1.023world - ヤドカリパークとマリンアクアリウム -

海洋の仕組みと細菌・微生物から学ぶマリンアクアリウムサイト

1.023world Facebook

結果 Oh! Life (旧ブログ)

懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

AQUARAMA 2015とTRITON LANI LED

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDライト スペクトル

今宵は、現在開催中のAQUARAMA 2015から活きの良い情報をお届けします♪

AQUARAMA 2015

え?
僕ですか?
行ってませんけど、何か?笑
やだな~僕は行ってもないのに行ったフリなんてしませんよ~♪
シンガポールへの旅費なんて捻出できるキャパないからね~泣

実は、最近話題のトリトンも出てるって聞いたので、今回AQUARAMAに参加されたBH和田氏とテツオ氏に、トリトンの”LANI LED“の潜入捜査をお願いしてたんです(笑)
さすがLEDオタク♪笑
だって、なかなか目にする機会が無いんだもん。。。
今後、国内でも販売するんだろうか?

オマケ: 【facebook動画】 BH和田×テツオ×Ehsan(トリトン)対談 (笑)

以下、写真は和田氏&テツオ氏のfacebookから。

AQUARAMA 2015のTRITON水槽

ほほお~これがトリトンのLEDですか~

TRITON LANI LED

これは、UV系と白系と青系で構成されてるから、“Lani One”って奴ですね。
公式サイトによれば、赤が入った“Lani Pro”ってモデルもあるようです。

以下、公式サイトより各モデルのLED素子構成を抜粋。

■TRITON “LANI PRO”

32x CREE XT-E, white
32x CREE XP-E, blue
16x purple
8x red
8x deep red
8x royal blue

■TRITON “LANI ONE”

32x CREE XT-E, white
32x CREE XP-E, blue
16x purple

あ、この素子リストの中のpurpleって、UV系素子のVioletの事ですからね。
たまに青チップ+赤チップのデュアルチップ素子のことをパープルって言ったりするけど、このページってどうも機械翻訳でドイツ語から英語に変換されてるみたいで、420nm前後の波長を表すすみれ色のことをVioletって訳したりPurpleって訳す癖があるみたい(笑)
勿論ドイツ語のページには、LED素子はPurpleではなくVioletと記してあります。
ま、ページを一通り読めば、バイオレットとブルーで強い蛍光を得てるって書いてあるので判るはずですが、一応念のためトリトンにも直接聞いてきてもらったと言う訳です。

とその前に、各モデルページに記載された文言の確認 (各上が原文、下が日本語訳)

Dimmability
Dimmable 0 – 100% via three separate channels (violet, blue and white).

調光機能
Violet/Blue/Whiteの3つのチャンネルによる0-100%の調光が可能。

Perfect spectrum for growth and colouring
The spectra of the three base LEDs (violet, blue and white) are…

成長と色揚げに最適なスペクトル
Violet/Blue/Whiteの3つのベースLEDのスペクトルは…

Great fluorescence
Thanks to the special wavelengths of the installed LEDs, fluorescence in the violet and blue phase is noticeably stronger.

素晴らしい蛍光
採用されたLEDの特殊な波長の恩恵により、VioletとBlueのフェーズの蛍光は著しく強いです。

LANI LED featuresのページWavelengthsの項からも抜粋。

Instead of royal blue LEDs, TRITON uses special violet and blue wavelengths for illumination, …

RoyalBlue LEDの代わりに、TRITONは照明のために特別なVioletとBlueの波長を使います

で、本日トリトンに直接確認してもらったところ、このVioletのLED素子の波長は約410-420nmとのことでした。うん、まあ想像通り。今現在、RadionやHydra、Razorなど各社が採用しているUV系素子も410-420nmですからね。
トリトンも例に漏れず載っけてきたかぁ~?
・・・と思ったら、2年前もViolet LEDが載ってたってリーフビルダーに書いてあった(笑)
なんだ、トリトンも最初からUVの理解者だったか。流石だトリトン! 判ってるぜぇ~?

え? てっきりトリトンってUV系素子使ってないと思ってた? なんで???
誰かそんなこと言ってた??? またどこかの販促活動かしら。。。困ったモノです。

と言う訳で、使ってる素子が一通りざっくり把握できたので、さっそくSPECTRAを使ってLANI LEDの各モデルのスペクトルシミュレーションをしてみました。

TRITON LANI スペクトルシミュレーション

良いんじゃない?
さすがViolet素子たくさん並べてるだけあります!
多分、フルスペに次ぐUV系素子の多さです。フルスペのUV系素子の使用率は全体の約30%、一方LANI ONEは20%、LANI PROなら15%です。ついでにRadion G3 Proは19%、Hydra/Primeは15%です。

ちなみに、RedとDeep Redは多くの場合630nmと660nmなのでその前提で計算。
Cree XT-E WhiteとCree XP-E Blueは標準値を割り当て、Violetも近年妥当な放射束400mW程度にて計算しました。でももしKRみたいに500mWや600mWのモンスターランクを採用してたら、もっとUV域が持ち上がってくることでしょう♪
いつか測ってみたい。。。

あと判ったのは、LANIシリーズは1W駆動だと言うこと。よって、LANI PROなら104素子だから104W、LANI ONEなら80素子だから80Wと言うことです。で、実際の製品の消費電力は、安定器の分だけさらに10-20W大きくなる感じかな。だから、KRのようになるべく少ない消費電力で、高効率&大光量を実現してるってことですね!

うーん。。。
UV域の重要性の認識や、1W駆動×多素子のメリットの理解。。。
妙に親近感が♪笑

ただ、ひとつ問題が。。。

レンズが搭載されてない!?

そのため、満遍なく広域を照らせる反面、直下照度が低い。。。
てことは、5年前に測ったVertexレンズ無し80Wだったから、アレと似たような照度かな。簡易照度で約15,000lx@30cm。。。3万4万が当たり前のこのご時世には、ちと厳しいかな。。。ま、Vertexは3W駆動だったけど、トリトンは1W駆動だからもう少し伸びるかも。2万はいくかな。でも2万か。。。汗
せめて初期のRadionのようにリフレクター(反射板)くらい採用してれば少しは。。。

実は、LANIはレンズによる透過ロス回避と拡散光保持の観点から敢えてレンズを採用しないと言うポリシーを持っているようです(LANI LED featuresのページ120° angle of reflected beamの項参照)。さらに「レンズの透過ロスは10-20%」と記してあるけど、それを言ったらLANIだってガラス板(orアクリル)があるし、ガラスなら10%はロスしてるハズ。それに、仮に透過ロスが回避できたとしても、必要な光量が確保できなきゃポリシーが矛盾してしまいます。ま、だから上の写真でも判るように、専用ブラケットで水面に近接させる設置方法がデフォなのかな?と(多分ブラケット高さ15cm位?)
ま、続きはいつか現物を測定してからにしましょう。

ただ、僕が思うに、過去のMaxspectRadionもそうだったように、ユーザーから光量の不満が募れば、いずれレンズも採用するんじゃないかな。80°でも100°でも、レンズは無いよりあった方が断然明るいからね。それでもある程度の広角と拡散は確保できるんだし。あとは今後のトリトンの判断力に期待しましょう。

でも、UV域の強化と、1W駆動×多素子、あとレンズまで搭載されたら、、、
基礎がフルスペと同じやん!?笑
その上、今後400nmや500nmも強化してきたら、、、
太陽+深度のアルゴリズムまで踏襲してきたら、、、

脅威だぜぇ~?

こちらのエントリーもどうぞ♪

最近のMaxspect改造事情

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDライト Maxspect Mazarra スペクトル 自作関連 電気系

例の自作向け最新LED素子を使って、最近手がけたMaxspect製品のフルスペクトル化の事例をご紹介します。

Maxspect max-s G2 160W フルスペクトル化

これもまだまだ現役ですね♪
高価なシステムLEDライトはそう簡単に買い換えはできないので、気に入ったモノを末永く使いたいです。その点、max-sは自分でLED素子が換装できるので重宝しますね。

このmax-s G2 160Wも、とってもジューシーなフルスペクトルに生まれ変わりました♪

Maxspect max-s G2 フルスペクトル化

実はこのmax-sも、以前ご紹介したように30Wモジュール用の電源が死んでました。
なので、どうせドライバ基板を交換するなら、モジュールの容量も設計に合わせて変えてしまおう♪と言う事になりました。
その結果、30Wモジュール回路の構成は以下のようになりました。

  • 白30Wモジュール → 400nm 10Wモジュール (2mmネジ穴×2追加)
  • 白30Wモジュール → 420nm 10Wモジュール (2mmネジ穴×2追加)
  • 60Wドライバ基板 → 20Wドライバ基板

出力は目的に合わせて敢えて弱くしました。40Wの省エネ!&長寿命化♪
で、目的というのは、ディープウォーターLPS仕様フルスペクトルです!
LPS仕様でのフルスペクトル化というのは初の依頼でした♪
KR90DRのようなスペクトルのイメージになりますね。

いざ、スペクトルのビフォー・アフター!

Maxspect max-s G2 フルスペクトル化 スペクトル変化

チャンネル構成は、

  • 水深10M程度のフルスペクトル白チャンネル
  • ワイドバンドブルーの深度の青チャンネル
  • UV強化チャンネル (LPS相手なので弱め設計)

素子数が多いので、特にデュアルチップ素子など必要とせずに実現できました。
max-sは各素子3W駆動なので、その意味でもデュアルチップの出番は少ないです。

光量のビフォー・アフター!

Maxspect max-s G2 160W フルスペクトル化
光量 換装前 換装後
消費電力 96W 112W
PPFD 378 umol/m2/s 762 umol/m2/s
JIS照度 16,300 lx 13,506 lx
簡易照度 18,810 lx 32,410 lx

さすがに5年前の各LED素子がすべて最新LED素子に入れ替わったので、パワーアップ感が半端ありません。PPFDが2倍ですぜ?笑

max-s G2 160Wの作業内容

  • 全LED素子+全スター基板+全コネクタケーブルの交換 → フルスペクトル化
  • 本体ファン異音→ベアリングクリーニング&グリスアップ
  • 電源ユニットファン異音→ファン交換
  • 電源ユニットのLEDインジケーター→UVチャンネル用にピンクに変更♪笑
  • 各種光学測定

max-s電源ユニットの30Wモジュール回路用LEDインジケーターをピンク色に変更♪笑

Maxspect Mazarra S ×2ユニット フルスペクトル化

MazarraはLED素子がすべて専用アルミ基板になってるので、基本的に、

  • 純正品を買うしかない
  • 純正品は正規ルート購入ユーザーしか売って貰えない
  • 並行輸入ユーザーは海外通販から買うしかない

等の制約があるのが難点です。僕も毎回苦労してます(汗)
ただ、Mazarra純正LED基板にも、

  • Cree XP用
  • Philips Lumileds Rebel用
  • 汎用パッケージ素子用

など色々種類があるので、依頼品の素子構成と依頼者が持ってる予備を上手く組み合わせて再構築していくしかありません。

Mazarra LED各種

今回はXP×2、Rebel×2、汎用パッケージ×6の専用基板を再リフローして、何とか以下のスペクトルを実現しました。

スペクトルのビフォー・アフター!

Maxspect Mazarra S フルスペクトル化 スペクトル変化

もう少しUV盛りたかったけど、もう再利用できる専用基板がなかった。。。汗
でもフルスペに次いだワイドバンドブルーが再現できました!

光量のビフォー・アフター!

Maxspect Mazarra S x2 フルスペクトル化
光量 換装前 換装後
ユニット1 ユニット2 ユニット1 ユニット2
消費電力 62W 48W 55W 55W
PPFD 728
umol/m2/s
513
umol/m2/s
572
umol/m2/s
604
umol/m2/s
JIS照度 19,688 lx 10,504 lx 11,762 lx 12,812 lx
簡易照度 31,330 lx 22,110 lx 24,280 lx 25,690 lx

* 消費電力が下がった(下げた)理由は後述します

預かった時はフロストレンズを装着していたので、透過効率を上げるために純正のプリズムレンズに交換しました。上記データはプリズムレンズでの測定値です。レンズが自由に選べるのもMazarraの売りですね。

その他、初期のMazarra Sは2台目のユニットの出力がやや控えめに改造されています。理由は、当初採用していた電源が120Wしかなく、フルパワー時に電源容量不足で動作不良を起こすためです。

Mazarra新旧電源アダプター

そのため、新型の160Wの電源アダプターに交換すれば2台目もフルパワーで使えるようになりますので、もし新型電源を調達されて且つご希望があれば、2台目のユニットを僕へ送って頂ければ1台目と同じ出力になるように回路変更します(部品交換要)
尚、これは僕が見抜いた仕様なので、メーカーでは正規対応してないと思います(汗)
もちろん、旧電源のまま2台目のユニットを正規出力に戻しても電源が動作不良(高温→保護回路→電源断)で使い物にならないのでご注意ください(体験済み)
(現行品は新型電源採用なので両機ともフルの60W仕様かな?と思われます)

参考までに新型電源アダプター情報も載せておきます。

Maxspect Mazarra 新型電源アダプター
Mazarra
電源アダプター
Mazarra S用
(兼Razor 160用)
Mazarra P用
CoralVue 品番 CV-RAZ-160W-PPS CV-MAX-PPS
Meanwell 品番 Meanwell NES-200-36 Meanwell NES-200-15
出力 160W 200W
電圧 36V (32-40V) 16V (13.5-18V)
電流 5.9A 14A

MazarraのSとPは出力電圧が異なっていて互換性がないのでご注意ください。
Sは、3W駆動×8直列=4.0V×8=32V程度の2チャンネル、
Pは、3~5W駆動×4直列=4.0~4.5V×4=16~18V程度の4チャンネル、
ですからね。

ちなみに今回は旧型アダプターを継続して使うため、ユニット2の出力復帰はさせず、むしろユニット1と2の出力を均一に揃える回路変更を双方に施しました。これで62W+48W=110Wだったのが55W+55W=110Wになりました。
試しにユニット2を60W相当に回路変更すると62W+60W=122Wとなり、案の定途中で加熱して電源が止まりました(汗)
電源アダプターは定格の範囲で正しく使いましょう(笑)

Maxspect Mazarra Sの作業内容

  • 一部LED素子の換装(LED基板再利用のための再リフロー) → フルスペクトル化
  • ユニット1とユニット2の出力を均一にするためのドライブ回路変更
  • 各種光学測定

Maxspect Mazarra P ×2ユニット フルスペクトル化

Pは4チャンネルあるので、A+B=白チャンネル、C+D=青チャンネル、とします。

  • A:白のみ
  • B:Achのシアン補完用
  • C:青450nm+470nm
  • D:UV 400nm+420nm

こんな感じにします。

スペクトルのビフォー・アフター!

Maxspect Mazarra P フルスペクトル化 スペクトル変化

PはBridgeluxの汎用パッケージの白LEDを多く使っているので、汎用パッケージの最新LED素子にバンバン換装でき、先ほどのSよりもUVが盛れました♪

光量のビフォー・アフター!

Maxspect Mazarra P x2 フルスペクトル化
光量 換装前 換装後
ユニット1 ユニット2 ユニット1 ユニット2
消費電力 64W 43W 62W 62W
PPFD 840
umol/m2/s
726
umol/m2/s
950
umol/m2/s
1,010
umol/m2/s
JIS照度 34,050 lx 25,880 lx 30,260 lx 31,250 lx
簡易照度 42,300 lx 33,300 lx 44,400 lx 47,200 lx

PPFDが1,000オーバー!
薄曇りの太陽光並みのPPFDです♪笑

このPも2台目の出力が控えめでしたが、これもやや出力が抑えてあったので回路変更し、またLED素子の故障も原因のひとつでしたが、換装によって改善されました。
電源も旧タイプでしたが、Pの電源は180Wあるので、2ユニットでの使用では電源容量の問題はありません。

Maxspect Mazarra Pの作業内容

  • 一部LED素子の換装(LED基板再利用のための再リフロー) → フルスペクトル化
  • Mazarra P特有のチャンネル配線ミス→ケーブルポジション変更
  • ユニット1のAチャンネルのコネクタケーブル破損→交換
  • LED固定パッドの接触不良→電極補修
  • ユニット2のドライブ回路変更
  • ユニット2ファン故障→ファン交換
  • 各種光学測定

以上、近況報告でした。

注意)
たまにご相談を受けますが、ご依頼品はご愛用中の製品のみでお願いします。
安価な製品を新規に買ってフルスペクトル化、というのはご遠慮願います(汗)

こちらのエントリーもどうぞ♪

自作向け最新LED素子再々入荷!

ブログ エイジ 12:51 コメント0件
この記事を含むタグの全記事リスト: LED スペクトル 自作関連 電気系

先日ご案内した自作向け最新LED素子の入荷待ち分が入荷しました。

  • 530nm
  • 470+500nm デュアルチップ
  • 590+630nm デュアルチップ

合わせて、以下の人気素子も底をついたので増産しました。

  • 400nm
  • 420nm
  • 470nm
  • 500nm

そして今回の入荷分から小技を効かせました♪
その名もカップペデスタル仕様!
KRでは以前から採用してますが、チップを載せる台座を通常のフラット型タイプからカップ型に変更し、少しでも集光効果が得られる仕様になりました♪

自作向け最新LED素子にカップ台座を採用

元々は白色LED用(蛍光体を溜める形状)なんですが、このカップ台座を単波長LEDに使うとリフレクター効果で反射光が前面に出るようになるので、ちょっとお得なんです♪笑
と言っても価格は同じです♪

自作向け最新LED素子のカップ台座の集光効果

お判り頂けただろうか?笑

そして、発光色もご紹介しておきます。

自作向け最新LED素子の発光色

また、従来の470+500nmデュアルチップは、480+500nm(実測475+500nm)に変更になりました。

自作向け最新LED素子のスペクトル

また、従来の400+420nmデュアルチップに加え、400+430nm(実測400+425nm)もありますので、ご注文の際にご指定ください。
ご注文はメールでお願いします。

こちらのエントリーもどうぞ♪