前回のMazarraの進化と最新情報の続きです。
Mazarra本体内部の進化
Mazarraは本体内部の基板にあるジャンパーピンで駆動電流(700mA/1A/1.5A)が可変できるのが魅力のひとつですが、その仕様も徐々に進化してきたようです。
まず、昨年8月時点の試作機から。
Maxspectって昔から思ってたけど、筐体や部品の作り込みやクオリティが本当に素晴らしいですね。上の試作機の時点でさえこの作りですから、これは見習いたい部分です。
ちなみに試作機の駆動電流設定は、各チャンネル毎に700mA/1000mA/1500mAの3パターンすべての選択肢が2ピン式のジャンパーピン方式で用意されていました。さすが試作機ならではの抜かりのない構成です。
続いて、昨年10月購入分です。
上のP+420は2011/10の購入分ですが、タイミング的に最新素子リストが反映される前のロットなので、まだBridgeluxが使われてた初期の素子構成です。
また、駆動電流の設定ピンの選択肢はシェイプされ、さらに3ピン式に変更されてました。
ジャンパーピンは、3ピンのうち上側か下側にショートピンを挿して使います。PCの自作なんかでよく見るアレです。
そして、多分もっとも最新型と思われるロットです。
今までは素子を固定する黒いパッドを外さないと、どのチャンネルの素子なのか判りませんでした(チャンネル印字がパッドに隠れてるため)が、このロットからは見える位置にチャンネル表示が印刷されました。
そしてジャンパーピンも3ピン式から2ピン式に戻りました。
ちなみにジャンパーピンで設定できる駆動電流の選択肢は、
A ch: 1500mA/1000mA
B ch: 1000mA/700mA
C ch: 1500mA/1000mA
D ch: 1000mA/700mA
の各2パターンが用意されています。
とは言え、設定可能な最大出力が熱設計で許容されているのか不明なので、あまりガンガン流すのは放熱の心配があるので避けましょう。僕の提供しているMazarra最新フルスペ案も敢えてA chは1000mAに落として、オール1000mA設定で計算しています。
また、例えば「Mazarra白すぎるなぁ」とか「XML(Aチャンネル)が明るすぎるなぁ」とお困りの方は、Aチャンネルの駆動電流を1.5Aから1Aに落としてみると、「おぉっ!青みが増した♪」とか「光障害がなくなった!?」とか、幸せの鐘が鳴るかも!?
ちなみにAチャンネルの駆動電流設定ピンは、基板の正面に向かって一番右端の白い2芯コネクタ周りにあります(最新ロットならコネクタの上に「A」と印字されてます)。そのコネクタの右横の1.5Aのジャンパーピンを抜いて、下の1Aに差し直すだけ(旧基板ならコネクタの下の3ピンの1.5A側を抜いて1A側へ差し直し)。あ、もちろんコンセントを抜いて作業すること。
ただ、ひとつ問題があります。それは、実は僕は電流設定の変更を実際には試していないんです(大汗)。あくまでも基板の写真を見て想像で書いてます。なので、もしかしたらファームウェアが絡んでるとか、単にピン設定だけではうまくいかない可能性も否めません。
という訳で、まあ、くれぐれも自己責任でお願いします(汗)
その他、1月時点のUS版Pで気づいたこと。
最新Mazarra PのUV系LED素子はDチャンネルの外側(写真右上と左下)に2ヶ配置されていますが、実はここだけデフォルトで100°レンズが割り当てられています。これは恐らく、少しでもUVが広域に拡散するよう願いが込められているのかな?と思われます。うーん。。。UV素子増やそうよ(汗)
あ、一応念を押しますが、UVとかUV系素子とか書いてんのは、あくまでも400-420nmのことであり、俗に言う紫外線のことではありませんからね。今更ですが。
以上、お役に立てば幸いです。
不明な点はお尋ねください。大して詳しくないけど(汗)
併せて、この場を借りて、情報提供者の皆さんにお礼申し上げます。
(ご迷惑が及ばないように敢えてお名前は伏せさせて頂きます)
1. TAKA 2012/04/07 01:53
ジャンパーの設定を自分でも変えても保証は有効なんですかね?
交換球なども販売されていますし、自分好みで変更できるのは嬉しいですね。球切れのときも球を買うだけで簡単に復活できそうですし。
2. エイジ 2012/04/07 21:13
取説見てないから判りませんが、保証が無効になる可能性はありますね。
でも、ユーザーにLED素子のカスタマイズ性を提供していて、むしろそれが売りなので、普通に考えたらカスタマイズと電流選択の2つの提供のように思えます。それなら、各チャンネルに2つずつの異なる電流の選択肢を残した理由も頷けます。
もし、本当にユーザーにいじらせたくないなら、電流の選択肢は残しません。それもカスタマイズで目に触れる場所には。。。
3. TAKA 2012/04/08 12:49
改良が加えられるのは嬉しいですが、海外版と日本版に差ができてしまうのはユーザーからしたら嬉しくないですね。在庫とかの問題もあると思うので、全く差をなくすことは無理かとおもいますが。でも、元は同じ香港(?)だと思うので、なんとかなりそうですけどねえ。Mazarraの取説だけ手に入らないかなあ。英語版ならなんとかなりそうかな。取説がオンラインで見れるのはありがたいことですよね。
ジャンパーピンで変更できるなんて、マザーボードの設定をしているみたいで面白そう。
4. エイジ 2012/04/08 20:47
探してみたら、製造元のユーザーガイドでは触れられてませんでしたが、CoralVueではPタイプについては普通に駆動電流設定対応と謳ってました。
http://coralvue.com/maxspect-mazarra-p-series/
Adjustable LED driven current. (1500mA/1000mA/700mA)
その割にユーザーガイドに説明が無いと言うことは、ファームウェア関係なく、設定ピンだけで簡単に変更できるのだろうと推測。
あと、写真付きのフォーラム記事も発見。
http://www.reef.hk/forum/topic/18418-mazzara-qa/page__st__15
この写真を見ると僕の記事で紹介した最新基板(2011/11製造)と同等の基板構成が昨年9月のロットの時点で既に製造されていたことになります。て事は3ピン仕様の基板のロットは本当の初期ロットだけかな?
そのうち現物が入手できたら試してみます。
5. 足柄博之 2012/04/16 17:37
エイジさんこんにちは。いつも楽しく拝見させていただき、非常に参考になります。
90×45×50の水槽でSPSを飼育しています。オークションで買った安物のLED5個とエイジさんお勧めのスーパークールを使用していますが、KR93フルスペかMazarra Pを購入するかで悩んでいます。あるショップさんに相談したところ、球切れや飼育生物の変更に対応できるMazarra Pを勧められました。双方のメリットデメリットと、Mazarra Xがまもなく発売されるとの情報も有るようですが、ご存知でしたら教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
6. エイジ 2012/04/19 02:25
足柄さん、こんばんわ。
なぜかスパム扱いになってて今気づきました。承認遅くなってごめんなさい。
僕は今まであまり詳しくMazarraを触ってなかったので気づきませんでしたが、現行のMazarraはコントローラーが無いと調光タイマーは使えないようです。本体で出来るのは調光のみ。それが、Xが出れば本体のみでタイマーも使えるようになる?のだと思われます。多分。ま、それ自体はコントローラーがあればできる事なので、無理にXを待たなくても良いかなとは思いますが。
現時点でのフルスペとMazarraを比較した場合、素子のカスタマイズや筐体の形成クオリティ(作り・格好良さ等)が必須である場合を除き、僕がMazarraを勧める理由は無いです。強いて言えば、個人輸入で半値で買えるケースでのみ、ようやく旨味が見えてくるかな?とは思いますが(汗)
ただ、未だ入荷待ちのLED素子の新ラインナップが流通し始めれば、美味しいフルスペクトルを組める可能性が出てきますので、そこは期待できると思います。
ちなみにフルスペは「球切れ」の際は要修理依頼になりますが、飼育生物の変更に対応?と言う部分は、むしろフルスペの方が万能です。だって「フルスペ」なのですから♪
双方のメリットとデメリット
■フルスペ
○ フルスペクトルなので生体問わず、調光タイマーで水深スペクトル再現
× ハンドメイドな部分の形成クオリティが低い
× 自分で素子を交換できない
■Mazarra
○ 自分で自由に素子が交換できる
× ノーマルのままだとスペクトルが・・・
× 国内と海外で価格が倍違う
大まかにこんな感じかしら。
7. 足柄博之 2012/04/19 07:23
ありがとうございます。お財布とも相談して検討します。