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雑学5.光合成色素の種類

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光合成色素については、なかなかまとめるための情報に恵まれませんが、きりがないので一旦まとめちゃいたいと思います(笑)

海洋生物の光合成色素の種類と吸収スペクトル

以下の2枚の図は共に視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録(数研出版)より引用。

光合成色素の種類

これはサンゴではなく主に藻類に見られる光合成色素ですが、サンゴも同系統の多様な光合成色素を持つと思われます。
上の表でも、クロロフィルaが多くの藻類の主要色素として存在していることが判りますが、併せて他の色素も主要色素として働いていることが判ります。青や赤のシアノバクテリアにはフィコビリンが、褐色の珪藻類にはカロテノイドが存在し、それらがそれぞれの特徴的な色彩の要因となります。

光合成色素の吸収スペクトル

これは各光合成色素が吸収する波長帯を表したスペクトルグラフです。「吸収」とは、その波長帯が光合成に利用されているという意味になります。

例えば、緑色の曲線は陸生植物でも大部分を占めるクロロフィルの吸収特性であり、市販の植物育成ランプのスペクトルもこれに対応した特性を持っています。
しかし、海洋生物は、その多彩な色彩が示すように、クロロフィル以外の光合成色素が非常に多く活躍しており、むしろ植物育成ランプに無い波長域こそ配慮しなければならないでしょう。

各社の植物育成ランプスペクトル

よく見かける植物育成ランプのスペクトルはBR型が多く、オレンジ帯域の欠落が気になりますが、HGやFRはシアノバクテリアのフィコエリトリンやフィコシアニンを見事にカバーしているように見えます。このスペクトルの形を覚えておいてランプ探しをすると良いでしょう。
ちなみに、このHGやFRのスペクトルは、実は一般蛍光灯のそれと大差ないようにも見えるのですがねぇ(汗)

スギノキミドリイシに必要な光源の考察

シアノバクテリアが持つ鮮やかな青や赤の色素を例に取ると、赤はフィコエリトリン、青はフィコシアニンですが、以前Tetsuo氏から頂いた情報でも、スギノキミドリイシの青の色素はChromoproteins-588と言う色素で、主に566~620nmのオレンジ帯域の波長光を利用し、特に588nmを吸収するとのことで、やはりこれはフィコシアニンの吸収波長特性に酷似しています。
このフィコシアニンの特性を上の図で見ても、クロロフィルの特性とはまったくカブッていないことが判りますから、もしスギノキを青くしようと思ったら、クロロフィル向けの植物育成ランプではなく、まずは橙色を優先的に多く含むランプをチェイスしなければならないでしょう。

そのことからも、スギノキの飼育に向いたランプとしては、比較的色温度の低い6,500K~10,000Kあたりのメタハラが、まずは無難なところです。あるいは蛍光灯なら、植物育成ランプの多く(BR等)は肝心の橙色を欠いたものも多いため、下手なランプより普通の白色蛍光灯の方がマシかも知れません(汗)。と言うか、蛍光灯でスギノキの要求する照度を用意するのも大変ですけどね(苦笑)

で、問題はLEDでこれを実現する場合です。ピンポイントでオレンジ色を用意することもできますが、ひとつの波長のみでは自然光であり得ない分布ですし、それによる生体の反応が判らないため、やはり満遍なく帯域をカバーしつつ、その上で橙色をある程度のレベルで確保したいものです。

そのために考えられるのは、やはり白色LEDや電球色LEDでしょう。これらのLEDには黄色をピークに緑から橙まで満遍なく含まれていますから、とても理に適う選択と言えます。

白LEDとフルカラーのスペクトル比較

但し、フルカラーRGBの3原色による白色LEDは除外しなければなりません。なぜなら、フルカラーRGBは見た目こそ白色光ですが、中身は赤・緑・青のピンポイントを並べただけですから、緑と赤の間が大きく欠落していて橙色が含まれていません。もしどうしてもフルカラーRGBによる白色LEDを使うなら、そこに580~590nmピーク程度の黄色の素子を同レベルで補完すると良いでしょう。まぁ、それでもある程度の帯域抜けはどうしても発生しますので、白色LEDを使ったほうが早いと思いますけどね。

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紫外線LED:各ミドリイシの推移

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まず、本日(1/10)現在の光環境です。
いつもながらコロコロ変わってすみません。

2010/01/10現在の光環境

UV3Wが右端に移動、照明全体の高さも30cmに戻しました。
いつになったらガンガン当てられるのやら。。。

次に、各ミドリイシの状況です。
撮影環境は、本日は照明下での上からのフラッシュ撮影としました。よって、ある程度の演色効果が生きた色彩に映ってます。実際の見た目にも近いです。

各ミドリイシの様子

だにミドリイシA.
スポイト吹き付けたら簡単に剥げた(汗)
しかも色はやけどのように・・・。
これ、果たして復活できるんだろうか。。。
だにミドリイシB.
やはりスゲは青を当てるのが一番♪
現時点で一番綺麗かも♪
気づいたら根元も共肉が盛ってました。
ケントパパミドリイシA.
先日までずっとUV3Wを当てていましたが、バイオレットが定着したと言う域には達していない。ま、UV当てたらバイオレットに発色はするので、もしかしてUVでバイオレット蛍光ってあるのかな?(笑)
ケントパパミドリイシB.
一番紫が綺麗だったのに、今は・・・(汗)
何故かこの子は傷の治りも一番遅い個体です。
だにミドリイシC. ケントパパミドリイシC. ケントパパミドリイシD.
このグループはLeDio7+UVエリアに配置してあり、先日からUV3Wも追加したので、UVリッチな環境になりました。
それはそうと、だにミドリイシC.がケントパパミドリイシと同一個体だというのが、最近になって信じられるようになってきました(笑)
沖縄くん
右端のライブロックの上じゃ光が弱くて白化してきたので、ただいま水槽中央のアクアブルーエリアで日向ぼっこ中です♪

特筆すべきは、あんなに世話の焼けただにミドリイシC.が、ようやく本来のケントパパミドリイシの色彩に近づきつつある点です。やっぱり放置に近いくらいずっと強光下から離していたのが効いたのかな♪
強光耐性の減退を気にして慌てて強光下に置くよりは、例え耐性が少し下がっても良いから余裕を見てじっくり時間を置いてからの方が生理的には負担が軽いのかも知れない。

今後の課題は、だにA.の復活、だにB.C.の更なる色揚げ。
そしてケントパパA.B.C.Dの色下がりを食い止め、少しでも元の色に戻すこと。ケントパパ邸では、コーラルグロー250WをメインにSCディープブルーを近接していたミドリイシらしいので、やはり今の環境と比較しても、足りないのは絶対的な光量のはずだ。波長的には現在、白、アクアブルー、アクアブルーUV+UV3Wの元で分散配置してるので、光強度さえ上げればいずれかの光環境下の個体で復活が見られても不思議ではない・・・はずなんだけどなぁ。。。

もしかして、もっとブルー光が必要なのかしら?
確かにケントパパミドリイシのベースは茶色いので、カロテン系かフコキサンチン系の色素が含まれているとは思う。
しかし肝心のバイオレットを発動させるためには、シアノバクテリアで言うならフィコビリン系やフィコエリトリン系色素をリブートしなきゃならんはず。と言うことは、やはり緑~黄色もしくは橙色が絶対的に足りないのだろうか。。。そうなると、現状のランプの中ではLeDio7 PearlWhiteに含まれる該当帯域だけが頼りなので、やはりもっと照明を近づけた方が良いに違いない。
でもすぐ刺糸を出してイヤがるのよねぇ・・・。
どうしたものか(汗)

そうそう。
次回はようやく光合成色素ネタいきます。半熟だけど(笑)

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