今回は、贅沢な、贅沢な、フルスペクトルLEDスポット対決です。
eco-lampsからは新VitalWave Sun。
volxjapanからは新LeDio XS071 ReefUV。
滝川クリスタルならきっとこう言うでしょう。。。
「フルスペクトルLEDスポットは、サンゴへのおもてなし♪」
気がつけば、ついにLEDスポットで太陽のおもてなしの時代が到来ですね~♪
まずは、パッケージに記載されたスペックを見比べてみます。
スペクトルが載ってると安心して製品選びができますね。
あぁ、、、ついにスペクトル表示も当たり前の時代になりました。。。
お次は光量表記かな。VitalWaveには既に記載されてます。
以降、画像比較は左がVitalWave、右がLeDio XS071で進行します。
ランプを見比べると、XS071がシェイプアップされたことが判ります。
XS071では、LED素子が汎用パッケージサイズからCree XPシリーズへ変更されたため、レンズも一回り小さくなりました。
LED素子配列の比較です。
両者のLED素子構成の大きな違いは、白系LEDの数です。
VitalWave Sunでは、CW×2+WW=3ヶ
LeDio XS071 ReefUVでは、CW+WW=2ヶ
それが、以降の光量やスペクトルの差となります。
ちなみに上記写真は同時点灯で並べて撮影してますが、レンズ面積の違いからVitalWaveはやや暗め、XS071はやや明るめに写ってます。
ビーム角と光色の比較です。
やはり白系LED×1ヶの差は大きいですね。
VitalWave Sunは水深3M-5M
LeDio XS071 ReefUVは水深5-10Mくらいかな?
ビーム角は共に50°ですが、レンズ面積の違いからビーム形状が異なります。
そこで、照射面積を比較してみると、やはり大差ないことが判ります。
そして、気になる光量比較。
いつもの、JIS照度、簡易照度、PPFD(光合成光量子束密度)@30cmです。
@30cm | VitalWave Sun | LeDio XS071 ReefUV |
---|---|---|
JIS照度 | 6,262 lx | 4,976 lx |
簡易照度 | 7,570 lx | 7,640 lx |
PPFD 光合成光量子束密度 | 154 umol/m2/s | 170 umol/m2/s |
見事に白系LED一個分の差が読み取れます。
白系LEDが1ヶ多いVitalWave Sunは、光強度(簡易照度、PPFD)がやや犠牲になってもJIS照度で勝ります。一方、白系LEDが1ヶ少ないXS071 ReefUVは、JIS照度で劣りますが光強度では勝者です。これは、白色LEDの原理が青チップ+蛍光体であるため、蛍光による波長シフトを得た分、蛍光体に吸収されて青チップの光強度が減衰するためです。
スペクトル比較、まずはUPRtek MK350による測定結果@30cmです。
注) 多色混合につき参考程度の精度 (測定位置次第で波長分布が偏りやすい)
白系LED×1ヶと引き替えに450nmを入れたXS071 ReefUV、その違いが見事にスペクトルから読み取れますね。
ちなみに色温度はどちらも換算不能ですが、VitalWaveの方はなんとか算定するとすれば7万K台後半になります。XS071の方は完全に場外で換算不可です。
そして、スペクトルの波長強度も比較できるASEQ LR1での測定結果@30cmです。
注) 多色混合につき参考程度の精度 (測定位置次第で波長分布が偏りやすい)
コレ見て納得しました。両者、最新チップの大光量ランクを採用してる、と!
特に400nm/420nm/500nmについては両者ともEpileds最新チップなので、波長強度からもほぼ同等の光量ランクのようです。強いて言えば、VitalWaveの方が400nmはやや単波長寄り(395-400nm)かな。420nm/500nmはほぼ同等です。
そして大きな差は、やはり白系LED×1ヶ分と450nm×1ヶ分の差です。この特性を見る限り、VitalWaveから白を引いて450nmを足せばXS071に、逆にXS071から450nmを引いて白を足せばVitalWaveになりそうです(笑)
ただ、厳密に言えば、XS071の450nm/470nmはCree XPシリーズなので、VitalWaveでのEpiledsよりは若干大光量なのでは?と推測します。
(VitalWaveはオールEpileds、XS071はCree+Epiledsです)
以上の結果から、ビーム・照射範囲については同等、光量についてもスペクトルの差による違いであり光強度としてはやはり互角です。よって製品選びのコツとしては、純粋に水深目的で選べば良いでしょう♪
- 水深浅め狙い(水深3-5M) → VitalWave Sun
- 水深深め狙い(水深5-10M) → LeDio XS071 ReefUV
■応援市場にて販売中♪
不明な点はお尋ねください。
1. むぺ 2013/09/15 22:05
リクエストにお答えいただき、ありがとうございます。
不勉強で申し訳ないのですが、JIS照度って簡易照度とどう違うんでしょう?
白いほうが高いとうことは人間の見た目での明るさの参考値なんでしょうか?
それはそうと、SUNは演色性バツグンっぽいですね~
私は水槽の照明をなるべく青くしない派なので、SUNはとても魅力的です。
ReefUVも含め、適当なしょぼい照明(一般の白色照明)がメインでも
これらを要所に配置すれば結構いけるんじゃないか?と思っちゃいます。
2. エイジ 2013/09/15 23:02
人間の目は黄緑色の波長(555nm)が最も明るく感じ、その前後の青や赤の波長は1/10程度にしか感じません。その特性を比視感度と言います。そして、その光量の感じ方を加味した光量評価が「照度」です。人間の目が基準ですから、当然、可視光線が評価範囲であり、その範囲はおよそ400~700nmです。特性をグラフで表すなら、400nm-555nm-700nmの三点を結んだ緩やかな山になります。
巷にある照度計の中でも、JIS規格(JIS C1609-1:2006)に準拠した高価なモノは、当然その比視感度をフィルターした正しい照度を返します。どんなにUV 400nmが強くても照度にはほとんど加味されませんし、如何に緑の波長が多いかどうかが高照度を叩き出す鍵となります。この正しい値の照度を、便宜上「JIS照度」と呼んでいます。
一方、僕が実際に試してみた限り、1万円以下の多くの安価な照度計は比視感度フィルターを持たず、可視光線全域で光エネルギーの強さをそのままフラットに返す仕様でした。現在アクアリストの多くが購入・測定して見ている値はこの照度です。この照度を便宜上「簡易照度」と呼んでいます。しかし、比視感度こそ加味されてませんが、器具同士の比較や光量変化を把握するには十分です。また、海水では青主体のスペクトルであることが多いので、むしろ青も緑も赤も同等の値として返してくれる簡易照度の方が光量の把握としては有り難いくらいです。
以下、参考まで。
■照度計選びのポイント - 2012/08/27
http://www.1023world.net/blog/2012/08/27
SunもReefUVもフルスペクトルですが、Sunは白いので特に演色性は高いですね。
でも、メインに一般白色LEDをお持ちなら、VitalWaveのVioletとCyanを足した方が無駄がないと思いますよ。
一般白色スペクトル+Violet+Cyan=フルスペクトルですから。
3. むぺ 2013/09/16 09:04
なるほど、cyanとvioletで両脇を固めるわけですね!
それは考えてませんでした。
メインランプは将来、変えるとしたらFreshWhite系のつもりなので、
そうなっても無駄がないし、とてもいい考えだと思いました。
4. Tmmn 2013/09/20 17:35
質問お願いします。90×45のオーバーフローにて、オオバナを飼育しています。現在、照明はKESSIL A350Wを水面から30㎝程度の高さで全体を照らしています。約9時間の点灯です。オオバナの色は全てマルチで、蛍光グリーン、蛍光レッド、パープル、ピンク、蛍光オレンジ、等様々な色があります。KR90DRのようにオートで調光したいのですが、KRを買う予算が無く、今回発売のXS071かバイタルウェーブを追加して、KESSILとの点灯時間をタイマーにて制御して、夜間の2時間くらいをXS071かバイタルウェーブのみの点灯にしたいと思っています。そうした場合、バイタルウェーブのシアンかバイオレット、それとも、XS071のDEEPUVかCORALUVかどれが適しているでしょうか⁈いつかのコメントで、バイオレットよりシアンが励起させるのに良いのでは?とありましたが、バイタルウェーブのシアンだと水色すぎるのかな?と思い、見た目の感覚的に、XS071のCORALUVかな⁇とも思います。でも、KESSILと見た目の色味が変わらないのかな?とも思います。いずれにしても、2台位の追加で、少し上方から照らそうと思っています。勉強不足で申し訳ないのですが、アドバイスお願いします。
5. Tmmn 2013/09/20 17:55
すみません、追記です。
CORALUVかな⁇と思ったのは、一応シアンが入っているからです。昼と夜の照明を作りたいので、できる限り見た目は青がいいのですが、あまり青すぎても…って感じです。夜なので、KESSILの100%点灯より青くしたくて、またサンゴに悪影響が無いのはとか色々考えてわからなくなってきてしまったので、質問させてもらいました。
6. エイジ 2013/09/20 19:22
Kessilへの補完ならVitalWaveをお勧めしますが、切り替えて使う&1灯でフルスペクトル&Kessilより青く、という事なら、XS071の中ではCoralUVかなぁ。でも色味は結構、僅差かも。
それぞれの色味はこちらを参考に。
http://www.1023world.net/blog/kessil-a350-test
http://www.volxjapan.co.jp/products/Grassy-LeDio-color.html
Kessil x:y = 0.17:0.12
CoralUV x:y = 0.16:0.10
まあ、CoralUVの方が一応青い(深い)です。
また、白成分要らないなら、XS071 DeepBlueの方がバリバリ蛍光が楽しめるかも(笑)
この辺は、自然なサンゴの生理優先か、鑑賞優先かで決めると良いでしょう。
2灯買うならCoralUVとDeepUVが良いですね。
> バイオレットよりシアンが励起させるのに良いのでは?とありましたが
いつのコメントか判りませんが、それは絶対的なものでは無くて、あくまでも対象の蛍光タンパク次第の話です。LPSなら、グリーン蛍光なら450-470nm、オレンジやレッド蛍光なら500-520nm、などが有効です。中にはKeimaみたいに青を受けて赤を放つ蛍光もありますが。なお、バイオレットは浅場のSPSのブルーやシアン蛍光に対して有効です。
LPSは基本弱めの光量でいけますから、XS071と言えどもビーム角が50度なので、30cm~50cmくらい離さないと強光障害を出すサンゴも出てきますのでご注意を。うっかりしてると色が飛びます。特に長波長蛍光(赤とか)ほど飛びやすいです。オレンジ・赤蛍光はなるべく下に配置した方が無難です。その点、光量調整ができるDRなら安心なのですが。
7. Tmmn 2013/09/20 22:30
エイジ様
詳しく回答ありがとうございます。
点灯方法は、タイマー制御で、先にKESSILが点灯し、追って追加のスポット2台が点灯し〜先にKESSILが消灯し〜最後に追加のスポットが消灯って感じです。ですので、日中〜夕方にかけては同時点灯が数時間あります。補完だけの目的でも無く、完全な切り替えって訳でも無いので、あくまでも同時点灯時が1番長く、サンゴに日照の変化を与える&夜の鑑賞用の為に追加のスポットが必要と考えました。また、KESSILだけだと、蛍光の励起が物足りなくて…。ただ、UVの良い影響と長時間点灯による悪い影響があるのでは?と心配で。例えばDEEPUVを朝から夜までずっとあてて大丈夫か?とかです。
8. エイジ 2013/09/23 22:26
> 先にKESSILが点灯し、追って追加のスポット2台が点灯し〜先にKESSILが消灯し〜最後に追加のスポットが消灯
ひとつ確認ですが、Kessilはメイン照明(日照の「昼」を司るもの)で、追加スポットは日照の朝や夜(夕刻)を表す役割分担なのですよね?
だったら、整合的に考えると、点灯開始は先にスポットにすべきでは?
> ただ、UVの良い影響と長時間点灯による悪い影響があるのでは?と心配で。例えばDEEPUVを朝から夜までずっとあてて大丈夫か?とかです。
UVとは言っても400nmは所詮可視光線ですからね。
適切な強度で当てる分には問題はありません。
僕なら、
朝:DeepUV点灯
昼:Kessil点灯
夕:Kessil消灯
夜:DeepUV消灯
かな。
だって、UVもRoyalBlueも足りないKessilは、どう見ても日中向けですし。