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max-s G2 160Wフルスペ化レビュー

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以前、MAX-S160WについてのスレッドでMaxspect max-s G2 400 160Wのフルスペ化の依頼を受けましたが、ようやく調達していたパーツが全て揃ったので、先日ヘタレ金魚さんから本体をお送りいただきました。

Maxspect max-s G2 400 160W

光量確保のためのレンズキットオプションも装着済みでした♪

まずはオペ前の診断から。。。

Maxspect max-s G2 400 160W:15Wモジュール不点灯...汗

えっと、、、15Wモジュールが死んでますけど。。。汗
原因を調べたら、15Wモジュール自体は健在で、電源基板の方が死んでました(汗)

Maxspect max-s G2 400 160W 15Wモジュール用ドライバー死亡...

修理をどうするか確認したら、どうやら保証が無いとのことで、僕が修理することに。
とは言え、僕もこんな電源基板は持ってない。。。
とりあえず、基板の印字からDC60V出力のドライバーだと言うことは判ったので、逆算して電流はおよそ1000mA程度かな?と判断して、eBayで探して同等のドライバーを発注することにしました。ただ、eBayからの到着には時間が掛かるので、ドライバーが届くまでは取り急ぎ応急回路を組んで試験運転する事にしました。

今回の改造は、以前紹介したmax-s G2 230W ハイパワーフルスペ案に準拠した内容になります。ただ、各LED素子をコストダウンするため、Philips Lumiledsではなく、先日LEDGroupBuyから各種LED素子お取り寄せで紹介したLEDGroupBuyから安価なLED素子(とは言え出力も波長精度も前回確認済み)を調達することにしました。これで大体、半額程度になったかな?

Maxspect max-s G2 400 160Wフルスペクトル化の材料

注1) ノーマル15Wモジュールの両端電圧は約12V(4×3チップ)、対して今回eBayから調達した15Wモジュールの両端電圧は約9V(3×3チップ)なので、無難に駆動するべく、調達するドライバーは40V程度の仕様にしました。ノーマルの電源の仕様によってはこの電圧差20Vを吸収するだろうと思われますが、ノーマルの仕様が判らない以上、安全策として40Vのドライバーを選択することにしました。皆さんもこのレシピを参考にされる場合はその辺をご理解の上、自己責任でお願いします。但し、調達された15Wモジュールが4×3チップであれば電源を差し替える必要は無いでしょう。

注2) 1.25mmピッチコネクタ付きケーブルは、ライン基板側がコネクタ式に変更されたmax-s G2後期モデルで必要になります。旧モデルは基板に直接ケーブルを半田付けする形式なので、コネクタ付きケーブルは不要です。

換装後のLEDデザインはこのようになりました。

Maxspect max-s G2 400 160Wフルスペクトル化のLEDデザイン

  • 1ch (UV/4モジュール): 395nm×2 + 420nm×2
  • 2ch (白ch/18素子): NW×10 + 475nm×4 + 495nm×4
  • 3ch (青ch/18素子): 450nm×6 + 475nm×6 + 495nm×6

換装後のスペクトルはこの通り。

Maxspect max-s G2 400 160Wフルスペクトル化の完成スペクトル

15Wモジュール回路は即席電源につきノーマル時の8割ちょいの出力になってますが、それでもKR並のUV帯域が確保できました♪

ワイドバンドブルー・フルスペクトルの完成です!
これでオージーの蛍光タンパクも攻略できるでしょう~♪

さ、肝心のドライバーはいつ届くかな。。。笑

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水草LED徹底検証:情け無用のガチバトル!

ブログ エイジ 01:06 コメント14件
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水草LEDライト徹底検証メニュー

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  2. 水草LED徹底検証:天下のADA AQUASKY! - 2013/7/6
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  5. 水草LED徹底検証:情け容赦無用のガチバトル! ← 今ココ

水草LEDライト徹底検証:情け無用のガチバトル!

お待たせしました!!!
水草LEDライト徹底検証、ついに最終章です!
情け無用のガチバトル、容赦なくお届けします!!!

ビーム角と、見た目の光量差

まずは、ビーム角と光量差を、撮影条件を揃えて比較してみましょう。
同じ撮影条件ですから、見たとおり暗いモノは暗く、明るいモノが明るいです。
ま、写真ですから参考程度に。

光色・ビーム比較

とは言え、既に十分大別できてるような、、、汗
期待のGEX CLEAR LED PGがヤケに暗いけど、、、大丈夫?

ちなみにこの中で集光レンズを持つ製品はKR90FWのみ。遠くまで大光量を運んでいるのが一目瞭然ですね。一方、レンズが無い製品は、直下こそ明るくても、距離に伴って光量低下が激しくなります。それが、レンズの有無がもたらす光の減衰率の宿命です。

PPFD分布グラフが示す照射範囲と光強度 @30cm

ビーム角を広くすることで、広範囲に均一な光を満遍なく与えることができますが、反面、光量は弱くなります。逆に、ビーム角を絞ることで、大光量を注ぐことができますが、反面、照射範囲は狭くなります。

どちらが良いのか?

当たり前ですが、光は無駄なく水槽だけに注ぎたい。
水槽の外に漏れる光は、ただのロスである。
と言う事は、ある程度のビーム角の調整は非常に有益であると言えます。

PPFD分布比較

尚、KR90FWは調光機能によりお好みの光強度・色温度に調整が可能ですから、
明るすぎて困る!と嘆くことはありません(笑)

それにしても、、、GEX CLEAR LED PGは蛍光灯より暗いのか。。。汗

スペクトル分布と波長強度 @30cm

単に照度やPPFDなどの光量だけでは見えないのが、スペクトル中の各波長毎の光強度の分布です。これを見れば、例え明るくても足りてない波長がどこなのかを知ることができます。また、他の製品同士を同条件で比較することで、それぞれのウィークポイントも明確に見えてきます。

スペクトル強度比較

*縦軸は単位はありませんが光強度を表しています

KR90FWはレンズ付き1W(350mA)駆動の42W。案の定、場違いでした(汗)

まあ、KR90FWの圧勝は当然としても、期待していたGEX CLEAR LED PGは非常に残念な結果に終わりました。このグラフからも判るとおり、スペクトル強度で比べてみても、まさかAQUASKYの半分の光量しか無かったとは。スペクトルが良いだけに残念。。。

GEXは、開発の段階でAQUASKYとの光量比較は行わなかったのかしら?
仕様と言い価格帯と言い、てっきりAQUASKYの対抗馬だと思っていたのに。。。
同じ価格でこの光量差じゃ、誰の目にもAQUASKY一択ですよね?
まあ、1素子当たり68mA駆動じゃ、暗くても仕方ないけど。。。
発熱を意識しすぎたのかなぁ???
ほぼ同じ素子数でAQUASKYが135mA駆動なので、光量が倍違うのも当然です。
競合をもっと低く設定していたのか、あるいは当社比での向上で満足しちゃったのか。。。
詰めが甘いというか、消費者の期待を簡単に裏切りすぎじゃないかしら?
とにかく、ホントに残念です。。。

クロロフィルのカバー率を比較 (相対スペクトル)

水草の光合成に不可欠なクロロフィルへの考察も忘れてはなりません。

クロロフィル・スペクトル・カバー率比較

クロロフィルのUV側の要求を除けば、いずれのLEDでも光合成には十分そうですね。
しかし、400-420nmにも配慮した製品は、水草向けLEDではKR90FWのみです。

あとは、いかに光量を稼ぐか。
2台並べるか、水面に近づけるか、光量を必要としない水草に限定するか。。。

ところで、いざこうして見ると、3波長蛍光灯ってタダの赤(610-620nm)こそ入ってるけど、光合成に必要な650nm前後や670nm前後がまるっきり入ってませんね。これじゃ、慢性的に赤不足ですね。そう言う意味でも、水草に蛍光灯を使うメリットはもう。。。

ガチバトル測定結果まとめ

光学測定はすべて製品中央から30cm距離での結果です。

水草照明
(60cm水槽用)
GEX
AQUTE
CI600
ADA
AQUASKY
601
GEX
CLEAR LED
PG 600
eco-lamps
KR90FW
24″
光源種別 蛍光灯 LED LED LED
JIS照度 [lx]
(AA級)
4,700 7,742 3,214 18,198
簡易照度 [lx]
(比視感度なし)
4,490 7,620 3,294 18,670
光合成 PPFD
[umol/m2/s]
73 128 55 333
UV (UVA+UVB)
[uW/cm2]
7.3 6.0 2.4 32.6
消費電力 [W]
(実測値)
40W
(45W)
30W
(31W)
25W
(24W)
50W
(56W)
タイマー内蔵 × × ×
電源 (ON/OFF) 手動 2系統 手動 手動 2系統 自動
ビーム角 [°] 140° 120° 120° 55°
調光 ch × × 2 ch 2 ch
段階 × × 手動
ON/OFF
自動
各ch 0-99%
色温度 [K] 全灯 6030 6760 7640 8140
ch 1 - - 6630 15710
ch 2 - - (青466nm) 3910
演色性 [Ra] 全灯 89 84 89 86
ch 1 - - 87 87
ch 2 - - - 69
実売価
(2013/7時点)
¥8,000 ¥16,000 ¥15,000 ¥50,200

■測定器類
照度計1:東京光電 ANA-F10 (JIS AA級)
照度計2:CEM DT-1309 (CIE準拠)
PPFD計:Apogee MQ-200
UV計:UV340B
分光器1:ASEQ LR1 (200-1200nm仕様)
分光器2:UPRtek MK350 (360-760nm)
ワット計:SANWA SUPPLY TAP-TST7
その他テスター類など

僕的な総合評価 (純粋な性能評価のみ)

ADA AQUASKYは、演色性の高い白色LEDに切り替えた点がグッド♪
結果、演色性も光量も向上が見られ、もはや1年前の残念感は払拭されたと思います。
それに、水面近接設置なら、PPFDの300オーバーも夢じゃありません。
なので、今から買うなら中古では無く現行の新品を強くお勧めします!
やはり、歯に衣着せぬ酷評は、企業や製品の成長には不可欠なトリガかな(笑)
カリスマ企業とは言え、決して奢らず、市場の声に前向きな姿勢は流石プロです。
何度言っても改善しないダメなメーカーも多いというのに(苦笑)

GEX CLEAR LED PGは、スペクトルが良い分、光量不足がとても残念。。。
せめて蛍光灯を越えないと存在意義がありません(汗)
現時点でAQUASKYを差し置いてコレをチョイスする理由が無いでしょうね。
今後、もし光量が改善されれば、白chと青chも活きてくるでしょう。
ADAのように、1年後には生まれ変わってることを期待します。

eco-lamps KR90FWは、、、とにかく高いですよねぇ(汗)
まあ、性能・機能に見合ったコストと言えばそれまでですが。。。
ただ、水草マーケットには受け入れ難い価格かな。。。今のところ、よほどのマニアか、水族館か研究機関等の波長検証を要する用途でしか需用が無さそうです。
あ、でも海水向け超浅場フルスペクトルKR93XPの廉価版的に求めるマリンアクアリストは意外と多いです。XPは24インチで160,000円ですから(苦笑)
そうか、XPの価格はアクアスカイの10倍だったか。。。汗

その他、水草用のLEDライトって何かありましたっけ?
テトラもプレミアムになってから進化はしてると思うけど、どっちかというと海水用だし、今回は割愛しました。ただ、いずれチクッと評価しておきたい製品ではあります(笑)
何かリクエストな製品があったらお気軽にどうぞ。
なるべく高くない範囲で(汗)

以上、お役に立てば幸いです。

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水草LED徹底検証:太陽と日照の水草KR!

ブログ エイジ 01:05 コメント0件
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水草LEDライト徹底検証のスケジュール(予定)

  1. 水草LED徹底検証:選手入場 - 2013/7/5
  2. 水草LED徹底検証:天下のADA AQUASKY! - 2013/7/6
  3. 水草LED徹底検証:GEX PLANTS GROW現る! - 2013/7/7
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  5. 水草LED徹底検証:情け容赦無用のガチバトル!

水草LEDライト徹底検証:太陽と日照の水草KR!

今さらだけど、流れで仕方なく(笑)紹介しますよ。公平にね。

eco-lamps KR90FW

前回までのLED製品とは異なり、水草専用LEDライトKR90FWはマイコンを搭載し、

  • 一日当たり7段階(スムーズシフト)×2チャンネルの調光タイマー
  • フルスペクトル16000K温白色4000K2チャンネル構成
  • 各ch 0-99%制御

このような調光タイマーにより、光量と色温度変化のリアルな日照変化が詳細に設定できます。設定が面倒な方には標準のプログラムオートも使用でき、またデモモードや雷モードなど遊び心も取り入れられています。

KR90FW 側面

KR90FWに採用されているLED素子は俗にパワーLEDと呼ばれるモノで、KRシリーズの場合、LED素子1ヶ当たり1Wで駆動しています。60cm用の24インチなら42素子なので単純計算でLED駆動部は42Wとなります。

KR90FW 採用LED素子

KR90FWは、水草育成としては業界初の400-420nmのUV系スペクトルをカバーした真の太陽光フルスペクトルLED光源です。

その他のKR90FWに関する詳細はKR特設サイトをご覧ください(ステマ回避)笑

スペクトルも手抜きでペタッと(汗)

KR90FW スペクトル

駆け足でしたが、最後にLED回路構成も載せておきます。
CH1が基準光源の16000Kフルスペクトル、CH2が照度アップ&色温度補正用です。

KR90FW-24 LED回路構成

*KR90FWは7種類のLEDを複雑に配列しているため、各ラインの電圧・電流値にはバラツキがあります

LED数はAQUASKYよりもPGよりも少ない42ヶですが、なんせパワーLEDの1W駆動なので、どう考えても弱い者イジメになってしまいそう。。。汗

さあ、次回は最終章、ついにガチバトルです!
乞うご期待♪

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