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また波長詐欺!? MK350の「6ms」に要注意!

この記事を含むタグの全記事リスト: スペクトル 測定器

う~ん、、、確かに危なっかしいなぁ。。。

と言う訳で、スペクトロメーターMK350レクチャー第二弾、参りま~す♪
第一段はこちら↓

まず、スペクトルのピーク波長に注目して、常識的なカーブから逸脱してるモノは精度を疑ってください。さらに、その露光時間が6msだったら、疑惑スタートです。ましてやLUX(照度)が3-4万を超えてたら疑惑濃厚♪ LUX隠してたらアウト~♪笑

正しいスペクトルの例↓ (Kessil A350wの場合)

正しいスペクトル

怪しいスペクトルの例↓ (同Kessil A350w)

間違ったスペクトル

露光時間の限界を超えるほど近接して測定すると簡単に露光オーバーが発生します。
まあ、本来ならば、LEDに長く携わってる方なら、すぐに見抜けるはずの凡ミスです。
もしプロで気づいてないなら失格、LEDを扱う資格はないです。前科持ちなら特に。
こういう業者は、詐欺商品も見抜けずに偽装商品を流通させてしまう危険姓も超高い!
あるいは、最悪のケースとして、これをわざとやってる可能性もあります!

スペクトル詐欺

ご覧の通り、460nmのピーク波長が潰れる分、下の弱い帯域が上に伸びるので、あたかもそれらを強く見せることが出来ちゃうからです!? 恐ろしい!!!

前回は、主に露光時間について解説し、「大抵の場合は露光時間の設定をオートにしておけば問題ない」と書きました。でも、だからと言ってオートならどう測ってもOK、なんてことはありません。ま、通常は数をこなせば自然と身につきます。業務で使うなら尚更です。

そこで今回は、測定距離によるMK350の露光時間の限界について説明します。

例えば、ある光源に対して、徐々に測定機器を近づけながら測定していくとします。
露光時間はオートに設定しておきます。
まず、40cm30cm20cmの距離で測ってみます。
結果はこうなりました。

正しい露光時間による測定スペクトル

* これはKessilじゃないよ笑

結果をまとめると、

測定距離 露光時間 ピーク波長
40cm 31ms 綺麗なカーブを描いている
30cm 15ms 綺麗なカーブを描いている
20cm 7ms 綺麗なカーブを描いている

今のところ、何も問題は生じていませんね。

さらに続けます。
10cm5cm1-2cmの距離で測ってみます。
結果はこうなりました。

露光オーバーによる測定スペクトル

結果は、

測定距離 露光時間 ピーク波長
10cm 6ms ん? ピーク波長の先がちょっと糞詰まり?
5cm 6ms ピーク波長が崩れて瓶の口みたいに???
1-2cm 6ms 尖ったピークやら、丸いピークやら、可笑しな事に。。。

お判り頂けただろうか?笑

そうなんです。
MK350の露光時間の最小値(下限値)は6msなんです。
たまたま露光時間が本当に6msだった場合はギリギリ綺麗なスペクトルが得られますが、もし6ms以下に絞るべき大光量を受けた場合でも、もうそれ以上下がりませ~ん!
それを無視してガンガン強い光を受ければ、当然露光オーバーを起こします。
その結果、レクチャー第一段の時のように、やはりスペクトルは崩れてしまいます。
しかも、ピーク波長が崩れるだけならまだしも、その周りの他の波長が過大評価されて、あたかもそれらの波長強度が増したかのように振る舞います。上のグラフでも、1-2cm測定時では相対比4割程度だったはずの420nm域が9割に化けてます(爆)
勿論それはプロがやったら波長詐欺を意味しますから、ちゃんと自覚しましょう(笑)
あと、まさかとは思うけど、確信犯はダメ、絶対。

そこで、優しいLEDスペクトルデザイナーさんが、親切に手取り足取り教えちゃうよ♪

■MK350の正しい使い方

正しい測定距離と正しい露光時間による測定

■MK350の間違った使い方

不適切な測定距離と怪しい露光時間による測定

簡単でしょ?

引き続き怪しいスペクトルを見かけたら、お気軽に必殺仕事人に通報してください♪
初犯はなるべく優しくマイルドに、再犯からはやや厳しく成敗していきます!

追伸:
え? このライト気になるって?
次回のネタです♪笑

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Maxspect Razor 遂に自作基板♪笑

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDライト Maxspect Razor スペクトル 自作関連 電気系

先日、Razor 10000K 60Wへ白リフレクターを装着しましたが、その続きです。

あのままじゃPPFDが189 umol/m2/sしかないので、やはり最新15000Kモデルのように、旧13素子→新19素子みたいなパワーアップ術を施さないと、使用に耐える光量は得られないなぁ~と悶々とすること約2週間。。。
気がついたら、禁断の扉が開いてました(爆)

Maxspect Razor 自作LED基板(設計用)

2mmのアルミ板加工は、ご老体には堪えます(汗)

前にRazorのガラスレンズの投稿で、半ば冗談で発案したコレです(爆)

まさか、マジでコレをやる日がくるとは。。。苦笑

ただ、15000Kみたいに6ヶも白LEDは要らないので、とりあえず白LED率25%で設計することにしました (Razor 15000Kは白LED率32%、Hydraは23%)
その場合、Razorは1ユニットあたり13素子なので、3-4素子の白LEDが必要です。
そうすると、白chと青chに使える単波長LEDは残り9-10素子です。それで、KRのように各chともフルスペクトルを確保しようと思ったら、白chへのUV系+シアン系の補完と、青chのワイドバンドブルーの構築を、たった9-10素子で構成しなければなりません。

物理的に無理じゃね?笑

そこで活躍するのが、この秘密兵器です。

Cree XML 4チップ直列タイプ

Cree XML 4チップ直列タイプ♪

これなら、見た目は1素子ですが、実質、白LED×4ヶ分として機能します♪

また、コレを使うことで、4素子直列回路×4ラインの判りやすい回路が組めます♪

Maxspect Razor LED基板回路変更

そう、実質16素子として設計することが可能になるのです♪
ま、15000Kの19素子には劣るけど、これでも白LED率が25%確保できるので、海水向けとしてはなかなか妥当な白LED数となります。
但し、ドライブ電圧が足りなくなるので、純正12Vの電源電圧を15Vへ変更する必要があります。幸い、Razor 60Wの電源ボックスの出力電圧は12-16V仕様なので、電源ボックスを分解して電圧調整ボリューム(V adj)を回せば容易に15Vへ調整可能です。もちろんテスターで見ながらの調整が必要です。あ、自己責任でお願いしますね(笑)
あと、厳密には白LED側の電圧がややドロップするので、並列回路側と電圧を揃えるために、白LED側へVF 1V程度の適当なダイオードを一つ咬ませてあります。詳細は割愛。

何と言ってもこの設計によるメリットは、白LEDに割くスペースが素子1ヶ分だけで済むので、他の12素子スペースはすべて単波長LED素子で埋め尽くすことができるってことです。これで、純正で物足りなかった波長を密に補完することが可能になる訳です♪

さらに、今回の目玉はもう一つ! むふふ♪
ガラスレンズを使うにしろ、リフレクターを使うにしろ、もうUVでレンズが焦げる心配はなくなりましたよね?
と、言う事は、、、!?

そう、これも入れちゃうぜぇ~?

ナイトライド370nm

ナイトライド最強370nm!!!

まーこのためにスペースを確保したとも言うけど(笑)
ついに実用強度のUV-A 370nmを有したシステムLEDライトの誕生となるかっ!?

ちなみに、LEDデザインが決定するまでは、LED素子の配列はコロコロ変わりますので、このようなネジ固定方式のアルミ板は非常に都合が良いのですが、このままじゃネジが干渉してレンズもリフレクターも装着不可能であることが判明しました(爆)

Maxspect Razor 設計用LED基板の組み込みテスト

設計が決まったら、もうひとつ本番用のアルミ板を作るか。。。手が痛いけど。。。泣

また、実質の素子数が増えたことで消費電力も少し増え、電源投入時は約68W、その後加熱による出力ダウンにより約62Wまで低下することが判明。そして、その時の天板温度は60℃オーバー。うーん。。。ファン足すか(笑)

12cm静音ファン追加

ちょうど、使ってなかった12cm薄型静音ファンがあったので、ボルトオン♪
これで天板温度は最高でも45℃(室温29℃時)止まり、15℃も下がりました♪
もちろん、加熱による出力ダウンもなし! 終始68Wのまま♪

だったら、、、もう少し出力アップできるんじゃね?爆

で、またまたドライブ回路を改造して、製品消費電力を73Wまでアップ♪汗

Razor改造最終消費電力

電源装置の定格が最大75Wなので、これ以上はアカン。。。汗

とりあえず、素子配列と素子構成が決定したので、本番用のボードに作り替えました。

Maxspect Razor 自作LED基板完成品の組み込み

ネジは使えないので、固まる放熱シリコンの出番です♪
固まるシリコン、久しぶりに使ったけど、やっぱり便利だぜぇ~?

特別にLEDデザインも公開しておきます。

Razor独自基板最終LEDデザイン

じゃんじゃん真似てください。ただ、波長強度が肝心ですけどね(汗)

そして、気になるスペクトルは、こうなりました。

Maxspect Razor 自作LED基板完成品のスペクトル結果

UV-A 370nmがガツンと効いたフルスペクトルですぜ♪
その370nmは、まさに超浅場の太陽に相応しく、白chに含めてあります。
しかもその白chは、Ra90オーバーの高演色性も実現!
アンバーが太いのも、4000KのCree XMLを使ったお陰です♪
そして、青chは定番のワイドバンドブルー♪

Razorだって、磨けばここまで光るんですね♪

ちょっと手間が掛かりすぎるけど(汗)

強いて言えば、370nmは最強ナイトライド、400nmはモンスター400nmを使ったけど、420nmがいまいち強い素子がなかったので、2ヶ使って誤魔化したくらいです(汗)
あぁ~・・・3535サイズの最強420nm、どこかに落ちてないかなぁ。。。

あ、あとね、Razorの白リフレクターは前面がアクリル板なんですが、370nmの透過率を見る限りほとんどロスしてないので、UV対応素材を使ってるようですね。前作がかなりの教訓になったのでしょう(汗)

ちなみに、最新Razor 15000Kとのスペクトル比較はこうなります。

スペクトル対決:Razor 15000K vs Razorフルスペクトル

どう? ヨダレ拭いてください(笑)
Razorフルスペクトル・アップグレードキット作ったら売れるかな?汗

さて、今回の改造では、光量の問題はどこまで解消されたのか!?
まずは、ガラスレンズでチビってみましょう♪笑

Maxspect Razor改+ガラスレンズのPPFDテスト

きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
はっぴゃくオーバー!!!!!

でもよく見て。ど真ん中だけよ、眩しいのは(笑)
そりゃそうか。真ん中の1レンズの中に4素子入ってるんだから(笑)
これじゃ、光量ムラが激しくて実用に耐えないよねぇ。。。

じゃ、やっぱり白リフレクターを使うしかないか。

Maxspect Razor改+リフレクターのPPFDテスト

ま、前回の189 umol/m2/sと比べると、今回は228 umol/m2/sなので、約20%の光量アップが叶ったことになります♪
13素子→16素子だから、まーそんなもんか。
じゃ、19素子なら40-50%アップだから、PPFDで270-280くらいかな?
てことは、仮に15000Kの70Wを買っても、300は超えそうもないね。。。
どのみち浅場のSPSは厳しいかぁ。。。3ユニットの180Wモデルなら600いくけど。。。
と言う訳で、この辺でお開きです(笑)

その他、何かリクエストがあれば、お気軽にどうぞ。

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巷のガラスレンズ仕様UV系LED素子

この記事を含むタグの全記事リスト: LED スペクトル 紫外線LED 自作関連

実は僕は僕で、次期KR用ガラスレンズUV素子と同じパッケージを海外通販で見つけたので、試しにお取り寄せしてみました。

ガラスレンズ仕様UV系LED素子

365nmと400nmです。

ガラスレンズ仕様UV系LED素子のチップ

400nmは当初次期KRに採用する予定だったモンスター400nmと同じチップですが、365nmのチップはお初です。どこのチップだろこれ。ま、とにかくこれがナイトライドくらい強力だったら嬉しいなぁ~♪
・・・なんて淡い期待を抱きつつスペクトルを測定。。。

ガラスレンズ仕様UV系LED素子のスペクトル強度

弱っ!笑
しかも365nmのくせに375nm!? 10nmもズレてるやないの!!!苦笑
波長強度もせいぜい200mW台かな。。。そこそこ中途半端に高かったのに(汗)
やっぱ365nmは当分ナイトライド一択ですね。。。
400nmも、波長強度は強いんだけど、やっぱり395nm寄りか。。。うむむ。

試しに、この製造元に425nmも持ってるか尋ねたところ、MOQ(最小ロット)100ヶ以上なら作るよ♪とのこと。うーん、、、弱い365nmは要らんけど、この400nmの強度ならありかな。あとは波長精度がきっかり指定できたら良いんだけど。。。一応、僕の自作向け汎用パッケージLED素子の3535版(XP互換)の候補にノミネートしておこう。。。
あ、でも汎用パッケージと違って、3535素子はリフロー溶接だし、あまり需要ないのに100ヶ作っても厳しいかなぁ?

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