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最近のMaxspect改造事情

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDライト Maxspect Mazarra スペクトル 自作関連 電気系

例の自作向け最新LED素子を使って、最近手がけたMaxspect製品のフルスペクトル化の事例をご紹介します。

Maxspect max-s G2 160W フルスペクトル化

これもまだまだ現役ですね♪
高価なシステムLEDライトはそう簡単に買い換えはできないので、気に入ったモノを末永く使いたいです。その点、max-sは自分でLED素子が換装できるので重宝しますね。

このmax-s G2 160Wも、とってもジューシーなフルスペクトルに生まれ変わりました♪

Maxspect max-s G2 フルスペクトル化

実はこのmax-sも、以前ご紹介したように30Wモジュール用の電源が死んでました。
なので、どうせドライバ基板を交換するなら、モジュールの容量も設計に合わせて変えてしまおう♪と言う事になりました。
その結果、30Wモジュール回路の構成は以下のようになりました。

  • 白30Wモジュール → 400nm 10Wモジュール (2mmネジ穴×2追加)
  • 白30Wモジュール → 420nm 10Wモジュール (2mmネジ穴×2追加)
  • 60Wドライバ基板 → 20Wドライバ基板

出力は目的に合わせて敢えて弱くしました。40Wの省エネ!&長寿命化♪
で、目的というのは、ディープウォーターLPS仕様フルスペクトルです!
LPS仕様でのフルスペクトル化というのは初の依頼でした♪
KR90DRのようなスペクトルのイメージになりますね。

いざ、スペクトルのビフォー・アフター!

Maxspect max-s G2 フルスペクトル化 スペクトル変化

チャンネル構成は、

  • 水深10M程度のフルスペクトル白チャンネル
  • ワイドバンドブルーの深度の青チャンネル
  • UV強化チャンネル (LPS相手なので弱め設計)

素子数が多いので、特にデュアルチップ素子など必要とせずに実現できました。
max-sは各素子3W駆動なので、その意味でもデュアルチップの出番は少ないです。

光量のビフォー・アフター!

Maxspect max-s G2 160W フルスペクトル化
光量 換装前 換装後
消費電力 96W 112W
PPFD 378 umol/m2/s 762 umol/m2/s
JIS照度 16,300 lx 13,506 lx
簡易照度 18,810 lx 32,410 lx

さすがに5年前の各LED素子がすべて最新LED素子に入れ替わったので、パワーアップ感が半端ありません。PPFDが2倍ですぜ?笑

max-s G2 160Wの作業内容

  • 全LED素子+全スター基板+全コネクタケーブルの交換 → フルスペクトル化
  • 本体ファン異音→ベアリングクリーニング&グリスアップ
  • 電源ユニットファン異音→ファン交換
  • 電源ユニットのLEDインジケーター→UVチャンネル用にピンクに変更♪笑
  • 各種光学測定

max-s電源ユニットの30Wモジュール回路用LEDインジケーターをピンク色に変更♪笑

Maxspect Mazarra S ×2ユニット フルスペクトル化

MazarraはLED素子がすべて専用アルミ基板になってるので、基本的に、

  • 純正品を買うしかない
  • 純正品は正規ルート購入ユーザーしか売って貰えない
  • 並行輸入ユーザーは海外通販から買うしかない

等の制約があるのが難点です。僕も毎回苦労してます(汗)
ただ、Mazarra純正LED基板にも、

  • Cree XP用
  • Philips Lumileds Rebel用
  • 汎用パッケージ素子用

など色々種類があるので、依頼品の素子構成と依頼者が持ってる予備を上手く組み合わせて再構築していくしかありません。

Mazarra LED各種

今回はXP×2、Rebel×2、汎用パッケージ×6の専用基板を再リフローして、何とか以下のスペクトルを実現しました。

スペクトルのビフォー・アフター!

Maxspect Mazarra S フルスペクトル化 スペクトル変化

もう少しUV盛りたかったけど、もう再利用できる専用基板がなかった。。。汗
でもフルスペに次いだワイドバンドブルーが再現できました!

光量のビフォー・アフター!

Maxspect Mazarra S x2 フルスペクトル化
光量 換装前 換装後
ユニット1 ユニット2 ユニット1 ユニット2
消費電力 62W 48W 55W 55W
PPFD 728
umol/m2/s
513
umol/m2/s
572
umol/m2/s
604
umol/m2/s
JIS照度 19,688 lx 10,504 lx 11,762 lx 12,812 lx
簡易照度 31,330 lx 22,110 lx 24,280 lx 25,690 lx

* 消費電力が下がった(下げた)理由は後述します

預かった時はフロストレンズを装着していたので、透過効率を上げるために純正のプリズムレンズに交換しました。上記データはプリズムレンズでの測定値です。レンズが自由に選べるのもMazarraの売りですね。

その他、初期のMazarra Sは2台目のユニットの出力がやや控えめに改造されています。理由は、当初採用していた電源が120Wしかなく、フルパワー時に電源容量不足で動作不良を起こすためです。

Mazarra新旧電源アダプター

そのため、新型の160Wの電源アダプターに交換すれば2台目もフルパワーで使えるようになりますので、もし新型電源を調達されて且つご希望があれば、2台目のユニットを僕へ送って頂ければ1台目と同じ出力になるように回路変更します(部品交換要)
尚、これは僕が見抜いた仕様なので、メーカーでは正規対応してないと思います(汗)
もちろん、旧電源のまま2台目のユニットを正規出力に戻しても電源が動作不良(高温→保護回路→電源断)で使い物にならないのでご注意ください(体験済み)
(現行品は新型電源採用なので両機ともフルの60W仕様かな?と思われます)

参考までに新型電源アダプター情報も載せておきます。

Maxspect Mazarra 新型電源アダプター
Mazarra
電源アダプター
Mazarra S用
(兼Razor 160用)
Mazarra P用
CoralVue 品番 CV-RAZ-160W-PPS CV-MAX-PPS
Meanwell 品番 Meanwell NES-200-36 Meanwell NES-200-15
出力 160W 200W
電圧 36V (32-40V) 16V (13.5-18V)
電流 5.9A 14A

MazarraのSとPは出力電圧が異なっていて互換性がないのでご注意ください。
Sは、3W駆動×8直列=4.0V×8=32V程度の2チャンネル、
Pは、3~5W駆動×4直列=4.0~4.5V×4=16~18V程度の4チャンネル、
ですからね。

ちなみに今回は旧型アダプターを継続して使うため、ユニット2の出力復帰はさせず、むしろユニット1と2の出力を均一に揃える回路変更を双方に施しました。これで62W+48W=110Wだったのが55W+55W=110Wになりました。
試しにユニット2を60W相当に回路変更すると62W+60W=122Wとなり、案の定途中で加熱して電源が止まりました(汗)
電源アダプターは定格の範囲で正しく使いましょう(笑)

Maxspect Mazarra Sの作業内容

  • 一部LED素子の換装(LED基板再利用のための再リフロー) → フルスペクトル化
  • ユニット1とユニット2の出力を均一にするためのドライブ回路変更
  • 各種光学測定

Maxspect Mazarra P ×2ユニット フルスペクトル化

Pは4チャンネルあるので、A+B=白チャンネル、C+D=青チャンネル、とします。

  • A:白のみ
  • B:Achのシアン補完用
  • C:青450nm+470nm
  • D:UV 400nm+420nm

こんな感じにします。

スペクトルのビフォー・アフター!

Maxspect Mazarra P フルスペクトル化 スペクトル変化

PはBridgeluxの汎用パッケージの白LEDを多く使っているので、汎用パッケージの最新LED素子にバンバン換装でき、先ほどのSよりもUVが盛れました♪

光量のビフォー・アフター!

Maxspect Mazarra P x2 フルスペクトル化
光量 換装前 換装後
ユニット1 ユニット2 ユニット1 ユニット2
消費電力 64W 43W 62W 62W
PPFD 840
umol/m2/s
726
umol/m2/s
950
umol/m2/s
1,010
umol/m2/s
JIS照度 34,050 lx 25,880 lx 30,260 lx 31,250 lx
簡易照度 42,300 lx 33,300 lx 44,400 lx 47,200 lx

PPFDが1,000オーバー!
薄曇りの太陽光並みのPPFDです♪笑

このPも2台目の出力が控えめでしたが、これもやや出力が抑えてあったので回路変更し、またLED素子の故障も原因のひとつでしたが、換装によって改善されました。
電源も旧タイプでしたが、Pの電源は180Wあるので、2ユニットでの使用では電源容量の問題はありません。

Maxspect Mazarra Pの作業内容

  • 一部LED素子の換装(LED基板再利用のための再リフロー) → フルスペクトル化
  • Mazarra P特有のチャンネル配線ミス→ケーブルポジション変更
  • ユニット1のAチャンネルのコネクタケーブル破損→交換
  • LED固定パッドの接触不良→電極補修
  • ユニット2のドライブ回路変更
  • ユニット2ファン故障→ファン交換
  • 各種光学測定

以上、近況報告でした。

注意)
たまにご相談を受けますが、ご依頼品はご愛用中の製品のみでお願いします。
安価な製品を新規に買ってフルスペクトル化、というのはご遠慮願います(汗)

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自作向け最新LED素子再々入荷!

ブログ エイジ 12:51 コメント0件
この記事を含むタグの全記事リスト: LED スペクトル 自作関連 電気系

先日ご案内した自作向け最新LED素子の入荷待ち分が入荷しました。

  • 530nm
  • 470+500nm デュアルチップ
  • 590+630nm デュアルチップ

合わせて、以下の人気素子も底をついたので増産しました。

  • 400nm
  • 420nm
  • 470nm
  • 500nm

そして今回の入荷分から小技を効かせました♪
その名もカップペデスタル仕様!
KRでは以前から採用してますが、チップを載せる台座を通常のフラット型タイプからカップ型に変更し、少しでも集光効果が得られる仕様になりました♪

自作向け最新LED素子にカップ台座を採用

元々は白色LED用(蛍光体を溜める形状)なんですが、このカップ台座を単波長LEDに使うとリフレクター効果で反射光が前面に出るようになるので、ちょっとお得なんです♪笑
と言っても価格は同じです♪

自作向け最新LED素子のカップ台座の集光効果

お判り頂けただろうか?笑

そして、発光色もご紹介しておきます。

自作向け最新LED素子の発光色

また、従来の470+500nmデュアルチップは、480+500nm(実測475+500nm)に変更になりました。

自作向け最新LED素子のスペクトル

また、従来の400+420nmデュアルチップに加え、400+430nm(実測400+425nm)もありますので、ご注文の際にご指定ください。
ご注文はメールでお願いします。

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単波長LEDと蛍光体型LED

ブログ エイジ 00:32 コメント0件
この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDうんちく スペクトル

今日は唐突にLEDの特性をおさらいしてみたいと思います。

でも相変わらず長文なので(汗)、先に結論だけ見せておきます(曝)
長文や技術的なことが苦手な方はそのまま結論だけ覚えておいてください。
いずれ投稿される記事の理解に役立つでしょう。
しかし、頑張って解説も読むぜ!と言う方は、以下の解説表示をクリックしてください。
解説表示

単波長LEDと蛍光体型LEDの結論:

  • 蛍光体で作った波長強度は非常に弱いので、
    目的の波長の単波長LEDが存在するならそれを使うに越したことはない

    (例:シアン蛍光体LEDよりも、単波長500nmのシアンLEDを使うべし!)
  • UV系チップは蛍光体寿命を縮めるので、
    なるべく青チップを励起源とした蛍光体LEDを使うことが推奨される

    (例:UVチップ+蛍光体LEDよりも、青チップ+蛍光体LEDを使うべし!)
    ※但し、LED素子の製造元が一般平均的なLED寿命を保証してるならOK

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