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LEDランプの採用LED素子を確実に見極めろ!

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前回のLEDランプの消費電力を確実に見極めろ!が思った以上にアクセスが伸びたので、今回も見極めろ!シリーズ第二弾いきます♪
その名も、

LEDランプの採用LED素子を確実に見極めろ!

最近、遠慮が無くなってきたね(汗)

まず、現在アクア各社から販売されているハイパワーLED製品のうち、採用LED素子が明らかなものを以下にリストアップしました。

LEDベンダ LEDラインナップ LED採用製品
Cree XP-G
XP-E
XP-C
volxjapan Grassy LeDio 27 (XP-E)
やどかり屋 エリジオン閃光II (XP-E/XP-C)
Maxspect max-s Creeモデル (XP-G/XP-E)
Vertex SR260 Creeモデル (XP-G/XP-E)
リーフレイ コーラルシャインピコ (XP-G/XP-E)
MMC企画 Lumines 7 ホワイトサン (XP-G)
XR-E
XR-C
volxjapan Grassy LeDio 21 (XR-E/XR-C)
volxjapan Grassy LeDio 9 (XR-E/XR-C)
リーフレイ コーラルシャイン (XR-E)
クラマタ産業 ガラッシア300 (XR-E)
マーフィード ホバーLED (XR-E)
Philips Lumileds Luxeon Rebel Vertex SR200 Philips Lumiledsモデル
MMC企画 Lumines 7 ブルームーン
Edison Opto Sシリーズ volxjapan Grassy LeDio 9 (UV)
SiBDI (旧HCC) P2 海水館 リーフパワーLED 20W/15W (未確認)

アクアLED既製品で搭載が明らかなLED素子

CreeやPhilips Lumileds等は過去に散々書いてきたので今更説明は不要ですね。
でも・・・ひとつ聞きなれないLED素子が含まれているよね?
そう、海水館のリーフパワーLEDで搭載が謳われている、SemiLEDs社チップを採用したSiBDI社(旧HCC)のLED素子です。

・・・なにこれ?

と言う訳で、今回はこのSemiLEDsの世にも奇妙な謎(笑)を解明していきます。

実は僕もSemiLEDsのLED素子は経験が無く、知識もほとんど無かったのですが、かと言って検索してもその製品すら探し当てることは困難でした。

なぜかしら?

実はSemiLEDs社はLEDパッケージ製品をほとんど出していないのです。公式サイトにも唯一UV素子が1タイプあるのみです。

これは一体・・・?

でも、公式サイトを良く見ていくと、なるほど、ようやく答えが見えてきました。
この会社は主にLEDのチップを製造しているのだ♪
それを各社が買い、LED素子としてパッケージしていると言うことなのです。

詳しくはSemiLeds社の製品紹介ページパートナー紹介ページを見れば判ります。
現在掲載されているチップ採用先は、SiBDI社HPL社、そしてLite-On社です。
このうちSiBDI社のLED素子を使っているのが、海水館のリーフパワーLEDって訳。

・・・と言いたいところですが、実は僕は海水館のLEDの中身を確認した訳ではなく、ネットにも分解写真が見つからないので、これはあくまでも公称データを復唱しているに過ぎません。なので、もし該当製品をお持ちの方は、是非分解してLED素子を確認してみてください。万が一何か問題があっても、海水館なら良心的な対応が得られるはずです。

とは言え、このSiBDIのLED素子。。。見た目はよくある汎用パッケージです。特性もよくあるスペクトルです。ま、白系のスペクトルはCreeに似てるなぁ。。。
まずはデータシートからのスペクトルを以下に貼っておきます。

SiBDI P2 と Cree XP-E のスペクトル比較

チップパターンが似てると、スペクトルも似るんだろうか・・・?
白系もホントにそっくりだけれど、SiBDIの方が微妙にシアン欠乏症だ(汗)

では、僕の判る範囲でSemiLEDs社のチップの見分け方を記しておきます。

まず、最初のLEDの写真を良く見てください。LED素子自体のレンズがフロスト加工(刷りガラス風処理)されているのが判りますか? これは、白色LED特有の色分離を抑えるための工夫だと思われます。今までのLEDランプならばランプ側の拡散レンズなどで対処してきましたが、この機能をLED自体に持たせたと言うことなのでしょう。
ですから、白色LED以外の単色LEDは、従来どおりクリアレンズの可能性があります。そのため、例えば青色LEDであれば、レンズ越しにチップのパターンが確認できるはずです。

以下は、SemiLEDs社から供給されているLEDチップの主なパターンです。

SemiLEDs社LEDチップパターン各種

上のいずれかのチップが入っていれば、まずSemiLEDsチップを使ったLED素子に間違いないでしょう。形状とサイズ的にはSiBDI社のP2が一番 妥当だと考えられますけど、もしCreeみたいな形だったらS35の可能性もあります。あるいはSiBDIではなくHPL社やLite-On社の可能性もないとは限りません。

SemiLEDs社LEDチップを採用しているLEDベンダ各社

ま、万一SiBDI社のLEDじゃなくても、SemiLEDsチップ採用素子なら、上のいずれかのはずです。いずれにしても、SemiLEDsチップであることを祈ってます(汗)

でも、もしチップパターンが全然違っていたら。。。
その時は残念ながら、またいつものパターンかぁ・・・と言うことになりますねぇ(汗)

そもそも今回の記事は、実はもうひとつの狙いがあります。
それは、中国のランプ製造委託先が、
「今までみたいにCreeやPhilips Lumiledsを騙っても素子の形ですぐにバレてしまうから、素子の中のチップがSemiLEDs製と言うことにすればバレないだろう♪」
と考えたのではなかろうか!?という懸念からです。最近、CreeやPhilips Lumileds表記を見なくなったと思ったら、代わりにSemiLEDs表記がやたら目立ってきましたから。
だったら僕も絶対に怯む訳にはいかないので、徹底的に暴いてやろう!と。
「日本人はLEDのこと知らないからCreeとか言っとけばちょろいもんだぜ!」
なんて、こんなことは早く終わらせたいのです。

実は僕は、以前の偽装問題の真相は、今でもこう考えています。
ヤフオク業者が意図的に偽装した訳ではない。委託先の言うがままを信じて素子ブランドを表記しただけ。確かにちゃんと確認しなかったのは悪かったけれど、強いて言えばヤフオク業者も被害者。本当に悪いのは、謳い文句どおりのLED素子を搭載しなかった中国の委託先業者なのだ!と。
結局、ヤフオクで該当ランプを販売していた誰からも正式な謝罪は無く、単にブランド表記が消されただけに終わりましたが、きっと誰も初めからわざと偽装した訳じゃない。ノーブランド素子と知った上でブランド表記したとは思えない。そう信じています。

で、政田さんには悪いけど、今回のネタにさせていただきました。どうせこっそり指摘したって、海水館のことだから公表も対応もあるはずだもの。ワット表記の時のようにね。

ですから、これまでの関係者は勿論ですが、もしこれから参入しようと考えている各社さんにも、どうかLEDの知識をしっかりと身に付けていただき、絶対に騙されない強靭なスキルを身に付けて欲しいのです。
あいにくアクアリウムは小さなマーケットです。ほとんどのメーカーは製品開発に大きなコストは割けないのが現状です。だからと言ってそこで手を抜けば、そのしわ寄せは消費者に回ってきます。あるいは失敗を恐れ、無難な旧式の製品でお茶を濁すこともできますが、果たしてそれが本当に自社の最高の自信作だと、胸を張って消費者に勧められますか?
誤魔化さないこと。手を抜かないこと。参入しようとする分野に対して万全の兵力を投入すること。それができないなら、参入すべきではありません。中途半端に参入しても、中途半端な製品が巷に溢れることになり、結果的に消費者に迷惑を掛けるだけです。それは販売店に対しても同じです。故障品・返品の山を抱えるばかりか、客商売で一番大切な信頼を失うことになるのですから。

あ。騙されている前提で書いちゃってますが、勿論、公称通りの素子が乗っていればそれが何よりです。今までの布教活動も無駄ではなかったと言えますから。
「チッ・・・1023め・・・」
中国の業者には嫌われますが、今更ひとりやふたり、1社や2社に嫌われたところで、憎まれ役は僕の十八番、言わばライフワークです♪
でも、その時は海水館に謝罪しないとね。お詫びに応援市場に出品とか?(汗)

最後に、参考のため、手持ちのLED素子の中から、青色LEDのチップ写真を比較用に並べておきます。果たしてSemiLEDsチップ? ノーブランドチップ???

各社LEDチップ比較

残念ながら、手持ちの中にはSemiLEDsのチップは見当たりませんでした。強いて言えばLedEnginのチップがCreeかSemiLEDsに似てるくらいか。。。でもどんなに探しても公式情報が見つけられなかったので、今のところLedEnginのオリジナルチップと捉えておきましょう。

また、ついでなので軽く紹介しますと、Philips Lumileds Luxeon Rebelの売りは、チップを繋ぐボンディングワイヤーが無いことです。だからワイヤーによる光量ロスがありません。最新のCreeやLedEnginも片側だけはワイヤーがありますが、他の何本もある旧方式のノーブランドよりはロスを軽減できています。そういう技術が、LEDにはたくさん集約されています。

あと、Edison以降はどれも見た目そっくりな汎用パッケージのLED素子ですが、こうして比べるとチップが全く違うことが判りますね。ノーブランド1はチップが大きめだしワイヤー位置が工夫されているので明るいけど、ノーブランド3はチップも小さいしワイヤーがかなり邪魔なので明るさもそれなりだなぁ、とか。

ちなみにノーブランド4はグランクリエイトやクリスタルエリートに乗っていたチップ。探してみたら多分ここEP-B4545V-A3かな。でもこの上海の会社はチップ作ってるだけっぽいので、素子のパッケージングはまた別の会社なのでしょう。そこまでは判りませんでした。ま、少なくともCreeやPhilips Lumiledsではありませんけどね(汗)

こちらのエントリーもどうぞ♪

LEDライト:eco-lamps KR92 vs KR93

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps LEDライト

前回に引き続き、今回はeco-lamps KR92とKR93を比較検証してみたいと思います。

尚、この記事の中に出てくるノーブランドとブランドと言う表現は、前者を白い汎用パッケージで標準的な光量の安価なLED素子、後者をCreeやPhilips Lumiledsのような高効率・大光量LED素子を指すものとします。便宜的なものであり他意はありません。

まず、外観から。
あ、今回はKR92のブラック、KR93のシルバーをお借りしましたが、両機種ともブラック/シルバーがラインナップされていますのでご安心を。

KR92 KR93外観の比較

色違いは別として、KR92とKR93は、外観上の違いが特に見当たりません。
レンズが広角になったKR93との違いも、目視では判りません。
そしてコントロールパネルも見た目は全く同じです。。。

が、このコントロールパネルに注目です。
KR92では、ディライト・モード(全点灯)時のホワイト/ブルー/ムーンの強弱の比率までは調整できませんでした。
しかしKR93では、このディライト時のみ、ホワイト/ブルー/ムーンの点灯比率をそれぞれ0-100%で調整できるようになっています。とは言え、ムーンは左サークル部の中心1素子だけの調整なので、これをいじっても大して変化は無いかも。実質、ホワイトとブルーの比率調整と考えて良いと思います。(ホワイト/ブルー/ムーンの各モード時の発光パターンは前回の記事を参考に)

また、KR92とKR93では、操作性がやや異なるようです。これは、操作パネルを流用しつつ追加機能を実装したことによる仕様変更だと思いますが、混乱するので両者を同時に所有することはお勧めしません(汗)

続いて、各モードでの配光を比較してみました。

KR92 KR93モード別の配光比較

ムーンは同じっぽいけど、ディライトとブルーの配光は何かが違います。
どこがどーなってんのかな?

てな訳で、更に詳しくレンズを個別に見ていきます。

KR92 KR93ビーム角の比較

あぁ、なるほど。サークル部は同じで、サイドライン部が変わったようです。
まぁ、去年の記事でも書いてましたが、サークル部は引継ぎ55°で、サイドライン部が55°から75°に変更になったのです。確かにブレンド性は高まって見えますね。ただ、LeDioのように拡散プリズムレンズにした方がもっと綺麗に混ざるのになぁ、と言うのがやや残念な点。今後の課題かしら。
それに、どうせなら中央も75°にして欲しい。そしてその分、サークル部を3つに増やして中央をムーン担当にすれば、左右対称にもなるし合理的だと思う。夢は膨らみます♪

ちなみに、拡散プリズムレンズを乗せた場合のシミュレーション。(合成です)

拡散プリズムレンズのイメージ

まあ、サークル部はクリアレンズの割に比較的綺麗にブレンドされてるようなので、何か工夫があるのでしょう。でもサイドは是非とも拡散にして欲しいところです。
まだまだ伸びしろが残ってます♪

さて、続いて照度対決の結果です。(全点灯時/30cm照度)
ついでに、過去に紹介したLEDライトとも比較してみましょう♪

メーカー 製品 レンズ 30cm照度
Maxspect max-s G2 160W なし 22,190lx
レンズキット60° 50,000lx以上
Vertex Illumina SR 300 80W なし 14,690lx
eco-lamps KR92 12″ 50W 55° 38,940lx
KR93 12″ 50W 55°+75° 33,740lx

ほほぉぉぉっ!!!
さすが、当時ワクワクしただけのことはあります♪
これ、50WのLEDシステムライトとしては、多分現時点でブッチギリ独走一位じゃない?

ひとつ面白い例を紹介しましょう。
例えば、このKR92/KR93のように42WのLEDライトの構成パターンを考えてみます。
ざっと、以下のようなパターンが挙げられるでしょう。

1W駆動×42ヶ=42W
3W駆動×14ヶ=42W

両者ともに、同じ42Wです。

で、これをノーブランドとブランドのLEDで構成したとして、それぞれを比較してみましょう。
仮にノーブランドをOptoSupply、ブランドをCreeとします。
各LED素子は、以下のものを使用するとします。

駆動 メーカー LED素子 カラー 光束
1W OptoSupply OSW4XME1E1E PureWhite 6500K 100lm
Cree XP-G R5 CoolWhite 5000-8300K 139lm
3W OptoSupply OSW4XME3E1E PureWhite 6500K 200lm
Cree XP-G R5 CoolWhite 5000-8300K 139lm×1.8≒250lm
DataSheet - Relative Flux (6P)

この条件で先ほどの42Wをそれぞれ構成してみましょう。

順位 LEDライト構成光量
1 Cree 1W × 42ヶ = 5,838lm
2 OptoSupply 1W × 42ヶ = 4,200lm
3 Cree 3W × 14ヶ = 3,500lm
4 OptoSupply 3W × 14ヶ = 2,800lm

ノーブランド1Wの方が、Cree 3Wよりも明るいですよ♪(笑)

まあ、42ヶ作戦なんて、素子が安いからこそできる技です。Creeを使わざるを得ないなら、多少光量を犠牲にしても3W×14ヶ作戦を選ぶケースもあるでしょう。どこで折り合いをつけるかは、メーカーの思案どころとなります。

どこを取って製品の良し悪しとするかは視点次第ですが、例えば消費電力や効率・寿命にとことんこだわった場合の製品選びをするなら、僕はこんな順位になるかな、と思います。

順位 理想構成 理由 該当製品
1 ブランド+1W駆動+レンズ 高照度、高効率、集光
2 ノーブランド+1W駆動+レンズ 高効率、集光 KR92/KR93
3 ブランド+3W駆動+レンズ 高照度、集光 max-s(レンズキット)
4 ノーブランド+3W駆動+レンズ 集光
5 ブランド+1W駆動 高照度、高効率
6 ノーブランド+1W駆動 高効率
7 ブランド+3W駆動 高照度 max-s、Illumina SR
8 ノーブランド+3W駆動 -

やはり光量に一番影響するのはレンズの有無ですから、これはまず最優先事項だと言えます。次に来るのは効率かブランドか、これは一概に言えませんが、ブランドであっても出力を上げれば効率は低下(ドループ現象)しますし、ノーブランドであっても1W駆動なら効率は維持しつつ、熱による素子の劣化なども回避できます(経験上、ノーブランドのような白い汎用パッケージ素子は、3Wや5W等の高出力駆動時ほど、また波長エネルギーが高いほど(UVや青等)、プラスチックレンズの変質・劣化等が起きやすく、極端に寿命が短くなります)。よって、効率とブランドは、ドライブや採用素子によって優先度が前後する場合も考えられるでしょう。

但し、これが波長重視となるとまた見方は変わってきます。現時点ではカスタマイズ製が高く、UVを標準で搭載しているmax-sがダントツでしょうし、シアンを工夫しているPhilips Lumileds版のIllumina SRも魅力的です。そうなると、KRシリーズは分が悪いでしょう。
ただ、価格の面で遥かに有利であるため、お釣りで補助ランプを揃えると言う選択肢もあります。シアンの単一ランプはまだありませんが、UV等は既製品で容易に補完できます。

照度をとるか? それとも波長をとるか?
水槽条件や生体の要求に合わせて選択すると良いでしょう。

最後に、製品選びのポイントとかアドバイスとか。

ノーブランド素子を採用した製品は決して悪くはありません。今回のKR92/KR93のように賢い設計の元では、最高の光量と効率、そしてコストパフォーマンスを発揮します。但し、ノーブランドの場合、駆動は1Wが理想で、高くても3Wまで。それ以上は効率の問題以上に素子寿命が心配です。

また、理想を言えばブランド素子の1W駆動ですが、これは素子数=コストであるため、メーカーはなかなか作りません。よって、どうしても3W駆動、5W駆動となるでしょう。ただ、いくらブランド素子でも、僕は5W駆動は効率の問題からあまりお勧めできません。熱い割に暗く、電力の無駄です。同じ5Wでも、5W駆動×1ヶより、1W駆動×5ヶの方が、2倍も3倍も明るいですから。

そして、現状では選択肢が限られますが、なるべくならレンズを搭載した製品がお勧めです。理由は過去の記事を見れば判りますよね。詳しくは割愛します。

以上、参考になるかしら♪

こちらのエントリーもどうぞ♪

LEDライト:eco-lamps KR92上陸!

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps LEDライト

遂にお目にかかる日が来ましたわよ。

eco-lamps KR92のご入場です!

eco-lamps KR92/KR93

今回ご紹介するeco-lamps KR92は、大阪はブルーハーバーからやってきました。どうやらブルーハーバーがeco-lamps社の取り扱いを始めたみたい。いい具合に落ち着いたと言うか、なるべくしてなったと言うか、とにかくこれで海外のLEDライトのメジャーどころが一通り国内に揃った感じです♪
ブルーハーバーでは既に通販も開始されていて、しかも売上の一割を東日本大震災の義援金に充てるそうですよ。和田アニキの英断にはいつも頭が下がります。

さて。
以下、やや眠い能書きが続きますので、読むのがしんどい人はいざレビューへどうぞ♪

以前、eco-lamps KR92を紹介したのが昨年の5月でしたから、ちょうど一年越しのご対面と言う訳です。いやぁ、ほとんど忘れてました(汗)
当時、LEDのシステムライトはまだ世界的にも選択肢が少なくて、僕が探し始めた頃にはmax-sの初期型やこのKR92くらいしか見つけられませんでした。それより以前にも先駆けとも言える製品もあったらしいのですが、その時点では既に製造が終了していたり。。。

max-sは、今でこそCree版を出したりレンズキットも出しましたが、当時は全てノーブランドのLED素子で構成され、しかも効率の落ちる3Wで駆動していたため、消費電力の割にはいまいち明るくありませんでした。しかもレンズも無いので、ますます水槽に暗く、鑑賞に眩しい仕様でした。

しかし、KR92の当時のキャッチには心がトキメキました。メタハラ250Wを凌駕!みたいなコピーだったと思います。その秘密はなんと言っても集光レンズでしょう! そして素子数からも伺える恐らく1W駆動により、素子に無理をかけず発光効率の一番良いところを取り出します。ゆえに、例え素子数が多くなっても、例え素子がノーブランドでも、消費電力に対する光量が非常に大きく、更にレンズで集光されることで、確かにメタハラを完全に凌駕した照度を叩き出すのです!

例えばKR92の12インチ(30cm)タイプの場合、サークル部もサイドライン部も7ヶずつのLEDで構成されていて、全部で7×6ブロック=42ヶのLEDが乗っています。言ってみれば、同じ7素子のLeDio 7が6ヶ分のようなもので、そこへコントロールパネルを足した程度のリーズナブルなプライスを実現しています。今回の12″タイプの場合でも、ブルーハーバー価格でなんと63,000円です。これはノーブランド素子でなければ実現できない破格値でしょう。これがもしCree版だったらエライ価格になってしまいます。例えば同じ42Wでも3W×14ヶであれば素子代も14ヶ分のアップで済みますが、KR92は1W×42ヶと言う道を選びましたから、これをCree版にしちゃうと素子代が一気に42ヶ分もアップすることになります(怖)

と言う訳で、これはなかなかCree版の期待できない?、コストパフォーマンス機なのではなかろうか?と言う印象を受けます。まあ、Cree版が出たら出たで、それはそれで究極のライトになるでしょうけど♪

これまでにご紹介したLEDシステムライトも併せて、それぞれのポジションを表すなら、

メーカー 製品 レンズ 特徴
Maxspect max-s なし 波長カスタマイズ性
(レンズキットにて照度2倍以上)
Vertex Illumina SRシリーズ なし PC制御
波長優位(Philips Lumileds版)
eco-lamps KRシリーズ あり 最高照度
コストパフォーマンス

こんな感じでしょうか。
但し、KRシリーズは単純な白LED+青LED構成のため、どうしてもシアン不足が発生します。シアンを重要視される場合は、何かしら別途シアン対策が必要になるでしょう。それさえクリアすれば、あるいは気にしない人にとっては、この最強照度とコストパフォーマンスは見逃せません♪

いざ、eco-lamps KR92 レビュー♪

さあ、能書きはこれくらいにして、そろそろレビューといきましょう。
まずは、KR92 12″の外観です。

eco-lamps KR92外観

全ての操作はライト本体にあるコントロールパネルで行います。
写真の他に、吊り下げワイヤー部材や水槽上置き用アーム部材なども揃ってます。

コントロールパネルを操作して、とりあえずマニュアルで点灯モードを切り替えてみます。

KR92 点灯モード

点灯モードは上記3モードが用意されていて、もちろん手動でも切り替えられますが、オートにしておけば、設定した時間ごとに上記のモードが自動的に切り替わっていきます。設定内容は、1.開始時間、2.朝のブルー点灯時間、3.ディライト(White+Blue+Moon)点灯時間、4.夕刻のブルー点灯時間、5.ムーンライト点灯時間、の5通りの条件を登録するようになっています。例えばこの設定を、6時、2時間、10時間、2時間、10時間、としておけば、朝6時が開始時間となり、8時までブルー、18時まで全点灯、20時までブルー、翌朝6時までムーン、となります。しかも全点灯のディライト時は、その点灯設定時間内の範囲に合わせて勝手に弱→強→弱と小刻みに変化を付けてくれるようです。これは嬉しい♪

ところで、上の画像を見て気づかれたと思いますが、なぜかブルー点灯時に左側しか点いてませんよね? 実はこれ、仕様のようです。具体的には以下のような挙動になります。

全モード共用 Blue LED

要するに、右サークル部の中心のブルーLEDはディライト(全点灯)時しか点きません。ブルー時、ムーン時は、左サークル部のブルーLEDのみが受け持つようです。よく見ると確かに左サークル部のブルーLEDだけ黒いパッケージのものが使われていて、中にチップが7ヶ入っているのが判ります。でも理由は判りません(汗)
まあ、とりあえず、この挙動は仕様であって故障では無いので、ご安心ください。

以下、KR92 12″のLED配列です。
LeDio 7が6ヶ分、という感じです(笑)

eco-lamps KR92/KR93 12inch LED配列

尚、肝心の配光や照度などのスペックは、もったいぶって次回お送りします♪(笑)

ところで、あまり大したことではないけど、予め念のためひとつ注意事項を。

コンセントプラグの極性に注意

コンセントプラグがアチラ仕様なので、極性ありのタイプAになってます。よって、壁のコンセントや延長タップなら左側(N側)の穴が縦長になっているので問題ありませんが、その他の機器経由で電源をとる場合、穴が左右とも短い無極性コンセントだとプラグが入らないので、穴の形状には注意してください。

その他気づいた点としては、

  • 外観からは確認できないが、動作音から判断して、どうやら空冷ファンを内蔵しているらしい♪
  • 筐体の組み立てネジ部すべてにシリコンが充填してあるため分解不能。
  • 本体と電源を繋ぐケーブルがかなり硬い。

まあ、普通に使う分には支障ないです。バラしたい人、神経質な人にはアレだけど。それに、シリコンさえ突破すれば分解もできるはずです。保証がパーになりますが。。。

さて、実はもう一台、KR93も届いております!
次回、気になるKR92のスペックと合わせて、KR93との比較検証をおこないます♪

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