今回は、前回の串本で収集してきた情報をまとめ、
自然の海から学ぼう~串本のサンゴ編
をお送りします。
本当はもっと良い写真が撮れたら良かったけど、とにかく透明度が悪くて大した写真が撮れなかったので、軽い内容&今さら感でのお届けになりますが、どうぞご容赦くだされ。
タイドプールのサンゴ:水深0-50cm
タイドプールには超強力な太陽光をこれでもかと浴びて生活するサンゴが多数♪
例えばハマサンゴの仲間があちこちにマイクロアトールを形成しています。
大抵は地味な茶色系ですが、中には↓こんな綺麗な蛍光シアン&グリーンも♪
水深0Mから分布を開始するとは、グリーン蛍光タンパクはなんて万能なんでしょう♪
あるいは透明度や緯度も関係があるのかしら? ら?
そして、より海水の往来の激しい水路には、それを好むサンゴが。。。
その代表とも言えるのがハナヤサイです♪
気付かなかったけど、偶然右端にユビワサンゴヤドカリも特別出演してました(曝)
そう、ハナヤサイもユビワサンゴヤドカリも激流が大好きなんです♪
ちなみに、このハナヤサイは干潮時に水深10cm以下になりそうな水路にいました。
水上から見るとこんな構図です↓
とは言え、潮通しの激しい水路と言われてもなかなかピンと来ませんよね?
そこで、動画も撮ってきました♪
こんな状況でも平気でポリプ出してんだから、如何に水流に強いかが伺えますね。
コレに比べたら、水槽なんて所詮ため池か。。。汗
穏やかな湾のサンゴ:水深1-2M
タイドプールの次は、比較的流れの穏やかな湾へ潜ってみましょう。。。
まずは水深1-2M程度のスギノキゾーン。
おっと、グリーン蛍光スギノキは生え替わり間もない新芽のようです???
一方、茶色スギノキは野放し状態で伸び伸びと生え放題のようです!
・・・グリーン蛍光スギノキの身に一体何がっ!?
どー見ても個人の伐採量じゃ無いね。。。
もしも蛍光グリーンのスギノキが流通してるなんて話があったら教えてくださいね。
ところで、スギノキの根元をよく見ると、、、
あらら白化、、、ではなく、共肉が剥げて白骨化しています。
はい、実は光の回らない部位、そして有光部位から遠い根元の部位ほど、大抵このように白骨化しているのがデフォだったりします。
だって、考えてもみてくださいよ。
サンゴが剥げずに生き続けたら、いつまで経ってもサンゴの島は形成されませんよ。
↓ほら、サンゴの下には、歴代の白骨サンゴが連ねているんです。。。だから島になる♪
水槽内でも、どうしても光の当たらない&有光部位から離れた部位は、ある程度は剥げても仕方ないんですよね。。。それがイヤなら、サンゴをあまり密集させない、水面全体を照らせるように多灯する、など工夫が必要です。
穏やかな湾のサンゴ:水深3-4M
そして串本の場合、水深3-4Mくらいになると、蛍光オレンジや蛍光レッドのサンゴも増えてきます。やはり海水の透明度や緯度による太陽光線のスペクトル分布にも影響していると思われます。
↓これはキクメイシかな。
この水深にはどんな光量がどんなスペクトルで届いているのでしょう?
それは先月測定した串本の水深スペクトルを参考にしてください。共に同じ湾です。
サンゴの気持ちになれば、いろんな事に気付いたり、見えてきたりしますよ♪
* 一部の写真はだに兄からお借りしました
この記事のまとめ
およそ以下のようなことが読み取れたかなと思います。
サンゴの色彩
水深、太陽の位置、緯度、海水の透明度
↓
光量とスペクトルに影響
↓
サンゴの色彩(蛍光タンパク、色素タンパク)に影響
サンゴの白化回避
比較的浅場の水流強度
↓
水面の揺らぎによる光強度の分散、海水交換とサンゴの冷却に寄与
↓
強光障害の低減(白化予防)と光の回り込み(拡散)効果
熱の発散に関与するアンテナ色素(カロテノイド等)の効率アップ(白化予防)
サンゴの影の部分の斃死
サンゴの密集状態、光源の面積不足、単に光量不足
↓
光の回り込み不足、光合成エネルギーの伝達不足
↓
サンゴの部分斃死(根元の白骨化等)
いつもの見慣れた当たり前の光景に、ふと立ち止まって改めて意味を考えてみると、見過ごしてきた何かが見えてきますね。いやぁ、サンゴ飼育って本当に奥が深い。僕も今回そう強く感じました。
次回、機会があれば、もっと透明度の良い、もっとサンゴの種類の豊富な、
沖縄で調べてみたいと思います~♪
どこかに調査費用落ちてないかなぁ~曝