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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

ガラス面のワラニョロ

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今日はワラワラの中でもニョロニョロ特集です。略してワラニョロ(笑)
ま、さっきたまたまガラス面で数種見つけて、即席でデジカメ撮影したものですけど(汗)
ちなみにガラス面のピントってなかなか合わないので、画質はご愛敬♪

多毛類 0.5mm~1mm

多毛類 1mm~1.5mm

大きいのと小さいのがランデブーしていました。
まるでアリの行列のように、小さい方が先頭に続いて上手にトレースしてました。
きっと何か分泌物が出ているのでしょうね。
その他、コペポーダも数種類写ってるのが判ります。

扁形動物? 0.5mm

扁形動物? 0.5mm

顕微鏡ならバッチリ綺麗に見えそうな手頃サイズです。
ニョロニョロとガラス面を這っていきます。

扁形動物? 1mm

扁形動物? 1mm

今まで見たことのない形の子です。
ヒラムシの1mm版と言う感じ。
さっきはガラス面に2匹見つかりました。
この子もニョロニョロと這っていきます。
写真では上が頭(丸い方)のようです。
今になってこんなのが湧いてくるなんて、ワラワラは楽しいですね♪

そう言えば、またいつか見てみたいと思っているワラニョロに、なかなか逢えません。
その名もPoo(プー)。 ま、僕が勝手に命名しました(汗)
ちなみにうんちの意味ではありません(曝)
詳しくは ワラワランド水槽の微生物 のページにて紹介しています。
「1.水槽で確認できるワラワラたち」の「顎口動物」(リストの最後)を参照のこと。
今は消しちゃってますが、以前は動画も載せていました。
そのうちまた整理してアップしようと思います。

当時はデトリタス数ccあたり数匹程度見つけましたが、ここ最近は見つけてません。
また、結構嫌気的な環境を好むようなので、ガラス面などでは見つかりません。
積もり積もったデトリタスの最深部とか、砂の中等から見つかっています。
と言うかこの子はプ~ンと泳ぎ回るので、検鏡撮影は困難を極めます(汗)
でも、すごく萌えること請け合い♪
顕微鏡をお持ちの方は、是非見つけてみてください。

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デトリタスに巣くう微生物類

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ヒゲゴケ処理に関する過去の投稿はこちら

ヒゲゴケ処理のバケツからライブロックを取り出し水槽へ戻してから数日が経過しました。それ以降、水槽側の硝酸塩を頻繁に測定していますが、今のところ硝酸はゼロのままです。約一ヶ月間、硝酸50ppm以上の海水に浸かっていたので僅かながら出てくるかと思っていましたが、どうやら多少の流出があったとしても、砂による脱窒で完全にクリアされているようです。もう少し様子を見てから、例のライブロチェックに取りかかりたいと思います。

ところで、バケツでライブロックを濯いだ際、微少なコペポーダ類が結構見られました。それまで目視による確認ではこれらの生物はほぼ壊滅していたように感じていただけに意外でした。硝酸が50ppm以上あっても、思ったほどの影響は受けていないようです。

では、更に微細な微生物類はどうでしょうか?

相変わらず硝酸塩の高いバケツから、少しデトリタスを取って検鏡してみる事にしました。

バケツに溜まったデトリタス

写真のように、ホンの数ccのデトリタスを抽出。
そこから更に1滴ずつ、スライドガラスに載せ、カバーグラスを乗せます。
平均的な分布を確認するために、これを5回程度繰り返しました。
その中から確認できたものを動画にまとめました。いずれも1200倍率です。

これまた意外と生存者が確認できました。
ほとんどが線虫類などのニョロニョロ系でしたが、僅かながらのピコピコ類も確認できました。正直驚きました。リンとは違い、窒素に関してはかなりの耐性があるようですね。とは言え、ピコピコ系がほとんど確認できなかったのが気がかりですが。。。ニョロニョロ系による捕食、あるいはやはり高濃度の硝酸塩による影響かしら?

ちなみにデトリタス1滴の平均値として、線虫などのニョロニョロ系は10~20体は含まれていました。かなりの高密度です。(自然下ではもっと凄いでしょうけど)
ただ、ピコピコ系はどんなに多くても10体居るか居ないかのレベルでした。

さて、ついでなので水槽の方も見てみることに。
ちなみに水槽の方は目に見えるデトリタスは存在しませんが、きっと砂の中にスポイトを差せばモクモクとデトリタスが抽出できるだろうと思い、いざ、試してみました。

砂に差したスポイト

ところが、どこを差しても何度やっても、透明な海水しか吸い込めません。
うーん。。。
確かにある程度はデトリタスが砂の中で分解されているだろうとは予想していましたが、こんなに高効率で処理されていたとは驚きです。今日は驚いてばかりです。
仕方がないので、この透明な海水を1滴ずつ調べてみることにしました。

するとなんと!?
予想に反してピコピコがいっぱいいました!!

砂の中凄ぇ~。。。
体感的には、砂の中の海水1滴あたり、50体は下らない高密度のピコピコが確認できました。多くは鞭毛虫の仲間だと思いますが、中には訳のわからないものもいくつか見られました。サイズ的には、動画の縦横がおよそ1×1mmほどなので、写っているものは5~100μmほどの微生物です。詳しくは判りませんが、とにかくこいつらが細菌を摂取したりデトリタスの分解に携わったり、ここから食物連鎖が始まると言えるので、ニョロニョロ系も含め非常に頼もしい砂の番人です。
逆に今回の方法ではニョロニョロ系は一匹も確認できず。。。ま、砂にスポイト差してもフィルター越しに海水だけ吸うようなものなので、これでは仕方ありませんね。しかし実際にはウヨウヨいるはずです。線虫はこの世でもっとも栄えている生物らしいので。

今回判ったことは、

  1. 硝酸が高濃度でも、意外とニョロニョロ系は繁栄していた
  2. しかしピコピコ系はほとんど見られなかった
  3. 硝酸ゼロの水槽の砂からは多くのピコピコ系が確認できた

デトリタスと砂の比較と言う、方法こそ違いはあれど、逆に水槽にデトリタスがあったら、もっと多くのピコピコ系が確認できたと思うので、これはこれで良い結果が得られたのだと思います。

ちなみに現在の水槽は砂は薄く敷いてあり、スポイトもさほど深く差していないので、いずれも好気的な環境からの抽出と言えます。もっと深く砂を敷いていたら、更に面白い観察が出来たかも知れません。特に線虫類は砂の深い嫌気的な環境が大好きなので。

皆さんのナチュラルシステムの水槽でも、きっと砂の中ではこんな光景が繰り広げられていると思います。サンプに溜まったデトリタスの中でも同様です。つくづく生き物の世界って凄いですね♪
これからはデトリタスを掃除するのが勿体なくなりそうです(笑)

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茶ゴケ付着テストの結果

この記事を含むタグの全記事リスト: ワラワラ 茶ゴケ実験

7月始め、水槽に2枚のスライドガラスを沈めました。
あとで、付着した茶ゴケを顕微鏡で見てみようと思ったからです。
なかなか腰が重く約一ヶ月も経過してしまいましたが、先ほどようやく引き上げて調べてみることにしました。

引き上げた検体は以下のような感じでした。

テスト方法

2枚のスライドガラスをそれぞれ透明なナイロンチューブに格納し、ゴムテープでガラス面に固定し、水面直下に水没させていたモノです。但し、茶ゴケの付着と光の関係を見るために、一方には黒いゴムテープを貼って遮光しておきました。

写真を見れば一目瞭然ですが、やはり遮光したスライドガラスには、コケは一切付着していませんでした。ま、そんなもんでしょう。

続いて、それぞれを顕微鏡で観察してみました。

光有りのスライドガラス1200倍光なしのスライドガラス1200倍

左が光有り、右が光無しです。いずれも1200倍の画像です。

光を当てた方には、目視でも判るように茶ゴケがビッシリ生えていましたが、実際に検鏡してみると、繊維状のコケ(珪藻?)や粒子状の細胞(前回の茶ゴケと同じもの?)が見られました。ちなみにこれらには動きは見られません。

一方、光を当てなかった方は、検鏡でもコケらしき物体は見つけられませんでした。

但し、双方で若干の動く微生物が確認できました。

いずれのスライドガラスにも、ピコピコと動く鞭毛虫(?)のようなものが確認できました。また、遮光したスライドガラスの方では多毛類の幼生も確認できました。が、いずれも確認できたのはごく僅かでした。

以前、シュリンプさんから届いた付着性プランクトンの袋から抽出したデトリタス内には、凄い量の微生物が確認できましたが、今回の実験ではさすがにあの規模の微生物は付着していませんでした。やはり、これらの微生物はデトリタスの中のような少し嫌気的な環境の方が活動に適しているのかも知れません。

ただ、今回の実験ではむしろ遮光したスライドガラスの方が、コケの生えたスライドガラスの方よりも、若干多く付着していた感がありました。大した差ではないので、誤差的なモノだとは思いますが。強引に結論づけるとすれば、デトリタスに依存するような微生物に限って言えば、嫌気的+遮光 > 嫌気的+光 > 好気的+遮光 > 好気的+光、の嗜好性が読みとれそうです。

で、これで何が判ったのかというと、光を当てるとコケが生える、です(曝)
ワラワランドのネタとしては不合格な内容だったので、ブログネタにしたんだとさ♪

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