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T5レビュー:SFILIGOI

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T5レビュー、まだまだ続きます♪
今回はSFILIGOIと言うブランドのT5球です。何て読むのこれ?
またまたナチュラルで購入。
だいぶワンパターンになってきたので、駆け足でお届けします(笑)

まず外観・・・

SFILIGOI

え?
逆に斬新でプロっぽいかも???

  • SFILIGOI - ULTRA WHITE
  • SFILIGOI - DEEP BLUE
  • SFILIGOI - SUPER ACTINIC BLUE 03

SFILIGOI 球

・・・ちょっと待て。
ULTRA WHITEの型番印刷が抜けてるぜぇ?
2本頼んだけど2本とも真っ白だぜぇ?
これって正しいの? 岡部さん?

光色。

SFILIGOI 光色

白が結構青いなー。

実測スペクトル。

SFILIGOI 実測スペクトル

やはり白は色温度が測定不能でした。大体50000Kくらいかしら。
ちなみに、このULTRA WHITEはATI Aquablue Specialと完全に一致しました。
その他、青系もActinic系も各社で完全に一致ですね。

公称スペクトルとの比較・・・と思ったら非公開?でした。

SFILIGOI 実測スペクトル(公称スペクトルなし)

実用構成。

SFILIGOI 実用構成

これまでの4ブランドの光量比較。

試験灯具 ATI SunPower 24W×4=96W
PPFD
成績順
1 2 3 4
ブランド ATI WavePoint SFILIGOI GIESEMANN
PowerChrome
構成 Aquablue SP×2
Blue Plus×1
Actinic×1
TROPICAL×1
SUN×1
BLUE×1
REEF×1
WHITE×2
BLUE×1
ACTINIC×1
Midday×1
AquaBlue+×1
Actinic+×1
PureActinic×1
PPFD 372 umol/m2/s 316 umol/m2/s 315 umol/m2/s 275 umol/m2/s
JIS 照度 10,814 lx 11,554 lx 9,496 lx 8,936 lx
簡易照度 19,560 lx 17,290 lx 16,750 lx 14,880 lx
UVA+UVB 19.1 uW/cm2 16.2 uW/cm2 12.1 uW/cm2 39.1 uW/cm2

これまでの評価。

  1. ATI - 1本3,000円前後で高いけど明るい。光量にこだわるならコレ!
  2. WavePoint - 1本2,000円程度で安いけどまあまあ明るい。お得なT5。
  3. SFILIGOI - 1本3,000円前後で高いのにWavePointと大差ない or 暗い。
  4. PowerChrome - 1本2,000円程度で安いが暗い。

最後に、これまでの近似スペクトル。

これまでの近似スペクトル

尚、これらはあまりに一致しているため、無駄な色分けは省略してます。

白系は各社で3波長のバランス違いで6000K-20000K程度まで光色が色々あるので、これは好みで選べはOKです。
青系やActinic系は、もはや各社同じスペクトルと考えてOKです。そのため、敢えて各社の球をブレンドしても波長リッチにはならないので、ちゃんぽんの必要もありません。
基本構成として、白+青+Actinic系さえ押さえておけばOK。
赤の演色強化を狙うならピンク系を混ぜても良いけど、白系に入ってる赤の強度で十分なので、ほどほどに。どうせ630nm以降は足しようが無いし。
Actinicは全体の2-3割程度確保しておけば幸せになれるでしょう♪

あとは、KZ社とUV Lighting社のT5管を取り寄せ中です。
海外通販のついでに頼んだので時間が掛かりそうですが、気長にお待ちを。。。
まあ、スペクトルは多分同じでしょうから、焦点は光量に絞られそうです。

こちらのエントリーもどうぞ♪

T5にもUVを盛りたい♪ 其の参

この記事を含むタグの全記事リスト: T5 スペクトル 蛍光体 蛍光灯

UV盛りアクアT5開発に向け、UV蛍光体を探してみたんだぜぇ~?
まあ、実際に使えるかどうかは知りませんが(汗)
あ、開発するのは僕じゃ無いですよ。アクアメーカーさん頑張って♪

蛍光体 ピーク波長
SrAl12O19:Ce 285nm, 315nm
(Ca,Zn)3(PO4)2:Tl 306nm
LaPO4:Ce 315nm, 335nm
GdPO4:Ce 320nm, 345nm
Ca3(PO4)2:Tl 326nm
BaSi2O5:Pb 350nm
Sr2MgSi2O7:Pb 350nm
SrB4O7F:Eu 360nm
(Ba,Sr,Mg)3Si2O7:Pb 370nm
(Ba,Sr,Mg)3Si2O7:Pb 372nm
BaFX:Eu 380nm
ZnGa2O4:Li,Ti 380nm
(Sr,Ca)O・2B2O3:Eu 380-450nm
Y2Si2O7:Ce 385nm
SrMgP2O7:Eu 394nm
YTaO4:Nb 400nm
Y2SiO5:Ce 400nm
SrAl12O14:Eu 400nm
(Sr,Ba)Al2Si2O8:Sn 400nm
(Sr,Ba)Al2Si2O8:Eu 400nm

波長範囲が280-320nmのものは爬虫類用蛍光ランプにもよく使われるUVB蛍光体で、波長範囲が320-400nmのものはUVA蛍光体になりますが、ブラックライト等のUVAランプによく使われている蛍光体は主に350nmにピークを持つSr2MgSi2O7:Pb 350だそうです。だから肝心の400nmはスカスカなのか。。。

じゃあ、それ以外のUVA蛍光体は一体どこに使われているんだろう。。。
たまたまニーズが無かっただけで、アクアにも転用可能なのかしら???

スペクトルのイメージです。UVA領域300-400nmに限定して描いてみました。
ピンクの曲線がアクアT5で実現したいスペクトルです。

UVスペクトルイメージ

現時点では、上記のようなアクアT5理想スペクトルを有する蛍光ランプは、さまざまな分野を探しましたが見つかりませんでした(爬虫類ランプの一部にあるがUVBが邪魔)。ま、考えてみればニーズが無さそうなので仕方ない話かも知れません。しかし、本来ならばアクアメーカーが率先して開発・製造し、とっくの昔に流通させておくべきはずのランプだったんじゃない? でも現状は、小さなマーケットにそこまでコストが掛けられず、あくまでも一般ランプの製造工場で一般ランプ向け蛍光体を流用して一般ランプと同じ波長構成で色味だけ調整したランプをOEM供給するしか無かった、と言う悲しい現実があったのかも。。。

ま、それを言ったらメタハラも同じかも知れませんが(汗)

と言う訳で、T5ユーザーの期待に応えるため、アクアメーカーは頑張りましょう♪
我々ユーザーも、すぐに高い高いと唱えずに、コストの意味を理解しましょう!

リファレンス

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T5にもUVを盛りたい♪ 其の弐

この記事を含むタグの全記事リスト: T5 UVB スペクトル 蛍光体 蛍光灯

実は、出そうかどうしようか迷ってたデータがあります。
結果が思うようにふるわなかったし。。。
でも、ダメの見本も必要かも知れないので、一応出しておきますね。

これは、爬虫類用の蛍光ランプ各種です。

爬虫類用UVBランプ

爬虫類は、カルシウム生成にUVBが必要らしく(だっけ?)、こうしたランプが提供されているようです。
スペクトル次第じゃ、もしかしてアクアへの転用も有効か!?
とね。

で、実測スペクトルと、公称スペクトルの比較です。

爬虫類用UVランプの実測スペクトルと公称スペクトルの比較

念のため、測定器の都合上、下限は360nmなので、それ以下は見えません(汗)
ま、サンゴの要求を考えると、360nm以下は見る必要が無いから良いんだけど。

さて、どこかで見たようなスペクトル。。。はい、前回のT5にもUVを盛りたい♪でご紹介したブラックライト作戦と、同じスペクトル構成ですね。
実はUVB系ランプもブラックライトも似たような蛍光体構成なのですが、通常のガラス管にUVB蛍光体群(280-320nm)と可視光線用蛍光体群を入れれば爬虫類用UVBランプになり、そして可視光線をカットするための黒い(藍色)遮光ガラスにUV蛍光体群(360nm寄り)を入れればブラックライトになります。だからブラックライトの場合は前回ご紹介したように、400nm以降の可視光線は見事にゼロなのです。
ただ、原理は一般蛍光灯と同じ、フィラメントが発する約250nmのUVCを蛍光の励起源とし、UVB蛍光体群を入れるか、可視光線用蛍光体群を入れるか、そして可視光線をカットする特殊ガラスを使うか、その違いです。

また、UVB系ランプの場合は、上のグラフには現れてない、280-320nmのUVBゾーンがもっともっと多く含まれています。しかし、それらは本来サンゴ礁ではほとんど存在しない波長域です。もちろん、普段浴びてない波長をサンゴに与えるのは危険です。しかも、サンゴに必要な肝心の400nmはほとんど入ってない状態なので、もう迷う余地がありませんね。

以下は、いつもの水深スペクトルに南紀で測定した水深50cmを足したモノです。

海中の水深スペクトル

例えば、水深50cmでは400nmこそまだまだ6割も存在しますが、360nmは1割しかありません。さらに水深が増せば言うまでも無く。。。ましてやこの減衰率で行けば、280-320nmのUVBに至ってはほぼゼロの状態、届いていません。それをサンゴに当てるのは。。。以下略

と言う訳で、爬虫類用ランプのアクア転用は、、、難しいようです。
せめて400nmも大盛りなら考えなくも無いですが、

  • UVB系ランプはサンゴの肝心の400nmが入ってない
  • UVB系ランプはサンゴに不要なUVB 280-320nmが大盛りである

これらの理由により、考えるまでも無く、却下としか言いようがありませんでした。。。
残念っ。。。
やはり、アクアメーカーがUVA 360-400nm入りのT5を作るしか無いですね~♪
頑張ってUVA蛍光体を研究してください!

ちなみに、アクア向けT5にUV域が無いのは、別に意図的にカットしてる訳じゃ無くて、UV域を発する蛍光体をブレンドしてないだけです。その証拠に、蛍光管は劣化してくると、どんどん漏れUV値が上昇します。ま、一般用途にはUVカットや飛散膜を持った蛍光ランプはありますが、これまで色々とアクア向けT5を測定してきた中で、今のところUVカット処理が成されている製品はありませんでした。それはスペクトルにも少し捉えられますし、UV計にも値が出ますからね。何よりアクア用途では必要の無いコストですから。

昨日も書きましたが、
ユーザーを困惑させたり迷走させるような虚偽の流布は絶対にダメ!
なんだぜぇ~♪

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