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KR93SP、深度の青チャンネル

マリンアクアリウム エイジ 06:34
この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDライト

連日お送りしておりますKR93SPフルスペ特集♪
老若男女、アクアに関わる方なら、良くも悪くもハラハラ・ドキドキ・ワクワク・ビクビク?されていることでしょうともっ♪笑
おかげさまで今月はKR93SP関連の記事だけでも過去3日間で1,500PVを超えました♪
いやぁ~エイジまいっちんぐ~♪ そうよ初老よ~♪

KR93SPフルスペクトルエディションが誇るもの。
それは、本当の意味でメタハラを凌駕する“太陽”の白チャンネルと、
目的の水深スペクトルで日照変化を再現するための“深度”の青チャンネルです。
フルスペクトルなのに操作性に優れた2チャンネル構成だなんて、超クールでしょ?

と言う訳で、今回は「水深スペクトル」と言う夢の機能を可能にした“深度”の青チャンネルについてご紹介しましょう。

KR93 KR93SP

まず、改めてKR93ノーマルとKR93SPフルスペのスペクトルを比較してみましょう。

KR93 KR93SP スペクトル比較

こうして比較すると、如何にフルスペが優れているか、如何にノーマルが劣っているか、のように見えますが、そんなことはありませんからね(汗)。フルスペが凄すぎるんです♪
元々、eco-lampsのKR92の時代から、著名なサンジェイ博士にも取り上げられ、そのサンゴ飼育への有効性を実証された記事(英語)にもあるように、KR92/KR93は、まだ国内でこそ体験者は少ない(ネット界では)ものの、世界的に見ればその恩恵にあやかっているアクアリストは多いのです。
英語圏Google検索 「KR92 LED Coral」 「KR93 LED Coral

国内のKR92/KR93ユーザーさんの記事も少しだけ集めてみました。漏れてたらごめんなさい。最新順です。

話が逸れましたが、そう、あくまでもKRシリーズは既に年単位のサンゴ飼育の道を確立してきたということ、それが言いたかったのです。それが今回、KR93SPフルスペクトルエディションが登場したことで、やや地位が脅かされただけのこと。。。

わて、エライもん作ってもうたんやわ~♪曝

元々、KR92/KR93が成功したのは、以前も少し触れましたが、早い段階で集光レンズを採用したことは勿論のこと、白色LEDとしては高色温度の12000-15000Kの超クールホワイトLEDを採用したこと、そして極めて濃く深い青色光を放つ450nmのロイヤルブルーLEDを採用したことに起因します。特に12000Kの白色LEDを採用した点に関しては本当に見事で、これにより白色LED特有のシアン500nmの欠乏が相対的に緩和され、スペクトルバランスが少し水深のあるリーフ環境に見事にマッチしたため、それまでのLEDライトにありがちな生体へのストレス・負担が軽減されました。

しかし、そんなKR92/KR93にも、少しずつ問題点が見えてきました。それは、ユーザーなら既に体験されているかも知れませんが、比較的深場のサンゴ~浅場のソフトコーラル等は良いとして、超浅場のサンゴ、特にブルーやバイオレットのサンゴの色揚げ・維持が意外と難しかったという点です。何故でしょうか?
それは、色鮮やかなサンゴが持つブルーやバイオレットの蛍光タンパクを励起・発色させるためには、それらの色より低い波長であるUVや420nmの波長を当てる必要があったからです。そう、成功者と言われたKRシリーズでさえも例に漏れず、ロイヤルブルー450nmより下の短波長は含まれておらず、それらのサンゴの要求に十分に応える事が出来ていなかったのです。そのため、メインのLEDライトに対して、UV+バイオレットの補助のためにメタハラを、と言う構図も生まれました(笑)

そうして計画されたのがKR93のフルスペクトルバージョンの製作でした。ご存知の通り、予約受付から既に約3ヶ月、試作時から見れば正味4ヶ月以上も掛かってしまいました。とは言え、その分、完璧なスペックを実現できたことは、先日からの報告の通りです。
ぶっちゃけ、設計段階で次々と出てきた欲求は、全て叶えました♪笑
その結果、白チャンネルだけで太陽に迫るメタハラスペクトルを召喚し、さらに水深設定を可能にするためのワイドバンド青チャンネルも実現しました。もちろん、その青チャンネルは、それ単体で深場の水深スペクトルを再現しなければなりません。

そうしてできたのが、“深度”の青チャンネルです。

KR93 KR93SP 青チャンネル比較

青チャンネルを構成するLED群は、UV 400nm、BlueViolet 420nm、RoyalBlue 450nm、そしてBlue 475nmです。配列にもこだわり、単純に波長でソートせず、波長の高低を交互にすることで、全ての波長をバランスよく水槽全体に満遍なく配光できるようにしました。そうして、およそ400nm~500nmまでのワイドブルーバンドを見事にカバーする“深度”の青チャンネルが完成しました。

ここで、以前にも貼った海洋の水深スペクトルをご覧ください。当時はまだフルスペ設計バージョン1の段階でしたので、設計スペクトルがちょい恥ずかしい内容でした(汗)が、今思えばこの時点でも既に何名ものご予約を頂いてましたから、その方々に対して最終的にフルスペ設計バージョン3を納品できたことは、凄く嬉しく思います♪

さあ、こんな水深スペクトルを水槽でも再現してみたいと思いませんか?
しかも調光タイマーで日照変化が設定できますから、お望みの水深の光環境を日照変化付きで再現できるなんて、もう夢のようですよね♪
これからのスタンダードは、水深スペクトル&日照変化♪ 間違いないっ!

KR93SP 水深スペクトル設定例

この水深スペクトル設定例は、KR93SPの取説に折込で入れてありますので、是非参考にしてみてください。もちろん、好みに合わせて自由に調整されてOKです♪

大事なことなので、もう一度書いておきます。

KR93SPフルスペクトルエディションは、
“太陽”の白チャンネルと、
“深度”の青チャンネルを採用した、
業界初のメタハラ等価・フルスペクトル
・水深再現・システムLEDライトです!

ちなみに、初期ロットのうち予約販売済み分は既に出荷済ですが、残りの在庫分の初期ロットはただいませっせと組み立て中です。もうしばらくお待ちください。尚、12、18、24、30インチは既に完売ですが、36インチ以上はまだ少し余裕がありますので、ご希望の方は品切れになる前にお早めにポチッとどうぞ♪
応援市場 > ブルーハーバー > KR93SPフルスペクトルエディション
二期ロットの予約受付はまだ日程が未定です・・・汗

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コメントとトラックバック

  1. 1. TAKA 2011/12/08 02:34

    エイジさん、
    3つほど質問~。

    水深0mでは、白Ch100%、青Ch10%、それに対して水深3-5mでは、白、青Chとも100%。これって水深3-5mの設定のほうが、水深0mの設定よりもPARや照度が高いと考えて良いんでしょうか?逆にPARや照度よりもスペクトルのバランスの方が重要だと考えた結果でしょうか? 水深0mの設定と水深3-5mの設定時のPARvs波長のそれぞれのグラフってありますでしょうか?

    スギノキには、UVや420nmも重要と書かれたいたのは承知していますが、CP-588が含まれているから、588nmの波長が重要だと以前に書かれていたと記憶します。その為、Amber~Red系のLED素子がいるのかと理解していました。現在のこれらの素子は使用されていませんが、588nmあたりの波長は白系の素子に十分に含まれていると考えて良いのでしょうか?

    SCを多灯してSPSを綺麗に維持されている方は、結構集光タイプを使用しているように感じるのですが、エイジさんも同じ認識ですか?その場合、当然PAR値やLX値が劣ることになると思います。これを補うために補助灯をつけるとすればKR93SPを多灯したほうが良いのでしょうか?もし、KR93SP以外で考えるとすればやはり同じ波長のSCが良いのでしょうか?折角のKR93SPの波長を崩さないために補助光の選択は慎重になるべきでしょうか?

  2. 2. エイジ 2011/12/09 01:57

    TAKAさん、ども。

    > 水深0mでは、…

    ビンゴです。
    設計上、水深3-5M設定時は、それ以深設定時より光量が大きいことになります。もちろん、光量よりスペクトルを優先した結果です。自然下では曇りの日(低光量)もありますし。
    ただ、それ自体はライトを数センチ上下するだけで数千lx単位で変化しますから、明暗差は容易に反転できます。よって、浅く設定したら暗くなるのは可笑しい!?と言う突っ込みはひらりとかわせますよ♪
    でも、水深再現フローに関して、これよりも良い方法があるならお聞かせください。

    各種PPFDデータはまだまとめてませんが、サクッと出すと、

    ■KR93SP-24 @30cm
    白ch+青ch:648μmol…
    白chのみ:475μmol…
    青chのみ:195μmol…

    ■KR93SP-12 @30cm
    白ch+青ch:410μmol…
    白chのみ:300μmol…
    青chのみ:144μmol…

    * いずれも厳密なピークではなく、適当に読み取ったものです(笑)

    とりあえずここからおよその値が逆算できるので、100:10、100:25、100:50など、算出してみてください。

    > スギノキには、…

    サンゴは光合成色素だけ!
    あるいは蛍光タンパクだけ!
    とは考えてませんし、言ってません。

    なので、フィコシアニン系にはアンバー帯域が必要。
    バイオレット蛍光には400nm前後、ブルー蛍光には420nm前後、シアン蛍光には450nm前後、などが必要。
    これらをコンボで持つサンゴには、当然コンボ攻撃が必要でしょう♪

    最近の流れを見てもらえば判りますが、アンバー帯域の確保に関しては、おおかたNW、WWの白色LEDの採用によって適度に供給されると言う認識で落ち着きました。KR93SPでも積極的にNWを採用してます。
    ちなみに、アンバー/レッド等の素子を独立的に採用することについては、僕の中では海水に於いてはぶっちゃけ不要であると言う段階まで来てます。弊害情報もありますし、僕自身何個体か白化させてますし(汗)、結論としては青に対しての強度コントロールが難しいと考えてます。そうしたものを搭載すると、マイコンのアルゴリズムに「絶対に赤が青を上回らないような」制限を盛り込まないとダメなので、結局そこまでするのは無駄と判断しました。生体を殺すような設定ミスがあり得る製品は絶対に避けるべきなので。

    ちなみに、当時僕がアンバーと言う単語を出し始めた頃、実際の導入にはWWを使いましたので、ちょい誤解が生じてたかも知れません。それについては過去に何度か書いてますが、改めてお詫びします。

    > SCを多灯して…

    僕は別に目立って「集光に偏ってる」とは思ってないけどなぁ。。。どこ情報ですか? 「感じる」ってどゆとこ?
    しかも集光は散光よりビームが鋭いから、面積あたりの照度/PAFDは大きくなるのでは???
    それに、KR93SPはメタハラ置き換えを狙った商品なので、SCの補助に!とは思ってないです。て言うか発想が変わってますね?汗
    この質問に関しては何が聞きたいのかもうひとつ意味が判らないので、もう一度明確にお願いします。

  3. 3. TAKA 2011/12/09 06:39

    エイジさん、
    毎度ご丁寧に回答くださってありがとうございます。

    > 水深0mでは、…
    理解できました。高さを調整するかあ。なるほどって感じです。

    > スギノキには、…
    もちろん、サンゴは何種類かの蛍光・非蛍光タンパク質を持っていると思います。そのため、1つの波長だけでは駄目でコンボが必要と言うことも同じ理解です。
    スギノキに関してはCP-588がメインだと感じました。要するに588nmの波長が一番励起すると。
    エイジさんの回答は、NWやWWなどで588nm領域は十分にカバーさているから浅場のスギノキも大丈夫って事ですよね?

    > SCを多灯して…
    上手く説明できなくてすいません。
    SCを購入したときに、「集光が一番効果あるよ」と複数の方からアドバイスを頂きました。また、過去に拝見した劇美水槽はSCをかなり多灯されていたり、MT250メインでSCをその周りに多灯されていたりします。要するに信じられないくらいの光量を使用していると言うことです。そういうのを見たり、ウェブで呼んだりして、ミドリイシ類を綺麗に飼育するには、かなりの光量が必要なのだと理解しています。(SCは集光を多灯することで、照射範囲を確保していると理解しています。)
    これだけ優れているKR93SPでも、もちろんこんなメタハラ多灯などと同じ光量を確保するのは無理だと考えます。そこでKR93SPを「メイン」で使用したときにどのような補助灯が考えられますか?というのが私の質問です。折角スペクトルを重視して設計したのに、補助灯の設置によってそれを崩すのはもったいないですよね?

  4. 4. エイジ 2011/12/09 09:04

    > スギノキに関してはCP-588がメインだと感じました。

    逆に僕はアンバーだけではダメだった経験則により、優遇すべきウェイトをUV側にシフトしました。TAKAさんの場合はどんなケースでそう感じましたか?

    サンゴにどの波長が必要なのか。これを追求することは大切です。
    ただ、万能な製品作りへの近道を考えたとき、すべてのサンゴを研究して必要な波長リストを徹底的にかき集めることと、彼らの活動が所詮太陽光により成り立つ生命であることに着目して擬似太陽を作ること、これらを天秤に掛けた場合どちらが合理的なのか?というのが僕の思想です。

    A. サンゴを解析して、要求波長のリストを作り、スペクトルを再現
    B. サンゴは太陽光で活動するので、太陽光を真似たスペクトルを再現

    どちらが確実で早いのかを考えた結果、僕はBの道を選びました。良くも悪くも、太陽光に潜む弊害すら再現するくらいの気概です。何よりこれが一番自然ですから。

    確かにLEDは、波長が選べる点もメリットではあります。なので、可能であればA案を突き詰めていくことも面白いです。時間とコストが許すなら、ね。

    続いてSCの件です。

    SCの集光はビーム角30度で約7万lxちょい、散光はビーム角70度で約3万ちょい、あくまでもひとつの例として、これらを一定間隔離して同角同士で並べたときを想定しますと、集光はビーム角が鋭いので配光は重ならず、あくまでもピークが7万lxのままムラの高低差の激しい分布になりますが、散光はビームが広いので光が重なり合い、ピークは合成で6万lxに迫り、しかも広範囲をムラ無く照らします。これは、多灯すればするほど両者の差は埋まっていきます。
    どちらが良いかなんて、何を以って「効果」とするのか、考え方次第です。条件スルーで単純に集光だけを邁進するのはナンセンスですよ。

    > KR93SPを「メイン」で使用したときにどのような補助灯が考えられますか?

    恐らく、いくらKR93SPでも、SCの集光の多灯並みの照度には負けるだろうから、それくらいの照度が必要な条件に対して、どうやって照度を確保したら良いか?と言う質問ですよね?

    もし、水面で7万lx欲しい場合。既に上の方で僕も答え書いてますが、やはり高さで対応すれば良いです。純正のアームで水槽に直置きする形式にすれば、高さが10cm程度になるので、水面まで15~20cmとしても4~5万lxにはなります(24インチの場合)。相当明るくなりますよ♪
    さらに、KR93SPの幅の細さ(約20cm)を利用して、2~3台並列で並べるという方法もあります。それならこの設置方法で7~8万lxくらい朝飯前です♪
    水温を上げないLEDならではの技ですけどね。ま、塩だれは怖いけど(汗)
    なので、コストさえ許容できるなら、とことんKR93SPだけで光量も確保は可能だと思います。

  5. 5. TAKA 2011/12/14 08:42

    エイジさん、
    ご丁寧にありがとうございます~

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