年明けのKR93SPの追加ロットの入荷が、なんと昨日届いたそうです♪
と言う訳で、少数ではありますが、応援市場にも在庫を少し割り当てていただきました。
ま、今慌ててポチッても出荷は年明けと思われますが、、のんびりしてたらまたすぐに在庫切れになっちゃうので、これを絶対に逃したくない方は、なるべく早めにご注文ください!
応援市場 > ブルーハーバー > KR93SPフルスペクトルエディション
ちなみに、30インチは既に在庫切れです(ショップからの引き合いらしいです…)
今年もあっという間に終わりを迎えましたね。ホント、加速する年月。。。
でも、今年は例年になく凄い一年になりました。
アクア業界を震撼させた年と言っても過言ではありますん?笑
そう、我らが“フルスペ”です♪
もう完全に合言葉は“フルスペ”状態ですね。
KR93SPの愛称として、すっかり耳に浸透しちゃいました。てへ♪
また、KR特設サイトも公開され、KR93SPについても詳細に情報が載ってますので、お時間があれば是非KRシリーズの魅力をご堪能ください!
では本日は、特設サイトにはないフルスペのヒストリーを、簡単に振り返ってみましょう。
2011年8月、フルスペ初号機の試作開始!
2011年8月。ブルーハーバーの和田さんから依頼を受け、KR93をベースにフルスペクトルモデルを試作する。
この時の仕様は、白chと青chをフル点灯させればフルスペクトルが得られると言うものだったが、白chと青chの出力を可変すると、フルスペクトルの連続性が破綻してしまうのが欠点だった。(とは言え既製品は未だに全てこの方式だが)
また、素子コストをケチッて(汗)UVや420nmの明るさが十分に確保できなかったり、シアンも個人では満足のいく波長ランクを入手できず、ほとんど緑色に近いものだった(汗)
ちなみにこの時使用したUVと420nm素子は共に1W/90-100mW/TEKCOREチップ/$4/10ロットのものだったが、後日談として、1W/200-250mW/SemiLEDsチップ/$10/10ロットを見つけて買ってみたら、確かにかなり明るいものだった。LEDの明るさは決してブランドの違いだけではなく、チップサイズとランクがより重要であると、改めて実感した。
2011年9月、早速eco-lampsから試作機が到着!
KR93の生みの親eco-lamps社に、採用LED素子のスペックの選定も含めて、僕の試作機と同じ仕様で製作を依頼した。
しかし、この試作機はLEDチップのブランドや出力にはあまり固執せず、とりあえず波長優先で作ったため、やはりUVや420nmは僕の時と同様、やや弱いものとなった。ま、僕の試作機よりは確実に明るくはなったのだけど。。。
さて、どうするか。そもそも弱いことを見越してUV素子数を増やすか、はたまたコストアップを覚悟して高出力ランクの素子を調達させるか。。。
しかし、その問題解決も重要だが、更なるフルスペクトルのクオリティ向上と言う課題が、次の欲求として僕を駆り立てた。MACNAで“黄色い” “もっと青味を”とか言われちゃったのも悔しかったし(笑)
目指すは、白chと青chをどんな風に調光しても破綻しないスペクトル性と、リアルな水深スペクトルと日照変化の再現。それこそがメタハラや蛍光灯では不可能な、LEDならではのメリットですから。
そして、一切の妥協を排除して、究極のスペクトル設計バージョン3に行き着いた。
2011年12月、ついに最終設計モデルが初期ロットとして完成!
待ちに待った正規版KR93SPが完成した。試作から実に4ヶ月が経過していた。予定から1ヶ月遅れた原因は、製造途中でUVの仕様ミスが発覚し、急遽代替素子に切り替えたためだったが、そのことが結果的に仕上がりに大きな貢献を及ぼしたのだ。転んでもタダじゃ起きない!
当初予定していたUVの出力は1素子あたり250mWだったが、それをなんと代替素子で400mWを達成してしまった。おおお。。。普通なら暗く見えがちなUV素子が、目で見ても明るく見える♪
しかも、出来上がったスペクトルは、、、まさにスーパークール♪
今回の初期ロットで採用したLEDチップも簡単にご紹介しておきます。白系は省略。
当初の予定から変更になったのは、UV 400nm SemiLEDs→Epiledsと、Cyan 500nm SemiLEDs→TEKCOREです。その以外は予定通りですが、一部のチップは出力が変更になっています。
それにしても、まさか1Wで400mWも叩き出す明るいUVチップがあったことに驚きです。。。LEDの日々の進化に改めて感心させられますね。僕が最初に使った100mWは何だったんだ。。。ま、その分、高いだろうけど。。。汗
尚、シアンはチップの納期の問題でやむなく変更になりました。出力は同等です。
以上、KR93SPの裏事情を簡単にご紹介しました。
その他、詳しい仕様・性能については、KR特設サイトをご覧ください。
こうして、記念すべきKR93SPフルスペクトルエディションの初期ロットは、その製造期間・製造コストにも関わらず、応援市場だけで**台、ブルーハーバーでも同**台を売り上げ、当初余裕を持って発注した数量すべてが完売となり、あわてて増産した分が昨日やっと入荷したと言う状況です。
早い方では、設置後既に1ヶ月が経過しています。
気になる肝心のサンゴへの効果のほどは如何に!?
特設サイトの会員専用コンテンツKR-CLUBでも既にユーザーによるレビューが公開されていますが、もっと知りたい方はブログ記事も検索してみてください。敢えて大きな声では言いません。だって、一目瞭然なんだもの♪
目指して目指せたもの、そして次に目指すもの
最後に、ひとこと。
僕がKR93SPで目指したもの。
それは、“サンゴが飼えるLEDライト”ではなく、“太陽・メタハラと同じスペクトルのLEDライト”でした。
僕の考え方はかれこれ10年以上前から一貫して変わりませんが、僕が環境の構築に求める一番のこだわりは、生体を飼うための最低条件のクリアではなく、生体が当たり前に得てきた自然の恵みの完全なる再現です。「蛍光灯でも大丈夫」「10ppmでも大丈夫」と生体を選ぶのではなく、どの生体でも当たり前に育む“海”をそもそも再現しましょう、と言う考え方です。LEDライトについても、「暗くなるからUV省略で」「クロロフィルに合わせて青と赤にピーク」などと光合成種を限定するのではなく、全ての光合成種が当たり前に浴びてきた“太陽”を再現することにこだわりました。要するに太陽が持つ旨味も苦味も全て再現する訳です。そうしないと、紫外線からの防御色としての本来の蛍光色も発現できないからです。ですから、UVが欠落したり赤が突出したり、そんな歪なスペクトルは避けなければなりません。そうして、全ての光合成種が“日向ぼっこ”を楽しむような、そんな至高の光を目指しました。
近年、メタハラからLEDに移行したアクアリストの多くは、言い知れぬ挫折感を味わってきたことでしょう。その主な原因は、光量不足の他に、メタハラの球ならどの色温度であっても関係なくたっぷり含まれていたフルスペクトルが、LEDには大きく欠落していたことです。これにより、飼えるサンゴと飼えないサンゴが顕著化しました。
また、UVや赤など、一部の波長は補助ランプで補えたものの、420nmやシアンは補助ランプすら存在しませんでした。
メタハラの時は水質だけ考えれば良かったのに、
LEDにしたら波長も考える必要が出てきちゃった。。。
普段から慣れない悩みが増えたことで、これをクリアする術を持たない・知らない・判らないアクアリストは、さぞ迷走したことでしょう。。。結果、メタハラや蛍光灯に回帰した方も。。。
僕は、それをどうにか解消したかったのです。
そして、ようやくそれが形になりました。
年明けには、もっと多くの評価を目にすることになるでしょう。。。
しかし、のんきに構えている暇はありません。
せっかく実現できたこの究極のスペックを、より安定して固めるべく、品質の向上と更なる進化を夢見て、遂に僕は40年の人生で初めてパスポートを作りました(笑)
これがあれば、eco-lamps本社も工場も射程距離だそうです(曝)
イヒ?
では、良いお年を♪