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デトリタスに巣くう微生物類

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ヒゲゴケ処理に関する過去の投稿はこちら

ヒゲゴケ処理のバケツからライブロックを取り出し水槽へ戻してから数日が経過しました。それ以降、水槽側の硝酸塩を頻繁に測定していますが、今のところ硝酸はゼロのままです。約一ヶ月間、硝酸50ppm以上の海水に浸かっていたので僅かながら出てくるかと思っていましたが、どうやら多少の流出があったとしても、砂による脱窒で完全にクリアされているようです。もう少し様子を見てから、例のライブロチェックに取りかかりたいと思います。

ところで、バケツでライブロックを濯いだ際、微少なコペポーダ類が結構見られました。それまで目視による確認ではこれらの生物はほぼ壊滅していたように感じていただけに意外でした。硝酸が50ppm以上あっても、思ったほどの影響は受けていないようです。

では、更に微細な微生物類はどうでしょうか?

相変わらず硝酸塩の高いバケツから、少しデトリタスを取って検鏡してみる事にしました。

バケツに溜まったデトリタス

写真のように、ホンの数ccのデトリタスを抽出。
そこから更に1滴ずつ、スライドガラスに載せ、カバーグラスを乗せます。
平均的な分布を確認するために、これを5回程度繰り返しました。
その中から確認できたものを動画にまとめました。いずれも1200倍率です。

これまた意外と生存者が確認できました。
ほとんどが線虫類などのニョロニョロ系でしたが、僅かながらのピコピコ類も確認できました。正直驚きました。リンとは違い、窒素に関してはかなりの耐性があるようですね。とは言え、ピコピコ系がほとんど確認できなかったのが気がかりですが。。。ニョロニョロ系による捕食、あるいはやはり高濃度の硝酸塩による影響かしら?

ちなみにデトリタス1滴の平均値として、線虫などのニョロニョロ系は10~20体は含まれていました。かなりの高密度です。(自然下ではもっと凄いでしょうけど)
ただ、ピコピコ系はどんなに多くても10体居るか居ないかのレベルでした。

さて、ついでなので水槽の方も見てみることに。
ちなみに水槽の方は目に見えるデトリタスは存在しませんが、きっと砂の中にスポイトを差せばモクモクとデトリタスが抽出できるだろうと思い、いざ、試してみました。

砂に差したスポイト

ところが、どこを差しても何度やっても、透明な海水しか吸い込めません。
うーん。。。
確かにある程度はデトリタスが砂の中で分解されているだろうとは予想していましたが、こんなに高効率で処理されていたとは驚きです。今日は驚いてばかりです。
仕方がないので、この透明な海水を1滴ずつ調べてみることにしました。

するとなんと!?
予想に反してピコピコがいっぱいいました!!

砂の中凄ぇ~。。。
体感的には、砂の中の海水1滴あたり、50体は下らない高密度のピコピコが確認できました。多くは鞭毛虫の仲間だと思いますが、中には訳のわからないものもいくつか見られました。サイズ的には、動画の縦横がおよそ1×1mmほどなので、写っているものは5~100μmほどの微生物です。詳しくは判りませんが、とにかくこいつらが細菌を摂取したりデトリタスの分解に携わったり、ここから食物連鎖が始まると言えるので、ニョロニョロ系も含め非常に頼もしい砂の番人です。
逆に今回の方法ではニョロニョロ系は一匹も確認できず。。。ま、砂にスポイト差してもフィルター越しに海水だけ吸うようなものなので、これでは仕方ありませんね。しかし実際にはウヨウヨいるはずです。線虫はこの世でもっとも栄えている生物らしいので。

今回判ったことは、

  1. 硝酸が高濃度でも、意外とニョロニョロ系は繁栄していた
  2. しかしピコピコ系はほとんど見られなかった
  3. 硝酸ゼロの水槽の砂からは多くのピコピコ系が確認できた

デトリタスと砂の比較と言う、方法こそ違いはあれど、逆に水槽にデトリタスがあったら、もっと多くのピコピコ系が確認できたと思うので、これはこれで良い結果が得られたのだと思います。

ちなみに現在の水槽は砂は薄く敷いてあり、スポイトもさほど深く差していないので、いずれも好気的な環境からの抽出と言えます。もっと深く砂を敷いていたら、更に面白い観察が出来たかも知れません。特に線虫類は砂の深い嫌気的な環境が大好きなので。

皆さんのナチュラルシステムの水槽でも、きっと砂の中ではこんな光景が繰り広げられていると思います。サンプに溜まったデトリタスの中でも同様です。つくづく生き物の世界って凄いですね♪
これからはデトリタスを掃除するのが勿体なくなりそうです(笑)

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LED電球の選択肢

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過去のLEDに関する投稿はこちら。

今回、僕のミニ水槽の代替え照明として、これまでの東芝ネオボール21W(電球100W相当)をやめ、東芝のE-COREシリーズの新製品 LED電球6.9W(電球60W相当)をチョイスした訳ですが、これには以下の目論見がありました。

  1. 熱の回避
  2. 省エネ
  3. LEDの分光分布の水槽に対する有効性の確認
  4. 汎用性・低価格

「低価格」を無視するなら、同じ東芝から100W相当のLEDランプも実売1万円程度で提供されています。しかし、全光束が 595 lm しかなく、現行の6.9WのLED電球の 565 lm と大差ない点から、投資効率が悪いと判断しました。しかもランプ先端の径が 121 mm もあり、6.9Wの 60 mm と比べても倍以上のスペースが必要になります。

LEDの性能・効率は、ここに来てずいぶんと改善されてきましたね。エコブームの助けもあってか、めまぐるしい技術の進歩だと感心させられます。
ほんの少し前のLED電球なんて、せいぜい100~200 lm 程度の光束量しかありませんでしたが、先月あたりから続々と市場に現れたものは、スペックを見ても十分に蛍光灯の代役を任せられそうなものばかりです。

ようやくLEDも水槽照明として視野に入ってきましたね♪

以下、現在市販されている同型のLED電球を探してみました。

LED電球 - 電球60W相当/白色/E26/AC100V

メーカー 東芝 シャープ 丸善電機 エコリカ
型番 LEL-AW6N/2 DL-L601N ANAMEA 100V35D ECL-ELBF60WH
画像 東芝 LEL-AW6N/2 シャープ DL-L601N 丸善電機 ANAMEA100V35D エコリカ ECL-ELBF60WH
発売年月 2009/7 2009/8 2009/7 2009/6
色温度 K 5,000 5,000 6,500 7,000
演色評価数 Ra 70 - 72 80
全光束 lm 565 560 150 140
消費電力 W 6.9 7.5 3.5 3.0
重量 g 140 158 150 200
寸法 mm φ60×109 φ60×114 φ52×99.5 φ74×142

実売価格:いずれも4,000円弱程度
設計寿命:いずれも40,000時間

ネット通販や量販店で買えそうなメジャーなものに焦点を当てました。
が、スペックに注目です。

このうち水槽照明として使用に耐えそうなものは、概ね東芝とシャープくらいでしょうか。丸善とエコリカには申し訳ないけど、このスペックじゃアクアリストを納得させられませんね(アクア用じゃないっての(^^;)
但し、丸善は期待できそうなブツを持ってるので、近く販売開始されるかもね?
また、価格に目をつぶるなら、エコリカのECL-PRシリーズもアリでしょう。

今回のLED電球は、まだ導入したばかりなので水槽での効果が見えませんが、引き続きレビューしていきたいと思います。

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LEDランプ筐体の発熱測定

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昨日に引き続き、今度はLED電球の本体自体の発熱について調べてみました。

結果は以下の通り。

ランプ筐体の発熱 裸ソケット装着時 スポットミニ装着時
LED 6.9W 55.4 ℃ 65.4 ℃
蛍光灯 13W 43.9 ℃ 80.1 ℃

以下の画像は、E26ソケットを裸で試した様子。

裸ソケットでのテスト

計測の際の室温は26.5℃。
それぞれランプ点灯90分後に測定しました。
測定方法は、各ランプの筐体(LED電球はヒートシンク部、蛍光灯は筐体部分)にデジタル温度計のセンサーを軽く当てただけです。

結果から、LED電球の方は裸ソケット時でもヒートシンクは結構熱くなりますが、灯具にセットしても元々のヒートシンク効果が大きいようで、あまり温度の上昇は見られませんでした。せいぜい10℃程度の上昇。

一方、蛍光灯の方は、そもそも放熱構造にはなっていないので、裸ソケット時では温度も低いものの、灯具に装着するとてきめんに熱を持ちます。実験では倍に匹敵する40℃ほどの上昇が見られました(汗)
また、スポットミニも一般灯具もソケット部のクリアランスは変わらないので、恐らく一般灯具でもこれくらいの温度上昇が見られると思います。

ちなみにメーカーもあらゆる器具に装着することを想定して設計しているでしょうから、よほど密閉するような用途でない限り、熱の問題はクリアできると思われますね。(メーカーの取扱説明でも「断熱材が施工された灯具や密閉型灯具への使用は禁止」とあります)

以上のことから、LED電球はランプ本体の放熱に関しても優れていると言えるでしょう。

なんかすっかりLED贔屓になってきました(汗)

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