1.023world - ヤドカリパークとマリンアクアリウム -

海洋の仕組みと細菌・微生物から学ぶマリンアクアリウムサイト

1.023world Facebook

結果 Oh! Life (旧ブログ)

懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

違いの判る男の禁断のツール

この記事を含むタグの全記事リスト: LED

今まで内緒にしてきた僕だけの秘密道具でしたが・・・

エイちゃんの秘密道具

この度、商品化されちゃいました♪
eco-lamps×ブルーハーバー×1.023worldのいつものコラボです。
その名も、
サンゴ蛍光タンパクチェッカーフラッシュライト - F.P.ドクター!
Coral Fluorescent Protein Checker Flashlight - F.P.Dr

あ、今思いつきで勝手に命名しました。あとで直すかも(曝)

Coral Fluorescent Protein Checker Flashlight - F.P.Dr.

あ~ぁ、超やべぇ、マジやべぇ!
アクアリストが全員イオナズン覚えるくらい鬼やべぇっ!

え? 何に使うのかって?
ヤだなぁ、使い道なんてある訳ないじゃないですか。ただのカラーライトですってば♪
え? これさえあればサンゴの蛍光タンパクの励起波長が見抜けるって?
何を馬鹿な・・・わなわな・・・仮にそれが判ったからってどうだっての?
え? サンゴの色揚げに必要な光環境が判れば照明選びに役立つって?
バッ、何言ってんの、気のせいでしょ、寝言は寝て言ってよね!

・・・。
これじゃ、手品の種明かされたマジシャンやん(曝)
そうなんです。すみません。
実は、スパスラタもストロベリーもオージーもフィジーもあれもこれも、色維持の難しい色素構造のサンゴの秘密を、僕らは既にこっそり知ってたのです。ひぃぃぃ許して。

そんな、フルスペやDRの原理にも生かされた重要機密のひとつをネタばれした上に、しかもお手軽アイテムとして商品化しちゃうんだから、BHの太っ腹にも困ったモノです♪

さて、そんな和田さんが取り急ぎ適当なサンゴの発色例を撮って送ってくれました。

サンゴの蛍光反応 - 1

これはブルー系のスギノキ?かな。この結果から、この個体のブルーを司る色素はシアン蛍光タンパクCFPで、最大吸収はおよそ380-400nm前後、最大励起(発色した蛍光の波長)はおよそ500nm程度でしょうか。吸収範囲はおよそ365-420nmまで、450nmでも微かに反応あり、但し475nm以上になると蛍光反応は無くなってライトの演色のみとなります。よって、このCFPには365-420nmは要るけど475nm以上は要らない、と。

それにしても、365nmは低感度だから良いとして、380nmから420nmをカバーしつつ、且つ400nmがてんこ盛りの照明って一体どこに、、、あ、フルスペがあるか♪
逆に400nmがスカスカの照明は一体どうすれば、、、あ、バイタルウェーブ追加か♪

サンゴの蛍光反応 - 2

このカクオオトゲの場合は、シアン蛍光タンパクCFPとレッド蛍光タンパクRFPを持つため、必要な波長範囲は大きくなります。ざっくり見ると、この個体のCFPの維持には365-400nm(420nm→ブルー?)が、RFPの維持には380-400nmと475-500nmが有用だろうと読み取れます。
ちなみにこのRFPは400nmと500nmで2つのピークが見受けられるので、一般的なRFPとKeimaみたいな波長シフト量の大きな蛍光タンパクの混在か、あるいは2つのピークを持つ単一蛍光タンパクなのか、想像力がかき立てられます。

サンゴの蛍光反応 - 3

標準写真がありませんが、これは典型的なストロベリーと呼ばれるミドリイシです。
ざっくりと見て、まず475nm以上は不要なのは判りますね。
次に、ポリプの蛍光タンパクがバイオレット蛍光タンパクVFPかRFPかは微妙ですが、いずれにしても400-450nmに反応域があるようです。
そして肝心なのは芯部の白色(薄い黄色)ですが、これすら蛍光タンパクであることが読み取れます。その吸収範囲はおよそ380-420nmで、特に400nmで光るほどの発光量があるのが判ります。これは一体何でしょうか?
この芯部の発色構造・原理は、スパスラタと合わせて、まだ秘密にしておきます(汗)
いえ、実は僕もまだ調査中の身で。。。ま、答えはほぼ出てますけど。いずれ。

あ、ちなみにこのフラッシュライトは応援市場でも取り扱いますが、ただいま準備中です。もうしばらくお待ちください。。。バタバタ。。。順番に。。。
取り急ぎ価格は先日の和田さんのブログの通りです。

こちらのエントリーもどうぞ♪

volxjapan Grassy LeDio RS122新登場

この記事を含むタグの全記事リスト: LeDio RS122 LEDスポット volxjapan

お待たせしつつ、その上突然ですみません。なんせバタバタと。。。

応援市場にボルクスジャパン新製品を追加しました。
その名も、Grassy LeDio RS122
が、初回入荷分がすでに完売状態で、在庫は残り僅かだそうです。
次回入荷は9月になるとか。。。汗

Grassy LeDio RS122

8/20までのご注文分に限り、通常価格17,500→16,500円!もちろん送料無料
新しいモノに目が無い方、お急ぎください! 色によっては品切れ寸前です!
慎重派の方、レビューをお待ちください。もうすぐデモ機が届きますので。

簡単に説明すると、LeDio RS122は、消費電力的に見れば21eの後継、しかし光量的に見れば27の後継、そう、21Wで27W+αの光量を実現した、省エネ大光量の集大成です。
その秘密は、Rebel×2W駆動×12素子による徹底した効率・光量管理でしょう。

Philips Lumileds Luxeon Rebel / Rebel ES

まあ、時間が無いので、詳しくはブツが届いてからのお楽しみと言う事で。

取り急ぎ、ご報告でした♪

こちらのエントリーもどうぞ♪

光の測定いろいろ

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDうんちく スペクトル 測定器

え?
もう8月なの!?
ひぃぃぃ!!!

と言う訳で、フルスペ夏の節電キャンペーンも本日いっぱいで終了です。
せっかくキャンペーン向けに太陽光を題材にした光講座でもしようと思ってたのに、、、
ホント、月日が経つのは年々加速してますね。あと20年もすれば僕も還暦ですし。。。

まあ、でもせっかくなので、最終日だけど光講座やっちゃいますか♪
じゃないと採り貯めたデータも無駄になるし(笑)

7/4は薄曇りでした。。。
って、いつの話やねん(曝)

7/4 某ビルの屋上から

とは言え、日差しは夏らしく強めだったので、太陽光をいろいろ測ってみました。

  • 照度 [lx]
  • PPFD(光合成光量子束密度) [umol/m2/s]
  • 放射照度 [W/m2]
  • UV(A+B) [mW/cm2]

の4パターンです。
いろいろな単位を計り知る事で、果たして何が見えてくるでしょうか?

この日は、多少薄く雲がかかってましたが、さすがは太陽光。強力です。

7/4の太陽光測定

ただ、もっと夏らしいデータが欲しくなったので、ピーカン日和を待つ事に。。。
そして、待ってる間に記憶喪失に。。。汗

そしてある日、ジリジリと照りつける太陽を見上げ、遂に思い出しました!
時は既に7/28 15:00ちょい前(曝)
あぁ、お昼ならもっと良いデータ採れたかなぁ。。。ま、いっか。

7/28の太陽光測定

せっかくなら10万ルクス採りたかったなぁ。。。
ん? なんか、紫外線高くない? 地球大丈夫?

PPFD計(光合成光量子束密度)はその名の通り光合成が対象となるので、波長範囲はおよそ400-700nmとなります。これは照度計の測定範囲ともほぼ一致していますが、照度計の感度特性が人間の目の比視感度を基準としているのに対して、PPFDは光合成の作用感度特性(光合成有効放射)を基準にしています。よって、得られる値はまったくの別物ですが、アクア向け照明の機器間の光量比較には双方ともある程度の目安にはなります。但し、照度とPPFDを直接的に比較することは無理ですし無意味です。
放射照度はピーカンの太陽光(基準太陽光)で1,000W/m2になるよう定義された単位だそうで、およそ太陽光の全スペクトルが対象となります(写真の日射計は特性上400~1,100nmまでが対象ですけど)
写真のUV計は280-320nmのUV-Bと320-400nmのUV-Aが対象で、個別に測定する事はできません。
それぞれの評価範囲と特性をグラフで表すとこんな感じです。

各測定器の評価範囲

照度は見ての通り緑がピークになっていて、仮に青や赤に強い光強度があってもほとんど値には影響しません。本当に「人間の目にとって明るいか暗いか」を目安にした単位です。
一方PPFDは、青と赤でやや感度が異なりますが、まあ、ある程度フラットに波長全域の光強度を積算した値が拾えると考えてOKです。ただ、僕のPPFD計は400-700nmが評価範囲なので、400nm以下や700nm以上の波長は測定値に含まれません。
そして、照度やPPFDのようなフィルターを持たないプレーンな値が拾えるのが放射照度計やUV計です。これらを足せば、およそ太陽光の全スペクトルの光強度を知る事ができるでしょう。ただ、放射照度はW/m2、UVはmW/cm2(μW/cm2)が主流なので、足す際は単位を揃える必要がありますけどね。

これらは測定の目的に合わせて使い分けると良いでしょう。

ついでにフルスペも測ってみました。

フルスペも測りましょう

まずは、いつもの30cm距離の測定結果はこんな感じ。

フルスペ24インチの光測定@30cm

太陽光と比べて、あまりに違うのが放射照度とUV。太陽光は紫外線や赤系の波長や赤外線が如何に多いのかがよく判りますね。それだけで10倍以上の差があるのですから。
フルスペは「UV大盛り♪」とよく言いますが、それはあくまでも400nmや420nmのピンポイントの波長の量であって、それ以下の本当の紫外線が大盛りな訳ではありません。UV計で見れば、写真のようにたかだか0.05mW/cm2に過ぎません。紫外線はほとんどゼロみたいなもんです。

ちなみに、もっと光量が欲しい場合は、水面距離20cmにするとまだまだ揚がります。

フルスペ24インチの光測定@20cm

ここまでくると、ようやく薄曇りの太陽光並みのPPFDがお目にかかれます(笑)
あくまでも太陽光(て言うか水深3-5M)のスペクトルを保持した上でこの光量を絞り出すのはなかなか至難の業なんですよ。美味しく味わって頂いてくださいね(笑)
ちなみに、付属のタンクブラケットで設置した場合は水面距離が15cm前後になるので、もっと上がると思います。サンゴの反応を注意深く観察して、適切な高さに調整してください。近づけすぎて白化させないように。。。

光源 照度
[lx]
PPFD
[umol/m2/s]
放射照度
[W/m2]
UV(A+B)
[mW/cm2]
太陽光 7/28 14:50 晴れ 88,500 1,789 844.0 5.18
7/04 14:39 薄曇り 53,600 1,181 616.0 2.27
KR93SP-24S @20cm 45,000 1,166 74.9 0.06
@30cm 35,260 758 48.6 0.05

さて、色々と測ってみましたが、それぞれの単位の概要はおよそ掴めたと思います。
結論としては、僕らがサンゴの光合成や蛍光タンパクを対象として色揚げを考えた場合、上記のどの単位を測定したとしても、その光源の光量は知る事ができますが、光源に含まれる波長分布を計り知る事はできません。あくまでもこれらは特定の波長範囲の総和量に過ぎないのですから。
よって、例えば「スギノキの色揚げに400-420nmの光強度が欲しい」等、目的の波長の光強度を知ろうとするなら、分光強度計などのスペクトロメーターに頼るしかありません。とは言え、それは個人では無理な話ですから、現状では光量やスペクトルデータを公開している製品だけが頼りです。それか、気まぐれで誰かさんがスペクトル測ってくるとか(笑)

フルスペとSCのスペクトル

はぁ。。。スーパークールのスペクトルって、ホント惚れ惚れしますよね。。。
こんなん、色揚がりしたくなくても揚がっちゃいますよ(曝)
言うならば、光量よりも色揚げ重視のメタハラと言えるでしょう。

一方、コーラルグロウ系のメタハラは、目立った色揚げ要素には欠けますが、メインの青に強いピークを持っていて、何より250Wでの光量は半端ないです。そのため、相対的に420nmのピークにもそれなりの光強度が発生します。堅実なランプですよ、まったく。

さて、フルスペですが。。。スペクトルはもはや完成されているので、強いて言うならば、やはり光量かな。ま、元々1W駆動なので既に考え得る目一杯の光量は確保されてはいますが、実はひとつだけ光量アップの可能性が残されています。それが、日亜の白色LED特許網です。それさえ切れたら、遠慮なく最強の白色LEDを搭載できるんですが(汗)
それで多分、今より20%くらいは明るくなるんじゃないかなぁ。。。

以上、節電キャンペーン企画「光講座」でした♪
・・・なんかの奴には立つかしら?

こちらのエントリーもどうぞ♪