早速、KR93SPの記事をいくつか見つけました。
ご参考まで。
きょっちゃんさん - KR93SP 24”
http://www.1023world.net/city/lightning/review-1322840824
タツ太郎さん - KR93SP 30”
http://tatutarou.blog26.fc2.com/blog-entry-254.html
さて、今回は、KR93ノーマルとKR93SPフルスペを比較してみます。
特にこの両者を知る人は、明るさが結構違って感じるでしょうから、その不安を解消してあげようと思います♪
まずは、スペクトルの違い。
フルスペモデルは、光エネルギーのほとんどをUV~青の帯域へシフトしています。
その分、どうしても人間の目には暗く見えてしまいます。。。
でも、PPFD(光合成光量子束道度)を比較すると、そこまで極端な差はありません。
これらの違いを簡単に説明します。
まず、人間の目の光の感じ方は比視感度で表されます。
人間の目は緑色がもっとも強く感じ、そこから色(波長)が遠ざかっていくと、例え緑色と同じ光エネルギーであっても暗く感じてしまうのです。だからよく「UVや青のLEDは直視しないように!」と言うのはそのためです。UVや青の光は暗く見えるのでつい直視しがちですが、これが緑ならとても眩しくて見つめていられない光強度がありますから、下手をすると失明の危険があります。特にUV~青の波長は光エネルギーが強いから尚更です。
と言う訳で、上記グラフのように、比視感度で両者を比較すると、およそ1.7倍の明暗差(図では面積比)が生じてしまいます(波長単位の光量でグラフの比率を揃えています)
その他、光束[lm]や照度[lx]も、この比視感度が反映されています。
しかし、放射束やPPFDなどの光エネルギーで表される値には比視感度は反映されておらず、極めてフラットな特性で表されます(PPFDはやや右肩上がりに強調されます)
と言う訳で、この場合、両者のPPFDにはおよそ1.4倍の差しかありません。
要するに、実際の光エネルギーの差以上に、人間の目は大げさに明暗差を感じている、と言うことになりますね。
KR93ノーマルからKR93SPフルスペに乗り換えて暗く感じても、ご安心を♪
ちなみに、この実際の光エネルギーの差と言うのは、やはりフルスペクトル実現のために犠牲となった光量です。一般的に青や白のLEDは需要も多く、日々効率も光量も改善されており、比較的明るい製品が多いのですが、その以外のUVや420nmなどは需要が少ないため、また半導体の特性やコスト等の問題もあってか、やや光量的に控えめなのかも知れません。そうした要因が積もり積もって、今回の差となって現れているのでしょうね。
最後に、それぞれの実測値を参考に載せておきます。
30cm測定データ | KR93 24” | KR93SP 24” | |
---|---|---|---|
PPFDピーク | 全灯 | 737μmol・m-2・s-1 | 648μmol・m-2・s-1 |
白ch | 493μmol・m-2・s-1 | 475μmol・m-2・s-1 | |
青ch | 235μmol・m-2・s-1 | 195μmol・m-2・s-1 | |
照度ピーク | 40,100lx | 35,700lx |
意外と思ったより少ない差に収まって良かったです♪
また、浅場のSPSを十分に育成するには、最低でもPPFDで300~500μmol・m-2・s-1が必要と言われているので、その意味でも今回のフルスペは余裕でスペックをクリアしているので非常に大満足です♪