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T5にもUVを盛りたい♪ 其の弐

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実は、出そうかどうしようか迷ってたデータがあります。
結果が思うようにふるわなかったし。。。
でも、ダメの見本も必要かも知れないので、一応出しておきますね。

これは、爬虫類用の蛍光ランプ各種です。

爬虫類用UVBランプ

爬虫類は、カルシウム生成にUVBが必要らしく(だっけ?)、こうしたランプが提供されているようです。
スペクトル次第じゃ、もしかしてアクアへの転用も有効か!?
とね。

で、実測スペクトルと、公称スペクトルの比較です。

爬虫類用UVランプの実測スペクトルと公称スペクトルの比較

念のため、測定器の都合上、下限は360nmなので、それ以下は見えません(汗)
ま、サンゴの要求を考えると、360nm以下は見る必要が無いから良いんだけど。

さて、どこかで見たようなスペクトル。。。はい、前回のT5にもUVを盛りたい♪でご紹介したブラックライト作戦と、同じスペクトル構成ですね。
実はUVB系ランプもブラックライトも似たような蛍光体構成なのですが、通常のガラス管にUVB蛍光体群(280-320nm)と可視光線用蛍光体群を入れれば爬虫類用UVBランプになり、そして可視光線をカットするための黒い(藍色)遮光ガラスにUV蛍光体群(360nm寄り)を入れればブラックライトになります。だからブラックライトの場合は前回ご紹介したように、400nm以降の可視光線は見事にゼロなのです。
ただ、原理は一般蛍光灯と同じ、フィラメントが発する約250nmのUVCを蛍光の励起源とし、UVB蛍光体群を入れるか、可視光線用蛍光体群を入れるか、そして可視光線をカットする特殊ガラスを使うか、その違いです。

また、UVB系ランプの場合は、上のグラフには現れてない、280-320nmのUVBゾーンがもっともっと多く含まれています。しかし、それらは本来サンゴ礁ではほとんど存在しない波長域です。もちろん、普段浴びてない波長をサンゴに与えるのは危険です。しかも、サンゴに必要な肝心の400nmはほとんど入ってない状態なので、もう迷う余地がありませんね。

以下は、いつもの水深スペクトルに南紀で測定した水深50cmを足したモノです。

海中の水深スペクトル

例えば、水深50cmでは400nmこそまだまだ6割も存在しますが、360nmは1割しかありません。さらに水深が増せば言うまでも無く。。。ましてやこの減衰率で行けば、280-320nmのUVBに至ってはほぼゼロの状態、届いていません。それをサンゴに当てるのは。。。以下略

と言う訳で、爬虫類用ランプのアクア転用は、、、難しいようです。
せめて400nmも大盛りなら考えなくも無いですが、

  • UVB系ランプはサンゴの肝心の400nmが入ってない
  • UVB系ランプはサンゴに不要なUVB 280-320nmが大盛りである

これらの理由により、考えるまでも無く、却下としか言いようがありませんでした。。。
残念っ。。。
やはり、アクアメーカーがUVA 360-400nm入りのT5を作るしか無いですね~♪
頑張ってUVA蛍光体を研究してください!

ちなみに、アクア向けT5にUV域が無いのは、別に意図的にカットしてる訳じゃ無くて、UV域を発する蛍光体をブレンドしてないだけです。その証拠に、蛍光管は劣化してくると、どんどん漏れUV値が上昇します。ま、一般用途にはUVカットや飛散膜を持った蛍光ランプはありますが、これまで色々とアクア向けT5を測定してきた中で、今のところUVカット処理が成されている製品はありませんでした。それはスペクトルにも少し捉えられますし、UV計にも値が出ますからね。何よりアクア用途では必要の無いコストですから。

昨日も書きましたが、
ユーザーを困惑させたり迷走させるような虚偽の流布は絶対にダメ!
なんだぜぇ~♪

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