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結果 Oh! Life (旧ブログ)

懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

波長を作るということ

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余興というか伏線というか、軽い暇つぶしネタです。

カラーフィルムに光を通しても、「波長を作る出す」ことはできません。
光源に含まれる波長のうち、フィルムの色以外の波長が減光されるだけです。
もっと判りやすく言えば、フィルムの色の光だけが通過する、と言えます。
赤いフィルムに青い光を当てても、赤い光は出てきません。

でも、車のストップランプは、白い球を入れたら赤い光が出ますよね?
なぜ、白い光が赤い光に変換されるのか?
それは白い光に赤い波長が含まれているからです。
白い光は主に青+緑+赤の波長で構成されているため、ストップランプの赤色のカバーによって青と緑がカットされ、赤い光だけが通過するから赤く光って見えるのです。
こーゆーのは「フィルター」と言います。

では、波長を作り出すにはどーしたら良いのか?
手っ取り早く波長を作るには、お馴染みの「蛍光」があります。
ちょっとした蛍光実験をご紹介します。

蛍光スペクトル測定

まず、370nmのUV LED素子を測ってみると、このようなスペクトルが観察できます。

スペクトル 370nm

続いて、蛍光紙に370nmのUV光を当てると、370nmの波長を励起源とした蛍光現象により別の波長帯域が発生するため、それらがミックスされたスペクトルが観察できます。

スペクトル 370nm+蛍光紙

この場合、400-500nmに現れたブルー光の帯域が、蛍光紙による蛍光発光です。

そして、蛍光紙の上に蛍光オレンジのフィルムを置いて370nmのUV光を照射した場合の反射スペクトルを測定すると、さらに面白いスペクトルが観察できます。

スペクトル 370nm+蛍光紙+蛍光オレンジ

さきほどの蛍光紙の蛍光以外に、580-620nmにもオレンジ光の帯域が発生しました。

光源に特定の波長だけを用いて、光源の波長以外のいくつかの波長を得る。
これが「波長を作る」ということです。

スペクトル比較

注) 励起光により蛍光を得る際、元の励起光は大きく減衰します。
例えば上のグラフでは、比較のため370nmのみ極端に出力を絞って比較しているため、370nmと370nm+蛍光紙のスペクトルの最大値は倍ほどしか違いませんが、本当は5倍以上の開きがあります。
一般の白色LEDでも、蛍光体さえ無ければ、青のピークは何倍もの強度があります。また、蛍光への変換ロスもあるため、変換後の光エネルギーは必ず元の励起光よりも小さくなります。(「照度」は比視感度のトリックによって大きくなりますが)
仮に、青のLEDチップ単体では500mW/20lmあったとしても、これに蛍光体を被せ白色LEDにすると、例え照度は100lmに増えても、光エネルギー自体は正味300-400mW程度まで落ちるでしょう(適当)

比視感度については、過去に色々書いてると思うので、探してみてください(手抜き)
「比視感度」ブログ内検索

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Illumagic X-60

この記事を含むタグの全記事リスト: Illumagic LEDライト

今度のIllumagicの新シリーズIllumagic X-60のUV系出力は良さそうですね♪
あ、coming soonのラインナップには無いんだけど、Latest newsにはそれらしいのがちょいちょい出てくるので、多分このUVリッチなモデルもリリース予定があると思うんだけど。。。

関連ニュース

ひとつ気になるのは、X-60のビーム角は30°だそうで。。。汗
そんな狭角で大丈夫なん???
水面から何センチ離して設置する前提なんだろう?
ま、ビーム角についての情報がまだ少ないので、今回はスペクトルのみ検証します。

あ、あくまでも公式情報を元に感想書くだけですよ。Illumagicにウソが無い前提で、ね。

では、検証です。
4/30の製品比較でもKR93SPを取り上げてるので、いざ見比べてみると、、、

KR93SP (2011版) / Illumagic X-60 スペクトル比較

おおお!!!
こんな大盛りUV系出力って、フルスペ以来じゃない!?
Illumagic、頑張ったね!

しかも、チャンネル構成も、こうですよ!

Illumagic X-60 スペクトル

チャンネル1が白系、チャンネル2が青系、要するに僕の提唱している太陽の白チャンネル深度の青チャンネルの2チャンネル構成です。2chばんざ~い♪
そっか~、Razorに続いてIllumagicも2ch方式を採用してきたかぁ~。
まあ、多chによる波長合成をユーザーに丸投げしちゃイカンからね。賢明な選択です。

ただ、チャンネル毎のスペクトルは、僕が2011年に最初に試作したフルスペのスペクトルデザインver 1.00と同じで、白chと青chを足して初めてフルスペクトルが構成される仕組みなので、白ch自体のフルスペクトル化は今後に期待ですね。

↓2011/8に最初の試作で採用したKR93SPのスペクトル設計 ver 1.00

KR93SP スペクトルデザイン v1.00 (2011/08)

この時点では、まだ白chがフルスペクトル化されてませんでした。

↓その後、2011/12のリリースに正式採用されたスペクトル設計 ver 1.03

KR93SP スペクトル (2011版)

どうしても妥協できずに、白chもフルスペクトル化してしまいました。

↓そして、LED素子の波長も出力も日々進化し、今年のロットは最強スペクトルに♪

KR93SP スペクトル (2013版)

詳しくは、最近リニューアルされたKR特設サイトをどうぞ♪

こうして、各社どんどん良いものを出してきますよ。
これと言うのも、誰かさんが日々チクチクとダメ出ししてるお陰かしらん?曝
そのうち、フルスペみたいに本当にフルスペクトル化した真の太陽の白チャンネルを採用してくるメーカーも出てくるでしょうね。怖いわぁ。。。

でもね、フルスペだってまだまだ進化しますよ。僕の目の黒いうちはね(キリッ)
だいぶ老眼だけど。。。

ところでIllumagicさん、4/30の製品比較に誤りがありましたよ。

By the way, news of Apr.30 of Illumagic had a misprint.

Illumagic Misprint

KR93SPの24インチのLED素子の数量は63ヶではなく91ヶですよ!
63ヶって18インチのことだと思います。
eco-lampsのページは情報が古いかも知れないので、KR特設サイトをどうぞ。

The quantity of KR93SP’s 24inch LED is not 63PCS but 91PCS!
63PCS is the quantity of 18inch LED.
The right new information should look at KR special site.

それにしても、今回のIllumagic X-60は、

  1. 400nmと420nmを大盛りにしてきたし、
  2. チャンネル構成を2系統にしてきたし、
  3. LED素子も1W駆動にしてきたし、
  4. シアン500nmも入れてきたし、
  5. 海水用に赤のLEDチップ入れるのも廃止したみたいだし、

良い感じで製品の軌道修正が成されていますね。よく勉強されてきたというか、本気で取り組んできたと言うか、去年もLEDスペクトラで作ったスペクトルグラフを製品のスペクトルとしてサイトにしばらくの間貼られてましたから、ここ最近のIllumagicのスペクトルへの意識レベルは相当高いと感じます。Illumagicがまた視界に入ってきました♪
で、少なくともこれでRazorは置いてけぼり食らった感が否めませんね。。。汗
Maxspectも頑張って!

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LeDio RS073 ReefUV 1st LOT

この記事を含むタグの全記事リスト: LeDio RS073 LEDスポット volxjapan スペクトル

老眼が酷くて真剣に転職を検討したい今日この頃。。。
LEDクリエイター改め、LEDコメンテーターってのはどうかしら♪
どちらも需用がない。。。

さて、先日ご紹介したvolxjapan Grassy LeDio RS073 ReefUVの初期ロットがボルクスに入荷したそうで、検査中ではありましたが早速1台お借りできました。そこで、気になるスペクトルの違いを先日のデモ機と比べてみました。

・・・と、その前にCMです。

ただいま応援市場にて、
LeDio RS073 ReefUVの予約販売を受付中です!
そしてなんと!?
発売記念キャンペーンとして、
応援市場にてご予約された方全員に、
ボルクスの人工海水ブルートレジャー30L
もれなくプレゼントします♪

キャンペーン期間は5/1~5/31まで。

では本題。
RS073 ReefUVのデモ機 vs 正式版1stロットです。
まず、発光面の違いは?

LeDio RS073 ReefUV 発光色(光量)比較

特に違いは見受けられません。。。ま、目で見てもね。。。

ビームはどうでしょう?

LeDio RS073 ReefUV ビーム(光量)比較

およ? 微妙に1stロットの方が明るいような・・・?

やはりここは測定器の出番ですね。

LeDio RS073 ReefUV デモ機 1stロット
簡易照度 20,550 lx 21,790 lx
JIS照度 10,190 lx 10,920 lx
光合成光量子束密度 PPFD 369 umol/m2/s 395 umol/m2/s
UV (A-B) 98.7 uW/cm2 109.0 uW/cm2

およよ~っ!!!
デモ機より1stの方が確実に明るいやん♪

続いてスペクトル比較。
まずはUPRtek MK350による測定結果。30cm距離です。

LeDio RS073 ReefUV スペクトル比較 (by MK350)

うーむ。。。よく判らん。。。
やはり、ASEQ LR1の出番か。

まずは、製品をそのまま比較してみました。30cm距離です。

LeDio RS073 ReefUV スペクトル比較(プリズムレンズあり)

おお?
スペクトルで見ても、正規版の方が波長強度が若干大きいかな?
でも、待てよ。。。
集光レンズ越しだと、ビーム角度が少しズレてもピーク値に大きな差が出ちゃうよね?
なので、より公平を期すために、レンズを外してLED素子だけでも測ってみました。

LeDio RS073 ReefUV LED素子スペクトル比較(プリズムレンズ無し)

うーん。。。僅差ではあるけど、やはり正規版の方が微妙に明るいかな?
でも、この程度ならLED素子のバラつきの範囲、誤差の範囲かも知れません。

さて、そもそも心配していたUV系の強度低下ですが、これを見る限り大きな違いはありませんでした。結局、UV系素子の光量ランクを下げるのはやめたのか? あるいは下げてもこの程度の違いなのか?
厳密に比べると、確かに400nmは10%ほど下がってますが、逆に420nmは10%ほど上がってますし、これがランクの差なのか誤差なのか、、、判りません(笑)
ま、でも想像していたようなUV強度の低下は無かったので、UV系による蛍光タンパクの色揚げにかなり期待できそうですね♪

最後に、競合?UV系スポットとして、同じく400nm系と420nm系を搭載しているKessilともスペクトル強度を比べてみました。

UV入りスポット スペクトル強度比較

* 縦軸は単位はありませんが波長の光強度を表しています

アッチョンブリケっ!
)・д・(

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