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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

アクアLEDスポットの消費電力比較

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LEDの予備知識。

LEDの世界では、1Wと言えば350mAを流すことを指します。
3Wなら700mA、5Wなら1000mA。2Wなら・・・500mAかしら。
また、巷の1W駆動品の多くは、安全マージンの280mA~320mAが主流のようです。

そして電圧は、素子の波長(色)、流す電流によって変化しますが、デフォルトはおよそ3Vです。暖色系の素子では2.8Vとか、冷色系なら3.2Vとか、また電流を流していくと3.4V、3.6V…と上昇していきます。
だから700mA時は2Wではなく便宜上3Wになるという訳です (詳しく知らんので多分)

Philips Lumileds Luxeon Rebel

25℃ RoyalBlue Blue Cyan Green Amber Red
@350mA 3.05V 3.1V 3.05V 3.05V 2.9V 2.9V
@700mA 3.4V 3.4V 3.4V 3.4V 3.6V 3.6V

Cree XP-E

25℃ RoyalBlue Blue Green Amber Red
@350mA 3.2V 3.2V 3.4V 2.1V 2.1V
@700mA 3.4V 3.4V 3.7V 2.3V (@500mA) 2.3V

では本題に入ります。
ある日、ふと、手持ちのランプを片っ端からワットチェッカーに掛けてみたのですが。。。

各社LEDランプの消費電力

一般的には、LEDの光色(発光波長)の違い、点灯時間、使用年数、電源回路のロス、様々な要因により、製品の公称値とは1W程度の誤差はあるかも知れません。

そして、ここまではランプの製品としての消費電力です。
要するに、LED自体の駆動電力以外に、電源回路のロスも含まれたものです。

続いて、ランプを分解して、純粋にLED部だけの駆動状況を測定してみました。

各社LEDランプ 公称
電力
製品
実測
誤差 LED部 実測値 電源
ロス
電圧 電流 電力
LeDio 9 PUV3 9W 8W -1W 23.0V 272mA 6.26W 1.74W
LeDio 9 DUV3 9W 10W +1W 23.4V 317mA 7.42W 2.58W
LeDio 7 PW 7W 10W +3W 20.6V 309mA 6.37W 3.63W
LeDio 21 PW 21W 20W -1W 22.5V 739mA 16.6W 3.4W
エリジオン閃光II RW 11W 11W - 22.8V 411mA 9.37W 1.63W
エリジオン閃光II SB 11W 11W - 21.4V 441mA 9.44W 1.56W
匿名希望24W 24W 18W -6W 37.6V 416mA 15.6W 2.4W
匿名希望24W 24W 19W -5W 38.2V 422mA 16.1W 2.9W

LeDio 9は実質6~7W。電流的には1W駆動以下ですね。エコです(笑)
LeDio 21は実質16W。でも電流的には700mA以上流しているので、十分に3W駆動を名乗る資格がある。そう言う意味では便宜上 3W×7=21Wと謳っても無問題。
エリジオンは実質9W。電流的には約1.5W駆動と言ったところか。そう言う意味では1.5×7=10.5≒11W型と謳って無問題。
でも、そもそもこれらの製品のワット表記は、どうやら電源も含めた製品全体の消費電力の方を指しているようだ。ま、どっちにしても見事に当てはまってるので、やっぱし無問題。
ただ、LeDio 7だけはLED部の消費電力を指していたみたい。全体では10Wですから。

で、問題は匿名24Wです。
製品全体でさえ20Wを切り、LED部では15~16W。電流的にも2W駆動とは言えず、せいぜい1.5W駆動と言ったところ。これだと、1.5×12=18W型と呼ぶのが妥当かなぁ。。。 ましてや24Wと呼ぶには、ちょい厳しいかも。。。
可能性としては、たまたま僕のが低かったとか、誤差の範囲が大きくて高いものもあるかも?とか、何か明るい展望が欲しいところ。。。例えば、電圧の高い青やUVの素子を多く含むランプあたりなら、これよりも高い消費電力になる可能性を期待したい!

あなたのワットはどうですか?

おまけ

ところで、こばやしさんも書いてましたが、例の24W系LEDランプって、素子基盤とヒートシンクが熱伝導的に接合されておらず、何故か絶縁シールを間に数枚挟んで、熱が伝わり難くしてあるようです。どゆこと? 冷たいヒートシンクを演出したいのかしら?(笑)

で、この24Wを賢く使うための対策その一。

匿名24Wのヒートシンク対策

これだけでも放熱効率がかなり改善されると思います♪
あ、ヒートシンクに絶縁シールの糊がこびりついてる時は、ガムテープでペッタペッタすると綺麗に取れますよ♪
もちろん、素子基盤とヒートシンクの接合面には放熱グリスなんかも塗っておけばより安心ですが、1Wちょいの駆動なので、あまり神経質にならなくても良いかな。金属面同士が接っするだけでも飛躍的改善だと思うから。

次に、遠慮がちな24Wを、本当の24W相当へ更生を目指すための対策その二。

匿名24Wの電流テスト

「まさか低出力をいいことに3W素子じゃなくて1W素子を使ってるんじゃ?」と言う疑惑を打破すべく、いちかばちか3Wの駆動テストもやってみました。一応動きました。でも怖くなったので1分でやめました(曝)
ま、こればかりは素子の外見だけじゃ判別付かないので、信じるしかありません。もし3W掛けて素子が逝っちゃったら、そゆ事だったって事です(汗)

ただ、12素子もあると、両端電圧が凄いことになるので、これに合うドライバはなかなか見つかりません。スペック的には、500mAもしくは700mAが流せて、且つ40Vほど出力できて、合計30Wほど許容できるドライバが必要です。しかもランプのソケット内部に収納できないと意味が無い。。。あるのかそんなドライバ?
少なくとも手持ちのドライバは全て撃沈でした~♪

また、12素子直列の基板を改造して、6素子直列×2並列にして、900mAや1300mAのドライバを繋いだりもしてみましたが、僅かに電圧容量不足で電流が流せなかったり、逆に下限電圧が足らなくて点滅したり、なかなか一筋縄ではいかないようです(汗)

何か良い方法が見つかったら、またご報告します。
24Wが18Wで泣き寝入りって、悔しいもんね!
逆に良いドライバやアイデアがあったら、同士救済のためにも情報提供をお願いします!

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エリジオン新色、ライプホワイト誕生!

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おや。。。
我が家の水槽のLED陣に、なにやらニューフェイスが追加されたようですよ?

最新最高峰のLEDスポット陣

なに~っ!?
エリジオン閃光II ライプホワイトって何奴じゃぁっ!?
であえ、であえ~っ!

この日、やどかり屋は、ふと、呟いたのだという。。。
期は熟した、と。
そう、ライプホワイト/Ripe White (熟した白)の完成なのだとっ!!!

まあ、まずは落ち着いて、そのスペックをサクッと見てくれたまえ。

エリジオン閃光II ライプホワイトのスペック詳細

なんと!?
これまで、アクア業界で電球色LED素子を備えたLEDランプと言えば、ボルクスジャパンのLeDio 27 ReefWhiteの独断場だった訳さ。
そこへ今回、やどかり屋が一気に巻き返しを図った格好だ!

なんと! 惜しげもなく電球色を3発もブレンドしやがったっっっ!!!
うおおおぉぉぉっっっ!!!

しかも電球色が4割も占めてんのに、爽やかホワイトが保持されてやがるっ!!!
うおおおぉぉぉっっっ!!!

赤たっぷりなのに赤くないぃぃぃっっっ!!!
うおおおぉぉぉっっっ!!!

おっといけねえ、落ち着きやがれ。。。
少しクールダウンだ。

うむ。気づいたかね?
これまでのエリジオン閃光II には、LED業界最高峰の米Cree社のXP-Eが採用されてきた。皆の衆もよくご存知のことだろう。しかし、上の写真でも判るとおり、なんと今回のロットはどういう訳か、ひとつ格下のXP-Cにグレードダウンしたようなのだ。。。

実はこれには訳がある。
それは一体・・・!?

君らがあまりに高い高い言うからやぁぁぁ~っっっ!!!(曝)
アンケート参照のこと

やどかり屋は考えた。
せっかく良いものを作っても、敷居が高いせいで多くの人に使ってもらえない。
かと言って、安かろう悪かろうを勧める訳にもいかない。
何より、本物を味わって欲しいっ!

よし。スペックはそのままで、少しでも安くなる方法を考えよう!
きっと何か方法があるはずだ!

そうしてやどかり屋が出した答え。
それが、

今回だけXP-EからXP-Cにグレードダウンするけど、素子ランクは妥協しないっ!
全色で最高ランクの素子を使うべしっ!

くぅぅぅ。泣かせるぜ、やどかり屋!
そして、実際に旧ロットとの照度比較をおこなってみると、

カラー 素子構成 旧照度 新照度
ライプホワイト 青3+白1+電球色3 - 15,940 lx
スーパーブルー 青7 18,090 lx 20,190 lx
ブルー 青6+白1 17,470 lx 20,060 lx
ブルーホワイト 青4+白3 16,750 lx 16,760 lx

へぇ・・・。微妙に上がってるか、ほぼ変わらず以前のスペックを踏襲してるわ。。。
マジで旧ロットに遜色ないスペックが実現されているようです。なんと言う意地!
まあ、さすが腐ってもCreeのXP-Cだ。いくら低グレードとは言え、そこらの三流とは比較になるまい♪

さあ、これが今年を華麗に締めくくり、やどかり屋が解き放つクリスマス・ロットだ!
そしてその企業努力により実現した、気になるエリジオン閃光II 特別ロットの価格は・・・
デケデケデケデーン・・・

なんとっ!?
旧 13,800円改め、11,800円っ!!! (応援市場価格)

きゃぁぁぁっっっ!!!
やどかり屋ってば素敵ぃぃぃっっっ!!!

実はここだけの話、いくら素子をグレードダウンしたところでランクが最高なら、実質ハイグレードの低ランクとの価格差は無いと言っても良い。あっても微々たるものだ。では何故やどかり屋はこんなアナウンスをしてまで、そして自社の懐を痛めてまで、鼻血ブーな低価格を打ち出してきたのか!?

やっぱし君らが高い高い言うからじゃぁぁぁ~っっっ!!!(曝)
アンケート参照のこと

けど、来年からはまた本来のXP-Eグレードに戻るそうだ。
あくまでも今回のロットは、やどかり屋からのクリスマスプレゼントなのだっ♪

もう何も考えなくて良い。
力を抜いて、ただ、やどかり屋に身を委ねれば良いのだ。
エリジオンと言う名の、ファーストクラスにね♪

と言う訳で、もちろん応援市場でもエリジオン・クリスマスロット発売中です~♪

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時代は一体型レンズへ

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今回はアクアLEDスポットランプのレンズ構造の進化の経緯について。

アクアLED元年となった昨年は多くのLEDランプが登場しましたが、その構造はいずれも素子ごとに個別のコリメートレンズを装着するタイプでした。仮に、7素子タイプのランプには、7ヶのレンズが搭載されていることになります。

単体コリメートレンズの配光

そして、そのコリメートレンズをベースに、さまざまな処理を施したレンズが登場し、配光が少しずつ改善されてきたのは皆さんもご存知のことと思います。
特に拡散型レンズの登場によって、それまでのノーマルレンズで見られた色ムラは極力軽減され、より均一にブレンドされた色味を得ることに成功しました。

その反面、あるいは元々のコリメートレンズの特性によるものか、どうしても公称値通りのビーム角を満たしているとは思えませんでした。上の写真をご覧の通り、色味は改善されても、光は中央ばかりに分布し、とても60°に広がっているとは思えません。また、光密度はランプ直前ばかりに集中し、光が遠くへ到達していないようにも思えました。

その後、これまでの個別レンズを組み合わせたレンズ第1世代に終止符が打たれ、レンズ第2世代として一体成型レンズを採用するLEDランプが登場しました。他社に先駆けて先陣を切ったのは、LeDioで一世を風靡したボルクスジャパンです。

一体型レンズの配光

この一体型レンズの登場により、配光特性が格段に改善されました。これこそ、公称値どおりのビーム角を実現していると言えるでしょう。拡散レンズの良い部分を生かしつつ、更に光密度を均一に分布させることにより、ビーム角はもちろん、光の到達性も向上しました。それは上の写真を見れば一目瞭然です。

素子色を均一に合成し、色ムラを無くすこと
光密度を均一に分布させ、ビーム角と光の到達性を向上させること

ついにこれらの問題が解決された訳です。

そして、後を追うように、先日やどかり屋からリリースされたエリジオン閃光II にも、この一体型レンズが採用されました。そしてボルクス同様、拡散プリズムレンズにより得られた配光特性は、本当に見事としか言いようがありません。

また、この成果には、採用されているLED素子も大きく関係しています。
それはCreeの最新素子によるもので、最新のXPシリーズの超小型素子を採用することで、従来のXRシリーズに比べ、素子の密集性が格段に高まり、素子基盤の究極の小型化が可能になりました。そこへ一体型レンズを合わせることで、より点光源からの配光を可能にした訳です。そのため、色の異なる複数の素子で構成されたランプでも、光量ムラが発生することもなく、理想的な波長の合成と配光の分散が可能になったと思われます。また、レンズ全体が発光するため、素子数に関係なく1光源のような効果も得られます。更にはレンズが小型になった分、旧製品と同じサイズのまま、ヒートシンクの面積が増やせるのです。考えれば考えるほど、納得の構造と効果ですね。

上の各画像には、それぞれの素子ピッチも記載しておきました。このピッチが如何に小さいかで、点光源効果は高いと言えるでしょう。
例えば、LeDio 7は素子ピッチが40mmもありますが、最新のエリジオン閃光II の場合は僅か23mmしかありません。あるひとつの指標として、「点光源率」と言うものを勝手に謳う(笑)ならば、LeDio 7は1/0.04=25、エリジオンは1/0.023=43.5となります。ちなみにLeDio 9もLeDio 27も33.3になります。

その他、一体型レンズのもうひとつのメリットとして、光漏れが無いことも挙げられます。全ての光はレンズを通して前面から放出される訳です。
逆に従来の個別レンズ型では、構造上どうしても前面パネル内に無効成分が停滞したり、ヒートシンクの隙間からも光が漏れ易い構造でした。一体型レンズ製品と比べると、結構なロスを孕んでいることが判りますね。

お勧めはLeDio 27とエリジオン閃光II です。是非、体験してみてください。
また、LeDio 9はUV素子の関係上、XPシリーズの採用は見送られたようですが、いずれ素子の小型化が実現されれば、後に続くでしょう。

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