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最新EcotechMarine Radion G3 Proを試す

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2015最新システムLEDライト第四弾は、EcotechMarine Radion G3 Proです。

今回もサラッと軽快に参りましょう~♪

EcotechMarine Radion G3 Pro 外観

EcotechMarine Radion G3 Pro

初期のG1と比べると、UV系素子が追加され、ファンガードが格好良くなりましたね。
天面の操作性も、やはりタッチパネル方式から物理スイッチ式に変更されました。
あとは、ファンの吸気面をXR15wのように天面に変更して、その分真ん中の空いたスペースに1ユニット追加して、さらに本体でも全ての操作性を確保して、ついでに指紋フリーなツヤ消し塗装にしてくれれば、、、望みすぎ?汗

EcotechMarine Radion G3 Pro ビーム角

EcotechMarine Radion ビーム角

Hydraのフラットな光分布を見てしまうと、ちょっぴり見劣りしますね(汗)
そのせいか、見た目は80°というより、全域フラットな60°、という感じです。ま、それはそれで普通の60°より断然優秀ではありますが。
でも波長の混ざりはグッド! こういう時、LED素子が密集した構造は有利ですね。
元々レンズが無かったことを考慮すれば、これは革命的進化です!

EcotechMarine Radion G3 Pro 採用LED

EcotechMarine Radion G3 Pro LED素子

採用LED素子が公称通りなんて当たり前だと何度も書いてきましたが、なんと!?
Radionは公称より良いモノ使ってますやん♪

採用LED素子 公称データ 実機データ 実側波長
UV SemiLEDs ○ C3535U 404.5nm
Indigo SemiLEDs ○ C3535U 414.7nm
DeepBlue OSRAM OSLON SQUARE ○ LD CQAR 443.5nm
Blue Cree XP-E ◎ XP-E2 469.6nm
Green Cree XP-E ◎ XP-E2 521.2nm
Yellow OSRAM OSLON SSL ○ LY CPDP 601.9nm
HyperRed OSRAM OSLON SSL ○ LH CPDP 666.4nm
CoolWhite Cree XP-G2 ○ XP-G2 -

BlueとGreenに最新のCree XP-E2をしれ~っと使ってるなんて!!!
Cree XP-Eを謳っておきながら、な~んて奥ゆかしい!!!
某社に爪の垢を飲ませたいね。。。

EcotechMarine Radion G3 Pro スペクトル

EcotechMarine Radion G3 Pro スペクトル

まず、安心してください。
Radionのブルー系はちゃんと440nmと470nmに分かれたワイドバンドブルーです♪
ま、440nmが強すぎるけど(汗)

が、AI Prime/Hydraでも書きましたが、UV素子の光量ランクをもっと上げて欲しい!
なんでこんなにUV系が弱いんだろう。。。理論上、もっと強いはずだけど???

波長強度分析講座:
と言う訳で、UV系400nm/420nmとブルー系450nm/470nmの波長強度関係について、LED素子の理論値と実測値にどれだけの差があるか、ザックリと分析してみたいと思います。数字が苦手な方は飛ばしてください。

  1. チャンネルUV/RoyalBlue/Blueは同じ4素子ずつなので、
    相対的には1素子ずつの強度関係と見なせる
    405nm×2+415nm×2 : 440nm×4 : 470nm×4
    410nm(簡略) : 440nm470nm
  2. Radionの採用LED素子の最高光量ランクの参考値は、
    410nm:850mW @500mA (SemiLEDs C3535U) データシートより
    440nm:1300mW @700mA (OSRAM LD CQAR) データシートより
    470nm:535mW(45.7lm) @350mA (Cree XP-E2) データシートより
  3. しかし、Radionは波長毎にドライブ電流を変えているので、
    410nm:2.5W駆動 (@600mA=@500mA×1.2倍) データシートより
    440nm:5W駆動 (@1500mA=@700mA×1.8倍) データシートより
    470nm:3W駆動 (@700mA=@350mA×1.7倍) データシートより
  4. 採用素子にドライブ倍率を反映させると、
    410nm:850mW ×1.2 = 1020mW
    440nm:1300mW ×1.8 = 2340mW
    470nm:535mW ×1.7 ≒ 910mW
  5. よって、各LED素子が最高ランクの場合はこのような波長強度関係になります。
    410nm/440nm/470nm 最高ランクの場合の波長強度関係
    しかし実測スペクトルではここまでUV系は強くありません。
  6. そこで、より実測スペクトルに近づけるために、
    410nmを最低ランクにし、440nmを1ランク下げてみます
    410nm:600mW(最低ランク) ×1.2 = 720mW
    440nm:1210mW(2位ランク) ×1.8 = 2178mW
    410nmを最低ランク、440nmを2位ランクにした場合の波長強度関係
    440nmと470nmはほぼ実測通りになったけど、UVがまだ強い。。。
    もしかしてSemiLEDsの最新C3535Uじゃなくて旧C35L-Uなのかも?
  7. と言う訳で、410nmを旧C35時代の最高ランクにしてみます
    410nm:360mW @350mA (SemiLEDs C35L-U) データシートより
    = 2.5W駆動 (@600mA=@350mA×1.5倍) データシートより
    = 360mW ×1.5 = 540mW
    410nmを旧C35-Uの450mWランクにした場合の波長強度関係
    はい。これなら実測スペクトルとほぼ同じ波長強度です。
    ま、公称では「SemiLEDs」とはあるけど「C3535U」とは書いてないので、
    恐らくC35L-Uに間違いなさそうです。
    C3535Uなら最低でも420mW@350mAはありますからね。

UV系出力に関する結論:
440nm/470nmと同様に、UV系も最新最高のランクを採用して欲しい。特にUV系をSemiLEDsにこだわるなら、最新C3535Uの高ランクを使わないと、旧C35L-UじゃまともなUV域は確保できないので、それができないなら素子数を倍以上に増やすとか、潔くEpiledsに変更するとか、その上で高ドライブで回すならデュアルチップ化するとか、色々と解決策はありますから、EcotechMarineもAIも決して現状に妥協せず徹底的にこだわりを見せて欲しいです。 かつて同じ問題を抱えていたMaxspectやIllumagicも、今では見事に克服しましたからね。Illumagic STYLEなんて、去年台湾のIllumagic本社で測りましたが見事なUV域でしたよ! そのうちご紹介しますね♪

Maxspect Razor M15000k / Illumagic STYLE 現行スペクトル

Maxspect Razor M15000K / Illumagic STYLE

UV要求種への対策:
ただ、決して現状のRadionがダメって訳ではなくて、よほどUVを要するサンゴにはスポットLEDでピンポイントに対応するやりかたもメジャーになってきました。以前イチゴ特集でご紹介したたらふく氏もそのひとり。Radion+VitalWaveスタイルで実績を上げておられます(写真左)。この方法なら、RadionだけじゃなくT5でも効果に期待が持てますよ♪
それに、なんだかんだで補助灯にはE26ソケットのスポットLEDが便利ですしね。

たらふく氏と雫來氏が維持されているストロベリー

また、雫來氏もストロベリーマスターのひとりで、写真右の個体も順調に維持されてます。 ストロベリー本来のシアン蛍光が眩しいですね♪
ちなみに
雫來氏のストロベリー写真は、敢えてバイタルウェーブを消して、フルスペ100%のみで撮られたそうです。それなら蛍光の度合いや発色の参考になりますね♪
イチゴのご相談は、Radionならたらふく氏、フルスペなら
雫來氏までどうぞ(笑)
ここには書かなかった
ノウハウや裏話などためになるお話が聞けるかも?
また、facebookにはブログをされてない影の実力者も多くいらっしゃるので、機会があればご紹介したいと思います。匿名の世界に飽きた方、リアルの世界においでやす~♪笑

話を戻して、Radion G3 Proの公称スペクトルと実測スペクトルの比較です。

EcotechMarine Radion G3 Pro 公称スペクトルと実測スペクトル比較

うん。これは正しいね♪
信用出来るスペクトルをメーカーが当たり前に公表している。。。
うん。良い時代になったぜ!

EcotechMarine Radion G3 Pro 操作性/オプション

実は僕はRadionの操作が苦手です(汗)
そもそも照明の設定如きに、いちいちクラウドにログインさせられるのも腑に落ちないのに、その上操作方法も判りづらく、たまに使う頃には手順を忘れてます(汗)
また、付属のUSBケーブルがさほど長くないので、PCの横で作業しなきゃならない。
しかも僕の場合、RadionがスペクトロメーターのCOMポートと競合するみたいで、まともにスペクトルを測らせて貰えない!←コレが一番煩わしい(笑)
などなど、決して便利には思えないし、むしろ次世代感が空回りしてる気が。。。汗
基本性能は良いと思うけど、これは絶対多くの商機を取り逃してると思うなぁ。。。

まず操作の前に、EcoSmart Liveにログインするためのアカウントが必要です。これは必要事項を送信すればすぐに登録できます。その後、USB経由かWiFi経由でRadionの検出と登録を行い、その後操作が可能になります。僕はUSB経由&マニュアル調光しかしたことがないので、操作方法はLSSの動画やサポートをご利用ください。

EcoSmart Live

* パソコンのブラウザの画面

そして、僕が冒頭で熱望した理想のRadionはこんなイメージ(笑)

Ideal Radion (CG)

これで僕みたいにハイテクが苦手なアクアリストも取り込めるやん♪
だって、スマホやパソコンからの操作も格好良いけど、基本性能としての本体の操作性は絶対に削っちゃダメだと思うの(僕の価値観)
それに、ユニットを1つ増やせば消費電力を落としても光量は確保出来るから、これならHydraのPAR/Watt記録を塗り替えられるよ!
でもディスプレイは側面の方が良いかな?
あ、あとファンの位置は単純に塩害対策です。そもそも水面側に設けてはダメよダメダメ。

EcotechMarine Radion G3 Pro PAR分布

最後に、お役立ちPAR/Wattグラフをどうぞ! (クリックで大画像)

EcotechMarine Radion G3 Pro PAR分布/スペクトル

無断転載禁止 / Unauthorized reproduction prohibited.
Gebrauchen die Bilder ohne Genehmigung verboten.

まず、30cm直下のPARを見てくださいよ。。。1000オーバーですぜ?汗
しかもユニット直下なんて1200オーバーなんだぜ?大汗
いくら160Wオーバーとは言え、こりゃただの電力食らいじゃないぜ!
ま、Radionは1ユニットあたりのLED素子数がダントツに多く密集していて、且つ最大5W駆動のチャンネルもあるので、ユニット直下はとんでもない大光量になるのも無理はありません。問題はその太”っとい光量を如何に均一に配分するか、それがレンズの仕事です。
しかし、Radionのレンズも良くできていて、フラットなPARの分布も素晴らしいですが、84×60cm2に分布するPARの総量が30cmでなんと46000オーバーですよ!
これは今回のレビューでもダントツのPAR量でした。Hydra 52でも40000オーバーフルスペ30インチでも42000オーバーでしたから。

初期のRadionはレンズ非搭載だったのに、思えばかなり劇的な進化を遂げましたね。
暗い暗いと思っていたら、いつの間にか光量でフルスペを追い抜いていたとは。。。汗
そうやってRadionは、レンズもUV系も希望通りに進化してきましたから、あともう一歩足りないスペクトルもまだまだ進化してくるでしょうね。フルスペもついに世代交代か!?
ま、さすがにその頃にはフルスペもモデルチェンジしてるか? じゃないと困る(笑)
そうして、これからも各社が切磋琢磨して、サンゴにとってもアクアリストにとっても、より良いLED製品が磨かれていくことを望みます。そのためにも僕は、今後も辛口レビューを続けていくことでしょう。

Radionの評価もなかなか明暗が分かれましたが、オススメポイントをまとめると、

  • 超高効率LED素子採用&高出力ドライブによる高効率&超大光量!
  • 高性能レンズよる光量差の少ないフラットなPAR分布!

以上、最新Radion G3 Proのレビューでした。
(2015/6/27オススメポイント書き忘れ追記)

次回はラストレビュー、eco-lamps KR93SPです。

こちらのエントリーもどうぞ♪

最新AI Hydraを試す

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDうんちく LEDライト スペクトル

2015最新システムLEDライト第三弾は、AI Hydraです。

今回もあっさり簡潔に参りましょう~♪

AI Hydra 外観

写真はHydra 52ですが、これを半分にしたモノがHydra 26になります。
数字はLED素子数です。52=13×4、26=13×2 (1ユニッあたり13素子)
元祖Hydra(5×4=20素子)と区別するためのネーミングでしょうね。

AI Hydra 52

一見、DIY照明のような簡素な作りに見えますが、まあ、容姿は問題ではありません。
旧デザインを引き継いだのも、旧製品のアップグレードに対応するためでしょう。

AI Hydra ビーム角

見た目のビーム角は60°にも70°にも見えますが、とんでもない、よく見てください。

AI Hydra ビーム角80°

巷の集光レンズの特性にありがちな光の中央集中が見られず、照射面に対して全域にフラットな光量分布ですぜ!
しかも、この光の混ざりは秀逸!
これは素晴らしい!!!
その秘密は、この独自レンズ、通称ドングリレンズにあるのだ!(今僕が命名した笑)

AI Hydra レンズ

まず、レンズ高がすごくあるんですよ!
恐らく構造上の必然によるモノだと思いたいのですが(笑)、もし意図的に光の拡散に必要な屈折条件を満たすためにこの高さにしたのなら、僕はAIを尊敬します。正直、巷の汎用80°レンズでは、このHydraのようにワイドとフラットが見事に両立されたレンズを見たことがなかったので、このレンズの特性を見た時、マジで嗚咽を漏らしました(曝)

しかも、レンズ表面は一見タダのフロスト加工のように見えますが、よく見て!

AI Hydra レンズ表面

まさかコレ、フレネル加工なのか!?
だとしたら、広角にも寄与するし、ブレンド性にも寄与するはず。。。わなわな。。。
やばい。。。このレンズ、僕も作りたい(曝)
まあ、透過ロスやUVロスの度合いを調べてからだけど。
とにかく、久しぶりに他社製品に嫉妬しました(汗)

AI Hydra 採用LED

AI Hydra LED素子

またまた当たり前ですが、採用LED素子も公称通り!
過去に見た他社のスッゴイ詐欺の話は、、、そろそろ特集組もうか?

採用LED素子 公称データ 実機データ 実測波長
Hydra 52 Hydra 26
UV SemiLED 400nm ○ C3535U 411.2nm 409.3nm
Violet SemiLED 415nm ○ C3535U 417.2nm 422.1nm
DeepBlue OSRAM OSLON ○ LD CQ7P 449.6nm 446.0nm
RoyalBlue Cree XT-E ○ XP-E2 451.0nm 449.9nm
Green Cree XP-E2 ○ XP-E2 521.1nm 519.4nm
DeepRed OSRAM OSLON ○ LH CPDP 665.0nm 665.5nm
CoolWhite Cree XP-G2 ○ XP-G2 - -

ただ、このHydraの波長に関しては、やや不可解なことが。。。
AI Primeの時は、お手本のように等間隔に波長が分割され、405/420/440/470nmのようなフラットな分布を実現していましたが、このHydraに関しては、僕はちょっとスペクトルデザインの意図が判りませんでした。
まず、UVの公称400nm→実測410nmは、まあなんとかバラツキの許容範囲と言ってもやむを得ませんが、問題は、ほぼ同一の波長であるOSRAM DeepBlueとCree RoyalBlueを何故わざわざ併用したのか?と言う点です。
いや、今回はバラツキのせいで結果的にたまたま同じ波長になっちゃったけど、本来は440nmと450nmのブレンドが目的だったのか? いやいや、それにしても僅か10nmで近接する波長を混ぜるくらいなら、450nmと470nm、または440nmと470nmで組み合わせた方がブルー帯域をワイドバンドに確保出来たのに、、、これは一体???
ま、とにかく次項のスペクトルをご覧ください。

AI Hydra スペクトル

まず、AI Hydra 52のスペクトルです。

AI Hydra 52 スペクトル

そして、AI Hydra 26のスペクトルです。

AI Hydra 26 スペクトル

DeepBlue(D-BLUE) と、RoyalBLue(ROYAL) の波長が、、、同じです!汗
(強度の差は単純に素子×2ヶと素子×3ヶの違いです)
・・・もしこれが意図的な設計だと言うなら、理由を知りたいです。
あと、UV系も異様に弱いし。。。ま、それについては次回のRadionで徹底分析します。

今一度、AI Primeのスペクトルを見てみましょう。

AI Prime スペクトル

Hydraより波長管理も全然しっかりしてるし、何よりワイドバンドブルーです。

結局、PrimeとHydraのスペクトルは、どういったコンセプトでデザインされたんだろう?

AI Prime カラー AI Hydra 52/26
LED素子 実測平均 LED素子 実測平均
SemiLED U60 405nm - UV SemiLED U60 410nm -
15nm 10nm
SemiLED U70 420nm Violet SemiLED U70 420nm
25nm 28nm
OSRAM SQUARE 445nm DeepBlue OSRAM OSLON 448nm
25nm 2nm
- - RoyalBlue Cree XT-E 450nm
70nm
Cree XP-E2 470nm Blue - -
50nm
Cree XP-E2 520nm Green Cree XP-E2 520nm
- -

なぜこのような仕様分けになったのか?
単にPrimeが後から発売された分、スペクトルデザインも最新に改善されただけなのか?

そして、Hydraの公称スペクトルと実測スペクトルの比較です。
まずはHydra 52から。

AI Hydra 52 公称スペクトルと実測スペクトル比較

続いてHydra 26です。

AI Hydra 26 公称スペクトルと実測スペクトル比較

えっと、これわね、、、どうやら公称スペクトルの解像度が間違ってるようです(笑)
「400」って書いてある部分が、多分420nmくらいじゃないかしら?
恐らくこういうことです↓

AI Hydra 公称スペクトルの間違い

AIへの要望:
A demand to AI:

  • DeepBlueとRoyalBlueを併用した意図を教えてください
    Teach the intention that used RoyalBlue and DeepBlue to Hydra.
  • 公称スペクトルを正しく訂正してください
    Correct an official spectrum of Hydra right.

AI Hydra 操作性/オプション

Hydraは、本体だけ買っても点灯のオン/オフしかできません。調光やタイマー機能を利用するには、別途以下のどちらかのオプションが必須となります。

AI Hydra オプション

で、今回は左のリモコンを試してみました。
リモコンと言っても電池式ではなく、有線で電源供給が必要なタイプです。ま、WiFi飛ばすと電気食うから仕方ないですけどね。
ただ、スマホやタブレットの充電器と同様に、[USB]-[mini USB]のケーブルによってACアダプターと接続する形式なので、パソコンのUSBからも電源が取れるし、なかなか利便性は良いかもです♪

まず、通電してもそのままでは使えません。メニューから設定を実行して、近くのHydraを検出させ、同期させる、と言う手順を踏みます。その際、勝手に最新のファームウェア(多分リモコンに入ってる)でHydraが上書きされます。これ、同期させる度に更新させられるのですが、数秒程度なので特に苦にはなりません。ここまでのフローを終えると、リモコンから色々と操作が可能になります。(リモコン内のファームウェアを最新にするにはどうするんだろ?)

でもね、女性の方には、このリモコンの操作は辛いかも。。。
だって、このリモコン、、、めっちゃボタンが堅い!!!
ボタン自体はシリコンゴムのようですが、かなり強く押し込まないと「カチッ」と手応えがないし、その手応えがないと反応しません。なので、ピッピッピッと素早く操作することは困難で、どうしても、ポッチン、ポッチン、ポッチン、と言う感じの堅実な操作性になります(笑)
そもそもこのリモコンって、ご年配の方などスマホをお持ちでない方向けでもあるよね?
むしろボタンは軽くしておかないとダメな奴じゃん!笑
なので、スマホ持ってる人は、WiFiプラットフォームの方が楽かも?

ちなみに、実は似たような不便はKR90DRにもあったんですが、近々もっと押しやすいようにボタンを大きくするらしいです。多分、次回のディスプレイの変更の際に反映されると思われます。前回書き忘れてた(汗)

AI Hydra PAR分布

最後に、お役立ちPAR/Wattグラフをどうぞ♪ (クリックで大画像)

こちらはHydra 52。

AI Hydra 52 PAR分布/スペクトル

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こちらがHydra 26。

AI Hydra 52 PAR分布/スペクトル

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見たら判ると思いますが、HydraのPAR/Wattハンパねぇぇぇ!!!
はい。PAR/Wattが300オーバーというのは、実はHydraの事でした~♪

Hydraはあくまで2W駆動なので、3-5W駆動のRadionよりは高効率ですが、1W駆動のKRよりは本来効率は低いはずです。なのにKRよりもPAR/Wattが高い!?
確かにKRはOSRAMやCreeを使ってないので、厳密には青LEDや白LEDの効率は負けています。とは言え、それを補って余るあるはずの我らが1W駆動です。それを2W駆動が上回るには、LED素子の性能以外にもそれ相応の何か別の理由があるはずです。
はい。それがレンズの恩恵です(現時点での僕の見立て)
Hydraのレンズは、LED素子が発する光を余すことなく受け止め、如何に少ないロスでレンズ内を通過させ、しかも乱反射もなく全ての光線を漏れなく外へ放射させる。
恐らくそういうことだと思われます。
よってHydraは、超高効率大手LED素子高性能レンズの合わせ技により、PAR/Watt 300オーバーを実現しているんだろうと考えられますね。

しかも、グラフをご覧の通り、凄くフラットでなだらかなPAR分布なのです。
普通のレンズなら中央に光が集中しやすいので、仮に中心PARが 1000 umol/m2/s あっても大して驚きませんが、このHydraはこのフラットなPAR分布にも関わらず、中心PARが1000以上ありますからね。もう本当にビックリです!

Dear Aqua Illumination, Good Job!!
Also do your best about wavelength management.

Hydraの評価はかなり明暗が分かれましたが、オススメポイントをまとめると、

  • 超高効率LED素子採用による高効率&大光量!
  • 高性能レンズよる光量差の少ないフラットなPAR分布!

以上、最新Hydra 52/26のレビューでした。

次回は、EcotechMarine Radion G3 Proです。

こちらのエントリーもどうぞ♪

最新eco-lamps KR90DRを試す

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDうんちく LEDライト スペクトル

またまたお待たせしてスミマセン!
先週はAI Primeの記事をアップした後、すぐに東京へ出張になり。。。その件は最後に。

2015最新システムLEDライト第二弾は、eco-lamps KR90DRです。

  • AI Prime - 2015/06/17
  • eco-lamps KR90DR - 2015/06/22 ← 今ココ
  • AI Hydra 52 / Hydra 26
  • EcotechMarine Radion G3 Pro
  • eco-lamps KR93SP

今回もあっさり簡潔に参りましょう~♪

eco-lamps KR90DR 外観

20150616-body-kr90dr

かれこれ過去3年間、同じスペクトルデザイン/同じ外観で走り続けるロングランKR90DRですが、レンズがプリズム化したり、天吊り時のワイヤー金具が改善されたり等、小さな変更はたびたび実施されてきました。また、LED素子の出力や波長精度も年々進化しているので、現行ロットがもっともハイスペックであることは言うまでもありません。

eco-lamps KR90DR ビーム角

20150616-beam-kr90dr

以前のクリアレンズの時はセンターライン55°/サイドライン75°が公称表記でしたが、2年前のプリズムレンズ化の際にセンターライン60°/サイドライン70°表記に変わりました。
ただ僕の印象では、ぶっちゃけ実際の角度は大差ないんじゃないか?と思っています。
ま、ビーム角はスポット並みでも、広い筐体面積に対してLED素子をたくさん配置しているため、正味の照射範囲は80°のPrimeよりも広範囲に渡ります。それが1W駆動×多素子構造の強みです。その意味をきちんと理解しないと、闇雲に「80°は60°よりエライ♪」と履き違え兼ねません。

eco-lamps KR90DR 採用LED

AI PrimeみたいにCreeやOSRAMのLED素子を使ってるなら、詐欺がないことを証明すべくLED素子の写真も載せるのですが、KRシリーズはいつもの汎用パッケージ素子なので割愛します。まあ、撮り忘れたとも言いますが。。。汗
たまたま別の目的で撮った写真に少し写ってたので↓これでご勘弁を(笑)

eco-lamps KR90DR LED素子

まあ、いつも通りEpiledsチップを使った汎用パッケージ素子です。

一応、波長精度はこうなってます。

採用LED素子 公称データ 実機データ 実測波長
BlueViolet Epileds 425nm ○ Epileds 427.6nm
RoyalBlue Epileds 450nm ○ Epileds 450.1nm
Blue Epileds 475nm ○ Epileds 474.6nm
Cyan Epileds 500nm ○ Epileds 500.2nm
CoolWhite Bridgelux 8000K ○ Bridgelux -

まあ、KRでは今さら当然のクオリティですけど。

eco-lamps KR90DR スペクトル

eco-lamps KR90DR スペクトル

ブルー系と同じ光強度が確保されたUV系425nmバイオレット帯域の存在感っ!
例えばシアン蛍光タンパクは、450nmブルーでもパワーで強引に叩けばそれなりに稼げますが、KR90DRならシアン蛍光励起にビンゴのバイオレット帯域がソヨソヨ撫でるだけでも、あらあらまあまあ、ビッカビカの太陽拳~
その辺の原理については、以前書いたイチゴ講座を熟読ください。

公称スペクトルと実測スペクトルの比較。

公称スペクトルと実測スペクトル比較

425nmの出力が当初より上がってきたみたい。ま、この辺が頭打ちだと思うけど。

また、相変わらずUV 400nmを入れて欲しいという要望をいただくのですが、以下の理由によりなかなか実現は難しいです。

  • フルスペの半分の素子数しかないので、素子の種類を増やすと設計が困難
    (照射面積に対して波長ムラが生じる/歪なスペクトルでは妥協出来ない)
  • そもそも400-420nm間は現425nmのカバー量で十分なLPS専用モデル
    (色揚げ的に強化したい場合は別途バイタルウェーブ追加にて解決)

どうしてもライト1台で400nmもカバーしたい場合は、フルスペをお勧めします。

eco-lamps KR90DR 操作性

これまでと変わりません(汗)

但し、近々ディスプレイが改良されるみたいですぜ?

eco-lamps KR90DR 次期ディスプレイ

もともとKR90シリーズは狭いLCD(3文字)にむりやり文字を詰め込んでいたので、表示が判りにくいと言うのが発端のようです。だからフルスペより先にリニューアルするのでしょう。
今月末か来月中には反映される予定だそうです。またお知らせしますね。
ま、表示内容が豪華になるだけで、機能的に何か特筆すべき進化がある訳ではないので、あまり過剰な期待は禁物です。WiFiも付かないっぽいし。。。
あ、でも月齢周期が付くそうです♪

ちなみに、KR93シリーズの方は、まだそんな話はありません。いくらスペクトルが完成してるとは言え、4年もモデルチェンジしないなんて、ロングランにも程がありますが。。。汗
ま、「WiFi付けたいね~」とか「出力アップしたいね~」とか、アイデアは色々出してるので、いつの日かリニューアルはあると思いますが、現時点ではまだ何もアナウンスはありません。気長にお待ちください(汗)

あ、そう言えば、「KRの新型が出る!」ってどこかで吹聴してる人がいるんですか???
なんだろ。気持ち悪い。。。そんな話、僕やBH以外から出てくるはずないのに。。。
もしや、買い控えを狙った悪質な嫌がらせなのかしら?

eco-lamps KR90DR PAR分布

最後に、今回の特集の目玉、お役立ちPAR/Wattグラフをどうぞ♪ (クリックで大画像)

20150616-par-kr90dr-24s

無断転載禁止 / Unauthorized reproduction prohibited.
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前回のAI PrimeのPAR/Wattグラフはこちら

スペクトルに関しては、KR90DRはLPS用なのでPrimeとは純粋に性能を比較することは出来ませんが、あくまでもPAR/Wattの効率の比較として比べてみると、以下のような差が見えてきます。

KR90DR vs Prime PAR特性比較

製品 消費電力 LED数 PAR [umol/m2/s] @ 30cm (84×60cm2)
中心 総量 平均 PAR/Watt
KR90DR 45W 42 348 13,347 80.9 296.6
Prime 47W 13 516 10,901 66.1 231.9

KR90DRは中心直下のPAR値こそPrimeに負けますが、筐体面積分を満遍なく照らしているので測定範囲の面積84×60cm2のPAR総量はPrimeより多く、またPrimeより僅かに省エネであることも貢献して、最終的なPAR/WattはPrimeの軽く1.2倍以上を確保しています。これが、1W駆動×42素子と、3W駆動×13素子の違いです。

かなりあっさりと紹介しましたが、KR90DRのオススメポイントをまとめると、

  • ブルーと同じ波長強度を持つバイオレット帯域!
  • 面発光による光量差の少ないフラットなPAR分布!
  • 1W駆動×多素子による高効率&大光量!

以上、最新KR90DRのレビューでした。

次回は、AI Hydraです。

さてと。東京出張ですが、その目的は下記施設でのミッションでした。

まずエプソン水族館は、以前ジャパンペットフェアの時も伺いましたが、現在来月のオープンに向けて益々慌ただしい中、今回大量導入されたKR群のシンクロパターンや点灯スケジュールの最終チェックを行いました。

エプソン品川水族館

報道規制の関係?で、内部の写真は非公開です。まあ、そもそも撮ってませんが(笑)

続いて、サンシャイン水族館ですが、やはりこちらもKRが多く設置されているので、その点検および測定、そしてスタッフの皆さんとスペクトル勉強会をしてきました。

サンシャイン水族館

写真は、バックヤードのサンゴ水槽で、スペクトルを測ったり水中のPPFDをチェックしているところ。太って見えるのはレンズの収差かなぁ???

ご縁があれば、いつかあなたの街の水族館にも伺います!

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