少し前から、水槽に於けるカリウム(ポタジウム)の存在に興味を持ち始めました。
どうもまだなんか足りない気がするのは、これなのかなぁ?なんて。。。
一般的にカリウムは、ナトリウムとの関係が深く、細胞の浸透圧を調整するために必要不可欠な元素だそうです。と言うことは、海洋生物にとっては特に重要な元素なのかしら?
特にZEOvitでは、PAO(リン吸収細菌)によるリンの吸収を促す際に、ポリリン酸としての蓄積に伴ってカリウムとマグネシウムを併行して消費してしまうそうなので、それらの監視と補給の必要性がうたわれています。
ちなみに農業の分野では、カリウムは三大栄養素(窒素、リン、カリウム)のひとつであり、糖・タンパク質の合成に必要な元素です。また、カリウムが欠乏すると分裂組織の発育低下が起こるそうです(フォトサイエンス化学図録より)
そうしたことからも、カリウムやマグネシウムをより多く消費するZEOvitに於いては、その管理の必要性が強く求められている、という点は良く理解できます。
でも、一般のナチュラルシステムはどうなのかしら?
一般的な水槽でも少なからずPAOが活動しているならば、やはりこれらの消費が伴うはずです。またPAOに限らず、他の細菌・微生物やプランクトンなどの生物相が豊富であればあるほど、それらの細胞のカリウム要求量は膨大になりそうです。
また、生体自身も成長に伴い細胞に必要なカリウムが新規に取り込まれていくはずですから、やはりそうした消費によって、水槽内のカリウム濃度は徐々に減少していくことが考えられます。
と言う訳で、今後はカリウムも管理してみようかなぁ、と言う欲求が生まれました♪
善は急げと言うことで、早速ホームセンターのいつもの肥料コーナーへ(笑)
もはや肥料コーナーは僕のテリトリーと化しています(曝)
今回はその中から、硫酸カリウムをカリウム源に使うことにしました。
現在の硫酸マグネシウムの添加と同様、ここはやはり硫酸カリウムでしょう!
これなら海水成分に対して負担がありません。硫酸イオンは海水の主成分ですから。
他にも塩化カリウムや炭酸カリウムが考えられますが、イオンバランスや価格、入手性の問題から今回は敬遠しました。
写真は上野製薬の「硫酸加里」。保証成分は51%で、価格は破格の398円♪
問題は、1Kgをどうやって使い切るかということだ(汗)
硫酸カリウム(K2SO4)の添加量計算
硫酸マグネシウムの添加と同様、硫酸カリウムを水槽へ添加する場合の添加量を計算してみました。
●硫酸カリウム - K2SO4 溶解度 : 12.0% (25℃) - 1Lに120gの硫酸カリウムが溶解可能 ●原子量 (分子量 = 174.3) カリウム : 78.2 (39.1×2) 硫黄 : 32.1 酸素 : 64.0 (16.0×4) ●飽和硫酸カリウム溶液1Lのカリウム濃度 120 * 78.2 / 174.3 ≒ 53.838g = 53838ppm ●5L水槽のカリウムを100ppm上昇させるには a) 100 / 53838 * 120 * 5 = 1.114g ≒ 1g b) 100 * 174.3 / 78.2 * 5 = 1114.5mg ≒ 1g 5L水槽に硫酸カリウムを1g溶けば、カリウム濃度はおよそ100ppm弱上昇する
・・・合ってる?
ひとつ気になるのは、保証成分が51%と言う部分。
なにそれ。なんか値の補正が要るの?
現在、僕の5L水槽の水質管理は、基本的に定期的な換水でおこなっていますが、人工海水の初期成分の不足分や日々の補給として、マグネシウムやカルシウムも適宜添加して調整しています。ここへカリウムの添加スケジュールが新たに加わることになります。
天然海水にはカリウムが約400ppm近く含まれていて、これはカルシウムに近い値です。まずは平均値としてカリウム400ppmあたりを目標に維持していきたいと思います。
- カルシウム - 水酸化カルシウムの点滴 (薬局で1,000円/500g)
- マグネシウム - 硫酸マグネシウムの添加 (薬局で1,000円/500g)
- カリウム - 硫酸カリウムの添加 (肥料コーナーで300円/1Kg)
これで、サンゴの成長にも何か変化をもたらすのかどうか、よく観察していこうと思います。
さて。何か忘れてます。。。
そう、水槽のカリウム濃度を測る試薬を持っていません。
これが無いと添加量が見えません(曝)
ざっと調べてみたら、このカリウム試薬、ほとんど販売されていないみたい。。。
辛うじて見つけたものも高いものばかり。。。8,000円とか。。。
大枚叩けと言うのか。。。(汗)
そしたら、やどかり屋で見つけました。ELOSのポタジウム試薬♪
4,000円切ってます!
と言う訳で、早速注文しておきました。
で、それが本日届いたので、後ほど使用感をご報告しますね。
ちなみにこのELOSのカリウム試薬、値が凄く判定し辛いらしい(汗)
大丈夫かなぁ。。。
1. 松井 2010/09/13 22:27
>ひとつ気になるのは、保証成分が51%と言う部分。
カリが含まれ割合じゃない?
2. エイジ 2010/09/14 00:05
じゃ、単純に、カリウムが51%で、硫酸が49%と思えば良いのね。
でも分子量で見ると45%ほどになるのはどうしてなのだろう?
3. 松井 2010/09/14 22:43
カリが含まれる量(保証成分量)は、K2Oで表されるから54%くらい。
それに不純物が混ざっているせいで51%かな。
4. エイジ 2010/09/15 00:27
おおお。松井さんて化学にも詳しいの!?
ホントだ。K2Oなら54%になりますね。
で、なんでKじゃなくてK2Oで見るのかしら。。。保証成分てそういう決まりなの?
5. 松井 2010/09/15 21:50
>で、なんでKじゃなくてK2Oで見るのかしら。。。保証成分てそういう決まりなの?
メッキが剥がれてきたので、詳しく聞かないで。
6. エイジ 2010/09/16 19:16
了解!