロイヤルブルー×22、460nmディープブルー×6」と記載されてますが、ほとんど波長が近接してるので450nm×28と大差ありませんでした (実測も445nm前後と455nm前後でしたし)。これでは確かに蛍光グリーン天国かもね(汗)
そこで、まずレンズはプリズム60°に変更しました。改善結果はご覧の通り♪
ビーム角のビフォー・アフター比較。
色ムラのビフォー・アフター比較。
ま、プリズム60°レンズもそこそこの集光レンズなので、あまり違いは出て見えませんが、プリズムによる光の拡散効果は大きく得られたことが判ると思います。特に白色LEDの蛍光体による黄色の分離現象は完璧に改善されました♪
そして、皆さんが最も興味を持たれるReefBreedersのスペクトルや如何に!?
さあ、スペクトルのビフォー・アフターです!
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
KR並のワイドバンドブルー・フルスペクトルを実現しました!!!
しかも、レンズがやや拡散になった分の光強度低下はありますが、それでも35cm距離 (依頼者さんの設置条件)でPPFDが800 umol/m2/sオーバーを確保してます♪
これだけの光強度があれば十分でしょう!
改造後の光量@30cm | |
---|---|
JIS照度 | 19,560 lx |
簡易照度 | 44,500 lx |
PPFD | 1,050 umol/m2/s |
そして、各チャンネル毎のビフォー・アフターです。
いや~、前回のmax-sに引き続き、こちらもオージー蛍光タンパク対応ですな~♪
これですべての蛍光タンパクに死角無し!
そして、驚愕のオチが。。。汗
あ、はい、そうです。。。お気づきになられましたか(汗)
この依頼品のノーマルスペクトルを見る限り、元は普通の青白スペクトルでした。。。
ただ、ほんの少しでも420nmの膨らみはあるので、効果はゼロでは無いでしょう。。。
あぁ、2万で買えるフルスペクトル。。。やっぱり上手い話はありませんよね(汗)
すると、一つ気になる事が。。。
あれれ?
本体のどこを見ても、本家のような「ReefBreeders」のラベルがありません!?
先ほど上に貼ったヤフオクの写真にも「ReefBreeders」のラベルがないし。。。
依頼者さんに確認しても、やはりこのヤフオクの同じ出品者から買われたそうですが。。。
さらに、取説も保証書も付属してなかったそうで、入ってたのはこの紙ペラ1枚のみ↓
え?
そんな可笑しな事ってあるの???汗
しかも文言のどこにも「ReefBreeders」は記載されてません。。。
本体にも、メモにも、ReefBreedersを示す証拠がない。。。
あ? 確信犯???笑
そこで、本家ReefBreedersにコンタクトフォームから連絡してみました♪
すぐにReefBreedersのLogan Vangheleと言う方から返信が来ました。
要約すると、
それは我々の製品ではありません。偽物です。
我々は日本にはまだ代理店を持っていません。
我々の製品にはReefBreedersのステッカーを貼っています。
あなたの写真のモノはEverGrowです。
え?
EverGrow???
調べてみたら、それは中国の深圳のメーカーでした(汗)
そして、依頼品と同じモノがeBayでも売られていました。それも半額の$100で(曝)
あ! 依頼品はまさにこれだ!汗
どうやら、EverGrowもReefBreedersと同じ筐体素材を使って製造してるようです。
ま、中国ではよくある話ですが。。。
ただ、本家で2万、ヤフオクでも2万、それで利益が出るカラクリは判明しました(曝)
これなら1万の利益を乗せられますから♪
皆さん、品質やスペクトルなど、上記の内容でも納得される方は、ヤフオクで買われれば良いと思います。簡単なミドリイシやソフトコーラルなど、普通のサンゴ飼育には十分でしょう。ただ、集光レンズのビーム角が鋭い分、かなり照度が高いので、本体のボリュームで調整を弱めるか、高所から当てると良いでしょう。
但し、ブランド詐欺&非フルスペクトルだと言う点は念を押しておきます。
また、既にお使いの方も、そのままお使いになるもよし、出品者に詰め寄って返金を要求するもよし、ヤフオクに通報するもよし、経産省にPSE被害を訴えるもよし、すべてはユーザーの皆さんのご判断にお任せします。
と言う訳で、今回検証したのはあくまでも深圳EverGrow LEDのスペックです。
いずれ機会があれば、本家ReefBreeders LEDも調べてみたいと思います。
以上、参考になれば。