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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

Dear KR93SP user in the world,

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDライト スペクトル

以前、伝説の始まりでご紹介したReef in the skyのAndrew氏が半年ぶりに最近の水槽写真を公開されたので、その写真から判るサンゴの色彩変化などの経過を僕が勝手に推理・解釈し、世界のフルスペユーザーへKR93SPのセッティング方法をアドバイスしたいと思います。生意気だけど、一応スペクトル設計者なんだぜぇ~?

I inserted English of red color to an article.

Reef in the sky にKR93SPを設置してから7ヶ月が経過

まず、昨年の6月に設置されてから、今月10日までの水槽の経過の様子を抜粋。
尚、画像が極端に暗いため、他の写真に合わせて明るさを調整してあります。

KR93SPを設置して7ヶ月経過したReef in the sky

恐らく光量不足と面積確保のため、去年7月に1台追加されたようです。
これで正味250W×2=500Wとなり、元のT5 640Wから見て140W減の状態です。

各サンゴの色彩変化の判断
I judged the color of coral.

KR93設置時と、7ヶ月後の各サンゴの色彩状態を比較してみると↓

KR93SPを設置して7ヶ月経過したサンゴの色素経過

どのような調光タイマー設定で運用されているのか不明ですが、国内向けに配布しているスペクトルガイドは日本語版しかないため、もしかしたら英語版の取説のデフォルトのタイマー設定のままで運用されているのかも知れません。
また、全体写真が極端に暗いので写真の明るさを補正しましたが、色が正しく再現できていない可能性がありますので、詳しくは該当スレッドAndrewのレスにある各サンゴの写真をご覧ください。グリーン?も実はイエローなのかも知れないし、RPPも本当はもっと濃い赤色かも知れません。個別の写真ではそう見えるものもあるし。。。でもそれじゃ話が終わってしまうので、あくまでも上の写真の色彩が正しいという前提で話を進めます(笑)

尚、光量の増加に伴うZEOvitでの抜けすぎ(白化)が特に見られないことから、光量に合わせた添加量のコントロールが厳格におこなわれていることが推測されます。流石ZEOvit Dream Tank of the Quarterの受賞者ですね。
あるいは、添加量ではなく調光で制御しているなら、暗い写真にも納得です(汗)
でもそれじゃ本末転倒なので、この際ZEOvitをやめてフルパワーを体験して・・・笑

以下は、ZEOvit等の水質制御を抜きにして、光についてのみ考察してみた内容です。

* FP: Fluorescent Protein (蛍光タンパク)
* PP: Photosynthesis Pigment (光合成色素) [非蛍光タンパク]

1. YFP→GFP ? (Yellow FP → Green FP ?)

黄色の蛍光タンパクYFPを励起するグリーン系の波長帯域(500-560nm)よりも、緑色の蛍光タンパクGFPを励起するブルー系の波長帯域(440-500nm)の光強度が遙かに勝るため、蛍光グリーンが優位に立ってきたのだろうか? このような色素に対しては、逆に緑の波長が突出しているT5や、緑~黄色に大きなピークを持つ一般白色LEDの方が、維持は容易かも知れません。
尚、黄色系のカロテノイド色素(非蛍光)であれば、十分なブルー系の波長帯域により維持は容易なはずなので、この場合には該当しないと思われます。
KR93SPでの対策としては、青chを抑制し白chを解放した水深0M設定相当のコントロールに努めてください。

To strengthen YFP(Yellow fluorescent protein) than GFP(Green fluorescent protein), please weaken the wavelength of 450-500nm and strengthen the wavelength of 500-600nm.
To that end, you make setting to “Depth 0M”.

2. BFP/CFP (Blue FP/Cyan FP)

KR93SPが誇る、青色やシアンの蛍光タンパクを励起するUV系の波長帯域(400-440nm)の絶大な光強度により、蛍光ブルーや蛍光シアンのミドリイシの色揚がりが特に顕著なようです。T5時代にはグリーン寄りだった個体まで、シアンに傾いてきているように見受けられます。

3. RPP (Red PP) (non-FP)

1同様、中域(500-600nm)の波長の光強度が足りないのか、赤の光合成色素(非蛍光タンパク)の発色が不十分なように見受けられ、あるいは十分すぎるブルー系の波長により、茶色のカロテノイド色素が誘発され、褐色に傾きつつあるのかも知れません。このような色素に対しても、緑の波長が突出しているT5や、緑~黄色に大きなピークを持つ一般白色LEDの方が、維持は容易と思われます。
KR93SPでの対策としては、やはり青chを抑制し白chを解放した水深0M設定相当のコントロールに努めてください。また、より多くの光を必要とするため、ライトを下げたり、個体を浅い位置に配すると、より効果が得られます。

Red and Blue photosynthesis pigment (non-fluorescent protein) are strengthened when give a lot of wavelengths of 500-600nm.
To that end, you make setting to “Depth 0M”.

4. RFP (Red FP)

こちらは光合成色素のような色素色ではなく赤色の蛍光タンパクであるため、要求される波長帯域は主にブルー系(440-500nm)からグリーン系(500-560nm)の波長帯域となり、KR93SPに限らず多くのLEDライトで比較的容易に維持は可能です。但し、光が強すぎると色が飛びやすいため、水槽では比較的深い位置が理想です。

水深0M設定とは?
What’s “Depth 0M” ?

KR93SPは、調光タイマーの設定次第で、日照変化の調光だけではなく、水深スペクトルも自在に設定可能です。特にサンゴの本来の色彩を維持するためには、生息環境に合わせて適切な水深設定に心がけてください。

If KR93SP’s timer is adjusted, you can get a “Reef depth spectrum”.
It is required in order to maintain the color of coral.

KR93SPの水深スペクトルの設定方法は、KR特設サイトのKRクラブからダウンロードが可能です。1stロットと2ndロットで設定方法が異なりますのでご注意ください。

Please download a spectrum guide.
There are two versions.

KR93SP Spectrum Guide Download.

KR93SPスペクトルガイド

ガイド右ページの一番上の設定が水深0Mです。
白chを強め、青chを弱めにしたものになっています。

水深0M設定

まあ、スペクトルガイドの英語版を作ってくれれば話は早いんだけど(汗)
そろそろ必要なんじゃないの、和田さん?

さらに強化した水深0M設定の例
How to setting of the Strengthening version of “Depth 0M”.

ムーンを使わない場合
Moon: not use.

Strengthening version of “Depth 0M”
Moon: not use.
Stage time White Blue Moon
t1 5:00 20% 2% 0%
t2 6:00 80% 50% 0%
t3 9:00 100% 80% 0%
t4 12:00 100% 100% 0%
t5 15:00 100% 70% 0%
t6 18:00 80% 5% 0%
t7 19:00 20% 2% 0%
Endt 22:00 - - -
LU n -
Lt n -

月齢周期モードを使う場合
Moon: use luna mode.

Strengthening version of “Depth 0M”
Moon: use luna mode.
Stage time White Blue Moon
t1 5:00 20% 2% 0%
t2 6:00 80% 50% 0%
t3 9:00 100% 80% 0%
t4 12:00 100% 100% 0%
t5 15:00 100% 70% 0%
t6 18:00 80% 5% 0%
t7 19:00 20% 2% 0%
Endt 22:00 - - -
LU y luna 22:00-5:00
Lt n -

ムーンを1%で固定する場合
Moon: Fixed 1% 19:00-5:00

Strengthening version of “Depth 0M”
Moon: 1% 19:00-5:00
Stage time White Blue Moon
t1 5:00 20% 2% 0%
t2 6:00 80% 50% 0%
t3 9:00 100% 80% 0%
t4 12:00 100% 100% 0%
t5 15:00 100% 70% 0%
t6 18:00 80% 5% 0%
t7 19:00 0% 0% 1%
Endt 4:59 - - -
LU n -
Lt n -

白chの光量の増やし方

  1. 白chの点灯量・点灯時間を増やす
  2. 本体の位置を下げる (水面からの塩害に注意)
  3. 目的のサンゴを浅い位置へ引き上げる
  4. もう一台KR93SPを買う

How to increase the light volume of the White ch.

  1. Please increase the percent and time of the White ch.
  2. Please make KR93SP’s position low.
    (Be careful of damage from salt water)
  3. Please put coral on a shallow position.
  4. Please add KR93SP

要するに、無理に複数台を設置しなくても、白chをフル出力で稼働させる時間を長くすれば、トータルの光合成時間を引き延ばすことができます。(仮想増設)
最大では、朝から晩まで白chを100%で運転すると言う手段もありです(笑)
それでもダメなら、本体を水面に近づけたり、サンゴを上へ移動したりしてください。
最終手段は、もう一台追加。。。

さて。
いろいろ悪い方向で書いたけども、実際はAndrew氏が写真を明るく撮り直したら、今まで通り、それ以上に綺麗だった~♪ と言うオチを望みます(曝)

Let’s enjoy FullSpectrum magic :-)

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KRレビュー賞12月分

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDライト 応援市場

お待ちかね、12月分のKRレビューの中からエイジ賞を選出いたしました。
今回は初心に返って、「お初」の方の中から「明快」なレビューに着目しました。

上記の3名様は、BHに「F.P.ドクター送れ~!」と電凸してください(笑)
あるいはメールをお待ちください。
松本嬢、よろしくです。

そして今回惜しくも受賞に漏れた方、安心してください♪
レビュー期間が2月までに延びたので、今月もチャンスありますよ!
面白い、ためになる、驚愕のレビューを待ってます!(プレッシャー笑)

あと、BHからお年玉イベントがあるそうですよ!
KR福袋とはまた別のびっくり企画です!!!
詳しくはデビルブログをご覧ください♪

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禁断の異種格闘技100W対決(データのみ)

この記事を含むタグの全記事リスト: ATI eco-lamps KR93SP LED LEDライト T5 スペクトル

年明け第一回目は、異種格闘技 LED vs T5をお送りします。

実は昨年11月には実施済みでしたが、諸々の配慮?から公開を自粛してました(笑)
とは言え、せっかくのお正月なので、とりあえず お年玉替わり にデータのみ公開します。
すっかり首が伸びてしまった方、ごめんなさい、こんなんで許して(汗)

あ、お正月、お年玉、と言えば・・・

明けましておめでとうございます♪
今年も宜しくお願いいたします。

ちなみに、過去のLED vs メタハラ(KR93SP vs SC115)も参考にどうぞ。

尚、どーしても僕の超絶解説付きが読みたい方は、いいね!をクリックしてみてください。
そうね、100人超えたら考えましょう♪(書く気なしか)

LED 100W vs T5 100W : カード

LED :eco-lamps KR93SP 24″ (2nd後期)
T5 : ATI 24″ 4×24W SunPower

KR93SP 24" & SunPower 4x24W

KR93SP 24" & SunPower 4x24W, サイズ

LED 100W vs T5 100W : 構成

■KR93SP 構成

  • 白チャンネル ・・・ LED×63素子 = 63W相当
  • 青チャンネル ・・・ LED×28素子 = 28W相当
  • 計91W

■SunPower 構成

  • 系統1 (白ch相当) ・・・ AquaBlue Special ×2 = 48W相当
  • 系統2 (青ch相当) ・・・ True Actinic + Blue Plus = 48W相当
  • 計96W

KR93SP 24" & SunPower 4x24W, 光色

分光スペクトル対決結果

スペクトルの測定にはUPRtek MK350を使用。

KR93SP 24" & SunPower 4x24W, スペクトル

注) KR93SP 2nd後期は青系出力がアップしたのでUV系出力に追いつきました

光合成光量子束密度 PPFD [μmol/m2/s] 対決結果

PPFD測定にはApogee MQ-200を使用し、エクセルでグラフ化。

KR93SP 24" & SunPower 4x24W, PPFDグラフ

参考:サンゴの生育に必要なPPFD強度

Coral and their light requirementd μmol/m2/s
Mushrooms, Zooanthids, soft corals 50-100
LPS, some SPS 100-200
Axropora, Montipora, SPS, clams 200-500
Very few SPS 600-1,000

* CORAL Volume 8 Number 5 P47より引用

尚、T5の名誉のために補足すると、例えメタハラ150Wでも今回のT5 100WのPPFDと同等かそれ以下です。決してT5だけが弱い訳ではなく、レンズ付きLEDライト(今回の場合KR93SP)が秀逸すぎるだけなのです。それに、T5やメタハラならガラス面による反射光も加味されるので、もう少し光量もアップするでしょう。仮にそれで足りなくてもZEOvitなら積極的に抜く方向なので問題ないでしょう。
逆にLEDでZEOvitをする際は「抜けすぎ」に注意してください。特にマニュアルはT5で最適化されてるでしょうから、単純計算でも光量に反比例した調整を。

参考:メタハラのPPFDグラフ (MT250/MT150/SC)

PPFDグラフ:MT250, MT150, SC115

以上、データだけでも足りたよね?

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