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より洗練された Grassy LeDio 3

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昨日、応援市場へ色々とLEDランプを追加した訳ですが、事前の告知がなかったとは思えない反応ぶりに、正直ビックリしてます(汗)
しかも新LeDio9の人気が凄いですねぇ!
やはり皆さん、これを待ち望まれていたのでしょう♪
LeDioシリーズの人気を改めて思い知りました。
この調子ならサンプル出荷もすぐに完売するでしょう。

一方、あまりに衝撃的過ぎる新LeDio9のスペックに、すっかり影が薄くなっている感のあるLeDio3。。。ちょっと注目してみませんか?

Grassy LeDio シリーズ初の3Wタイプ LeDio 3 新登場!

新GrassyLeDio3

ぶっちゃけて言うと、この初期サンプルを手にした昨年末の時点では、このタイプの市場への投入は、やや時期尚早な感じがしていました。これはもっと主力LEDランプが普及してから、更なるアクセントへの需要が見えてからでも良いかな?とか。
しかしここ数ヶ月の間に、メイン照明への切り替えとまではいかなくとも、水槽照明の半分をLEDに置き換えたり、試験的にLED専用の水槽を立ち上げたりと、あちこちから声を聞くようになったのは事実です。
そうなってくると、既にLEDランプで舞台を整え終えたアクアリストが、お気に入りのサンゴだけに別の補助ランプで色揚げを期待したいとか、試験的な意味で特定のサンゴに異なる波長を当ててみたい、という領域に達しているマニアが、現時点で既に天を仰いでいるのかもしれません。確かにLeDio7やLeDio9がこれだけスペックを上げていると、最早これを補助ランプとして使うには少々強力すぎますから(汗)

と言うわけで、そういうマニアックなアクアリストのために、本当の補助ランプとしての新LeDio3について、今僕が把握しているデータを出しておきましょう♪というコーナーです。

新 Grassy LeDio 3 は、まず筐体が変更になりました!

以降の画像は全て左側が古い方(初期サンプル)、右が新型です。

新LeDio3外観

いやはや、恐れ入ります。初期サンプルの欠点を徹底的に改良してきやがりました(笑)
まず、放熱性の確保。そして、その副産物(あるいは計算?)として、筐体が大きくなったことにより灯具への装着が容易になりました。一石二鳥ですね♪

徹底的に改善された専用レンズ!

そして決定的に違うのは、その性能をフルに発揮する専用レンズの変更。上の写真でもその違いは歴然で、初期サンプルではレンズのリフレクタ構造が噛み合った強引な集合レンズを採用していましたが、今回のモデルではレンズとリフレクタ構造を完全に一体化して個々が独立しています。やはりこの方が見た目も配光もスマートなはずです。
では、その効果の違いをご覧ください。

新LeDio3配光

この画像は、LeDio 3 Ultra Violet (UV) の配光を撮影したものです。
おおお! あんなに漏れていた光の筋が完璧になくなっています♪
更に「レーザービームか?」と思うほど鋭かったビームが、本当に理想的な角度で配光されています。
ちなみに写真の上と下はカメラが違います。応援市場ではインパクトのある上の写真を使っていますが、本来は下の写真の方が目視に近い色彩と強度です。そもそもUVは目にはほとんど見えないものですから(汗)
* 紛らわしいので応援市場でも見た目に近い方の写真に差し替えました(汗)

初期サンプルの鋭いビーム角では特定の枝しか照らせませんでしたが(汗)、新LeDio3なら目的のサンゴ全体に光を当てることができるでしょう。これなら納得のスペックです。

そして、気になる数値データです。

30cm LeDio3 UV 零号機 LeDio3 UV 初号機
照度 4,880 lx 330 lx
ピーク照度 lx 6,800 lx 2,118 lx
UV 0.49 mW/cm2 0.04 mW/cm2

パッと見て、かなりのスペックダウンのように見えますね(汗)
この数値の見方を説明しますと、まず初期サンプルのビーム角は10~15°と言う狭角でしたが、新型では45°になりました。単純計算では、同じ距離の前方を照らす面積は10倍近くの差があり、照度は逆に1/10近くまで低下します。この表の値は、まさにそれを表していることになりますね。
また、今回用意した照度計にはピーク値を見る機能があり、初めは単にピークホールドかと思っていたら、僕が想像していたピークホールド機能は別にありましたので、どうやらこちらは波長の一番大きな山についての値のようです。要するに、零号機は400nmの山が6,800lxあり、初号機の方は400nmの山は2,118lxある、と言うことでしょう。説明書に書いてないので想像ですが(汗)。誰か教えて。。。

ちなみに上ではUVにのみついて触れましたが、LeDio 3 DeepBlue の30cm照度は3,200lx近くありますのでご安心ください。3Wで45°レンズで3,000lxオーバーですよ!? LeDio3でさえも補助ランプには強すぎる?(笑)

問題は・・・やはり値段ですね。。。高い。。。気がする。。。
ま、3Wや4Wは以前からも商品はありましたから、それよりは断然安いですけどね。
あと、UV版についてはLeDio9+でも価格にてきめんに反映されてますが、LeDio3では更に強調されて高く見えます。これはUV素子が一般素子の何倍も高いためなので仕方ありません。ご理解くださいませ。

最後におまけ。

紫外線で判るじゅうたんのゴミ

LeDio3 UVでじゅうたんを照らしてみました。まるで現場検証をしている気分です(汗)
なんかの繊維やホコリ・ゴミなんかが蛍光発光して汚れが一目瞭然です。
よくあるブラックライトや鑑定ライトとしても使える???
ところがそういう製品は1W素子搭載型でも安くて5~6千円、普通は数万円しています。
しかし、LeDio3 UVなら1WのUV素子が3つも搭載されて6,800円♪

よっしゃ、いっちょ使ってみるか!と言う方は、どうぞ応援市場へ♪

こちらのエントリーもどうぞ♪

応援市場、商品追加!

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LeDio 9 応援市場

LEDファンの皆様、大変ながらくお待たせしました。
応援市場、LED祭りです♪

こんな感じです♪

さて、早ければ来月にもリリースされる新型LeDio9シリーズですが、実はこのサンプルが既に半月以上も前に手元に届いてました(汗)。でもなかなか見る暇が。。。
でも、ようやく各チェックを終え、先ほど応援市場へ投入したという訳です。

軽くスペックを紹介しておきましょう。

新 Grassy LeDio 9 シリーズ

新LeDioシリーズ
照度測定結果 lx
測定距離 レンズ
1M 50cm 30cm
LeDio9+ Deep400UV 975 3,778 9,770 50°
LeDio9+ Aqua400UV 1,241 4,680 12,160 50°
LeDio9 CoralBlue 897 3,491 9,270 50°
LeDio9 AquaBlue 993 3,861 10,380 50°
LeDio9 PearlWhite 1,276 4,940 13,370 50°
LeDio9 MysteryPurple 382.7 1,473 3,965 50
LeDio3 UV 28.6 103 322 45°
LeDio3 DeepBlue 307.6 1,178 3,196 45°

いつものように、メーカー公称値ではなく、僕の勝手な測定結果です。
が、今回からは信頼性の高い値ですよ。むふふ。

実は、もう1ヶ月ほど前からmiyaannさんにも相談に乗ってもらって照度計の購入を検討していたのですが、上を見るときりがないことに気づき、どうせホビーだから・・・と妥協してMK社のDT-1309と言う照度計をチョイスしたのでした。
2万円程度のものなのでJIS対応品ではありませんが、国際照明委員会規格に準拠と言う文句がせめてもの救いです。どんな規格かは知りませんが。。。苦笑

ちなみに、これまで使用して来た自作照度計と比較すると・・・案の定・・・もう10年も経つのでセンサーの劣化だろうと思いますが、値にかなりのズレが(汗)。なんと、今までの値は2,000~3,000lx近くも低く出ていたようです。これがもし逆だったら、僕、ボコボコにされてますね(汗)

と言うわけで、新LeDio9は、30cmで平均10,000lxのスペックですよ~♪

あと、ややこしいのでちょっと補足しておきます。

まず、型番。なぜ9?
それはワット数です。LED素子は7つ搭載ですが、1素子あたり1.2W駆動らしいので、合計で8.4W≒9W、と言うことらしいです。

次に、新LeDio9シリーズには大きく分けて3タイプあります。
以前から紹介してきた、UV素子を1つ搭載したタイプは、LeDio 9 PLUS400UV(通称LeDio9+)となります。ディープブルータイプと、アクアブルータイプの2カラーがあります。これはジュンコーポレーションから販売される予定らしいです。なので、基本的に僕は取り扱いません(今回のサンプルのみ)

また、従来のLeDio7の後継機種となる、UV素子を含まない通常タイプは、LeDio9の名称で、コーラルブルー、アクアブルー、パールホワイト、ミステリーパープルがあります。尚、今回のサンプル出荷には数が少ないのでミステリーパープルは取り扱いませんでした。

そして大本命が、LeDio 9 DeepUV3LeDio 9 PearlUV3 です。なんと、UV素子を3つも搭載したタイプです! これは以前からボルクスジャパンに執拗にお願いしてきた仕様で(汗)、ディープブルータイプと、パールホワイトタイプがあります。僕は今後これをイケイケで扱っていきます。が、実はまだサンプルもありません(汗)。色々事情があるのです(?)。なので、これは正規品の登場まで今しばらくお待ちくださいませ。

新 Grassy LeDio 3 シリーズ

3W型のミニランプで、ディープブルーとUVがあります。以前紹介したサンプルよりも、配光具合がかなり改善され、とっても良い感じに仕上がっています。これはお手軽でお勧めなLEDランプです。また、採用素子もLeDio9と同じらしいので、ディープブルーは厳密には4W程度となるようです。UVの方は3Wらしいけど。
ちなみに上の写真ではUVがガンガン出て見えますが、これはカメラの感度が良すぎるための写りで、実際にはこんなに強くは見えません(汗)。あくまでUVですから♪

Grassy LeDio 7 人気カラー追加販売!!!

あまりに人気商品となってしまったLeDio7ですが、人気カラーの3タイプが追加販売可能となりました♪
惜しくも在庫切れで買えなかった方も、今がチャンス♪
但し、在庫には限りがあるので、在庫がなくなり次第、終了となります。あしからず。

以上、応援市場ニュースでした!

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雑学5.光合成色素の種類

この記事を含むタグの全記事リスト: 海洋雑学 色素

光合成色素については、なかなかまとめるための情報に恵まれませんが、きりがないので一旦まとめちゃいたいと思います(笑)

海洋生物の光合成色素の種類と吸収スペクトル

以下の2枚の図は共に視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録(数研出版)より引用。

光合成色素の種類

これはサンゴではなく主に藻類に見られる光合成色素ですが、サンゴも同系統の多様な光合成色素を持つと思われます。
上の表でも、クロロフィルaが多くの藻類の主要色素として存在していることが判りますが、併せて他の色素も主要色素として働いていることが判ります。青や赤のシアノバクテリアにはフィコビリンが、褐色の珪藻類にはカロテノイドが存在し、それらがそれぞれの特徴的な色彩の要因となります。

光合成色素の吸収スペクトル

これは各光合成色素が吸収する波長帯を表したスペクトルグラフです。「吸収」とは、その波長帯が光合成に利用されているという意味になります。

例えば、緑色の曲線は陸生植物でも大部分を占めるクロロフィルの吸収特性であり、市販の植物育成ランプのスペクトルもこれに対応した特性を持っています。
しかし、海洋生物は、その多彩な色彩が示すように、クロロフィル以外の光合成色素が非常に多く活躍しており、むしろ植物育成ランプに無い波長域こそ配慮しなければならないでしょう。

各社の植物育成ランプスペクトル

よく見かける植物育成ランプのスペクトルはBR型が多く、オレンジ帯域の欠落が気になりますが、HGやFRはシアノバクテリアのフィコエリトリンやフィコシアニンを見事にカバーしているように見えます。このスペクトルの形を覚えておいてランプ探しをすると良いでしょう。
ちなみに、このHGやFRのスペクトルは、実は一般蛍光灯のそれと大差ないようにも見えるのですがねぇ(汗)

スギノキミドリイシに必要な光源の考察

シアノバクテリアが持つ鮮やかな青や赤の色素を例に取ると、赤はフィコエリトリン、青はフィコシアニンですが、以前Tetsuo氏から頂いた情報でも、スギノキミドリイシの青の色素はChromoproteins-588と言う色素で、主に566~620nmのオレンジ帯域の波長光を利用し、特に588nmを吸収するとのことで、やはりこれはフィコシアニンの吸収波長特性に酷似しています。
このフィコシアニンの特性を上の図で見ても、クロロフィルの特性とはまったくカブッていないことが判りますから、もしスギノキを青くしようと思ったら、クロロフィル向けの植物育成ランプではなく、まずは橙色を優先的に多く含むランプをチェイスしなければならないでしょう。

そのことからも、スギノキの飼育に向いたランプとしては、比較的色温度の低い6,500K~10,000Kあたりのメタハラが、まずは無難なところです。あるいは蛍光灯なら、植物育成ランプの多く(BR等)は肝心の橙色を欠いたものも多いため、下手なランプより普通の白色蛍光灯の方がマシかも知れません(汗)。と言うか、蛍光灯でスギノキの要求する照度を用意するのも大変ですけどね(苦笑)

で、問題はLEDでこれを実現する場合です。ピンポイントでオレンジ色を用意することもできますが、ひとつの波長のみでは自然光であり得ない分布ですし、それによる生体の反応が判らないため、やはり満遍なく帯域をカバーしつつ、その上で橙色をある程度のレベルで確保したいものです。

そのために考えられるのは、やはり白色LEDや電球色LEDでしょう。これらのLEDには黄色をピークに緑から橙まで満遍なく含まれていますから、とても理に適う選択と言えます。

白LEDとフルカラーのスペクトル比較

但し、フルカラーRGBの3原色による白色LEDは除外しなければなりません。なぜなら、フルカラーRGBは見た目こそ白色光ですが、中身は赤・緑・青のピンポイントを並べただけですから、緑と赤の間が大きく欠落していて橙色が含まれていません。もしどうしてもフルカラーRGBによる白色LEDを使うなら、そこに580~590nmピーク程度の黄色の素子を同レベルで補完すると良いでしょう。まぁ、それでもある程度の帯域抜けはどうしても発生しますので、白色LEDを使ったほうが早いと思いますけどね。

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