1.023world - ヤドカリパークとマリンアクアリウム -

海洋の仕組みと細菌・微生物から学ぶマリンアクアリウムサイト

1.023world Facebook

結果 Oh! Life (旧ブログ)

懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

サンタマルターエイジの定理

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDうんちく LEDライト

本日は、ただいま話題沸騰中のeco-lamps KR93SPフルスペクトルエディションの成功事例から見る、サンゴ飼育に不可欠なスペクトル方程式と言うことで、迷走してきたアクアLED照明を救済するサンタマルターエイジのフルスペの定理をお送りします。
この定理は、過去の実験や事例を基にフルスペの基本概念として定義されたいくつかの条件や仮説が、実際の多くの成功事例により、サンゴLED問題を解消するひとつの解であると証明された体で、僕が提唱するサンゴ向けアクアLED照明の成功理論です♪

はて。。。ネタなのか、真理なのか。。。笑

余興、ハインリッヒの法則

ブルーハーバーが昨年eco-lampsのKRシリーズの販売を開始してからまだ一年も経ちませんが、これまでのKRシリーズの販売総数は現時点で??0台を突破! そのうち、まだ3ヶ月にも満たないフルスペだけでなんと?0台を突破したそうです!!!

ちなみに、氷山の一角の法則で言えば、ネットでレビューを見つけたら、リアルではその30倍はユーザーさんが潜在するとかしないとかっ!?
と言う訳で、ネットを徘徊してみたら、現時点でザッとこれだけのフルスペユーザーさんがいらっしゃいました!

18 2012/02/15 http://vonerrr218.blog.fc2.com/blog-entry-4.html
17 2012/02/05 http://blog.goo.ne.jp/unidon213/e/c4466dd34a…
16 2012/01/26 http://blogs.yahoo.co.jp/massun_aquarium/39…
15 2012/01/20 http://underseaworld.blog.fc2.com/blog-entry-3…
14 2012/01/17 http://www.blueharbor.co.jp/KR/club/?id=1326…
13 2012/01/16 http://www.blueharbor.co.jp/KR/club/?id=1326…
12 2012/01/04 http://blogs.yahoo.co.jp/f_muller4976/2525672…
11 2012/01/02 http://amethyst02.wordpress.com/2012/01/02/
10 2011/12/30 http://www.blueharbor.co.jp/KR/club/?id=1325…
9 2011/12/29 http://www.blueharbor.co.jp/KR/club/?id=1324…
8 2011/12/12 http://ameblo.jp/heilung2005/entry-11104745…
7 2011/12/07 http://www.1023world.net/city/goldfish/spec…
6 2011/12/04 http://ameblo.jp/iwao615/entry-11097763358…
5 2011/12/04 http://aqua0001.blog35.fc2.com/blog-entry-2…
4 2011/12/04 http://ameblo.jp/greenspottedpuffer/entry-11…
3 2011/12/03 http://www.1023world.net/city/lightning/revi…
2 2011/12/03 http://coralsuki.blog14.fc2.com/blog-entry-80…
1 2011/12/01 http://tatutarou.blog26.fc2.com/blog-entry-2…

ざっと18万人(曝)の、違いのわかる男のゴールドブレンドたちです♪
腰が抜けるので、間違っても30倍しちゃダメっ!
(ホントはまだミリオンの手前なのは内緒です♪)
まあ、とりあえず良い意味でのハインリッヒの法則と言うことで(笑)
うん。ハインリッヒ言いたかっただけ(曝)

ひとつ言えることは、結果を出せば引く手あまた、これは当然の社会現象だと言うこと。
フルスペも含め、派手な宣伝だけで高価なLEDライトが売れると思ったら大間違い!
フルスペがブレイクした理由は、もっともらしい僕の理論(笑)もさることながら、すべては次々と叶えられた実績の数々と、そこから生まれた感動による口コミが引き金です。

アクアLED照明の中でもシステムライトはとても高い買い物です。事前によーくググッて、

  • 検討している製品のレビューは散見されるか?
  • 成長や色揚がりなどの効果は出ているか?
  • 次々と色下がり・白化が起きてないか?
  • 安さの魅力は判るけど、それで本当に飼えるのか?
  • 途中で諦めてフルスペに買い換えてないか?(笑)

など、慎重に下調べしてください。

サンタマルターエイジのフルスペの定理

造礁サンゴの飼育に於いて、その照明をLEDで構成する場合、以下のスペクトル条件を満たさなければ、サンゴのストレス・光合成異常により、色下がり(褐色化)や白化、斃死に至る確率が非常に高くなるんちゃうか? と言う法則であ~る。

●フルスペの定理によるスペクトル条件 (重要度順)

  1. 400nm~420nm >>> Red
    赤の波長の光強度は、最低でも紫の半分以下(理想は10~25%以下)とすべし
  2. 400nm~420nm ≒ Blue
    紫の波長の光強度は、青と同等またはやや低めを確保すべし
  3. 500nm > Green >> Red
    シアンの波長の光強度は緑よりも大きく、且つ緑は赤よりも相当大きくすべし

これらは意味もなく湧いて出た条件ではありません。
すでに与えられた状況を分析すれば、自ずと答えは導かれます。

まず、海洋の水深スペクトル。

海洋の水深スペクトル

続いて、光合成色素・蛍光タンパクの要求波長・スペクトル。

光合成色素の吸収波長と蛍光タンパクの励起波長

究極の理想郷である海洋の水深スペクトルを基礎として、その中でも特にウェイトを置くべき波長域を光合成色素や蛍光タンパクの要求から量り、そこから過去の失敗事例が指す敗因要素を減算していけば、きっと同じ答えに辿り着く方もおられるでしょう。
これまでのような不足波長の補完だけでなく、もっとも重要なのはスペクトル全体の光強度バランスなのではないか?と仮説を立てたのは比較的最近の話です。そしてその答えは、効果と実績、感嘆の声、フルスペのブレイクが見事に証明してくれました。

また、これらの定理をサンゴ飼育に不可欠なLED理論として採点基準に迎えるなら、根拠不明な人気投票ではない、LED製品の真の実力が見えてきます。

サンタマルターエイジのフルスペの定理に基づく各社LEDライトの採点

* あくまでもフルスペの定理についてのみ評価された採点内容です

  • 「グリーンのミドリイシは飼えるけど、ブルーのスギノキが色落ちする・・・」
  • 「一見成長はしてるのに、ミドリイシの色素がどんどん抜けていく・・・」
  • 「ミドリイシが急に溶け始めたり、RTNのような発症率が高い・・・」

LEDユーザーなら、いずれも身に覚えがあるはずです。色揚がりと脱色・白化は違います。油断してたら斃死も免れません。こうして飼えなかったサンゴを思い起こせば、飼えるサンゴだけを見て手放しで”飼える飼える”とは謳えないでしょう。

フルスペの定理を満たせない製品でも、サンゴを選べばある程度の飼育は可能です。
しかし、波長の不足・欠落や余剰があると、飼えないサンゴも必ず生じます。必ずです。
それに、サンゴが溶けても、白化しても、販売元は賠償してくれません。
何より、確かな環境を準備するのは、生き物の飼育者として当然の義務ですから、結局、本質を見極める力を養い、大切なサンゴを自分で護るしかないのです。

尚、フルスペの定理は、予後観察により予告なく、都合良く、良くも悪くも、条件を加筆・修正する場合がございますので、予めご了承くださいませ(曝)

あ、そうそう。
近日、お待ちかねのフルスペのセカンドロットと、期待の波長補完スポットバイタルウェーブが入荷するようです。今週中には応援市場にて予約受付を開始しますので、お楽しみに♪

こちらのエントリーもどうぞ♪

フルスペクトルの定義、必然、結果

この記事を含むタグの全記事リスト: LEDうんちく LEDライト

前回の色温度の続きです。
今回はフルスペクトルとは?をお送りします。
画像が多くて重いです。すみません。

まずは、メタハラに学ぶフルスペクトル。
そう、メタハラは基本的にフルスペクトルなんです♪

メタハラは基本的にフルスペクトル

* 6500Kは岩崎から、SCはランプネットワークから拝借してトレースしたもの

何故か?
クロロフィルだけではない、サンゴや海藻など多種多様な海洋性光合成生物が必要とする波長400nm~700nmをすべて、しかも十分な光強度で兼ね備えているからです。
そう言う意味で、それらの波長をすべて含み、且つなるべく破綻せず光強度が均一に分布しているスペクトルを、海洋生物向け基準フルスペクトルと定義します。
あ、僕が(曝)

え?
青系のメタハラだと青しか入ってないじゃないか!
ですって?

これも多くの方が誤解しています。
これらのスペクトルグラフは波長ごとの光強度を示すものではなく、あくまでも波長全域の光強度を「相対グラフ」と言う決まった高さの表に押し込めた図に過ぎません。なので、ピークとの比率は読み取れても、低いからといって弱いとは限りません。ピークが強すぎるだけかも知れませんから。

判りやすく言うと、以下のように考えます。

フルスペクトルの査定方法

仮にスーパークール・サンホワイトで見てみましょう。
このランプの光量は、公称で7300lmの光束です。そして、青450nmに強力なピークを持つため、相対的に他の波長領域は弱く描かれています。しかし、450nmのピークは、所詮僅か10nm幅程度の局所的・瞬間的なピークです。そのピークを全体の光強度の10%程度丸めた図が右上のスペクトルです。要するに、7300lmの90%に着目すれば、6570lmの完璧なフルスペクトルを含んでいる、と言う事になります(厳密には光束ではなく放射束での計算が必要なのでもっと高いと思いますが、ここでは端折ります)
ま、マリンブルーだと9000lmあるので、それよりは低い光量になりますが、青にピークさえ持たなければ、普通に同等の光量を持つ明るいフルスペクトルだと言うことです。
逆にその下の図にあるように、6500Kに青のピークを足せば、サンホワイトと同じようなスペクトルになります。
このように、相対グラフの見方に惑わされないよう、本質を見抜いてください。

一方、気になる一般白色LEDのスペクトルです。
このLEDだって450nmにピークがあるやんか!
丸めたらんかいっ!笑

一般LEDに足りない波長

・・・無いものは無いのです(汗)
そして、問題は図にあるように、(a)の欠落と(b)の不足です。
これがサンゴにとって許容できる部分かどうか、それはひとつひとつのサンゴで試さないと判りません。しかしそれは無理な話です。何百・何千種類いてる思てんねん(汗)
一方、現実問題として、実際にメタハラからLEDに移行され、水質等の問題が無いにも関わらず、それまで成長も色揚げもしてきたサンゴたちが白化や色落ちに至り、悩まされたアクアリストも大変多いのです。もはやそれが答えだと理解しなければなりません。

(a) 自然界で利用していた400nm~420nmの波長が欠落
(b) シアンが緑・黄より極端に弱いという、自然界ではありえない波長バランス

これらにより、本来の光合成・蛍光が得られず、また破綻スペクトルによる光合成異常やストレスなどの懸念、結果として、一部のサンゴは適応できても、多くのサンゴにとっては拷問・虐待となり得るでしょう。

そもそも、海洋の水深スペクトルを見てみましょう。

海洋の水深スペクトル

* 轡田研究室海の光環境と植物プランクトンの25Pの図を相対グラフにしたもの

まず、海中を支配する波長は、ご存知の通り青です。水深の上から下まで、主役は青450nm~シアン500nm(以下ブルー)の帯域です。そして、注目すべきは水深30メートルでのUV 400nm~420nm(以下バイオレット)の光強度です。赤620nm~640nm(以下赤)はおろか、黄色や緑をも抑えての大きな存在感です。
まずこれが、深場でさえ青と同様にバイオレットが必要だとする理由です。

そして実は、赤がバイオレットに勝るのは陸上だけの話で、しかも僅差なのです。だから、ひとたび海中に潜れば立場は大逆転し、しかも圧倒的な差を魅せつけます。なんと、僅か1メートル潜っただけで、バイオレット70~80%に対して、赤は55~60%にまで低下します。そして、KR93SPが目指した水深3~5Mの光環境に至っては、バイオレットは依然70%以上あるのに、赤はもはや僅か20%しかありません。たったの水深5メートルでですよ?
サンゴ向けには温白色LEDに含まれる赤で十分♪とするのは、これが理由です。

いろんな理論・理屈に基づいた設計を経て完成したのが、KR93SPフルスペなのです。
サンゴを全て試して無難な許容範囲を探すのではなく、太陽の子には太陽、と言う単純明快な答え。だからフルスペはサンゴを選びません。だってそもそもそれが「海」ですから。

一方、他社のLEDライトも見てみましょう。

アクア各社のLEDライトのスペクトル

赤を主張せず、UV 400nmも取り入れ、およそのバランスを意識したMazarraは、実はかなり大したものです。これで成功している方も多いのでは?
特に420nmにこだわったP+420は花丸。ノーマルPもこれをデフォルトとすべき。

Pacific Sun Metis Hyperionも400nmと420nmを搭載しましたが、もうひとつ光強度が欲しいことと、シアンの落ち込みが気になります。また、赤が入ってる点もちょい心配。ま、大した光量じゃなさそうだけど。。。

Illumagic AdvanceもUV 400nmを採用していますが、420nmは入っておらず、逆に赤が入っていたため懸念が浮上。恐らくユーザーさんならもう気づいてるでしょう。。。
(Illumagicに赤が入っていることが判明した件については後日)

あとは期待のRadionですが、UVは今後に期待するとしても、やはり赤はちょっと心配。 まだ実際に買われたというブログや記事は見かけませんが、もし海水で使うなら赤は弱め、またはオフを推奨します。水草ならむしろ良いと思いますが。。。

そう言えば、以前初めてVertexを見た時は、シアンが低くならないよう、また緑や赤が極端にシアンを超えないよう配慮されていて、とても感動したものでした。だからVertexには波長に長けたエンジニアがいらっしゃるのでしょう。今となれば、光量でCreeにこだわる必要もなくなりましたし、次の舵をどう切るべきか、きっと判ってるはず。期待してます。

さあ! 〆は、巷で噂のステマといきますかっ♪曝
(ステマ: ステルス・マーケティング(宣伝と悟られずに宣伝すること)の略だそうです)
まんまと僕の術中に落ちないよう、冷静に自分の目で見極めてくださいね!
こんだけ派手に宣伝しといて、どこがステルスやねん?と言うのはご愛嬌♪

KR93SP自慢の”太陽”の白チャンネルは、SCマリンブルーにそっくりやん♪

KR93SP白chとSCマリンブルーのスペクトル

でもね、色温度で見ると、もっと青くて、SCサンホワイトに近いのだ♪

KR93SP白chとSCサンホワイトのスペクトルと色温度

もうひとつの自慢 “深度”の青チャンネルは、SCディープブルーよりも濃密♪

KR93SP青chとSCディープブルーのスペクトル

そして、”太陽”と”深度”が合わさった時、メタハラでさえ困難な海中の均一な波長配分が、浅場から深場まで破綻することなく完璧に再現されるのです♪

KR93SP白+青chとSCアクアブルーのスペクトル

  • メタハラ以上に強化されたUV 400nm~420nm → だから速やかな色揚がり♪
  • メタハラを超越したスペクトル配分と濃密な光強度分布 → 完璧な波長応答!
  • シアン補完によるシアン周りの破綻スペクトルを完全排除 → ストレスフリー♪

生徒: 先生、フルスペはもうメタハラを超えちゃったんですか!?
先生: しぃっ! 声が大きいっ!

方法論としては、何も難しいことはありません。
理論と実装、それだけです。
作り手・売り手がスキルを身に付け、形にできるかどうか、それだけなのです。
しかし、現実は困難な道が待ってます。。。材料、品質、コスト、知恵、時には運も?

でも、だからこそ、その向こう側には幸せが待っていました♪
実際にフルスペを設置した水槽で、今どれだけのサンゴが成長し色が揚がってるか。。。
ユーザーさんも、今フルスペでどれだけ救われ、満たされ、癒されてるか。。。
そして何より、他のLED製品からフルスペに乗り換えられた方たちが、
今どれだけほくそ笑んでいるか(笑)
想像してみてください。。。

ほ~ら。。。
だんだん欲しくなってきた。。。
口元からはミューカスが。。。
喉からは触手が。。。
欲しいのはあなた?
それともサンゴたち?

—ステマここまで—

さて。
KR93SPフルスペのセカンドロットの次回入荷は今月末?だそうです。
お待たせしてごめんなさい。
まさかこんなにブレイクするとは・・・思ってたけど♪笑

こちらのエントリーもどうぞ♪

色温度からスペクトルは計れない

この記事を含むタグの全記事リスト: LEDうんちく LEDライト

僕がフルスペフルスペ言うから悪いのか、はたまたフルスペ=太陽と言うイメージから派生して、太陽=6500Kだからフルスペ=6500K?とまで飛躍しちゃうのか・・・!?

答え:

太陽=フルスペクトル (天気関係なく)
太陽=6500K (快晴時)
× フルスペ=6500K
× 6500K=フルスペ

さて。下の図は、CIExy色度図と黒体軌跡上の色温度を示したものです。アクア向けに、多少の最適化はあるやも知れませんが。

CIExy色度図と色温度

黒体軌跡と言うのは、黒い物体の温度が上昇していくときに可視光線として見える色の変化を表したものです。炎の温度が低い時は赤く見え、温度が高くなるに従い青くなる、というアレです。

で、これを照明の光色に当てはめて考える際に注意して欲しいのは、色温度・光色はあくまでも光源の波長・スペクトルに関係なく、結果的に目に映る光の色を表しているに過ぎない、と言うことです。光の色とスペクトルは不可逆的な関係であり、スペクトルから光色を算定することは可能ですが、光色から想定されるスペクトルは多岐に渡ります。(もちろん計器によりスペクトルを解析することは可能ですよ)

小学生の頃、写生会で絵の具の黒を使い果たして途方に暮れていた時のこと。

先生: 「エイジ君は黒ばかり使うのね。黒はあまり使わない方がいいわ」
エイジ: 「え? じゃあ、黒いところはどうやって塗るの?」
先生: 「いくつか色を混ぜてごらんなさい」
エイジ: 「うおおおおおおおっ!!!」

なつかしい。。。僕が絵に関して開眼した瞬間でした(大げさな)
ちなみにホントはもっと富山弁バリバリでしたけど(汗)

ある色を得ようとする時、その色を構成するレシピにはいくつものパターンが存在します。
しかし、結果的にその色が得られても、レシピを辿ることは出来ません。。。

色温度や光色からスペクトルは計れない

* グラフは相対値であり、実際の混合比ではありません

メタハラの6500Kも白色LEDの6500Kも、6500Kに見えるように作られた光源です。しかし、その6500Kの光色を構成するスペクトルはまったく違います。それでも同じ色温度は得られている訳です。
また、水色のシアンを見た時、それが本当に500nmの波長からなるシアンそのものなのか、はたまた青と緑を足して作られた嘘のシアンなのか、光色からは判りません。パープルも同様です。。。

少なくとも、RGBの3色があれば、多彩な色を再現することが可能です。この3色があれば、概ね全ての色を作り出すことが出来ます。その上で、6500Kも、10000Kも、18000Kも、思いのままです。RGBについては過去の記事もご参考にどうぞ。

もちろん、そうした演色や観賞としての光色・色温度で目的が果たせる用途(舞台照明、魚水槽など)ならそれでも十分です。しかし、光合成や蛍光を命の糧とするサンゴにとって本当に必要なのは、演色でも光色でも色温度でもなく、波長やスペクトル分布です。

サンゴ: 「おう、悪いけどUV 400nm当ててくれへんか?」
飼い主: 「今ちょっと無いわ。青と赤ならあるわ。足したらパープルやで♪」
サンゴ: 「頼む。俺を海に返してくれ・・・」

サンゴ用LED照明は、必ず光合成・蛍光タンパクの要求スペクトルを満たす波長のLED素子群を配備した上で、且つ色温度の設定が必要な場合は、それらが生み出すフルスペクトルが破綻しない範囲で調整できるべきです。間違っても、波長・スペクトルを無視して、光色・色温度を基準に構築してはなりません。

最近のLEDシステムライトを見ていて、とても不安なのは、
色温度が作れる♪=サンゴが飼えるスペクトルが作れる♪
と言う誤解が生じてないかどうか。
光色・色温度は作れても、波長・スペクトルは作れませんから。

そして、もうひとつの懸念は、
調光によるスペクトルの破綻の回避策は用意されているのかどうか?
と言う点です。
間違っても赤だけガンガンとか拒否するようになっとらなアカん。。。汗

じゃ、フルスペってどんなのがフルスペやねんっ!?

つづく

オマケ:スーパークールとKR93SPの色温度

スーパークールとKR93SPの色温度

* SCの色温度データはハナアレジーさんから拝借
* KR93SPの色温度データはeco-lampsから入手

KR93SPの白chは、スペクトル的にはスーパークール・マリンブルーに酷似しますが、色温度で見るとSCサンホワイトに極めて近いようです。また、白ch+青chのフル出力時では、SCアクアブルーに近い色温度となり、これはコーラルグローやアストロビームにも近い色温度と思われます。何人かのユーザーさんが「KR93SPの光色ってコーラルグローみたい」と仰っていたのは、このフル出力時の色温度のことです♪
その上、白chと青chの比率を変える事で、上の図の28000Kの位置から、下方の青chの位置まで、色温度が行ったり来たりすると言う訳です。LEDシステムライトって、この調光機能が良いですよねぇ♪

こちらのエントリーもどうぞ♪