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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

KR93SPフルスペ:夜明けの物語仕立て

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDライト

LEDの照度がメタハラを凌駕したと騒がれて久しい昨今、我々の次なる要求はスペクトルの充実であった。しかしながら、その後もリリースされる製品はすべて白LED+青LEDの見慣れたスペクトル。可笑しい。。。照度競争は終わったはずなのに、この迷走は一体。。。もしや壮大なドッキリなのか?

誰か、引き金を引ける者はいないのか?

そんな折、BHの和田氏から突拍子も無い話がやってくる。
「KR93を送るから、好きなように改造してくれ」と。
今思えば、あの時すでに彼は夜明けへの模索に迫られていたのだろう。
それを僕に託したということか。。。

それから一ヵ月後、僕は叩き台としてのフルスペクトル試作一号機を完成させた。
そして、その結果を元に、LED素子の選定からスペクトル設計までを見直し、今度はKR93の生みの親eco-lamps社に試作二号機の製作を委ねた。そして更にその二号機をも土台として、ついに最終デザインが決定した。

それがKR93SPフルスペクトルエディションver.3だ!

かくしてKR93SPの最終スペクトルは、ノーマル機からどれほどの変貌を遂げたか?

KR93ノーマルとKR93SPフルスペクトルエディションのスペクトル比較

まず、緑から赤にかけての特性には、特にこれといった違いは見受けられないだろう。
一方、UV 400nmからシアン500nmまでのブルー帯域を徹底的に増強・発達させた。

なぜこのスペクトルが必要なのか?

18インチ・ノーマル機の光束はおよそ4,000lm。
対してフルスペは3,000lm弱。

果たして1,000lm以上もの犠牲を払ってまで獲得したフルスペクトルに、
一体どれほどの価値があるというのかっ!?

各社メタハラのスペクトル比較

あああ。。。沁みる。。。沁みるよ。。。
そうだった。。。僕らは忘れていたんだ。あの太陽の恵みを。。。

こうして我々は、照度に次ぎ、ついにフルスペクトルをも手に入れてしまった!

もう、見えない敵に振り回されるのは終わりにしよう。
あとは、あの時のように、平穏な日々の大船に乗って、サンゴの成長だけを純粋に見つめていられる、そんな安息の日々を取り戻そう。。。
きっとそれは出来るはずだ。
だって、僕らはもう知ってしまったのだから。
メタハラに代わる、本当のフルスペクトルを。

いや、ちょっと待て。
それじゃただのメタハラだ。
そんなもんじゃない。

これぞLEDシステムライト!
調光機能・タイマー機能が、その真価を発揮する!
それが、水深スペクトルの再現だ!

海洋の水深スペクトル分布と、KR93SPでの水深イメージ

調光・タイマー機能を使えば、日照変化のための時間と光量を設定することが出来る。その際、白チャンネルと青チャンネルの比率を好みに設定すれば、日照変化と共に目的の水深スペクトルをも再現してしまうというのだ。。。

照度? フルスペクトル?
もっとだ・・・もっと・・・
この虹の向こう側、その先の次元へ・・・
そう、我々はもう一歩、足を踏み出してしまったのだ。
水深スペクトル制御という、究極の未踏の地へ!

さあ、あなたの大切な水槽へ、KR93SPを処方しましょう♪
違いの判るあなたにも。
サンゴを想うあなたにも。

ご予約はこちら

■CAST
LED Professional Manufacturer : eco-lamps
Marine Aquarium Pro Shop : Blue Harbor
Marine Aquarium Community : 1.023world

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KR93SPフルスペ:価格改定告知

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDライト 応援市場

早速ブルーハーバーから案内がありました。
そう、KR93SPフルスペの価格改定です!

型番 定価改定 応援市場価格改定 値上げ
KR93SP-12S 95,000円→96,000円 78,000円→78,600円 ↑600円
KR93SP-18S 147,000円→149,000円 120,000円→122,000円 ↑2,000円
KR93SP-24S 183,000円→195,000円 150,000円→160,000円 ↑10,000円
KR93SP-30S 235,000円→244,000円 193,000円→201,000円 ↑8,000円
KR93SP-36S 277,000円→299,000円 228,000円→247,000円 ↑19,000円
KR93SP-42S 323,000円→329,000円 266,000円→271,000円 ↑5,000円
KR93SP-48S 357,000円→395,000円 294,000円→326,000円 ↑32,000円
KR93SP-54S 389,000円→446,000円 320,000円→369,000円 ↑49,000円

あさって10/1から適用されます。
応援市場でも9/30深夜に新価格に切り替えます。
改定後のBH販売価格はBHサイトをご覧ください。

尚、9/30までは旧価格で予約を受け付けます。
ま、今日明日いっぱいしかないけど(汗)

ただ、思ったより価格アップが抑えられていて良かったです。
eco-lamps様様、BH様様です♪

以上、よろしくお願いいたします。

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KR93SPフルスペ:波長整合性への挑戦

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDライト スペクトル

練りに練られたKR93SPフルスペのスペクトル改善案、それは最終的にバージョン3に至りました。そして正式採用も決定し、初期ロットから反映される予定です。お楽しみに♪

こだわったのは、フルスペクトルは勿論のこと、スペクトル自体の整合性です。白chと青chそれぞれに独立した高次元のフルスペクトルを確保すること、そして白chと青chをどのような比率でブレンドしても、スペクトルが破綻しない強固な整合性を実現すること。。。
そしてその完成度はついに前人未到の域に踏み込んでしまいました。こんな高みに登ってしまって良いのだろうか。。。今後他社はついて来れるだろうか。。。なんちゃって(汗)

LED素子配列と各波長の光量分布

白chと青chはこのような構成になっています。18インチ(45cm)の例です。

LEDデザイン:チャンネルごとのLED配列

* 照度とPPFDは点光源+ビーム角65°+30cm距離の条件で計算したもの

18インチ(45cm)の場合の全素子数は62素子(ムーンを含めて63素子)。うち41素子が白ch、残り21素子が青chに割り当てられています。それぞれのチャンネルを個別に見れば、素子配列は比較的単純ですね(汗)

そして、スペクトルの優先により犠牲になった光量についても触れておきます。
以下の表は、設計ver.3とver.1での設計光量の違いを表したものです。但し、LED素子はver.3で決定した最終スペック品に統一して計算しています。また、シアンは白の補完を目的としているため白にカウントしています。

LED素子 KR93SP 18″ ver.3 KR93SP 18″ ver.1
QT lm (mW) QT lm (mW)
CoolWhite 13 108lm×13=1,404lm 21 108lm×21=2,268lm
NeutralWhite 6 98lm×6=588lm 12 98lm×12=1,176lm
Cyan 500nm 6 55lm×6=330lm 6 55lm×6=330lm
White total 25 2,322lm 39 3,774lm
Blue 475nm 12 15lm×12=180lm 7 15lm×7=105lm
RoyalBlue 450nm 6 500mW×6=3,000mW 3 500mW×3=1,500mW
BlueViolet 420nm 10 300mW×10=3,000mW 7 300mW×7=2,100mW
UV 400nm 10 250mW×10=2,500mW 7 250mW×7=1,750mW
Blue total 38 180lm+8,500mW
約12,000mW
24 105lm+5,350mW
約7,500mW
total Watt 63 63W 63 63W

* ムーンはRoyalBlue×1として換算 (実際には7チップのため7ヶ分に相当)

見てお判りの通り、余裕で3,700lmもあった白chを、スペクトル優先のため2,300lmまで削りました。その分をすべて青chへ、特にバイオレット帯域に注ぎ込んだと言う訳です♪

そして、試しに他社のUV+BlueViolet入りモデルと比較してみましょう。

LED素子 KR93SP 18″ Mazarra P Illumagic S45
QT lm (mW) QT lm (mW) QT lm (mW)
CW 13 108lm×13
=1,404lm
4 540lm×4
=2,160lm
6 310lm×6
=1,860lm
NW 6 98lm×6
=588lm
- - 2 270lm
=540lm
WW - - 2 232lm×2
=464lm
- -
500nm 6 55lm×6
=330lm
- - - -
total 25 2,322lm 6 2,624lm 8 2,400lm
475nm 12 15lm×12
=180lm
4 88lm×2
+88lm×2
=352lm
2 90lm×2
=180lm
450nm 6 500mW×6
=3,000mW
4 1,222mW×2
+910mW×2
=4,264mW
2 1,080mW×2
=2,160mW
420nm 10 300mW×10
=3,000mW
1 600mW×1
=600mW
2 350mW×2
=700mW
400nm 10 250mW×10
=2,500mW
1 500mW×1
=500mW
2 300mW×2
=600mW
total 38 180lm
+8,500mW
10 352lm
+5,364mW
8 180lm
+3,460mW
Watt 63 63W 16 56W 16 46W

* Mazarraは公称値で計算、Illumagicは一番近いS45を最高ランクで計算

スペクトル比較:KR93SP vs Mazarra vs Illumagic

まあ、いずれの製品も消費電力が異なるので、厳密な光量の比較にはなりませんが、およそスペクトルのウェイトはつかめると思います。それに、光量は台数で解決できますから。

ただ、KR93SPの方は、人間の目には捉え難いUV~BlueVioletに光強度が集中しているため、全体の明るさがやや暗く見えたり、見た目の色味も他社ほど青くは見えないかも知れません。但し、その分、SCのようなギラギラしたメタハラ感を味わえるでしょう♪

KR93SP ver.3による水深スペクトルイメージ

そして、例の水深イメージも更新されます♪
見よ! この驚異的な進化を!

白chと青chのブレンド比率による水深スペクトルイメージ

もはや説明は不要でしょう。
「これ使わないでどれ使うの?」
という売り文句は、果たして大げさでしょうか?笑

そうそう。
皆さん、Tankさんのアンケートはもうご覧になられましたか?
↓本日9/29 0:00現在

欲しいものアンケート by Tank

嬉しいなぁ~♪
ここまで頑張れたのも、こうした皆さんの声も大きな励みになったからです♪
Tankさん、皆さん、ありがとうございます!
完成が本当に楽しみです!

まだ予約されていない方は、なんとか冬ボを当てられるよう、お祈りしています♪
年末に向けて、今のうちに少しずつ嫁さんにゴマすり始めると良いかも!(笑)

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