先日、こばやし氏の自作T5ライトのスペクトルを測らせていただきました。
彼の探究心には本当にいつも頭が下がりますね!
その中で、とても興味深いスペクトルを持つT5管があったので、こばやし氏了承の元、軽くご紹介させていただきたいと思います。
その前に、話は少し以前に戻ります。。。
T5の蛍光管の中での僕の興味と言えば、やはりUV系バルブです。
例えば、各社ブラックライト360-370nmや、アクア各社Actinic系バルブ等です。
ブラックライトのスペクトルについては、以前、この記事でご紹介しました。
- T5にもUVを盛りたい♪ - 2013/01/17
また、アクア各社のActinic系バルブについても、過去に以下の記事でご紹介しました。
- T5レビュー:まとめ - 2013/03/29
- T5レビュー:UVLighting - 2013/03/27
- T5レビュー:SFILIGOI - 2013/01/24
- T5レビュー:WavePoint - 2013/01/18
- T5レビュー:ATI - 2013/01/12
- T5レビュー:GIESEMANN PowerChrome - 2013/01/11
グラフを見てお判りの通り、Actinic系に関しては各社完全に同じスペクトルです。
よって、○○社のActinicは良いけど△△社のはダメ、なんてことはありません(笑)
ま、出力の差は多少ありますが、波長効果は同一と見て問題ないでしょう。
では、話を戻します。
今回こばやし氏は、とても面白いスペクトルを持つUV系バルブを見つけられました。
それが、プリンス電機のカラーランプ・ブルーFL8Bです。
ほほお!
400-420nmにピークを持つ、とてもワイドバンドなUV系バルブですね♪
差し詰め、300-550nm広帯域420nmピークUV系バルブといったところです。
ん?
そう言えば、前にもどこかで見たようなスペクトルだな。。。
あ、これだ↓
これはドイツJBL社のSolar Marine Blue Ultraと言うバルブのスペクトルです。
アクア各社のActinic系ともBlue系とも異なる、広帯域のUV系バルブのようです。
ただ、国内では販売されていないようで、一度見てみたいと思ってたバルブでした。
え? 同じスペクトルに見えない?
よく見てください。
上のグラフは縦軸の相対値が30%でカットされています。
そう、400nmや420nmの突出を端折って、主要帯域のみクローズアップしてるのです。
なので、例えばプリンス電機のFL8Bも同様にグラフ化すると、、、
ほら、一致しました♪
逆に、JBLの方を100%でグラフ化すると、、、
ほら、やっぱり一致です♪
ちなみに、よくよく探してみたら、東芝や三菱も同型のバルブ出してました(曝)
三菱は廃盤のようですが。。。
そっか、、、 こんな有用なバルブが、実は身近にあったんですね。。。
こばやし氏のアンテナ、高感度ですなぁ~♪
ただ、残念な事に、このプリンス電機のT5バルブは、6Wと8Wしかないようです。
たまたまプリンス電機の担当者さんとも話しましたが、アクアに転用できそうなサイズのバルブは作ってないとのことでした。特注も可能だそうですが、様々な理由から、あまり気乗りしないそうです。照明業界全体の需要も今では多くがLEDに傾き、現在のバルブも、いずれ用途が無くなれば消えゆく運命のようです。。。ちなみにFL8Bはゲーム機用とのこと。
一方、東芝・三菱についてはT5管ですらなく、T8やT10しかないみたい(笑)
うーん。。。アクアT5で使えないとは、非常に残念ですね。。。
あ、そう言えば、、、思い出されましたか?
前に僕もT5のUV 400nmバルブを提案してましたよね♪
(実は当時、蛍光体で相談に乗ってもらったのが奇遇にもプリンス電機でした(笑)
改めて、当時僕が提案したUV 400nmバルブのスペクトルはこちらです↓
蛍光灯の波長を見慣れた方ならお気づきだと思いますが、先ほどからご紹介しているプリンス電機やJBL、東芝、三菱のものとは全く別物です。プリンス電機のものは多様な複合蛍光体によるワイドバンド、僕の提案したものは単一蛍光体を主とするナローバンドです。強いて言うと、僕のは各社Actinic系バルブのスペクトルを左に20nm程度シフトしたような特性ですね。
- プリンス電機 : 300-550nm広帯域 420nmピーク UV系バルブ
- 1.023world : 350-450nm狭帯域 400nmピーク UV系バルブ
こんな感じです。
これらに該当する既製品を分類すると、
帯域 | タイプ | メーカー・型番 |
---|---|---|
広帯域 | ワイドバンド420nm (ワイドバンドActinic) |
JBL SOLAR MARINE BLUE ULTRA プリンス電機 FL8B 東芝 FL20SB 三菱 FL20SB |
狭帯域 | ナローバンド420nm (Actinic) |
ATI Actinic PowerChrome PureActinic UVLighting Super Actinic WavePoint REEF WAVE SFILIGOI SUPER ACTINIC BLUE 03 |
ナローバンド400nm | 1.023worldオリジナル案(2013年1月発案) |
こんな感じでしょうか。
と言う訳で、ナローバンド400nmバルブ案は1.023worldのオリジナルですから、もしこれを製品化したり販売されたいと言う方は、事前にご連絡くださいね。
て言うか、今から作るならプリンス電機のFL8Bの蛍光体で作った方が、400-420nmが一度に確保できて一石二鳥ですね。400nmバルブとActinicで2本スペースを食っちゃうと、限られた本数のT5灯具では光量確保に不利ですもん。その辺も踏まえてしっかりとプランを立てて製品化していかないと、ユーザーが振り回されてしまいますからね。
ちなみに僕が当時、プリンス電機に問い合わせた時は、このFL8Bの蛍光体の存在には気付きませんでした。ま、担当者の方もサンゴに詳しい訳じゃないし、まさかゲーム機用のバルブがサンゴに役立つなんて微塵も思わず、蛍光体探しも僕が指定した400nmしか視野になかったみたいです(苦笑)。知ってたらこっちで計画したのに~汗
- 旧1.023world案 : 400nm + Actinic系 + ブルー系 + 白系 = 4種類
- 新こばやし案 : ワイドバンドActinic + ブルー系 + 白系 = 3種類
これは合理的ですね♪
400nmも420nmも、UV系はワイドバンドActinicとして1本にまとめると吉!
そうすれば、バルブ6本の灯具の方も、2本ずつ装着できて光量も確保できます。
旧案だと、400nmとActinicを1本ずつにせざるを得ないから、やはり光強度が不安。。。
それはスペクトル測定で波長強度を見れば一発で判りますからねぇ。。。
と言う訳で、あとはこばやし氏がJBLの日本総代理店になって、このUV系バルブを輸入して、新こばやし案を提供していくだけです。しばらくお待ちください♪嘘