焦らした訳ではありませんが、お待たせしました。
最近気づいたIllumagic Advanceのスペクトル間違いについてご報告します。
実は、Illumagic Advanceには、UV 400nm以外に「Purple」と言う名のLED素子が採用されていたのですが、僕は当時これをあまり深くは考えずに、単に、
「420nmを入れたのかぁ~。さすが判ってるなぁ~♪」
と楽観的に捉えていました。
しかし、それは浅はかな誤りだったことが判明しました(汗)
まず、公式サイトには、こうあります。
Show time on MACNA 2011! - Illumagic Opto - Professional LED Lighting Fixtures
Purple LEDは、UV 400nmと違って、青と赤のスペクトルで構成された、サンゴに有効な特別なLED素子なんだ♪
その他、以下のサイトにも同様の情報がありました。
LFS Direct - About LFS Direct
Reefing The Australian Way Forums - View topic - Cyanobacteria - The case for LEDs
要するに、このPurple LEDとは、
1素子の中に青と赤のチップを封入したデュアルチップ構造だった
と言う訳です。なるほど、、、それでパープルかぁ。。。汗
そして、公式サイトでのニュアンスを見る限り、どうもこの素子は自慢の逸品のようで、他の参照サイトでも、この素子の開発に1年掛かった、とありました。うむ。それ自体は素晴らしい取り組みだと思います。クロロフィルの光合成を意識したなら、Radionのように普通より長波長寄りの赤を入れたのかも知れないし、何か狙いがあるのでしょう。。。
でも、きっとこんな疑問が浮かぶはずです。
わざわざ1素子でデュアルチップにしなくても、
青と赤の素子を別々で入れても良いんじゃね?
その通りです(汗)
どうせ素子自体は1W駆動されてますから、内部の青と赤の双方では分流されて0.5W駆動となりますし、青と赤を別々に配置して各1W駆動した場合とまったく同じ意味となり、デュアルの意味がありません。
でも、これには実はいくつかのメリットが考えられます。
まずひとつは、斑なビームの防止、色のブレンド効果の向上です。同一素子から青と赤が放たれるため、あくまでも影はパープルの影になります。まずこれで青と赤のチカチカに悩まされずに済むでしょう♪
そしてもうひとつは、今回は1W駆動なので無意味ですが、もしこれを3Wや5Wで駆動した場合、素子数の限られたスペースへ複数の波長のチップを同居させることが可能になるため、例えば16素子のスペースへ32チップ(要するに32素子)配置することが可能になるのです(トリプルチップなら48チップ)。しかも、その場合の駆動ワットは通常の1チップあたり3W・5W駆動ではなく、各チップが分流された1W駆動×チップ数ワットとなりますから、光量は3W・5W駆動時の低効率なものではなく、1W駆動による高効率な光量×チップ数となるため、良い事尽くめです。
また、これはIllimagicに限らず、限られた素子数しかないMazarraでも応用できます♪
ま、素子ひとつひとつのコストは膨らむので、そのまま価格にのしかかってきますが(汗)
でも、この手法を使えば、KR93SPフルスペの1W駆動×多素子方式に立ち向かうことも可能になるでしょう。どうか頑張って欲しいところです。
話を戻して、IllumagicのPurple LED。
この判明した仕様により、当然スペクトルも大きく変わってきます。
先ほどLEDスペクトラのデータベースも訂正しておきました。
訂正後のスペクトルは、以下のようになりました。
あくまでも青・赤それぞれのチップの詳細が不明なので、とりあえずCree XP-EのRoyalBlueとRedを割り当てておきました。
結果、UVは弱くなり、赤は持ち上がりました。そしたら、水草P、浅場S、深場Cのいずれも、赤の波長がUVに対して陸上並みの光強度になっていることが判明しました。うむむ、これは困った。。。前回も力説したとおり、海中では水深3メートルの浅場環境ですら、赤はUVの半分以下であるべきはずなのに。。。
だったら、Purple LED弱めりゃ良いじゃん♪
ところがですね、PurpleのあるCチャンネルをいじったら、UVまでシンクロしちゃうんですよね。。。意味が無い。。。汗
となると、相殺するためにUVスポットを追加するか、UVは諦めてCチャンネルをオフにするか、悩ましいですね。。。せっかくのUVも、オフにしたらRadionやVertexと変わらない。。。ま、Illumagicは元々1ユニット46WのうちUVは僅か2W分しか入ってないので、オフにしてもそれほどの喪失感は無いけど。。。汗
以上、スペクトル間違いについてお詫びします。
当初、もし僕の計算したスペクトルを信じて買われた方がいたらご容赦ください(汗)
だって、データを公にしないメーカーが悪いんだもん♪汗
あと、Illumagicユーザーさんは、念のため調光を最小にした状態で、Purple LEDがどんな風に光ってるかご確認ください。チラ見でお願いします。目がやられるので(汗)
それと、もし可能ならちょいと人肌脱いで、Purple LEDのマクロ写真を撮って、僕にお送りください。お礼は特にありませんが、チップの種類くらいは頑張って調べてみます。
ついでに、「実はサンゴが・・・」などのご相談なども大歓迎です。お気軽にどうぞ♪