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Mazarra特集:代替え素子

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Mazarra特集もいよいよ大詰めです。

今回は、Mazarra純正ではない、巷の汎用LED素子の中から、より大光量、より厳密な波長、よりお買い得なLEDを探し回り、その中から僕の独断でオススメのLED素子をご紹介します。とは言え、所詮汎用製品ですから、形状はMazarra純正とは大きく異なります。これをMazarraへ流用するには、先日のMazarra特集:汎用スター基板の記事を参考に、かなり危ない橋を渡らなければなりません。すべては自己責任ながら、それでもその先にある可能性に賭けたいチャレンジャーは、引き続き読み進めてください。
本当はMazarraからLED基板ベースだけ提供されていれば良いんだけど。。。

Mazarra代替え素子のターゲット

まず、Mazarraに搭載されているLED素子のうち、RoyalBlue 450nmやBlue 475nm、CoolWhite XMLなどは、わざわざ社外品に換装する必要はありません。なぜなら、これらは波長も光量も既に十分トップクラスだからです。そこはさすが天下のCreeとPhilips Lumiledsです。特にLuxeon Rebelの450nmや475nmには、正直フルスペでも敵いません。
しかし、400nmや420nmなどは、光量的にも波長的にもまだまだ伸びしろがあり、逆に言えば社外品に大きく期待できる部分と言えます。Mazarraはただでさえ16素子の限られた素子数しか乗りませんから、如何に優れたLED素子を妥協無しで選定するかが運命の分かれ道となります。

Mazarra純正LED素子の400nm/420nm/500nm

Mazarra純正LED 400nm/420nm/500nm

Mazarraの採用LED素子のうち400nm/420nmのUV系は、上の写真のように上から下へ進化してきました。しかも最近また素子の仕様が変更になったようです。

ちなみにCyan 500nmは発売当時からずっとLuxeon Rebelのようです。ま、一番確実で無難なところですからね。

LED馬鹿の集大成!?

いったい僕は今までLEDになんぼ注ぎ込んできたのだろう。。。曝
まあでもこうして有益なデータとして皆さんに提供できることは本望です♪

また、フルスペに関わる機会を与えてくれ、最近では高価な分光光度計を惜しみなく使わせてくれるBHの和田さんにも大きく感謝です。決して余裕ぶっこいてる訳じゃなくて、僕も和田さんも根底にあるのはアクア業界に正しいLEDを招きたいと言う一心からです。時にはつい辛口にもなりますが、すべては業界への愛の証(笑)

ま、能書きはこれくらいにして、僕の過去の散財の集大成をご覧ください♪
これを見れば、どこのどのLED素子を使うべきか、言わずもがな。。。
(1W/3W/5Wいずれの素子も1W駆動350mAにて測定・比較しています)

LEDスペクトル調査結果 400nm/420nm/500nm

LED放射照度調査結果 400nm/420nm/500nm

素子ごとのビーム角の違いによる測定誤差をなくすため、オリジナルの積分球的な集光器(5cmφ×4cm)と分光光度計を組み合わせて、なるべく厳密に測定しました。値自体の評価は別として、各LED素子のスペクトルと光強度関係の比較にはこれで十分でしょう。

ちなみに、ある程度のスペックに満たないものは製品名を伏せました。ま、400nmや500nmには2年以上前の製品も混じるため、古くて暗いものは仕方ありませんね。一方で新しいのに暗いものもありますが。。。でも420nmに関しては、ここ数ヶ月で市場に現れたものばかりなので、スペックの分布は比較的集中していました。

そうして各製品のスペクトルと放射照度を比較した結果、今回のMazarra代替え素子には以下の製品をお勧めしたいと思います。

Mazarra代替えオススメLED素子 400nm/420nm/500nm

オススメLED素子のスペクトル

波長 お勧めLED素子の通販 実測 価格
400nm Winger 395nm 3W 755mW@700mA
(現物はProLight PG1C-3LLE)
400nm 9.89€
420nm AC-RC 430nm 3W for Aquarium 420nm $4.3
AC-RC 416nm 3W for Aquarium 415nm $4.3
LED-DNA 420-425nm 3W for Aquarium 416nm $6.0
Weili 420nm 3W for Aquarium 417nm $163.16@25PCS
500nm Winger 505nm 3W 110lm@700mA 500nm 5.49€

オススメのUV 400nm LED素子

LedEnginも明るいのですが、1ヶ3000円以上するので却下。。。
そこで、LedEnginよりも放射束が高くて安価なProLightのUnicornシリーズです。
もちろんシリコン樹脂レンズですが、なんと売りはデュアルチップ!
これはLED1.deで買えます。何故かWingerブランドになってますが(?)

一応、単品とスター基板付きの2種類が用意されてる体ですが、スター基板付きのものは写真がProLightとは異なるので、素子単品で買った方が確実です。多分同じものだとは思うけど。。。

気になる点としては、素子のレンズ面が広くフラットなので、Mazarraのレンズに完全にはフィットできず、素子からレンズへの光の誘導性が悪いこと。

LEDレンズ形状の違いによるビーム誘導性イメージ

幸い、Mazarraはレンズの高さが変えられるので、なるべくLED素子に密着するようにギリギリまで高さを下げることもできますが、あまりグリグリやるとシリコンレンズを圧迫して、素子内部のボンディングワイヤーを破断させてしまうので、注意が必要です。まあ、多少のロス(おこぼれ)が生じる前提で、優しくセッティングすることをオススメします。

オススメのBlueViolet 420nm LED素子

これは最近の製品ならどれでもそこそこ使えます。

これらは製品名からも判るように、いずれもアクア業界のニーズで流通し始めたようですが、最新のロットはすべてEpiledsの最新チップEP-U4545Kに切り替わったようです。そう、僕が以前フルスペへの採用を告知した最新チップです。偶然でしょうか? それとも誰かさんの発言は重いってこと?曝

とは言え、上のグラフからも判るように、同じチップを採用するフルスペの光量と比較すると、やや見劣りするのが判りますね。その要因は、チップの光量ランク(bin)です。

Epileds EP-U4545K 光量ランク(bin)

当然、大光量のランクのチップほど高価ですし、暗いものほど安いのです。ちなみにこのチップの場合、明るいチップの光量は暗いチップの倍以上の光量差があります。
フルスペは僕が小姑のように口うるさく監視している(笑)ので常に大光量ランクのチップを採用していますが、上で紹介したものはいずれも中の上くらいの光量ランクのようです。でも価格的には妥当だと思うし、むしろお買い得じゃないかしら?

チップ以外の相違点としては、AC-RCやLED-DNAのLED素子は、チップの台座がフルスペ同様リフレクター構造になっているので集光効果がありますが、Weiliは台座がフラットなのでビーム角はかなり広角になります。やはりリフレクター構造がオススメです。

LEDチップ土台の形状

ただ、ひとつだけ残念なのは、これらの素子はいずれもレンズがプラスチックだったという点です。僕が現物を調べた限り、この中でシリコン樹脂レンズ採用のものはひとつも見当たりませんでした。まあ、400nmと違って420nmで焦げたケースは未だ未経験なので、定期的にチェックしていれば大丈夫だとは思いますが。。。

オススメのCyan 500nm LED素子

最後にシアン500nmですが、これもフルスペ最新2ndロットと同じEpileds EP-G4545Vを採用したLED素子で、しかもなんとデュアルチップのものを見つけました♪
スペクトルもフルスペとほぼ一致するので、波長ランクも光量ランクも恐らく同じものかもしれません。なんと贅沢なシアン素子!

ただ、これもレンズはプラスチック。。。
まあ、400nmとは光エネルギーのレベルが全然違うので、焦げることは無いでしょう。。。

以上、お役に立てば幸いです。

つづく

こちらのエントリーもどうぞ♪

Epileds EP-U4545K 420nmを試す

この記事を含むタグの全記事リスト: 420nm Epileds LED

昨日紹介したEpiledsの最新LEDチップEP-U4545Kですが、

ホンマに1W如きぬるま湯風情が500mWオーバー弾き出すんかいっワレェ!

と言うのはJAROですが、疑惑の目も無理は無いので、ちょっと検証してみましょう。

と、その前に事前知識として、最近更新されたMazarra採用LEDの最新ラインナップを見てみましょう。嬉しいのは、光量の不足しがちなUV系素子が揃ってデュアルチップに変更されたこと。これによって3W駆動(700mA)時には実質1W駆動(350mA)の2チップ分流となり、1W時の大光量・高効率×2チップとしての恩恵が得られるようになりました♪

Mazarra最新LEDリスト カラーLEDラインナップ

例えば、旧採用LEDラインナップと比較すると、このように進歩しました。

LED 旧採用LED素子 新採用LED素子
400nm 500mW @700mA 550mW @700mA
420nm 600mW @700mA 650mW @700mA
435nm - 680mW @700mA

一見、大して変わってないようにも見えますが、1チップを3W駆動して低効率で得た600mWと、かたや2チップを正味2W駆動して得た650mWでは、
3W→600mW vs 2W→650mW
の大きな違いがあります。そしてこれは今後もMazarraの大きなメリットとなるでしょう。

さて、話を戻して。

Mazarraの最新デュアルチップでさえ700mAで650mWやんけっ!
おどれの1Wはホンマに350mAで500mWオーバーなんかいっ!!!

JAROに益々磨きが掛かりますが、まあ要するに疑惑の意味するところはこんな感じ。
そこで、ちょっと雑ではありますが、手持ちの420nm LEDを使って比較実験をしました!

いざ、420nm LED対決!

用意したのは以下の3品です。

420nm LED素子対決

左は以前紹介した、ZT社で一番高い420nm 1W素子で、単価は$10(10ヶロット時)。 これはSemiLEDsSL-V-U40AC(PDF)と言うチップを採用しています。ZT社での公称出力は250-300mW @350mAとなっています。

続いて中央は、先日ある有名なブロガーさんから頂いたMazarra専用420nm LEDで、同じくSemiLEDsのSL-V-U40ACチップを採用したSiBDI社のS35-Uと言うLEDのU70ランク(410-420nm)です。Maxspectでの公称出力は600mW @700mAとなっています。1Wに換算すればおよそ350mWくらいでしょうか。値だけ見ると、上のZT社のひとつ上の光量ランクのチップかな?と思わせます。

そして右は、Epileds社の最新チップEP-U4545Kを、eco-lampsが自社パッケージングしたLED素子で、既にバイタルウェーブ・バイオレットでも採用済みのLEDです。一応、公称出力は控えめに450mW @350mAを謳います。

これらをそのまま1Wで駆動すると、以下のような感じになりました。

420nm LED対決 ノーマル発光状態

一見、ZT社の方がMazarraよりも明るく写ってますが、これは素子形状やビーム角の問題だと思われます。また、Epiledsも素子自体にリフレクターが内蔵されているので、ビーム角がやや狭く、より前方へビームが届いて見えます。
と言う予備知識をまずは念頭に置いて、お次は、これらの不揃いのビームを対等な土俵に上げるべく、それぞれに同じリフレクターを装着して、放射光をすべて同じビーム角に揃えてみます。

420nm LED対決 リフレクター装着

これでほぼ不公平は無くなりました。やはりMazarraの方がZT社よりもやや明るめかな?
ただ、相変わらずEpiledsの方は、より前方へ光が飛んでいるようです。やはり素子内蔵のリフレクターの影響でしょうか。。。

が、こんな画像をいくら並べても具体的な光量は一向に見えてこないので、何か測るものを・・・と考えて、とりあえずPPFDメーターを用いました。何しろ420nmが相手ですから、照度計で人間様が見えにくい波長の照度を測っても仕方ないので、始めから400-700nmを測定対象とした光合成光量子束密度PPFDの方がまだマシだろう、と(笑)

そして、驚愕の結果が得られました。
上は1W駆動、下は3W駆動時の10cm前方のPPFD(μmol・m-2・s-1)です。

420nm LED対決 リフレクター装着時の10cmのPPFD測定比較

リフレクターでビームを揃えているとは言え、どうもEpiledsの方は素子内蔵のリフレクターによる恩恵が5割増しくらいありそうな値です。大光量にもほどがある(汗)
と、Mazarra贔屓目で考えても、どうやらEpileds圧勝のようでした。

一応、この結果を理由づけてみると、仮にMazarraの方が公称通り600mW @700mA出てるとして、1W駆動時のZT社との比較から、ZT社も公称通り250-300mWは出ていそうです。そしてEpiledsも、仮に1.5倍効果(笑)が発動してるならば、およそ500mWは出てる計算になるので、まあいずれも公称程度の出力は出ていると見て問題ないでしょう。

ただ特筆すべきは、Epiledsの3W時の出力です。1.5倍効果を差し引いたとしても、ざっと900mW @700mAは出てそうな計算になります。す凄げぇ。。。

フルスペは、とんでもないLEDを採用しようとしています。。。

今でさえ他社が真似できないバイオレット出力を誇るのに、まだ進化しようと言うのか!?
その実力のほどは、まずはバイタルウェーブのバイオレットでお試しアレ!

最後にひとつ、Mazarraに提案します。例えば、同じEpiledsの500mWのデュアルチップ化はどうかしら。それで700mA時に1,000mWになるし、フルスペに一歩迫ることが出来ると思います。ただ、コストの問題は・・・どうにかしてください(汗)
まあ、他社の3倍の素子数をこなすフルスペに比べたら、全然現実的ですよ!
さすれば、Mazarraユーザーに益々ハッピーが訪れるでしょう♪

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Epileds EP-U4545K採用計画

この記事を含むタグの全記事リスト: 400nm 420nm Epileds LED

KR93SPフルスペに採用されているUV系LEDチップでお馴染みのEpileds社EP-U4545Vですが、これを近々最新のEP-U4545Kへ切り替えていきます。実は既にバイタルウェーブの一部420nmチップに採用してたりして。。。なんとも贅沢なスポットです♪

Epileds EP-U4545K-A3のデータ。

Epileds EP-U4545K データシート

とは言っても、旧EP-U4545Vと比べて格段に光量が増えた訳では無く、あくまでも後継的なモデルチェンジじゃないかな?と思われます。
でも、eco-lampsからの実測データを見たら、やはりそれなりに大光量のようです♪
ま、さすが高いお金を出して大光量ロットを仕入れてもらってるだけあります。。。

Epileds 400nm 420nm
EP-U4545V 476.7mW 457.2mW
EP-U4545K 529.6mW 478.0mW

* 任意のチップの測定結果であり、サンプルによってバラつきはあります

Epileds EP-U4545K 実測データ

あぁぁ。。。1W(@350mA)で500mWオーバーって。。。わなわな。。。
しかもフルスペは多素子なので、こんなモンスターチップがバンバン載っちゃいます♪
・・・色んなところから色んな意味の悲鳴が聞こえてきそうです(曝)
まあ、でもこれくらいの変化じゃスペクトルはほとんど変わりませんけどね。

とは言え、スペクトルに関してはKR93SPフルスペはもう完璧に極めちゃったので、今後は少し基本に返って、改めて光量の確保にシフトしていこうかなと思います。
そう。それが本来のあるべき手順でしたね(笑)

KR93SP 採用チップ履歴と計画

* 白系は初期ロットから採用しているソウル半導体のまま変更の予定は無し

設計当初からUV系ばかり目立っていたので、そろそろブルー系の450nmや475nmにも力を入れていきます。あ、これまでも光量と品質は確保してきましたが、あくまでもモア!ってことです。くれぐれも誤解の無いように(汗)
でも今のチップは波長が完璧すぎるので、そこを保持しつつの光量アップが必要になり、なかなか手強いです。特に今使ってるSemiLEDsの475nmは実質480nmほど出てるので、お陰でシアンが500nmよりも少し高め(実質510nm前後)まで許容できてます。
と言う訳で、ただいま450nmと480nmのまま光量アップできるチップを捜索中です。

そして、シアンもEpiledsに移行する計画です。これはなかなか良さげなブツが使えそう♪

あと忙しくてなかなか紹介できてませんが、“SPS攻略LEDライト”KR93SPフルスペに対して、待望の“LPS攻略LEDライト”“水草攻略LEDライト”が実現しそうですよ!
そのうち頑張ってアップします♪

などなど、これらの調査・計画もさることながら、故障・機能等の問題点の洗い出しや今後の改善案の提案、そして一番の難関 eco-lamps社との“苦手な英文でのやりとり”に、先月は完全に本業が圧迫されまくりでした(曝)
まあ、好きなことなので大して苦にはなりませんが、これでお給料でも貰えたらなぁ~汗
この際マジでLEDクリエイターを開業して・・・いや、アクア業界じゃ無理だろうなぁ。。。

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