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世界初UV搭載LEDスポット零号機

マリンアクアリウム エイジ 21:27
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部屋掃除してたら、めっちゃ懐かしい夢の欠片を発掘しました(笑)

世界初UV搭載LEDスポット零号機

懐かしい!!!笑

これ、最近の方は知らないかもですね。当時あまり露出しなかったし。。。

今でこそ400-420nmのUV LEDはアクアLED製品に欠かせない存在になりましたが、その先駆けとなったのが、世界初UV搭載アクアLEDスポットの名の下にリリースされた、ボルクスジャパンGrassy LeDio9+シリーズでした。

で、これはそのゼロ号機です♪

そう言えば、2009年当時はまだスペクトロメーターなんて持ってなかったから、この零号機の実際のスペクトルなんて知る由もなかったなぁ。。。

早速測ってみました(笑)

世界初UV搭載LEDスポット零号機・実測スペクトル

おおお~! ちゃんと400nm出てますやん♪曝
ま、砲弾LEDの超狭角のビーム角に助けられての結果ですけどね。
測定器を少しでも傾けると400nmの存在が消えます(曝)
なんともちっぽけな零号機でした。。。笑

でも、この存在があったから、後のLeDio9+シリーズに繋がり、さらにその後の他社の追従にも繋がった訳です。ボルクスが特許縛りを控えてくれたお陰です♪汗
そうして現在、UV入りLED製品は、非常に多くのアクアリストに親しまれています。
オージーサンゴの蛍光タンパク、UVでガンガン揚がってますかぁ~?
お元気ですかぁ~?

よし。
将来、アクアLEDミュージアムが開館されたら、この零号機を展示して貰おう♪笑

世界初UV搭載LEDスポット誕生秘話

さて、せっかくなので、UV採用LEDスポットの開発秘話を簡単にご紹介しましょう。

■2009年8月

まず、僕が初めて買ったLED電球は、この東芝のLED電球でした。

東芝LEDLED電球

最初は、同じ日亜のブルー素子を取り寄せて青白スペクトルに改造したり、リフレクターやレンズを自作して光量アップなどを楽しんでいたんですが、ふと、あることに気づきました。

UVが入ってないじゃん。。。

元々僕は2000年当時、スギノキ・ブルー化計画でUVを崇拝してたUV信者でしたから、サンゴの飼育照明にUVが入ってないなんて、とても許容できるはずはありませんでした。
そして、持論はより一層強く固まっていきます。。。

LEDをサンゴ飼育に用いるならUV域を補完しなければならない!

■2009年10月

その後、UVを載せる方法をいろいろ思案し、思いついたのがこの方法↓

東芝LED電球改+紫外線LED搭載実験

だって、当時はパワーLEDのUV素子なんてほとんど売ってなかったんだもん(笑)
たまに見つけても超高価低出力プラスチックレンズの三拍子。。。汗

こうした実験は、実は当時オフレコで進めていたので、この件を公にできたのはLeDio9+シリーズの試作が完成してからでしたね。

そう、アクアLEDとUVの未来は、
すべて新型LeDio9+のUV搭載の可否に運命を託されたのです!

■2009年12月

その後、遂にLeDio9+シリーズの試作機が到着
レンズタイプ1 (クリアレンズ版)

UV搭載LeDio9試作機 レンズタイプ1

レンズタイプ2 (フロストレンズ版)

UV搭載LeDio9試作機 レンズタイプ2

* これらの試作を経て、正規版はプリズムレンズに決定しました。

これが実測スペクトル(LeDio9 PearlUV3)

UV搭載LeDio9試作機・実測スペクトル

おおお~!
安心してください、UVは無事履けましたよ♪笑
このUV補完スペクトルに、マリンアクアリウムの明るい未来を見いだしました!

その頃、ちょうどスギノキブルーの枝が調達出来たので、同じく試作したLeDio3 UV3を使って、ブルー蛍光タンパクの励起実験に着手。

スギノキブルーの青味がUVで励起されるブルー蛍光タンパクであることを発見!

はい。謎は全て解けました♪

ウスエダ・ブルーと違って、スギノキ・ブルーの多くはブルー色素タンパクを持たないブルー蛍光タンパクのみの構成であるため、白色LEDのようなUV 400nm付近の波長を一切含まない光源で観賞すると完全に真っ茶色で、まったく青く発色しなかったのです!
しかし、太陽光の元で見ると青いっ!?
やはり間違いない、アレだ!

そう、アレとは、僕が現役当時、同じくスギノキを青くすべく実践したスギノキ・ブルー化計画の仮説の元となった、UVです。

スーパークール・マリンブルーはスギノキブルーの青味を増強する

やっぱり、サンゴを自然下と同じように飼うにはUVも必須なのだ。。。
しかし、現状のアクアLEDは、青と白しか入ってない青白スペクトルのみだ。。。
このままじゃダメだ。。。危うくアクアリストが全員路頭に迷うところだった。。。
UV搭載LEDの実現は間違いではなかった!!!

■2013年5月

その後、スギノキのブルー蛍光タンパクの励起発光特性を調べることにも成功しました!
(コーラルカラーレポートVOL.1より出血大サービス♪)

スギノキブルーの反射スペクトルとブルー蛍光タンパクの発光スペクトル特性

はい。スギノキのブルー蛍光タンパクの励起には、370nmも400nmも425nmもすべて同じくらいの波長強度が必要だったのです。もちろん、スーパークール・マリンブルーには全部入ってます。
しかし、当時は370nmのLED素子なんて超高価の割に超低出力で使い物になりませんでしたので、採用は現実的ではありませんでした(未だにそんな感じですが 汗)

ではどーするか?
その分しっかりと400-420nmを入れましょう!
と言うのが、後のフルスペの波長理論のひとつになりました。
フルスペを当てるとスギノキブルーが真っ青に揚がるのは、そういう訳だったんです。
ま、その話はまた今度。。。

え?
上のスギノキのグラフ、深赤680nmあたりにも蛍光発光が出てないかって?
鋭いですね!
そんなあなたは、以前投稿した褐虫藻に焦点を当てたLED選びも参考にどうぞ♪

こちらのエントリーもどうぞ♪

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