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一般LED対LeDio27光合成対決

マリンアクアリウム エイジ 02:37
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LeDio 27 ReefPurpleはただいま席を外しております。
任期を終えて帰還するまで、今しばらくお待ちください。
帰還次第、読者プレゼントに出席いたします♪

と言う訳で、リーフパープルさんの現在の仕事振りをご紹介します。
実は秘密裏にこんなことを始めていました。
名付けて、

光合成対決! 一般白色LED vs LeDio 27 ReefPurple ♪

光合成実験開始

皆さんのLED製品にも必ず入っている一般白色LED、これの20W版+リフレクタを用意して、LeDio 27 ReefPurpleとの光合成対決を開始しました。
果たしてどんな違いが見られるのか?
あるいは何も違わないのか?

まずは、その対決方法を説明します。

猫草光合成実験の詳細

栗スケさん(猫)に対するATフィールドとして、メッシュの傘たてを採用!
これで実験中にムシャムシャされることはありません♪
そして、同じ容器に同じ土(有機培養土)を同じ深さに敷き、それぞれにエンバク(燕麦:イネ科)の種5g(約110粒)を均一に敷き詰め、さらに土を1cm被せておきました。
各LEDは、双方で同等の照度となるよう、高さを調節しています。
あとは実験を巻いていくため、各LEDは24時間連続運転とし、毎日水を与えます。
さあ、果たして結果や如何にっ!?

さ、早速巻いていきますよ。
記事開始早々、早くも一週間が経過しました。

光合成実験 4/19~4/26までの変化

おや?
リーフパープルの方だけフサフサしてきましたよ?
もっとよく見てみましょう。

光合成実験 168時間後

* 光源が違うため土の色が違って見えますが、あくまでも同じ土です

え゛ぇっ!?
なんでこんなことにっ!?

とりあえず、スペクトルを見てみましょう。

白色LEDとLeDio27 ReefPurpleのスペクトルと光量

同じ照度とは言え、その照度を構成する波長の割合がまるで違うからか?
しかも比視感度も考慮すると、とんでもない光強度の差となるからか?
そしてリーフパープルが、まさにクロロフィルの吸収スペクトルに近いからか?

いや待て、早まるな。
あるいは、もやし現象も考えられるぞ。
もっと光を・・・と、伸び伸びするケースだ(笑)
いや、しかし・・・それなら発芽のタイミングにまで影響が出るだろうか・・・?

そうか!
発芽が促されたのか!
リーフパープルに採用されているCree XP-Eの電球色×3、赤640nm×1 が、猫草をゴロゴロと刺激したに違いないっ!
スペクトルで赤の発光強度を比較しても、それほど白色LEDと違って見えないのに、実際にはこれほど違いが出ていたとわっ!?

へぇ・・・発芽ってホントに赤い光成分で促されるもんなんですねぇ(笑)

ささ、もっと巻いていきますよ。
今度は息つく暇も無く、あっと言う間に2週間が経ちました。

光合成実験 4/19~5/3までの変化

あらら。
もはや比較にならない差が。。。

光合成実験 340時間後

リーフパープルの方は、相当数の葉が伸び、葉の緑も濃く、硬く強い印象です。まるでお庭でサンサンと太陽を浴びて育ったかのようです♪
一方、一般白色LEDの方は、やっと7~8本の葉が出ましたが、どこか色も薄く弱々しい印象を受けます。
ただ、葉の長さ自体は双方とも変わらないか、むしろ白色LEDの方が若干長いです。
あ、もしかしてこれこそが“もやし現象”か(笑)

それにしても、一般白色LEDでの発芽の遅さ、発芽のバラツキには少し驚きました。
実はこれまでも数回、LEDで猫草を栽培してきましたが(123)、使ったLEDは電球色や自然光(UV+RGB蛍光体)ばかりで、いずれも赤がしっかりと含まれているものです。
そう、一般に赤が弱いとされる一般白色LEDでの実験は今回が初めてだったのです。
もしかしたらそれが発芽の違いなのかも知れません。今までの実験では必ず開始1週間目までには一斉に芽が出てましたが、今回は既に2週間が経過するのに未だに大半の種が芽を出していませんから。。。

ところで、この2週間は24時間常時点灯でしたが、今後はきちんと日照変化を与えることにしました。どうしても葉が乾燥しがちで、得意の葉の先端の水玉も付かなかったし、そのせいか先端のチクチク部分が微妙に茶色い状態になってきましたので(一枚だけ先端1cm程枯れてきた葉もある)。あるいは、連続光合成によって養分不足が出てきたのか?、成長の加速によって老化の進みも速いのか?、なんにしても強制牧場はよくないってこと。

あぁ・・・。
白と青を混ぜ混ぜしたらアクアにピッタリ綺麗だよぉ~の時代は終わったね。。。

じゃ、いくよ♪

僕らは今まで、こんな生気のないLEDを使ってきたのか。。。
貴方のLEDには、電球色LEDは入っていますか?
貴方のLEDは、本当にサンゴの命を照らしてますか???

もいっちょ♪

さあ!!!
やはり LeDio 27 ReefPurple はクロロフィルマスターなのかっ!?

波長もLEDも精通したプロが創るLEDランプはここまで違うのかっ!?
製品スペクトルを公開すると言うことは、そういうことなのかぁぁぁっ!

ん? 奮発しすぎ?
いやぁ、いつもプレゼント提供してもらってるし~(笑)

クロロフィル吸収スペクトル

特に対クロロフィルがメインの淡水や水草にも是非お勧めしたいところっ♪
・・・けど、淡水で照明がピンクって・・・やばいかな?(汗)
それに効果も強力そうだし、少し離して遠くから広範囲にやんわり当てるくらいが吉かも♪
淡水にも海水にも、生体の生理を健全に保つ栄養ドリンクに、全体にほんのり一本っ♪
いやぁ~、発売が待ち遠しいねぇ~っ!!!

では、もう少しだけ実験経過をお送りしていきますね。
実験が終わったら、読者プレゼントよん♪

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コメントとトラックバック

  1. 1. TAKA 2011/05/05 07:55

    こんなに差がでるんですね~。今回クロロフィルってことでしたが、表からは赤だけでなく450nmあたりも関係あるように見えます。ReefPurpleと白色LEDを比べると450nmあたりの波長も両者には大きな差があるように思います。450nmの波長ではなく、赤が発芽に影響したと結論付けられたのは何故でしょうか? lm/nmの表の意味を私が理解しきれていないからでしょうか?

  2. 2. エイジ 2011/05/05 19:49

    ども。
    模範的な質問ありがとう?

    ではまず、光合成の基本からおさらいしてみましょう。

    ●青色光(UV含む)・・・葉を丈夫にする、厚くする、形成に関する作用
    ●赤色光(IR含む)・・・成長(発芽・伸長・開花)に関する作用

    判りやすく言うと、赤は伸びろ伸びろ~。青は抑えろ抑えろ~。と言う働きです。
    あとは・・・光合成有効放射に関してはご存知の通りです。
    と言う訳で、「赤は発芽!」は僕が唱えた訳ではないです(笑)

    > 450nmあたりの波長も両者には大きな差があるように思います。

    確かに放射エネルギーはLeDioの方がやや上回ってます。
    白色LED 青ピーク・・・約2~2.5lm/nm
    LeDio27 青ピーク・・・3.5lm/nm

    しかもLeDio 27の方はRoyalBlueとBLue使ってる分、帯域も広く、総エネルギーは高いです。葉の色が濃い、硬い、丈が短い、と言うあたりはその効果でしょうか。

    ただ、発芽に関しては赤の恩恵になります。
    白色LEDは赤が無くて発芽が誘引されないばかりか、青が強すぎるため「芽を出すな芽を出すな~!」と言う作用があったのかもね♪

  3. 3. TAKA 2011/05/06 00:41

    なるほど~。勉強になります。
    ReefPurpleは、エマーソン効果とかも考慮された構成になってるんでしょうか?

    一つスペクトラムで質問です。
    Radiant Fluxのグラフは、Creeのデータシートなどに記載されているRELATIVE SPECTRAL POWER DISTRIBUTIONと同じと見て良いのでしょうか?もしそうだとしたら、データシートだけでは、そのLED素子が自分が欲しいスペクトラムと違う可能性がでるのでしょうか?
    lm/nmのグラフですが、500nm以下と600nm以上の比視感度が低いことを考えると、この領域の実際(?)の光はもっと多いと考えて良いのでしょうか?これってPAR/nmに変換することは可能でしょうか?

  4. 4. エイジ 2011/05/06 01:01

    いくら電球色でもIRの領域まではほとんど出てませんので、そこまで狙うならピンポイントの素子を入れるしかないです。で、淡水(と言うか陸生植物)相手ならいざ知らず、海水相手ですし、その製品化はまず無いでしょう。

    > Radiant Fluxのグラフは、Creeのデータシートなどに記載されているRELATIVE SPECTRAL POWER DISTRIBUTIONと同じと見て良いのでしょうか?

    同じです。

    > もしそうだとしたら、データシートだけでは、そのLED素子が自分が欲しいスペクトラムと違う可能性がでるのでしょうか?

    「スペクトルが違う可能性」と「もしそうだとしたら」がどう繋がるのかいまいち見えませんが、違う可能性自体は多々あります。素子のバラつき、ベンダーの性格(笑)、駆動量、あとは筐体に実装した状態・レンズ経由となれば当然違ってきます。
    ま、あまり細かく考えなくても「およそ」が判れば吉でしょうね。

    > 500nm以下と600nm以上の比視感度が低いことを考えると、この領域の実際(?)の光はもっと多いと考えて良いのでしょうか?

    それは上で書いてる相対放射束強度のグラフで判ります。これは人間の目で見た比視感度は反映されていません(素子そのままの強度)
    反映されているのは下のグラフで、555nmが盛り上がってる状態のものです。
    なので、白色LEDは人間の目では黄色の塊に映りますが、LeDioは青と赤が強く見えることが判ります。但し、目盛りを見れば判るとおり、強度自体は白色LEDと大差ないです。

    > これってPAR/nmに変換することは可能でしょうか?

    上の図では端折ってますが、実際のLEDスペクトラにはPARグラフもありますよ。
    ま、相対グラフを赤強めに盛り上げただけのグラフにしか見えないと思いますが(笑)

  5. 5. エイジ 2011/05/06 01:03

    補足

    「強度自体は白色LEDと大差ないです。」と書いたのは、青と赤の両者の比較です。
    念のため。

  6. 6. TAKA 2011/05/06 08:36

    >それは上で書いてる相対放射束強度のグラフで判ります。これは人間の目で見た比視
    >感度は反映されていません(素子そのままの強度)
    おー!これがあれば、他のスペクトル表は入らない気がするのですが。。。どうなんでしょう?

  7. 7. エイジ 2011/05/06 18:43

    グラフ作成のアルゴリズムの産物として色々と数値が吐き出されるので、せっかくだからそれらもグラフ化しています。アルゴリズム担当のハナアレジーさんのリクエストもあって。(僕は当初相対グラフしか予定してませんでしたけど)
    ただ、いざ作ってみたら、僕はいずれも有用なグラフだと思ってます。
    特に縦軸に○/nmの値を入れてるので、色々と二次計算にも流用できて便利です♪

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