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プチ雑学:光とサンゴ篇

マリンアクアリウム エイジ 11:54
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調べ物してたら良い読み物があったのでご紹介しておきます。
(前にも同じの出してたらすみません・・・歳とると記憶が・・・汗)

引用元:AMSL 阿嘉島臨海研究所
挿絵:1.023world

トップ > 刊行物 > みどりいし > No.13 2002年3月 目次 >
刺胞動物と蛍光タンパク質法 (PDF)

(抜粋)
採集した蛍光性サンゴと非蛍光性サンゴに強い紫外光を照射すると、後者においてより顕著に光合成阻害が認められた。褐虫藻のクロロフィルが三重項励起状態に移行して、活性酸素による光合成器官の破壊が起こったものと考えられる。この結果から、蛍光タンパク質が褐虫藻を強い日光から保護することが示唆された。その保護機序としては、太陽光の強度を弱めること、太陽光に含まれる短波長成分を長波長にシフトすることが考えられる。実際、1998年に大堡礁で起こったサンゴの大規模な白化現象においてサンプリングしたものを調査したところ、蛍光タンパク質を発現する個体ほど白化しない傾向が確かめられている(Salihet al.2000)。

* 強調は当方による

1998年のエルニーニョによるサンゴの白化状況

これは水槽にも言えることですが、例えば波長不足等で蛍光タンパクが減退するような環境で飼育されていたサンゴにある日突然強いUVを照射したら、蛍光をしっかり持った通常の状態のサンゴに比べ、何らかの光障害に至る可能性が非常に高いと言えます。そこを見落として単に「UVはアカンな~」と解釈するのはナンセンスですね。本質を見抜く力を養いましょう。当てるなら時間をかけて少しずつ蛍光を呼び戻しながら慎重に。

トップ > 刊行物 > みどりいし > No.13 2002年3月 目次 >
サンゴ礁海域の光環境について (PDF)

(抜粋)
この地上に達した紫外線は海水中においてどのくらいの深さまで浸透するのだろうか? 海水中での紫外線も可視光線と同様、透明度などの要因によって滅衰する。Glynn(1993)が瀬底島のサンゴ礁で測定したところ、水深 3-4m では海面における紫外線照射量の約 50%が届いていた。またDunneand Brown(1996)によれぱ、紫外線照射量は沿岸海域では水深 3-6m で海面における照射量の 1%に、環礁付近の海域では水深 11m で 1%に減衰した。このように報告されている観測値にはかなりのぱらつきが認められるが、透明度の高いサンゴ礁海域であれば、礁斜面の造礁サンゴが観察される水深 20mまでは滅衰しながら確実に浸透しているようである。

* 強調は当方による

水深による海中スペクトルの違い

串本でさえこの結果ですから、やはり沖縄や南国のサンゴ礁ならもっと強いUVが深場に届いてるのでしょうね~。色彩豊かな蛍光タンパクが多いはずです♪
あ~早く沖縄でもスペクトル測定してみた~い!

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