1.023world - ヤドカリパークとマリンアクアリウム -

海洋の仕組みと細菌・微生物から学ぶマリンアクアリウムサイト

1.023world Facebook

結果 Oh! Life (旧ブログ)

懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

スペクトロメーター比較:CL500A vs IM1000 vs MK350

この記事を含むタグの全記事リスト: スペクトル 測定器

最近、各社のスペクトロメーターに触れる機会に恵まれたので、これから購入を検討されてる方向けに簡単な比較レビューを残しておこうと思います。ま、あまりに高価なアイテムだけに、照明メーカー・関連企業の開発者向け、あるいは販売店向け情報になろうかと思いますが(汗)

今回比較したのは、いずれも今年2012年にリリースされたばかりの新製品3機種です。
3台で軽く100万円オーバーなので、滅多にお目にかかれないレビューなんだぜぇ?
ワイルドなんて次元じゃねぇぜぇ?

各社スペクトロメーター2012年モデル

写真左から順に、

CL-500Aはボルクスジャパンから借りました。さりげなくエエモン持ってるなぁ。。。
IM-1000はブルーハーバーが購入検討中のデモ機を店舗で拝見しました。
MK-350は、どこぞのアクアLEDクリエイターが借金して買ったとかどーとか。。。曝

それぞれカテゴリー名が微妙に異なりますが、いずれも相関色温度や演色評価、各種色度座標、分光スペクトルなどが測定できるハンディタイプのスペクトロメーターです。特に国内では、これまで機能・性能共にコニカミノルタのCL-500Aが競合知らずの独断場でしたが、先日これを追う形でリリースされたトプコンのIM-1000が、現在、低価格を売りに追撃中です。一方、台湾メーカーUPRtek製のMK-350は、CL-500AやIM-1000のようなJIS AA級(照度計)の精度は持ちませんが、ハンディ用途としては十分な性能と機能を備えた製品で、厳格な数値を求めない場面や現場用のサブ機として、非常に活躍するアイテムです。

以下はこれらの製品の一般に公開されている仕様情報を比較したものです。

型番 CL-500A IM-1000 MK-350
メーカー コニカミノルタ トプコンテクノハウス UPRtek (台湾)
分類 分光放射照度計 演色照度計 色彩照度計
センサー ? シリコンフォトダイオード CMOSリニア
照度計 JIS C 1609-1:2006 AA級
DIN 5032 Part7 classB
JIS C 1609-1 AA級 -
波長範囲 360~780nm 380~780nm 360~760nm
出力間隔 1nm 1nm 1nm
波長幅 約10nm (半値幅) ? 約12nm (半値幅)
波長精度 ±0.3nm ? ±0.5nm
照度範囲 0.1~100,000lx 2~1,000,000lx 70~70,000lx
確度 Ev: ±2% ±1digit
xy: ±0.0015 (10lx~)
xy: ±0.0020 (5~10lx)
Ev: ±2% ±1digit
xy: ±0.0020 (50lx~)
xy: ±0.0035 (10~50lx)
xy: ±0.0050 (5~10lx)
Ev: ±5%
xy: ±0.0025
繰り返し
精度
Ev: 0.5% + 1digit
xy: 0.0005 (500lx~)
xy: 0.0010 (100~500lx)
xy: 0.0020 (30~100lx)
xy: 0.0040 (5~30lx)
Ev: 0.5% + 1digit
xy: 0.0020 (50lx~)
xy: 0.0035 (5~50lx)
-
xy: ±0.0005
測定時間 0.2~2.5秒
オート: 0.5~27秒
0.2秒
オート: 0.5~50秒
0.008~1秒
測定
データ
表示
XYZ
照度
xy
u’v’
主波長
相関色温度
演色性Ra, R1-R15
ピーク波長
分光グラフ
XYZ
照度
xy
u’v’
主波長
相関色温度
演色性Ra, R1-R15
-
分光グラフ
-
照度
xy + 座標グラフ
u’v’ + 座標グラフ
-
相関色温度
演色性CRI
ピーク波長
分光グラフ
内部
メモリ
100件 50件 SDカード
(2GB/2000件)
PC接続 USB2.0 RS232C
無線LAN
USB2.0
SDカード
PCソフト CL-S10w
(EXCELアドイン)
CS-900A -
保存
形式
- CS-900AにてCSV出力可 EXCEL (CSV)
BMP (分光グラフ)
言語
選択
日本語
英語
中国語
本体は英語固定
PCソフトは日本語
日本語
英語
中国語 (繁体字)
中国語 (簡体字)
電源 内蔵リチウムイオン電池
ACアダプター
USBバスパワー
単3形ニッケル水素電池×4
ACアダプター
内蔵リチウムイオン電池
ACアダプター
寸法 W70×H165×D83mm W70×H250×D78mm W78×144×24mm
重量 350g 640g 250g
発売 2012/02 2012/07 (2012/09) 2012/04
価格 55万円 38万円 20万円

価格からも想像つきますが、まず総合点で見ると、まあ間違いなく
CL-500A > IM-1000 > MK-350
でしょう。
それを踏まえた上で、自分の求める性能・機能・条件・操作性などを吟味して、最良の1台を選択すれば良いと思います。

コニカミノルタ 分光放射照度計 CL-500Aを試す

先日、ボルクスジャパンから新製品Grassy Solareのサンプルをお借りした際に、水草用Solare Plantの売り文句10000KでRa93!を実際にチェックしてみたいなぁと思ったら、これも貸してくれました。
すすす凄ぇモン所有してやがるぜぇ?
さすがアクアLEDでフロンティア走ってるメーカーは違げぇぜ?
ちなみに、Grassy Solareのレビューはいずれまた改めて。

コニカミノルタ 分光放射照度計 CL-500A

三脚ネジ穴が前面と背面にあるので、受光部を天地どちらに向けても固定できます。これって一見、便利なように思えますよね?
でもね、受光部がディスプレイの反対面にあるので、上からの光源をディスプレイ見ながら測定、と言うのは無理のようです。。。
逆に、LED素子を個別に測定する場合なんかは、受光部を下に向けて本体を三脚に固定してLEDを下から発光させれば、ディスプレイを見ながらでも測れるので超快適っ!
ただ、バックライトが無いので、環境光を遮光しての測定時にはディスプレイがまったく読めないので不便でした。なぜバックライトが無いのか???

本体ディスプレイの表示例。

CL-500A:暗補正画面、その他

起動は比較的速やかです。但し、前回使用時からの経過時間が長い場合は、起動時にゼロ校正が促され、可否どちらも選択できます。ゼロ校正には27秒かかります。
モノクロ液晶ですが、横240ピクセルあるので、スペクトルグラフは比較的滑らかでした。
また、保存データを見返す事もできるので、PC接続前にデータを適宜添削できます。
保存データはPCに接続してエクセルのアドインから取り込むことができ、またCL-500Aのアドインソフトには初めからいくつかのエクセルのテンプレートが用意されているため、そのテンプレートに保存データを読み込めばスペクトルグラフ等のグラフィカルデータが自動的に生成されるので便利です。

CL-500A:エクセルテンプレートに出力データを取り込んだもの

ちなみに、このアドインソフトの注意点としては、インストール後にインストールフォルダに生成されたアドイン用ファイルを、エクセルのインストールフォルダに放り込まないとダメな点です。ま、アドインに長けた方なら朝飯前かな?

評価:良いと思った点(僕目線)

  • 起動が速い
  • スペクトルが360nmから測定できる
  • スペクトルグラフのY軸が放射照度W/m2
  • スペクトルの精度が高い

評価:うーん?な点(僕目線)

  • バックライトが無い!?
  • 受光部がディスプレイの反対面にある
  • SDカード等の外部メモリが使えない
  • 高くて絶対買えない(汗)

トプコンテクノハウス 演色照度計 IM-1000を試す

このIM-1000は、ブルーハーバーが持ってる○百万円の分光光度計LI-1800のサブ機として検討中の製品で、つい先日出たばかりの新製品です。公式には2012/07発売でしたが、実売は遅れ遅れになっていて、貸し出しデモ機が来たのも9月に入ってからでした。たまたま香港から帰国した翌日にBHに届いたので、運良くいじることができました。
CL-500Aの55万円に対し、破格の38万円でリリースされたIM-1000でしたが、測定データを見る限り、精度はほぼCL-500Aに迫ります。これは嬉しい!

トプコンテクノハウス 演色照度計 IM-1000

ただ、保存データが増えて来ると、何故か起動がどんどん重くなります(汗)
僕が試した限り、最長で1分ほどかかる場合もありました。これは痛いなぁ。。。

IM-1000:暗補正画面、その他

また、モノクロ液晶も横が128ピクセルしかなくて、しかもスペクトル表示領域が画面の半分ほどしかないので、スペクトル解像度はかなり荒いです。ま、PCへ取り込んだ生データは勿論1nmの分解能があるので問題はありませんが。
でも、CL-500Aと違ってバックライトがあるのが◎。暗くても視認性はグッド♪
また、CL-500Aと同様、保存データはいつでも呼び出して閲覧可能です。
ただ、ボタンが多い点と、モードも慣れるまでいまいち判りにくいのが難点かな?
そして有り難いのは専用ソフトが付属してる点です。これならエクセルに疎い人でも、直感的な操作でデータをグリグリいじることができそうです♪
スペクトルや色度座標グラフもカラーで見やすいです。

IM-1000:PCソフトウェアCS-900Aの画面

また、このソフトからCSVファイルを吐き出す事もできるので、ソフトをインストールしていないPCでもデータが操作できてとても便利です。

評価:良いと思った点(僕目線)

  • バックライト
  • スペクトルグラフのY軸が放射照度W/m2
  • スペクトルの精度が高い
  • 専用ソフトのインターフェイスの操作性
  • 無線LANが使える

評価:うーん?な点(僕目線)

  • 保存データが溜まると起動が遅い
  • 液晶解像度が低い
  • ボタンやモードがやや判りにくい
  • オートパワーオフがない
  • ファームウェアが更新できない
  • SDカード等の外部メモリが使えない
  • それでも高くて買えない(汗)

UPRtek 色彩照度計 MK-350を試す

精度は上記2機種に及びませんが、かと言って決してホビーレベルではなく、十分に業務用途をこなす性能と、上記2機種を超えたデータ表示機能は、一度使ったら手放せない利便性を誇ります。特に、照明屋さん等が現場でプレゼンしたり診断する際にこれほど便利なアイテムはないんじゃないかしら?

UPRtek 色彩照度計 MK-350

こちらは経過時間に関係なく、電源投入時に必ず暗補正を要求してきます。可否の選択はできますが、暗補正自体は5秒ほどで終わるので苦になりません。但し、電源ボタンを押してから上のロゴ画面が出るまで5秒ほど無反応になるので、いまいち電源が入ったかどうか判りにくいです。できればロゴ画面は電源を押したらすぐに出て欲しいですね。5秒後にやっとロゴが出るのと、ロゴが出てから5秒待つのとでは、断然後者が親切ですからね。ま、ファームウェアは随時更新されてるようですし、そのうち対応されるかも知れませんけど。

MK-350:暗補正画面、その他

MK-350の売りは、QVGA:240×320ピクセルの大きなタッチパネルカラー液晶と、各種グラフのカラー表示でしょう。例え照度計がJIS準拠じゃなくても、例え演色評価に個別Ri (R1-R8/R9-R15)が無くても、この機能美だけで所有欲がくすぐられます♪
また、CSVデータやグラフ画像化データ(BMP)がSDカードに保存できる点も◎。
CSVはエクセルで簡単にグラフ化が可能です。

MK-350:出力データCSVをグラフ化したもの

画像データは4つの表示モードのキャプチャが1枚の画像に連結されて保存されます。

MK-350:画像出力機能で生成された各グラフ合成BMP

キャプチャなので無駄にボタン類まで含まれてるのが邪魔ですが、それでもいちいちエクセルを起動しなくても済みますし、色度座標グラフを作るのも面倒なので、この画像機能は非常に有り難いです。

評価:良いと思った点(僕目線)

  • スペクトルが360nmから測定できる
  • 大画面タッチパネルカラー液晶
  • 各種グラフ表示機能
  • CSVデータ保存機能とグラフ画像保存機能
  • スマートホンのような携帯性
  • 台湾製だけど言語を日本語に設定可能
  • SDカードが使える
  • 無理すれば何とか手の届く価格かな(汗)

評価:うーん?な点(僕目線)

  • できれば照度計クラスがJIS A/AA級が良いけど・・・海外製だから?
  • スペクトルグラフのY軸は相対値ではなく放射照度W/m2が良かった
  • できればRa(CRI)だけじゃ無くてR1-R8/R9-R15まで表示できたら良いな
  • 波長精度がやや粗い?
  • 横向き用液晶パネルを縦に使ってる?せいか、右の視野角が狭くて、両眼で捉えた像が微妙に異なり、ややチカチカして見づらい

最後に、実際に触ってみて、ネット情報だけでは見えなかった点も比較しておきます。

型番 CL-500A IM-1000 MK-350
メーカー コニカミノルタ トプコンテクノハウス UPRtek (台湾)
分光グラフ
Y軸
放射照度 (W/m2) 放射照度 (W/m2) 相対値 (0~1)
視野 2°/10°選択 2°/10°選択 -
暗補正
(Dark
Calibration)
○ (起動時自動要求) ○ (起動時自動要求)
起動時間 約3秒
(暗補正実行時は+27秒)
5秒~60秒超
(保存データ量に依存)
約7~9秒
(暗補正実行時は+5秒)
オート
パワーオフ
15分 (オン/オフ可) × 10分 (増減可)
電池
残量表示
アイコン表示 (4段階)
・非表示(フル)
・低下
・なし
・充電中
文字表示 (2段階)
・非表示(フル)
・BAT(少ない)
アイコン表示 (無段階)
(設定画面に%表示あり)
受光部位置 背面 前面 天面
ディスプレイ モノクロ 240×128 モノクロ 128×64 3.2″ 240×320
カラータッチパネル
バックライト × ECO/ON/OFF
(ECO: 1分無操作時オフ)
10~100%設定可
(10%ステップ)
最新
ファームウェア
1.10.0002 - 1.3.1
ファームウェア
更新
×
充電時間 3.6時間 (6時間動作) ? (7時間動作) ? (5時間動作)
三脚ネジ穴 前面×1
背面×1
背面×1 ×

以上、お役に立てば。
不明な点は個別にお尋ねください。
尚、今回はいずれも軽く触っただけなので、評価に誤りがあるかも知れません。間違いがあったら訂正しますので、良かったらご指摘願います。

ちなみに僕はアクアLEDクリエイター(笑)としての利便性を優先してUPRtekのMK-350を選択。いや、厳密には予算的にそれしか選択肢が無かったとも言いますが(曝)
10万キロのマイカー、来年もう一回ワイルドに車検通すぜぇ?

こちらのエントリーもどうぞ♪

照度計選びのポイント

この記事を含むタグの全記事リスト: プチ実験 測定器

最近、ヤフオクとかAmazonとか見てたら、照度計の価格にビックリですね!?
しかも機種も豊富になって、価格競争も益々激化して。。。
もしかして全国的に照度計ブームなの???
でも一般の人は何に使うんだろ。。。

ちょうど去年の今頃、応援市場の夏の感謝祭をやりましたが、その時の景品を当時あれこれ思案した結果、大奮発して照度計にしたんですが、その時は今みたいに国内では安価な照度計が無くて、わざわざ香港から1台$20ちょいの照度計を取り寄せたものでした。それが今や同じものが国内で千円ちょいで買えるなんて。。。わなわな。。。

そこで、あまりに安いので、お小遣いで買えそうな範囲の奴をいくつか買ってみました。で、手持ちの照度計と合わせて精度比較をやってみたので、これから照度計を買われる方の参考になれば幸いです。

では、選手入場です。

型番 測定レンジ 最大照度 公称精度 規格 価格
東京光電
ANA-F10
200,000lx
自動/手動
200,000lx ±2% JIS AA級*1 49,000
TENMARS
TM-204
200lx
2,000lx
20,000lx
200,000lx
手動
200,000lx ±8% CIE*2 15,000
CEM
DT-1309
400,000lx
自動
400,000lx ±5%*3
±10%*4
CIE*2 21,000
TONDAJ
LX-1010B
2,000lx
20,000lx
50,000lx
手動
50,000lx ±8% - 2,000
SMART SENSOR
AR813A
2,000lx
20,000lx
100,000lx
手動
100,000lx ±4%*3
±5%*4
- 3,000
ノーブランド?
FS-A881
2,000lx
20,000lx
50,000lx
手動
50,000lx ±4%*3
±5%*4
- 3,000

*1 JIS C 1609-1:2006 「照度計」 一般形AA級に準拠
*2 C.I.E.(国際照明委員会)規格に準拠
*3 10,000lx以下の精度
*4 10,000lx以上の精度

ANA-F10は、JIS AA級の中ではお値打ちで買える照度計です。(現在のJIS規格の照度計には一般型と特殊型があり、一般型の中に精密級/AA級/A級があります)
TM-204CIE準拠の中ではお値打ちの照度計です。
僕がいつも使ってるのはDT-1309ですが、なぜか比視感度フィルターが掛かってない(その時点でCIE準拠は怪しいけど(曝)ので光強度を伝えるのに重宝してます。中にはわざわざ比視感度フィルターを取っ払っちゃう方もいらっしゃるくらいで(笑)(本来の照度計は人間の目の比視感度に合わせて緑は強く、青や赤は弱く出ますので、例えば白と青の同じワットのLEDランプを測ると、青が白より遙かに弱く表示されますが、この比視感度フィルターを省く事で白も青も同じ感度で測定する事ができます)
LX-1010Bは去年の応援市場の感謝祭のプレゼントに採用した照度計です。
で、今回はAR813AFS-A881を送料と合わせて6千円ほどで調達しました♪
ひぃぃぃっ! こんな安くて、ちゃんと動くのぉ!?
僕が10年前に作った自作キットの照度計でさえ3,000円くらいした覚えが。。。曝

いざ、出陣!
8/26も快晴ピーカン、10万ルクスオーバーでした♪

各種照度計で測定した太陽光の照度

はい、こうして太陽光を測定している分には、およそ横並びな照度ですね。
では、色温度(波長構成)が異なるとどうでしょうか?
ちょうど良いので、前回録り忘れたLeDio RS122を測ってみました。
いつものように30cmでの照度です。

各種照度計で測定したLeDio RS122各機の照度

判りにくいので、これをグラフ化するとこうなります。

各種照度計の測定データ比較

太陽光やFrashWhiteのようなフラットな波長構成の白色光源を測る分には、どの照度計もほぼ大差ありませんね。しかし、波長構成が青に傾き、色温度が高くなるにつれて、各機の値がグングンずれていくのが判ります。この違いが比視感度フィルターの有無だと思われます。比視感度フィルターが効いた本来の照度計の挙動を示すのが左下がりの特性を持つANA-F10とTM-204です。それ以外は白も青もフラットな感度、あるいはむしろ左上がりになってます。左上がりの理由については、白LEDと青LEDの放射束の違いを考慮して考察すると見えてくると思います。

結論としては、本来の照度計の特性を求めるなら、予算が許すならTM-204がオススメです。ANA-F10にも迫るなかなかの精度だと思います。それにCIE準拠だし♪
でも、やっぱアクア照明の測定に比視感度が入ると判りづらいよ!と言う方は、予算が許すならCIE準拠のDT-1309をオススメします。またはLX-1010BでもDT-1309に結構近い特性だし(簡易照度計なんて数千ルクスの誤差は当たり前だし)、2,000円でお釣りが来るので、特に規格にこだわらず大体の照度が判れば良いって方はLX-1010Bでも十分だろうと思います。
で、今回買ったAR813AとFS-A881は特性がまったく同じなので、多分中身は同じような回路でしょうね。これを買うならどっちでも良いと思います。それに、かなり高めの値が出るので、メンタル的にも良いかも?笑

で、今回の実験で判った事がもう一つ。
実はLX-1010BとFS-A881は最大照度が5万ルクスまでなんですが、太陽光で10万ルクス超えてもそれなりに表示してました。てことは、これは5万以上が表示できないって意味じゃなくて、単に精度の問題って意味の最大照度なんでしょうね。ま、そもそも参考値程度の簡易モデルですし、これはこれで10万表示OKと思って良いんじゃないかしら。

以上、お役に立てば。

次はUV計も2,000~3,000円台でたくさん出て欲しいなぁ。。。

こちらのエントリーもどうぞ♪

タニタUVチェッカー

この記事を含むタグの全記事リスト: プチ実験 測定器

自作の鬼だに兄ファンの皆さんならご存じでしょう、タニタのUVチェッカー
当時はこの記事を見て憧れた方も多かったのでは?
しかし時既に遅し。。。
その後、廃盤?になったようで、今は入手不能なのでした。。。

しかーし!
なんか最近、復刻したみたい♪

タニタUVチェッカー復刻版!

見つけたのは先月でしたが、もちろん慌てて買いましたよ♪
ロイヤル通販さんが販売されてます。
ま、在庫数見るとまだ500ヶ以上あるっぽいので慌てなくても買えそうですが(笑)
気になる価格はなんと1,640円! しかもレビューを書けば1,490円!!!
でも僕はシャイなので無理無理~。高い方で買ったさ~。
でもこうやってブログに書いたらレビューよりも宣伝効果が高いんじゃ・・・?笑

このタニタのUVチェッカーの売りは、なんと言ってもUV-AとUV-Bが個別に測定できるってこと。いいえ、UVインデックス値とかじゃなくて、ちゃんと放射量W/m2で表示される本格UV計ライクな作りなのだ♪
市販のUV計でさえA/B個別測定タイプは少ないのに、あっても10万はくだらない!
それを2,000円以下で作っちゃうってどうよ! 凄ぇこだわり!
しかも紫外線量に応じたインジケータまで表示してくれる親切設計!
紫外線の危険度が数値と絵で確認できる優れものなのだ~!
だから機械の苦手な女性の方でも、とても簡単に扱えて日焼け対策にもってこい!
ついでに宣伝費ももってこい~っ!

タニタUVチェッカー測定範囲

で、実際に使ってみる前に、太陽光の紫外線量ってどれくらいなの?
ってことで下調べしてみました。

この記事に参考になりそうなデータがありました。P41(Sec4:33)に神奈川県平塚市で1990年以降に測定されたUV-B(W/m2)の分布グラフがあります。

UV-Bのモニタリングデータ1

コレを見ると、12時のUV-Bで、0.2~1.5W/m2 の幅がありますね。
この場合は天候による違いのようですが、それ以外の違いとしても、

「UV-Bは12時の値が8時の約5倍にもなっている」
「UV-Bはオゾンによる吸収が少ない7月8月に最大強度となる」

と言う事なので、8月の快晴12:00に測定すればちょうど最強強度が記録できそう♪
北海道と沖縄でも緯度の差がありますが、僕は金沢なのでちょうど中間です。

その他、UV-Bの50%は散乱成分(日射10%)とか、UVインデックスなど、いろいろと情報が豊富で、一通り目を通すととてもためになると思います。

もうひとつの資料はこちら。

P15にUV-Bの2000~2004年までの地域毎のUV-Bのモニタリングデータがあります。

UV-Bのモニタリングデータ2

ただ、単位がW/m2 ではなくkJ/m2 なので、変換が必要です。
変換式はこちらを参考にしました。
それによると、

kJ/m2 = W/m2 * 3.6 * hour
∴ W/m2 = kJ/m2 / (3.6 * hour)

これを先のグラフに当てはめると、

W/m2 = kJ/m2 / (3.6 * 24)

那覇8月:30kJ/m2 = 0.35W/m2
札幌8月:20kJ/m
2 = 0.23W/m2

てことかしら。
地球環境研究センターのデータとはだいぶ違うな。。。
どちらもそれなりの測定器のようだし、測定条件が違うのかなぁ?

さて。いざ実測に出陣!
今日も金沢はたいへん良い天気じゃったぁ。。。

2012/08/23 12:00の金沢の天気

手持ちのUVメータとタニタUVチェッカーを比較

タニタUVチェッカーでのUV-AとUV-Bの測定結果

測定結果はいずれも太陽に垂直に向けての最大値を拾ってあります。

  • 手持ちのUVメータ(UV-A + UV-B) = 11.88mW/cm2 = 118.8W/m2
  • タニタのUVチェッカー(UV-A) = 38W/m2
  • タニタのUVチェッカー(UV-B) = 0.3W/m2

うーん。。。
タニタのUV-AとUV-Bを足しても、手持ちのUVメータの値になりません。。。
約3倍の開き。。。
もしかしてちょっと甘めに出るのかな?笑
でも、今日はホントにピーカンの快晴で、雲無しの直射日光が測れているので、それでUV-Bが0.3W/m2だったら、インジケータの強い/やや強い/非常に強いはいつ拝めるんだろう?笑
同じタニタのUVチェッカーを買われた方からも「UV-Bがゼロしか表示されない」と伺っているので、全体的に算定値が低いのかも知れませんね。他にもお持ちの方がおられましたら結果をお知らせ頂けたら嬉しいです。
ちなみに検証するにはUV-Bの測定器が必要ですが、僕は普段まったく必要ないので、さすがに買うのは厳しいよなぁ。。。誰か持ってる人からお借りできないかな。。。ボソッ。。。

以上、、、あまり参考にはならんかね(汗)

こちらのエントリーもどうぞ♪