超ヤドカリ図鑑へ新たに2種のヤドカリ情報を追加しました。ヒラテヤドカリ/Dardanus scutellatus (H. Milne Edwards, 1848)とテナガヤドカリ/Dardanus woodmasoni (Alcock, 1905)です。いずれもヤドカリ属の子です。
まず、ヒラテヤドカリから。
ヒラテヤドカリは、少し前あたりから沖縄方面での報告が相次いでました。どことなくオイランヤドカリにも似た風貌と、そののっぺりとした鋏足が特徴的です。よく見ると第二触覚柄の基部にも色彩に特徴が見られます。
これまでの報告では(と言っても僕が知る範囲で2年ほど前の段階では)、写真では詳しく判らないため実物による精査が必要だったと記憶してましたが、今回の報告や元々の他のアクアリストからの問い合わせにより、ヒラテヤドカリ/Dardanus scutellatus (H. Milne Edwards, 1848) であると判明したようです。今回僕は直接関わっていませんが、知人らが千葉の駒井先生より回答をいただいたようです。
上の写真は、今回並行して駒井先生へ問い合わせされた沖縄の西垣さんからお送りいただいたものです。西垣さんは沖縄で海洋調査に携わっておられる方で、以前より海洋調査で観察されたヤドカリについて問い合わせをいただいておりました。その後、西垣さんも駒井先生から同様の回答をいただいたそうです。
また、西垣さんから報告を受けた中には、以前宮古島から報告のあった不明種/Dardanus sp.も含まれていました。このオイランに似たオレンジ色のヤドカリは、これまでもしばしば沖縄方面で発見されてましたが、未だ種名すら判っていません。実物による精査が必要だと思われますが、過去の経緯から恐らく新種ではないかと思います。あるいは国内初記録の外人さんかな?
その他、ゆぅぞぅさんにもお願いして、珍しいヤドカリの写真をいただきました。テナガヤドカリ/Dardanus woodmasoni (Alcock, 1905)です。このヤドカリは、ゆぅぞぅさんが駒井先生へ現物をお送りして同定を受けたものです。宮古島から確認された個体ですが、これまでもあまり多くは知られていないようで、駒井先生も実物を見たのは初めてとのことでした。また、今回の同定結果に至るまで、多種とのシノニム(同種異名)問題が絡み、かなり混乱があったそうです。もちろん僕もまだ見たことがありません。是非一度は見てみたいものです。
これまで結構な数のヤドカリを見てきたつもりでしたが、いやはや、まだまだヤドカリの世界は奥が深いですね。
写真をお送りいただいた西垣さん、ゆぅぞぅさん、ありがとうございました。そして駒井先生、いつもありがとうございます。僕もそろそろ今年の活動を始めようと思います♪
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