前回の海外通販で買ったノーブランドLED素子の続きです。
今回は手持ちのLEDも含め、光量の違いを比較すべく、照度を測定したいと思います。本当なら光束の比較が出来れば一番良いのですが、家中どこを探しても積分球が見つからない(曝)ので、やむを得ず照度計で我慢します(笑)
しかし、そこで大きな問題が生じます。と言うのも、照度と言うのはビーム角によって値が大きく左右される単位なので、光束が小さくてもビーム角が鋭ければ大きな値になり、光束が大きくても広い面積を照らすと照度は極端に低下します。また、目視による比較では、人間の目はハイパワーLEDの光量の違いを見分けられるほどのレンジはありませんので、どのLEDを見ても眩しいとしか判断が出来ないはずです。しかも、ビーム角がネックとなり、ビーム角が大きければ横から見ても眩しく見えるため大光量に見えたり(一般的なノーブランドLED 120~140°)、ビーム角が小さければ横から見ても眩しくないため暗く感じます(Cree XR-E 90°)。そう、仮にいくら比較対象を同時に点灯して目視で比較したとしても、ビーム角が違えばその印象を光量差と決め付けることは出来ないのです。よって、それらの光量を比較するためには、それなりの工夫や条件が必要となります。
* 図の光束は光源の光束とビーム角から算定した理論値
光束の計算方法は過去に何度か書いてますが、こことかここを参考に。
前置きが長くなりましたが、今回は大型のリフレクターを用いて、さまざまなビーム角のLED光をほぼ同程度のビーム角に揃えることで、およその光量比較が適うことに期待しました。まあ、考え方としては半積分球ってとこかな。これなら素子が発する光を漏れなく前方へ集められるので、同じビーム角のLED同士の比較であると見立てることができそうです。
検証環境は以下の通りです。
スクリーンはビーム角を確認するために設置していますが、照度測定時には外します。
測定距離は、リフレクター含む素子・受光部間を30cmとしておこないました。
尚、駆動電流は1Wの350mA固定(厳密には調整の都合で352mA)とし、測定時間は放熱の関係で電流投入後数秒以内で読み取りました。
以下、測定結果です。
まずはブランド素子から。
Luxeon K2とEdisonは結構の前の中古なので、新品ならもう少し明るいと思います。また、Cree XR-EがXP-Gよりも大きな値を示していることからも、この測定方法の精度が知れますね(本来、XR-Eの最高ランク<XP-Gの最低ランクなので)。これは、リフレクター方式と言えども、どうしても中心ばかりが明るくなるためでしょう(照射面積に対して照度を均一に分布させることは現実的には困難なため)。
ま、所詮ホビーレベルだと言うことをご了承ください。
ただ、およその力関係を把握するには十分でしょう。上の結果をご覧の通り、ノーマルのビーム角が映す幻影は、リフレクターの凍てつく波動により全てかき消されています(笑)。その意味では、このリフレクター手法は手軽な割に良い結果を出してくれたと思います。
次に、ノーブランド素子の比較結果。下3つが今回購入したもの。
なんと、今回購入したものは、手持ちのどれよりも暗い。。。なんと言う中華クオリティ♪
しかも相変わらず変なチップだし。。。ホントなんだよこれ?(笑)
で、ロシアのサイトでたまたま同じチップを見つけました。でも言語が・・・(汗)
あと、ノーブランド5が暗すぎるけど、これは色味を見る限りニュートラルホワイトのようです。その点は感心感心♪ ノーブランドもCRI(演色性)に興味あったのか?(汗)。と言う訳で、これは決してEpiledsチップが悪い訳ではなさそうです。
で、勝敗結果がこちら。
まずはノーマル比較。ビーム角が不揃いなので明るさの比較にはなりませんけどね。
ノーマル 30cm照度測定結果 | |||
---|---|---|---|
順位 | 照度 | LED | ビーム角 |
1 | 632.0 lx | Cree XR-E CoolWhite | 90° |
2 | 441.0 lx | ノーブランド 4 (ヤフオク) | 120°? |
3 | 416.0 lx | ノーブランド 2 | 120°? |
4 | 395.5 lx | ノーブランド 1 | 90-100°? |
5 | 392.5 lx | ノーブランド 3 | 110-120°? |
6 | 390.5 lx | Cree XP-G CoolWhite | 125° |
7 | 364.8lx | LEYOND CoolWhite | 140° |
8 | 364.7 lx | OptoSupply CoolWhite | 140° |
9 | 300.9 lx | SeoulSemiconductor P4 PureWhite | 127° |
10 | 240.5 lx | Edison S CoolWhite | 120° |
11 | 239.0 lx | Philips Lumileds Luxeon K2 CoolWhite | 140° |
12 | 213.5 lx | ノーブランド 6 | 140° |
13 | 200.7 lx | ノーブランド 7 | 140° |
14 | 150.7 lx | ノーブランド 5 | 140° |
続いてリフレクターによるおよその光量比較結果。
リフレクター集光 30cm照度測定結果 | ||
---|---|---|
順位 | 照度 | LED |
1 | 6,750 lx | Cree XR-E CoolWhite |
2 | 6,670 lx | Cree XP-G CoolWhite |
3 | 5,220 lx | ノーブランド 4 (ヤフオク) |
4 | 5,130 lx | ノーブランド 2 |
5 | 4,980 lx | OptoSupply CoolWhite |
6 | 4,800 lx | SeoulSemiconductor P4 PureWhite |
7 | 4,370 lx | LEYOND CoolWhite |
8 | 4,240 lx | ノーブランド 3 |
9 | 4,050 lx | Philips Lumileds Luxeon K2 CoolWhite |
10 | 3,657 lx | ノーブランド 6 |
11 | 3,644 lx | Edison S CoolWhite |
12 | 3,161 lx | ノーブランド 7 |
13 | 3,112 lx | ノーブランド 1 |
14 | 1,878 lx | ノーブランド 5 |
ここで、ヤフオクLEDユーザーにとっての朗報です!
これはあくまでも僕の遭遇したロットでの話ですが、このロット(2010秋のグランクリエイト、クリスタルエリート)で使用されていたノーブランド素子が、なんと!?他の手持ちのノーブランド素子の中では一番明るい結果となったのです♪
さすがにCreeには及びませんが、少なくとも既存のノーブランドの中ではかなり明るい方だと言えるので、これはメンタル的にも非常に救われる結果が得られたと思います!
いやぁ、良かった。初めて褒めるとこ見つけた(汗)。少し肩の荷が下りたかも♪
ま、種を明かせば、光色が緑っぽいのがヒントだけど、この際それは大目にみます(笑)
ただ、上の写真のノーブランド4ようなチップ(神殿の扉みたいなデザイン)なら該当すると思いますが、それ以外のチップを使った素子の場合は判りません。ま、素子潰してチップを確認する訳にはいきませんがね(苦笑)
ところで、素子一発で6,000lxオーバーって、やっぱりCreeって凄いですねぇ!
やはりノーブランドがおいそれと破れるスペックではありません。
どんなに明るいとは言っても、計算上、やはり100lmすら達してなさそうですから。
リフレクター結果から逆算した光束 | |||
---|---|---|---|
順位 | XR-E基準 | XP-G基準 | LED |
1 | 114.0 lm | 123.5 lm | Cree XR-E CoolWhite |
2 | 112.6 lm | 122.0 lm | Cree XP-G CoolWhite |
3 | 88.2 lm | 95.5 lm | ノーブランド 4 (ヤフオク) |
4 | 86.6 lm | 93.8 lm | ノーブランド 2 |
5 | 84.1 lm | 91.1 lm | OptoSupply CoolWhite |
6 | 81.1 lm | 87.8 lm | SeoulSemiconductor P4 PureWhite |
7 | 73.8 lm | 79.9 lm | LEYOND CoolWhite |
8 | 71.6 lm | 77.6 lm | ノーブランド 3 |
9 | 68.4 lm | 74.1 lm | Philips Lumileds Luxeon K2 CoolWhite |
10 | 61.8 lm | 66.9 lm | ノーブランド 6 |
11 | 61.5 lm | 66.7 lm | Edison S CoolWhite |
12 | 53.4 lm | 57.8 lm | ノーブランド 7 |
13 | 52.6 lm | 56.9 lm | ノーブランド 1 |
14 | 31.7 lm | 34.4 lm | ノーブランド 5 |
* Cree XR-E Q5ランク(max 114lm)またはXP-G R2ランク(max 122lm)を基準値として算定される照射面積を係数として、各素子の光束値算定に利用
(XR-E係数:0.01689/XP-G係数:0.01829/光束=照度×係数)
て言うか、先日買ったLED素子・・・50lmとか。。。30lmとか。。。
4年前のスペックやんかっ!?
GoodLuckBuyのバカぁぁぁっ!!!
・・・て言うか、クレームの返事まだですか?(汗)
1. しもえる 2011/06/02 20:19
今でもノーブランド5みたいな70-80lm程度のものが普通に買えるみたいです。今となっては古い設計と言えるものですね。
札幌貿易でも大電流LED(例によってノーブランドの奴)が売られていたので、10個買ってStar基盤に取り付けてみました。光り方としてはノーブランド5に近かったです。他の1Wクラスのもので比較してみましたが、少し暗めだったと言う印象でした。
もっと酷いのはトランジスターで使われるTO-220のLEDなんてものがあります。
http://www.temkon.com/led/led-3/led-3.htm
上記URLに行き、ページ中間を過ぎた所にあります。
こいつはもっと古い設計なのか、350mAで51.7~67.2lmだとか。初期のLuxeon Iに毛の生えた程度の性能です。
私もそれを5個買った時がありましたが、100lmが当たり前のLEDに慣れた事もあってあまり明るくないみたいです。
これは後日BLOGで比較結果を発表する予定です。「1WクラスLED王座決定戦」と銘打って…。(やはり比較には照度計が無いと話になりませんね。早い事秋月電子で何とかしなければ…。)
——————–
記事中にOptosupplyのLEDが出ているのを見て思い出しました。
それを扱う秋月電子で1WクラスのXeon1 Powerが250円→150円に、3WクラスのXeon3 Powerが500円→200円になってしまいました。秋月で何があったか分かりませんが、この価格変更は驚異的です。(ソウル半導体のP4は価格据え置き。)もしかしたら300Wクラス等の過激なLEDが絡んでいそうです。(私も10W、20Wの過激なLEDを持っています。)
他にも以前からはStar基盤もあるし、放熱用シリコーンもある上に定電流ドライバーも登場しています。ドライバーは350mAのLEDを3個直列にするものと700mAのものを単独で使うものが用意されているとか。しかも恐ろしく安価。何と、このドライバーもOptosupplyの製品だそうです。Optosupplyもどこまでやるの?と思えてきます。
ここまでいくと秋月だけで大電流LEDと電源周りの部材が全部揃ってしまいますので、秋月の対応力には感心してしまいます。
私としても一度でもいいから一気に揃えてみたいものです。勿論、これもBLOGのネタに…。
2. しもえる 2011/06/02 23:03
[追記]
前回のコメント投稿後に気づいた所がありました。
秋月電子で扱っているソウル半導体のP4、こちらも値下げされたみたいですよ。
私が知らない内に450円になっていました。(前は700円だった)
これならP4も結構身近になりそうですね。
3. エイジ 2011/06/03 10:26
しもえるさん、おはようございます。
テクノミューコンのページを見ましたが、トランジスタで使われる? TO-220? が何のことは判りませんでした。
ちなみに照度計で比べる時は、この投稿のようにビーム角を考慮しないと意味が無いのでご注意ください。
秋月、随分値下げされたようですね。ありがたいです。
ブランド品(Cree、Lumileds…)なんかも扱ってくれたら最高なんですが(笑)
ドライバも、今はまだおもちゃみたいなのだけですが、もう少し本格的な容量のものも置いてくれると良いですね。出来ればAC/DCでもう少し大きなのが欲しいです。
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