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最新AI Hydraを試す

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2015最新システムLEDライト第三弾は、AI Hydraです。

今回もあっさり簡潔に参りましょう~♪

AI Hydra 外観

写真はHydra 52ですが、これを半分にしたモノがHydra 26になります。
数字はLED素子数です。52=13×4、26=13×2 (1ユニッあたり13素子)
元祖Hydra(5×4=20素子)と区別するためのネーミングでしょうね。

AI Hydra 52

一見、DIY照明のような簡素な作りに見えますが、まあ、容姿は問題ではありません。
旧デザインを引き継いだのも、旧製品のアップグレードに対応するためでしょう。

AI Hydra ビーム角

見た目のビーム角は60°にも70°にも見えますが、とんでもない、よく見てください。

AI Hydra ビーム角80°

巷の集光レンズの特性にありがちな光の中央集中が見られず、照射面に対して全域にフラットな光量分布ですぜ!
しかも、この光の混ざりは秀逸!
これは素晴らしい!!!
その秘密は、この独自レンズ、通称ドングリレンズにあるのだ!(今僕が命名した笑)

AI Hydra レンズ

まず、レンズ高がすごくあるんですよ!
恐らく構造上の必然によるモノだと思いたいのですが(笑)、もし意図的に光の拡散に必要な屈折条件を満たすためにこの高さにしたのなら、僕はAIを尊敬します。正直、巷の汎用80°レンズでは、このHydraのようにワイドとフラットが見事に両立されたレンズを見たことがなかったので、このレンズの特性を見た時、マジで嗚咽を漏らしました(曝)

しかも、レンズ表面は一見タダのフロスト加工のように見えますが、よく見て!

AI Hydra レンズ表面

まさかコレ、フレネル加工なのか!?
だとしたら、広角にも寄与するし、ブレンド性にも寄与するはず。。。わなわな。。。
やばい。。。このレンズ、僕も作りたい(曝)
まあ、透過ロスやUVロスの度合いを調べてからだけど。
とにかく、久しぶりに他社製品に嫉妬しました(汗)

AI Hydra 採用LED

AI Hydra LED素子

またまた当たり前ですが、採用LED素子も公称通り!
過去に見た他社のスッゴイ詐欺の話は、、、そろそろ特集組もうか?

採用LED素子 公称データ 実機データ 実測波長
Hydra 52 Hydra 26
UV SemiLED 400nm ○ C3535U 411.2nm 409.3nm
Violet SemiLED 415nm ○ C3535U 417.2nm 422.1nm
DeepBlue OSRAM OSLON ○ LD CQ7P 449.6nm 446.0nm
RoyalBlue Cree XT-E ○ XP-E2 451.0nm 449.9nm
Green Cree XP-E2 ○ XP-E2 521.1nm 519.4nm
DeepRed OSRAM OSLON ○ LH CPDP 665.0nm 665.5nm
CoolWhite Cree XP-G2 ○ XP-G2 - -

ただ、このHydraの波長に関しては、やや不可解なことが。。。
AI Primeの時は、お手本のように等間隔に波長が分割され、405/420/440/470nmのようなフラットな分布を実現していましたが、このHydraに関しては、僕はちょっとスペクトルデザインの意図が判りませんでした。
まず、UVの公称400nm→実測410nmは、まあなんとかバラツキの許容範囲と言ってもやむを得ませんが、問題は、ほぼ同一の波長であるOSRAM DeepBlueとCree RoyalBlueを何故わざわざ併用したのか?と言う点です。
いや、今回はバラツキのせいで結果的にたまたま同じ波長になっちゃったけど、本来は440nmと450nmのブレンドが目的だったのか? いやいや、それにしても僅か10nmで近接する波長を混ぜるくらいなら、450nmと470nm、または440nmと470nmで組み合わせた方がブルー帯域をワイドバンドに確保出来たのに、、、これは一体???
ま、とにかく次項のスペクトルをご覧ください。

AI Hydra スペクトル

まず、AI Hydra 52のスペクトルです。

AI Hydra 52 スペクトル

そして、AI Hydra 26のスペクトルです。

AI Hydra 26 スペクトル

DeepBlue(D-BLUE) と、RoyalBLue(ROYAL) の波長が、、、同じです!汗
(強度の差は単純に素子×2ヶと素子×3ヶの違いです)
・・・もしこれが意図的な設計だと言うなら、理由を知りたいです。
あと、UV系も異様に弱いし。。。ま、それについては次回のRadionで徹底分析します。

今一度、AI Primeのスペクトルを見てみましょう。

AI Prime スペクトル

Hydraより波長管理も全然しっかりしてるし、何よりワイドバンドブルーです。

結局、PrimeとHydraのスペクトルは、どういったコンセプトでデザインされたんだろう?

AI Prime カラー AI Hydra 52/26
LED素子 実測平均 LED素子 実測平均
SemiLED U60 405nm - UV SemiLED U60 410nm -
15nm 10nm
SemiLED U70 420nm Violet SemiLED U70 420nm
25nm 28nm
OSRAM SQUARE 445nm DeepBlue OSRAM OSLON 448nm
25nm 2nm
- - RoyalBlue Cree XT-E 450nm
70nm
Cree XP-E2 470nm Blue - -
50nm
Cree XP-E2 520nm Green Cree XP-E2 520nm
- -

なぜこのような仕様分けになったのか?
単にPrimeが後から発売された分、スペクトルデザインも最新に改善されただけなのか?

そして、Hydraの公称スペクトルと実測スペクトルの比較です。
まずはHydra 52から。

AI Hydra 52 公称スペクトルと実測スペクトル比較

続いてHydra 26です。

AI Hydra 26 公称スペクトルと実測スペクトル比較

えっと、これわね、、、どうやら公称スペクトルの解像度が間違ってるようです(笑)
「400」って書いてある部分が、多分420nmくらいじゃないかしら?
恐らくこういうことです↓

AI Hydra 公称スペクトルの間違い

AIへの要望:
A demand to AI:

  • DeepBlueとRoyalBlueを併用した意図を教えてください
    Teach the intention that used RoyalBlue and DeepBlue to Hydra.
  • 公称スペクトルを正しく訂正してください
    Correct an official spectrum of Hydra right.

AI Hydra 操作性/オプション

Hydraは、本体だけ買っても点灯のオン/オフしかできません。調光やタイマー機能を利用するには、別途以下のどちらかのオプションが必須となります。

AI Hydra オプション

で、今回は左のリモコンを試してみました。
リモコンと言っても電池式ではなく、有線で電源供給が必要なタイプです。ま、WiFi飛ばすと電気食うから仕方ないですけどね。
ただ、スマホやタブレットの充電器と同様に、[USB]-[mini USB]のケーブルによってACアダプターと接続する形式なので、パソコンのUSBからも電源が取れるし、なかなか利便性は良いかもです♪

まず、通電してもそのままでは使えません。メニューから設定を実行して、近くのHydraを検出させ、同期させる、と言う手順を踏みます。その際、勝手に最新のファームウェア(多分リモコンに入ってる)でHydraが上書きされます。これ、同期させる度に更新させられるのですが、数秒程度なので特に苦にはなりません。ここまでのフローを終えると、リモコンから色々と操作が可能になります。(リモコン内のファームウェアを最新にするにはどうするんだろ?)

でもね、女性の方には、このリモコンの操作は辛いかも。。。
だって、このリモコン、、、めっちゃボタンが堅い!!!
ボタン自体はシリコンゴムのようですが、かなり強く押し込まないと「カチッ」と手応えがないし、その手応えがないと反応しません。なので、ピッピッピッと素早く操作することは困難で、どうしても、ポッチン、ポッチン、ポッチン、と言う感じの堅実な操作性になります(笑)
そもそもこのリモコンって、ご年配の方などスマホをお持ちでない方向けでもあるよね?
むしろボタンは軽くしておかないとダメな奴じゃん!笑
なので、スマホ持ってる人は、WiFiプラットフォームの方が楽かも?

ちなみに、実は似たような不便はKR90DRにもあったんですが、近々もっと押しやすいようにボタンを大きくするらしいです。多分、次回のディスプレイの変更の際に反映されると思われます。前回書き忘れてた(汗)

AI Hydra PAR分布

最後に、お役立ちPAR/Wattグラフをどうぞ♪ (クリックで大画像)

こちらはHydra 52。

AI Hydra 52 PAR分布/スペクトル

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Gebrauchen die Bilder ohne Genehmigung verboten.

こちらがHydra 26。

AI Hydra 52 PAR分布/スペクトル

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見たら判ると思いますが、HydraのPAR/Wattハンパねぇぇぇ!!!
はい。PAR/Wattが300オーバーというのは、実はHydraの事でした~♪

Hydraはあくまで2W駆動なので、3-5W駆動のRadionよりは高効率ですが、1W駆動のKRよりは本来効率は低いはずです。なのにKRよりもPAR/Wattが高い!?
確かにKRはOSRAMやCreeを使ってないので、厳密には青LEDや白LEDの効率は負けています。とは言え、それを補って余るあるはずの我らが1W駆動です。それを2W駆動が上回るには、LED素子の性能以外にもそれ相応の何か別の理由があるはずです。
はい。それがレンズの恩恵です(現時点での僕の見立て)
Hydraのレンズは、LED素子が発する光を余すことなく受け止め、如何に少ないロスでレンズ内を通過させ、しかも乱反射もなく全ての光線を漏れなく外へ放射させる。
恐らくそういうことだと思われます。
よってHydraは、超高効率大手LED素子高性能レンズの合わせ技により、PAR/Watt 300オーバーを実現しているんだろうと考えられますね。

しかも、グラフをご覧の通り、凄くフラットでなだらかなPAR分布なのです。
普通のレンズなら中央に光が集中しやすいので、仮に中心PARが 1000 umol/m2/s あっても大して驚きませんが、このHydraはこのフラットなPAR分布にも関わらず、中心PARが1000以上ありますからね。もう本当にビックリです!

Dear Aqua Illumination, Good Job!!
Also do your best about wavelength management.

Hydraの評価はかなり明暗が分かれましたが、オススメポイントをまとめると、

  • 超高効率LED素子採用による高効率&大光量!
  • 高性能レンズよる光量差の少ないフラットなPAR分布!

以上、最新Hydra 52/26のレビューでした。

次回は、EcotechMarine Radion G3 Proです。

こちらのエントリーもどうぞ♪

最新eco-lamps KR90DRを試す

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDうんちく LEDライト スペクトル

またまたお待たせしてスミマセン!
先週はAI Primeの記事をアップした後、すぐに東京へ出張になり。。。その件は最後に。

2015最新システムLEDライト第二弾は、eco-lamps KR90DRです。

  • AI Prime - 2015/06/17
  • eco-lamps KR90DR - 2015/06/22 ← 今ココ
  • AI Hydra 52 / Hydra 26
  • EcotechMarine Radion G3 Pro
  • eco-lamps KR93SP

今回もあっさり簡潔に参りましょう~♪

eco-lamps KR90DR 外観

20150616-body-kr90dr

かれこれ過去3年間、同じスペクトルデザイン/同じ外観で走り続けるロングランKR90DRですが、レンズがプリズム化したり、天吊り時のワイヤー金具が改善されたり等、小さな変更はたびたび実施されてきました。また、LED素子の出力や波長精度も年々進化しているので、現行ロットがもっともハイスペックであることは言うまでもありません。

eco-lamps KR90DR ビーム角

20150616-beam-kr90dr

以前のクリアレンズの時はセンターライン55°/サイドライン75°が公称表記でしたが、2年前のプリズムレンズ化の際にセンターライン60°/サイドライン70°表記に変わりました。
ただ僕の印象では、ぶっちゃけ実際の角度は大差ないんじゃないか?と思っています。
ま、ビーム角はスポット並みでも、広い筐体面積に対してLED素子をたくさん配置しているため、正味の照射範囲は80°のPrimeよりも広範囲に渡ります。それが1W駆動×多素子構造の強みです。その意味をきちんと理解しないと、闇雲に「80°は60°よりエライ♪」と履き違え兼ねません。

eco-lamps KR90DR 採用LED

AI PrimeみたいにCreeやOSRAMのLED素子を使ってるなら、詐欺がないことを証明すべくLED素子の写真も載せるのですが、KRシリーズはいつもの汎用パッケージ素子なので割愛します。まあ、撮り忘れたとも言いますが。。。汗
たまたま別の目的で撮った写真に少し写ってたので↓これでご勘弁を(笑)

eco-lamps KR90DR LED素子

まあ、いつも通りEpiledsチップを使った汎用パッケージ素子です。

一応、波長精度はこうなってます。

採用LED素子 公称データ 実機データ 実測波長
BlueViolet Epileds 425nm ○ Epileds 427.6nm
RoyalBlue Epileds 450nm ○ Epileds 450.1nm
Blue Epileds 475nm ○ Epileds 474.6nm
Cyan Epileds 500nm ○ Epileds 500.2nm
CoolWhite Bridgelux 8000K ○ Bridgelux -

まあ、KRでは今さら当然のクオリティですけど。

eco-lamps KR90DR スペクトル

eco-lamps KR90DR スペクトル

ブルー系と同じ光強度が確保されたUV系425nmバイオレット帯域の存在感っ!
例えばシアン蛍光タンパクは、450nmブルーでもパワーで強引に叩けばそれなりに稼げますが、KR90DRならシアン蛍光励起にビンゴのバイオレット帯域がソヨソヨ撫でるだけでも、あらあらまあまあ、ビッカビカの太陽拳~
その辺の原理については、以前書いたイチゴ講座を熟読ください。

公称スペクトルと実測スペクトルの比較。

公称スペクトルと実測スペクトル比較

425nmの出力が当初より上がってきたみたい。ま、この辺が頭打ちだと思うけど。

また、相変わらずUV 400nmを入れて欲しいという要望をいただくのですが、以下の理由によりなかなか実現は難しいです。

  • フルスペの半分の素子数しかないので、素子の種類を増やすと設計が困難
    (照射面積に対して波長ムラが生じる/歪なスペクトルでは妥協出来ない)
  • そもそも400-420nm間は現425nmのカバー量で十分なLPS専用モデル
    (色揚げ的に強化したい場合は別途バイタルウェーブ追加にて解決)

どうしてもライト1台で400nmもカバーしたい場合は、フルスペをお勧めします。

eco-lamps KR90DR 操作性

これまでと変わりません(汗)

但し、近々ディスプレイが改良されるみたいですぜ?

eco-lamps KR90DR 次期ディスプレイ

もともとKR90シリーズは狭いLCD(3文字)にむりやり文字を詰め込んでいたので、表示が判りにくいと言うのが発端のようです。だからフルスペより先にリニューアルするのでしょう。
今月末か来月中には反映される予定だそうです。またお知らせしますね。
ま、表示内容が豪華になるだけで、機能的に何か特筆すべき進化がある訳ではないので、あまり過剰な期待は禁物です。WiFiも付かないっぽいし。。。
あ、でも月齢周期が付くそうです♪

ちなみに、KR93シリーズの方は、まだそんな話はありません。いくらスペクトルが完成してるとは言え、4年もモデルチェンジしないなんて、ロングランにも程がありますが。。。汗
ま、「WiFi付けたいね~」とか「出力アップしたいね~」とか、アイデアは色々出してるので、いつの日かリニューアルはあると思いますが、現時点ではまだ何もアナウンスはありません。気長にお待ちください(汗)

あ、そう言えば、「KRの新型が出る!」ってどこかで吹聴してる人がいるんですか???
なんだろ。気持ち悪い。。。そんな話、僕やBH以外から出てくるはずないのに。。。
もしや、買い控えを狙った悪質な嫌がらせなのかしら?

eco-lamps KR90DR PAR分布

最後に、今回の特集の目玉、お役立ちPAR/Wattグラフをどうぞ♪ (クリックで大画像)

20150616-par-kr90dr-24s

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前回のAI PrimeのPAR/Wattグラフはこちら

スペクトルに関しては、KR90DRはLPS用なのでPrimeとは純粋に性能を比較することは出来ませんが、あくまでもPAR/Wattの効率の比較として比べてみると、以下のような差が見えてきます。

KR90DR vs Prime PAR特性比較

製品 消費電力 LED数 PAR [umol/m2/s] @ 30cm (84×60cm2)
中心 総量 平均 PAR/Watt
KR90DR 45W 42 348 13,347 80.9 296.6
Prime 47W 13 516 10,901 66.1 231.9

KR90DRは中心直下のPAR値こそPrimeに負けますが、筐体面積分を満遍なく照らしているので測定範囲の面積84×60cm2のPAR総量はPrimeより多く、またPrimeより僅かに省エネであることも貢献して、最終的なPAR/WattはPrimeの軽く1.2倍以上を確保しています。これが、1W駆動×42素子と、3W駆動×13素子の違いです。

かなりあっさりと紹介しましたが、KR90DRのオススメポイントをまとめると、

  • ブルーと同じ波長強度を持つバイオレット帯域!
  • 面発光による光量差の少ないフラットなPAR分布!
  • 1W駆動×多素子による高効率&大光量!

以上、最新KR90DRのレビューでした。

次回は、AI Hydraです。

さてと。東京出張ですが、その目的は下記施設でのミッションでした。

まずエプソン水族館は、以前ジャパンペットフェアの時も伺いましたが、現在来月のオープンに向けて益々慌ただしい中、今回大量導入されたKR群のシンクロパターンや点灯スケジュールの最終チェックを行いました。

エプソン品川水族館

報道規制の関係?で、内部の写真は非公開です。まあ、そもそも撮ってませんが(笑)

続いて、サンシャイン水族館ですが、やはりこちらもKRが多く設置されているので、その点検および測定、そしてスタッフの皆さんとスペクトル勉強会をしてきました。

サンシャイン水族館

写真は、バックヤードのサンゴ水槽で、スペクトルを測ったり水中のPPFDをチェックしているところ。太って見えるのはレンズの収差かなぁ???

ご縁があれば、いつかあなたの街の水族館にも伺います!

こちらのエントリーもどうぞ♪

最新AI Primeを試す

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDうんちく LEDライト スペクトル

お待たせしてスミマセン!

2015最新システムLEDライト第一弾はAI Primeです。

  • AI Prime - 2015/06/17 ← 今ココ
  • eco-lamps KR90DR - 2015/06/21
  • AI Hydra 52 / Hydra 26
  • EcotechMarine Radion G3 Pro
  • eco-lamps KR93SP

さあ~ザックリ簡潔に参りましょう~♪

AI Prime 外観

AI Prime

ちっさ!!!
LeDio等のスポットLEDと変わらない面積です。
厚みもファン内蔵にしては薄い!
そして思ったよりファンが静かなのが嬉しい♪
結構、爆音な製品があるからね(汗)

AI Prime ビーム角

AI Prime ビーム角80°

公称通り、80°のビーム角です。
しかも光の混ざりが抜群にイイ!
後のAI Hydraでも触れますが、このAIのレンズ、ただ者じゃありません!?
最近のLED製品で唯一僕が嫉妬したクオリティです♪

AI Prime 採用LED

AI Prime LED素子

素子配列がAI Hydraと同じなので、てっきり基板流用かと思ったんですが、ちゃんとPrime専用基板でした。本体サイズに合わせて最小面積で作ってありますね。

当たり前ですが、採用LED素子も公称通り!
過去に凄い詐欺を見たので、こういうのはホント安心しますね♪

採用LED素子 公称データ 実機データ 実測波長
UV SemiLED 405nm ○ C3535U 404.7nm
Violet SemiLED 415nm ○ C3535U 421.3nm
RoyalBlue OSRAM SQUARE ○ LD CQAR 442.2nm
Blue Cree XP-E2 ○ XP-E2 469.2nm
Green Cree XP-E2 ○ XP-E2 518.8nm
DeepRed OSRAM OSLON ○ LH CPDP 668.1nm
CoolWhite Cree XP-G2 ○ XP-G2 -

いやぁ~、この価格帯でもこの波長精度を満たしてきましたかぁ~そうですかぁ~笑
405/420/440/470/520/670nmなんて、まるで波長のお手本のようです。
今まで声を荒げて訴えてきた甲斐がありました~♪

AI Prime スペクトル

気になるスペクトルも価格相応以上でしょう♪

AI Prime スペクトル

UV系は素子ランクを上げればもっと稼げますが、まあ、価格が価格ですからね。
あるいは、光の混ざり性能と引き替えに、UV系はレンズで少しロスしちゃったかな?
いくらSemiLEDsとは言え、近年のUV出力が深赤660nmのピークに負けるなんて事は無いはずだしね。例えば、僕が最近作ったEpileds高ランクチップのLED素子なら、UV系のピーク強度は深赤の2倍以上ありますから。
ただ、波長精度は素晴らしい♪
ちなみに公称スペクトルはこう↓なってますが、実機の方が全然良いですね♪

公称スペクトルと実測スペクトル比較

ま、もしかしたら440nmの強度が仕様通り伸びてないせいかも知れないけど。。。

AI Prime 操作性

そして、近年のシステムLEDの特徴でもありますが、極端な不便と便利が共存しがちな中で、この子は便利が不便を大きくカバーしてます♪
と言うのも、AI HydraやEcotechMarine Radion等がWiFiを別売している中で、このAI Primeは本体を買うだけで、あとはアプリストアからスマホにアプリをダウンロードしてインストールするだけで、なんと追銭無しでWiFi機能が実現するんです♪

Prime アプリ myAI

まず、アップルストアまたはGoogleプレイからmyAIと言うアプリをダウンロードします。
僕は試しにiPhoneでやってみましたが、上図のようなスペクトルイメージは出ませんでした。アンドロイドだけなのかな?
いずれにしてもこのWiFi機能は秀逸です。何と言ってもタダがイイ!!!笑
今後、HydraもRadionもこの方式になって行くんじゃないかな?
だって、基本機能を操作するのに別売オプションってあり得ないでしょ。特にHydraはリモコンなりWiFiなり買わないと調光すら出来ないからね。RadionはまだUSBでパソコンから操作はできるけど、アレ結構面倒臭いからね。なんで照明の設定すんのにいちいちクラウドにログインせなアカンのかと小一時間。。。汗

AI Prime オプション

で、操作性に関しては別売オプション要らない!って書きましたけど、実は設置面に関しては別売オプションが必要です(汗)
ワイヤーでの天吊りならハンギングキット¥4,000程度、アームならタンクマウント¥5,000程度が選択出来るようです。
詳しくはLSSのページへ。

AI Prime PAR分布

最後に、光学性能を示す秀逸のグラフをご用意しました♪ (クリックで大画像)

AI Prime PAR分布/スペクトル

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左反面のPAR/Wattグラフは、ドイツのHenning氏のフォーマットです。
ただ、彼のように高精度のスペクトロメーターによるPAR測定では無く、あくまで前回も書いたApogee MQ200×スペクトル補正で割り出したPAR強度です。でも、Apogee社直伝の光学計算を踏襲してるので、精度はまずまずご安心ください。
で、このPAR/Wattグラフで何が判るかというと、設置高さ毎のPAR分布特性はもちろんですが、その各PAR分布についてPAR・消費電力性能を表すPAR/Watt効率が判るんです。それがこのグラフの一番の有用性です。
例えば、このAI Primeの場合、30cm距離でのPAR分布から、以下のようにPAR/Watt = 231.9と言うことが判ります。

PAR/Watt効率計算方法

で、この 231.9 が何を示すかというと、如何に消費電力を無駄なくPARに変換出来ているか、と言う性能を表します。それには、LED素子の光量や駆動電力や数量、レンズの性能、素子配列の工夫、などが関係してきます。それらがこの数値一つから判るわけです。これが高ければ、如何に少ない消費電力で多くのPAR分布を実現しているか、逆に低ければ無駄に電力が消費されている、と言う事になります。どんなに明るくても燃費が悪ければ意味がありませんからね。それがこのグラフの正しい見方です。
そして、この数値の度合いとしては、以後のレビューを見ていけば判りますが、近年のアクアLED製品であれば、およそ200台中盤~後半を示すようです。中には300オーバーの製品もありましたが、採用LEDの光量には限界がありますから、大抵はLED素子の数やレンズの善し悪しだと考えられます。特にレンズは僕も今後の課題だと再認識しました。

で、右反面はスペクトルですが、スペースが余ったので2つ載っけました(笑)
上はいつもの相対スペクトルですが、サンゴの命の要である褐虫藻の吸収特性と、LED製品で不足しがちなUV域の重要性を示す蛍光タンパクBFP/CFPの励起特性を併記しました。該当のLED製品がそれらを如何にカバー出来ているかが重要という訳です。ちなみに深赤660nm前後のDRFP/PerCP/CFの発光特性は、それらが褐虫藻に必要な深赤要求を満たしているので意図的な波長確保は不要ですよ~と言うアピールです。もちろん、適切な量なら入れてもダメではないし、何より演色性は高まるので、赤を綺麗に見たい方には有用だと思います。
で、下のスペクトルは、褐虫藻の吸収スペクトルを反映させた褐虫藻が利用しうるPAR特性です。これは水槽の上段に配置されたサンゴとの距離をイメージして、照射距離45cm時のシミュレーション結果としました。もちろん我々の対象はサンゴ=褐虫藻ですから、陸生でよく言われる400-700nmのPAR範囲が対象では無く、あくまでも褐虫藻の吸収範囲が重要という訳です。
そしてさらにスペクトルの下には、この45cm時の各波長域で利用可能なPARの量も示しました。相対グラフだけでは、特定の波長域の相対的な大小しか判らず、実際にどれだけの絶対値が得られるのか判りづらいので、それを数値化したと言う訳です。これで、相対グラフに惑わされず、実際の光強度としての分布が把握出来るでしょう。

以上、かなりザックリとした紹介でしたが、性能と品質が伝わったかしら?
AI Primeは決して大光量ではないのでSPSガンガン!って訳にはいかないけど、小型水槽でソフトやLPSやるには十分だと思いますよ。SPSもよほど超浅場じゃない限りいけるかも。それに、万一光量が足りなくても、小さいから2-3台目の追加も苦にならないし、何より本体購入だけでスマホでサクサク設定できるのが嬉しい♪
最後に、LSSからの製品の貸与に感謝です!

では、Primeのオススメポイントをまとめると、

  • 省スペースで50Wのお手軽フルスペクトルシステムライト!
  • オプション不要でスマホWiFi操作!

以上、最新AI Primeのレビューでした。
(2015/6/27オススメポイント書き忘れ追記)

次回は、eco-lamps KR90DRです。

こちらのエントリーもどうぞ♪