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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

世界初シアン搭載LEDスポット零号機

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懐かしい繋がりで第二弾!

今度はこれを見つけるために、先日掃除した部屋をまた散らかしました(曝)

太陽光ブレンド

太陽光ブレンド! (但し零号機は消息不明・・・笑)

太陽光ブレンドとは、
白色LEDの歪なスペクトルを、太陽光のようなフラットなスペクトルに改善するために2010年に生まれた、シアン500nm搭載の高演色白色LEDスポットです♪

久しぶりにスペクトルを測定すると、、、

太陽光ブレンド 実測スペクトル

相変わらず、良い仕事してるわぁ~♪笑

あれから5年の月日が経ちましたが、先日、久しぶりに修理の依頼がありました。
嬉しいですね~5年もお使い頂けたなんて♪
早速調べてみると、LED素子がいくつか死んでました。。。
もちろん、同じ構成での修理も可能でしたが、この5年の間にLEDもすっかり進化したことですし、せっかくですからフルスペクトル化をご提案しました。
ハタゴイソギンチャクとクマノミがメインとのことで、超浅場の水深1-3M仕様に!

LeDio 21改 太陽光ブレンド
→ LeDio 21改 太陽光ブレンド2015

太陽光ブレンド2015

但し、この素子数では目的のスペクトルが構築出来ないので、UVのみ400+425nmデュアルチップを採用しました。

そして、実測スペクトル。

太陽光ブレンド2015 実測スペクトル

完璧です!
今日も手足の如く波長を自由自在に操るLEDスペクトルデザイナー平常運転です♪笑
いやぁ~、当時はこんな高精度なスペクトルが将来作れるようになるなんて思いもしませんでしたが、ホント、良い時代になりましたね~♪

さあ、スペクトル新旧対決!

太陽光ブレンド 新旧スペクトル比較

欠落していたUV域を補完しながらも、演色性は超高演色Ra93を確保し、それでいて太陽光のようなフラットなスペクトルを実現しながら、ついでに陸上スペクトルから水深3Mスペクトルへ華麗にダイビング~!
ハタゴイソギンチャクも石垣のビーチと勘違いしちゃいそうですね♪笑

世界初シアン搭載LEDスポット「太陽光ブレンド」誕生秘話

さて、せっかくなので、太陽光ブレンドの開発秘話も簡単にご紹介しましょう。

■2010年4月

漠然とですが、LEDを使い始めてから、メタハラでの挙動と違う何かを感じ始める。
毎日明けても暮れても太陽・メタハラ・蛍光灯・LEDのスペクトルとにらめっこ。。。
UV以外にも何かが足りないのか・・・?

一般白色LEDとシアン500nmのスペクトル

シアン500nmかぁぁぁ!?

この500nm前後のシアンの領域は、色素ではカロテン系が、蛍光ではグリーンやオレンジ、レッド等が励起波長源として活用しています
(当時そこまで明確に認識してなかったけど笑)

■2010年10月

それから、市場のシアン500nmのLED素子を漁る日々が始まりました。。。

2010年当時の各社シアンLED各種

しかし、一般的にシアンのLEDの波長範囲は490-520nmと広範囲に渡ります。
運が良ければ水色、運が悪ければ緑色です。。。

シアンLED発光色

当時、まだスペクトロメーターは持ってませんでしたから、目視だけが頼りです(笑)
そして、極めて青に近い水色を当たりシアンと名付けました。
そう、欲しいのは500nm以下の当たりシアンだけなのです。。。

この時期かなり鍛えたので、今では色を見れば波長が判るようになりました(曝)

■2010年11月

で、こうした厳しい波長検査をくぐり抜けた優秀なシアンだけが、当時の太陽光ブレンドに使用されることが許されたのです♪
波長への徹底したこだわり、それは自然へのリスペクト、そして生体への愛だろ、愛♪

太陽光ブレンド 詳細(デザイン/発光色/ビーム)

当時はスペクトロメーターが無かったので、お手製分光器で撮影したスペクトルをロット毎に印刷して仕様書に添付してました(笑)

太陽光ブレンド仕様書

照度も測定して印刷してましたが、当時はまだJIS照度計を持ってなかったので、簡易照度を載せてましたね。

いやぁ、、、そう考えたら、LED素子の物色だけじゃなくて、測定器関係や調査用照明機器なんかも含めると、相当散財してますね。。。
ざっくり計算しただけでも200万超えてたし。。。わなわな
人件費入れたら更にトンデモナイことに。。。ワナワナ
しかも気前よくデータばらまきすぎ。。。WANAWANA
でも、それで誰かが喜んでくれたり、たまに励ましや感謝の言葉をいただくと、それだけでホッコリ満足しちゃう自分がいるんだよねぇ~笑
早く、お人好しの特効薬が開発されれば良いのに(曝)
商売上手な人ならとっくに何か金儲けとか始めるんでしょうけど、僕は無理ですね。

あ、太陽光ブレンドが壊れた方は、遠慮なく修理にお送りくださいね♪
メールでお気軽にお問い合わせください。

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新バイタルウェーブ出荷開始、そして新色とPSE♪

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ご報告が遅れましたが、新バイタルウェーブの出荷が既に始まってますよ♪

新バイタルウェーブ

新バイタルウェーブでは、新たに新色サンが追加されました♪
ご要望の多かったフルスペクトル白色光源です!

新バイタルウェーブ 新色 サン(フルスペクトル)

何本も足してスペクトルを作らなくても、コレ一本でフルスペクトル♪
「コレ一本で」がミソね。なんかの便利な調味料みたい(笑)
スペースの無い超小型水槽にとってはホント救世主ですね~♪

サンプル記事でも測りましたが、念のため製品版でも実測スペクトルを。

新バイタルウェーブ 新色 サン 実測スペクトル

相変わらず良いケツしてやがるぜ♪美味しそうなスペクトルですこと♪
見事に浅場のサンゴ礁の海中スペクトルやん♪
誰コレ作ったのっ!曝

その他については、以前のサンプル記事応援市場の情報を参考にしてください。

さてさて。
新バイタルウェーブは、もうひとつ、旧型との違いがあります。
それはPSEです。

新バイタルウェーブ PSE

これまで販売してきた旧バイタルウェーブは、昨年7月以降生産分に義務づけられたPSEより以前に製造された分でしたのでPSEは付いてませんでしたが、今回製造分には当然ですがPSEが付いてます。これで、KRシリーズに引き続き、バイタルウェーブシリーズもPSEに対応したことになります。

また、新バイタルウェーブでは、3Wを廃止し、新色を増やし、製造ロット数を調整することで、それなりのコストダウンを実現し、結果、円安とPSE取得がありながらも、旧型よりも値下げを実現することができたようですよ。
旧型で15000円ほどしていたバイオレットが、新型は11000円で買えるなんて♪
こういう身を削る企業努力はありがたいこってす♪

それにしてもホント、PSEって厄介な制度ですよねぇ。。。時間もお金もかかるし。。。
ま、でも経済産業省が定めたルールだし、日本で商売する以上守らざるを得ません。
仕方が無いですね。。。
他社さんもどうか頑張ってくださいね!
くれぐれもPSE取得せずに販売したり、脱法で逃れたりしてはダメですよ!

ま、そう言う意味では、むしろ企業評価の指標にもなるので、ちょうど良いかもね?
悪い子はいねがぁぁぁ~笑

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太陽の原点

この記事を含むタグの全記事リスト: LED スペクトル 太陽光LED

思い起こせば、アレをゴニョゴニョやってたのは2010年のこと。。。
あれからもう3年かぁ。。。早いなぁ。。。
当時はボカしてたけど、チラ見せも多かったし、鋭い人には筒抜けだったよねぇ(笑)
まあ、もう時効だし、今となってはフルスペクトルへの取り組みの原点とも言えるので、しっかりと供養すべく、ここらでネタにしておきます。

そう、これの話。

2010年に試作した太陽光LEDシステム

モザイク無しでズバリ出すのは初めてかしら(笑)
当時シコシコ作った太陽光LEDシステムライトの試作機です。
関連記事は太陽光LEDのタグをどうぞ。

真ん中の大きいモジュールは、何度か書いてるXicatoの高演色アーティストシリーズです。左右の小さいのはシャープの銭形。これらは、青チップ+蛍光体の白色LEDの中ではダントツの高演色を誇るオススメの白色LEDです。この辺の情報はCOBのタグを漁れば色々と出てくるでしょう。
ま、これらはあくまでも補助、脇役です。

主役は、写真に8つあるLED基板のフルスペクトル超高演色白色LEDです。
明言するのは初めてかも知れません。。。
ま、LEDに詳しい方にはバレバレだったと思うけど(汗)
そう、これらは超高演色白色LEDの開発製造で有名なCCS社のLEDランプから取り出したモジュールでした。
この自然光LEDは、通常の白色LED(青チップ+蛍光体)と違って、UV 400nmのLEDチップを励起源としたRGB蛍光体によるフルスペクトルの白色光を実現する超高演色LEDで、僕の知る限り、製品としてお目にかかれるのはこのCCS社のラインナップだけです。(あとは電設屋が使う小泉のダウンライトくらいか)

CCS 自然光LED

僕が使ったのは写真左の4Wのランプから取り出したLED基板です。
右の2つの14Wモデルは、当時はまだ発売されてませんでした。
ちなみに、この4Wでさえ当時は1ヶ15,000円のセレブ価格で、これを8つ買うとなると、ざっと12万円ですよ(曝)
そう、このUV+RGB蛍光体の超高演色LEDって、メッチャ高いんです。
ま、いくら高い言うても、合計32Wごときに12万て。。。汗

CCS 自然光LEDの詳細

*スペクトルはASEQ LR1による実測スペクトルです

当時、COBタイプが発売されてたら、間違いなくそっちを採用しただろうなぁ。。。
今思えば、これに叶う白chは無いですね。フルスペXPでさえ叶いません。。。

え?
こんなLEDがあったこと自体知らなかったって?
まー、LEDに興味が無い方は、なかなか知る機会も少ないかな?

で、なぜこれが太陽光LEDシステムライトとしてポシャったかと言うと、それは光量寿命と、やはり価格かな。あまりにデメリットが大きかったからです。

まず、光量
一般的な青チップ+蛍光体構成の白色LEDは、取り組む企業も多く競争原理もあるためか、日に日に進化が目覚ましく、今では140lm/Wも珍しくなくなりました。
しかし、UV+RGB蛍光体の光量は・・・当時で40lm/W程度しかありませんでした。通常の白色LEDの1/3の光量ですよ。これは厳しい。。。通常のLEDを3倍並べるくらいなら、初めからメタハラ並べます(笑)

次に寿命
考えれば判りますが、このLEDの蛍光体を励起させる光源はUVチップですが、そもそも紫外線は物質を劣化させる天才だと言う事。一応、採用されている波長は400-410nm程度なので厳密には紫外線ではありませんが、それでも青チップと比べると光エネルギーはとてつもなく破壊的です。過去に何度も紹介した焦げるLEDでもお判りかと(汗)
その影響は蛍光体も決して例外では無く、ましてや蛍光体はチップに直接触れている素材ですから影響を受けないはずも無く、とてもじゃないけど一般の白色LEDほどの寿命は保てないそうです。当時で、せいぜい20,000時間と言われました。8-9時間としても5年ほどのものです。これも厳し~。。。

最後に価格
そもそも作ってるメーカーが少ない。てことは・・・いつまで経っても価格が。。。汗
ま、でも上記14Wは、当時の4Wと比べると破格値が付きました。
CCS社の企業努力で、なんと1ヶ6,000円台だったと記憶してます。
4Wの半値以下!!!
それでも市販のLED電球の何倍もするので、よほど演色性にこだわる方じゃ無いと厳しい価格帯には違いない。。。
しかし、演色性はピカイチです。それは保証します。写真撮影用にも重宝しますよ♪
ただ、アクアリウム用途では、、、やっぱり厳しいかな。

以上の諸々の理由もあり、UV+RGB蛍光体による太陽光システムLEDは断念せざるを得なかった、と言うのがお蔵入りになった理由のひとつです。せめて光量と寿命がクリアできないと、次に検討することはないでしょう。。。

それに、あくまでもこれは白色光源のベース白chとしては秀逸ですが、加えて青chが無いとサンゴ飼育には厳しいことも判りました。だから当時はどんどん仕様変更して、最終的には420nm/450nm/475nm/500nmを追加していった訳です。この時判ったのは、波長は単にあれば良いのでは無く、それらのバランスが重要であるということでした。大事なのは太陽に逆らわず、アレとソレとコレの関係に気付くこと。。。なんてね。

以上、昔話でした。

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