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おいしい蛍光灯♪

この記事を含むタグの全記事リスト: T5 スペクトル 蛍光灯

アクアT5の未来のため、身近な蛍光灯バルブの中からフルスペクトル製品やワイドバンドブルー製品を見つけるべく、また既存の蛍光灯バルブの蛍光体バリエーションを把握しておくためにも、いくつかのバルブを取り寄せてみました。あいにく、全部T8ですが(汗)

蛍光灯バルブ各種到着

各発光色と価格。

蛍光灯バルブ各種光色

各発光色と、色温度・演色性の公称値と実測値の比較結果。( )内が実測値です。

蛍光灯バルブ品番と光色

ちなみに、いずれのバルブにも○PSEマークがありますが、蛍光灯バルブは経産省が定める電気用品安全法のうち、特定電気用品以外の電気用品(341品目) > 光源・光源応用機械器具 > 288:蛍光ランプ に該当するので、日本国内では○PSEマークが無いと販売する事が出来ません。なので、もし○PSEマークの刻印の無い蛍光灯バルブを見つけたら、危ないので経産省のご意見・お問い合わせフォームから通報しましょう。折り返し、経産省の製品安全課の担当者からメールが届くので、いつどこで購入したものか詳しくお伝えください。最終的には、担当者が首をかしげるような製品に対しては、経産省からの製品調査が入ります。但し、調査結果については守秘義務があるので第三者が知る事はできません(悪質なモノは経産省から該当業者に対して行政処分または警告がなされ、経産省のニュースリリースに掲示されるので、後日知る事はできるでしょう)

さてさて、気になる気になる実測スペクトルはこちら。

蛍光灯バルブ各種実測スペクトル

始めからフルスペクトルとワイドバンドブルーの目星を付けて注文したので、いずれも大変美味しいスペクトルでした~♪

メーカー 型番 適用 光色 演色
ランク
色温度
(実測)
演色性
(実測)
東芝 FL20SB 青色 - - - -
FL20SBW 青白色 - - - -
FL20SF 生鮮食品用 昼白色 - 5000K
(4822K)
Ra84
(Ra86)
FL20SN-SDL ネオラインデラックス 昼白色 AA 5000K
(4683K)
Ra90
(Ra85)
FL20SN-EDL 色評価用 昼白色 AAA 5000K
(4743K)
Ra99
(Ra97)
FL20SD-EDL-D65 色比較・検査用 D65 昼光色 AAA 6500K
(6092K)
Ra98
(Ra96)
NEC FL20SB 青色 - - - -
FL20SN-SDL 高演色彩 昼白色 AA 5000K
(4514K)
Ra92
(Ra91)
Panasonic FL20SN-EDL 高演色性 昼白色 AAA 5000K
(4805K)
Ra99
(Ra97)
FL20SN-EDL-NU 美術・博物館用
紫外線吸収膜付
昼白色 AAA 5000K
(4842K)
Ra99
(Ra97)
三菱 FL20SN-SDL ハイデラックス 昼白色 AA 5000K
(5091K)
Ra93
(Ra97)
FL20SN-EDL-NU 色評価用
紫外放射吸収タイプ
昼白色 AAA 5000K
(4862K)
Ra99
(Ra98)

あ、但しひとつだけ、東芝FL20SN-SDLはタダの3波長型ですが、これは あること を確認するために敢えて注文してみました。それは、今回各社の公称スペクトルを眺めていて気付いたのですが、もしかして生鮮食品用のバルブには大抵660nmが含まれている? と言う事を検証するためです。結果、植物育成用≒生鮮食品用を確信しました。 ま、価格的メリットはあまり無さそうですが、代用には十分であることと、バリエーションの少ない植物育成用と違って、生鮮食品用はこの660nmの放射強度に豊富なバリエーションがあるので、バルブの組み合わせによって目的の光合成量コントロールも可能になる、と言えそうです。水草などで興味のある方は一度お試しください。

生鮮食品用の蛍光灯スペクトルには660nmが含まれる

また、今回の調査で究極のマリンアクアリウム向けスペクトルの蛍光灯を発見しました。
味付け無しでこのままお召し上がれます♪
まさか、東芝が水深10M蛍光灯バルブを出してたなんて~♪笑

海中スペクトルと近似な蛍光灯バルブを発見!

なんと!
波長構成がそのまんま海中スペクトルやん♪
名付けるなら、ワイドバンドシアンかな?
これと、ワイドバンドブルーフルスペクトルホワイトを組み合わせたら、、、
ついに蛍光灯水槽にも太陽が降臨しますよ!

とりあえず国内の一般的なT8灯具の方は、上記バルブをすぐに試せます♪

一般的なT8蛍光灯灯具

巷の海水向けバルブの白系の多くは波長の欠落が多い3波長型なので、上記フルスペクトル白色バルブへ変更すれば色素タンパクに対するウィークポイントも克服されます。

ホワイト系蛍光灯の今までとこれからのスペクトル

また、海水向けバルブの青系もUV 400nmが欠落しているので、上記ワイドバンドブルーへ変更すれば蛍光タンパクはもれなく救済する事が叶うでしょう♪

ブルー系蛍光灯の今までとこれからのスペクトル

既存の蛍光灯を何本足しても補完できなかったUV 400nm域が、ワイドバンドブルー1本でガツンとカバー♪
蛍光タンパク励起波長域カバー率、世界最強!

そして、それらを白チャンネルと青チャンネルとしてブレンドした場合のスペクトル↓

ブルー+ホワイト系蛍光灯の今までとこれからのスペクトル

サンゴ飼育と色揚げのための夢の完全フルスペクトル蛍光灯構成を遂に実現!
もう、煩雑なバルブラインナップや波長不足に悩まされる必要はありません。
フルスペクトルな太陽の白とワイドバンドな深度の青、その2つさえあれば良い♪
まずは一般のT8灯具ユーザーさんからお試しください。

本数 用途 組み合わせ 実売価
2本 超浅場SPS 東芝 FL20SB 青色 (400nm強化) \580
東芝 FL20SF 生鮮食品用 昼白色 (580nm/660nm強化) \800
浅場SPS 東芝 FL20SB 青色 (400nm強化) \580
NEC FL20SN-SDL 高演色彩 昼白色 \240
好日ソフト NEC FL20SB 青色 \370
NEC FL20SN-SDL 高演色彩 昼白色 \240
深場LPS NEC FL20SB 青色 \370
東芝 FL20SBW 青白色 \580

* 上記はあくまでも波長再現ですから、必要な光量については本数で確保してください

2本に独立したコンセントがあるなら、タイマーを併用して、朝夕は青チャンネルのみで蛍光タンパク促進、日中は青+白でサンゴ礁再現♪なんてのもお勧めです。
3本以上での組み合わせでお悩みの方はご相談ください。

T5ユーザーさんは、どこかのアクアメーカーが名乗りを上げるか、僕が実現に関わる機会を得るまで、気長にお待ちください。

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T5レビュー:JBL SOLAR ULTRA

この記事を含むタグの全記事リスト: T5 スペクトル 蛍光灯

先日、海外通販で注文しておいた商品が、独と米国から届きました。
同時に注文して、約一週間後に同時に到着♪

独と米国から通販した商品が到着

中身はこれです。

独JBLと米国NaturesSunliteのT5バルブ

写真上から、

いずれもT5バルブです。

魅惑のフルスペクトル陣

JBLのT5は、前回提案したフルスペクトルT5を実験するために注文してみました。
公称スペクトルはこのようになっています↓

JBLの公称スペクトル

プリンス社のカラーランプ・ブルーと同じ蛍光体構成のワイドバンドブルーと、同JBLの製品ラインナップから見つけた淡水用のフルスペクトル白色9000K!
なんと! JBLのT5だけでフルスペクトルT5が実現しちゃうじゃん♪

そして、以前紹介した正真正銘フルスペクトル蛍光灯バルブVITA-LITEの互換を謳った、NaturesSunlite Full Spectrum 5500Kと言うフルスペクトルT5バルブも見つけました。恐らくVITA-LITEに近似なフルスペクトルを予想♪

NaturesSunliteが互換を謳ってるVITE-LITEの実測スペクトル

これだけ揃えば、
浅場フルスペクトルT5(KR93SP風)
超浅場フルスペクトルT5(KR93XP風)
実現できそうです♪

各バルブの発光色

まず、光色を確認してみました。
今回、同じバルブを各4本ずつ取り寄せたので、以下の写真はすべて同じバルブです。

JBL SOLAR MARINE BLUE ULTRA

JBL SOLAR MARINE BLUE ULTRA 発光色

ん~・・・なんか光量にバラツキがあるなぁ。。。

JBL SOLAR NATUR ULTRA

JBL SOLAR NATUR ULTRA 発光色

9000Kなので、ちょい青っぽい白色バルブですが、光量は揃ってます。

NaturesSunlite Full Spectrum F24T5 HO, 5500K, 91 CRI

NaturesSunlite Full Spectrum 5500K 発光色

あれれ、こっちは光色がかなりバラついてるなぁ。。。大丈夫かなぁ。。。

驚愕の実測スペクトル

さあ、お待ちかねのスペクトル測定結果です!
出力のバラつきを確認するために、各サンプル4本とも全て測定比較しています。

JBL SOLAR MARINE BLUE ULTRA

JBL SOLAR MARINE BLUE ULTRA 実測スペクトル

早速ですが、過去最悪の詐欺が発覚しました(大汗)
このスペクトル、各社も出してるただのActinicバルブです。。。
出力もかなりバラついてるし。。。

This is a real spectrum of JBL SOLAR MARINE BLUE ULTRA.
This bulb is a spectrum fraud product.
It was greatly different from the official spectrum of JBL.
This spectrum is the same as “Actinic” which many other makers supply.

JBL SOLAR NATUR ULTRA

JBL SOLAR NATUR ULTRA 実測スペクトル

上の青球の詐欺が酷すぎて可愛く見えますが、こっちもかなりの詐欺です(汗)
一般的な3波長蛍光灯と大差ないやん。。。

This is a real spectrum of JBL SOLAR NATUR ULTRA.
This bulb is a spectrum fraud product, too.
It was greatly different from the official spectrum of JBL.
This spectrum is the same spectrum as general 3 band fluorescent bulbs.

NaturesSunlite Full Spectrum F24T5 HO, 5500K, 91 CRI

NaturesSunlite Full Spectrum 5500K 実測スペクトル

フルスペクトルVITA-LITE互換ってことだけど、この場合の互換って、人間の目を欺く演色性だけの話のようです。所詮、スペクトルまでも踏襲したものではないってことね。
ま、同じVITA-LITEでさえ、スパイラル電球型は3波長だもんね。フルスペクトルは直管だけだもん。。。

実測スペクトルと公称スペクトルの比較

各グラフとも、赤線が実測スペクトルで、背景が公称スペクトルです。

JBL SOLAR MARINE BLUE ULTRA

JBL SOLAR MARINE BLUE ULTRA 公称スペクトルと実測スペクトルの比較

公称スペクトル自体は、実在するプリンス電機のカラーランプ・ブルーと同じものですが、中身は一般的なActinicバルブと言うオチ。。。こんな酷い詐欺は初めてです。。。

JBL SOLAR NATUR ULTRA

JBL SOLAR NATUR ULTRA 公称スペクトルと実測スペクトルの比較

相対比をどんなに調整してもシンクロ不能でした。。。

NaturesSunlite Full Spectrum F24T5 HO, 5500K, 91 CRI

VITE-LITE 実測スペクトルとNaturesSunlite Full Spectrum 5500K 実測スペクトルの比較

お願いだから、こんなスペクトルでフルスペクトルを謳わないで欲しいね。。。

以上、予想に反して気合いの抜けたタダの詐欺被害報告となりました(汗)
本当はフルスペクトルT5を満喫する記事になるはずだったのに。。。
今まではJBL社のスペクトルには感心してたのに、まさかこんな結果になるとは。。。
メーカーの公称スペクトルさえ信用できないとなると、今後は自分で実測したものしか勧められないなぁ。。。てことは、測定器持ってる人の仕事が増える。。。汗

と言う訳で、とりあえずフルスペクトルT5は当分お預けです。。。

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スペクトル測定は露光時間を適切に

ブログ エイジ 20:24 コメント0件
この記事を含むタグの全記事リスト: スペクトル 測定器

普段からLEDのスペクトルに慣れている方ならすぐに気付くような事でも、
そうでない方はなかなか気付く事が出来ない?
と言う事例をご紹介します。

まず、以下のスペクトルをご覧ください。

フルスペKR93SPのスペクトルが、遂にUV 380nm大盛りになりました♪

フルスペが379nmピークに♪

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

はい、あなた、正解です。
LEDのスペクトルは、決してこんな曲線にはなりませんよね?
そう、気付くべきは、UV 380nmピーク周りの曲線形状の異常です。
僕なんかはすぐに気付くのですが、よほどのLEDマニアじゃないと無理かな?
ま、少なくともLEDのスペクトルを語る業務の方は、磨いておくべきセンスです。

例えば、僕も使ってるスペクトロメーターUPRtek MK350では、露光設定をオートにしておけば、光源の明るさをいちいち考えなくても自動的に適切な露光時間を算定(カメラで言うところのAE)して測定してくれます。そのため、スペクトルの最大値を100%とした適正な相対グラフが容易に得られます。
一方、よりプロフェッショナルな使い方として、露光時間を手動で設定できるマニュアルモードも用意されています。しかし、当然ですが、露光時間を光源の明るさに応じて適切に割り当てなければ、カメラで言うところのオーバーにもアンダーにもなってしまいます。

と言う訳で、上のスペクトルは、実は幻です。残念でした~汗
敢えて露光オーバーで測定したインチキスペクトルだったんだぜ~?笑

種明かしをすると、こうです。

MK350の露光時間設定の違いによる測定結果の違い

上が露光オーバーで測定したインチキ、下が正しいスペクトル、共にフルスペです。
採用されている最も単波長のLED素子が400nmなのに、このように379nmピークなんて出ちゃってます。これは、400nmのスペクトルの立ち上がりの波長部分が既に露光オーバーになったために起こった現象です。

似たような紛らわしいインチキスペクトル例としては、GIESEMANN PowerChrome - PureActinicがあります。これも同様に露光オーバーだったのでしょう。完全にJAROな案件です。知っててやったなら詐欺。未だに公式サイトに貼られてるけど。。。汗

GIESEMANN PowerChrome - PureActinic 適正スペクトルと露光オーバースペクトル

同じようにこの蛍光バルブを意図的に露光オーバーで測定するとこんな感じになりました。
ピークが387nmになってUVリッチに♪笑

まあ、通常は露光設定はオートに設定しておけば問題ありません。
マニュアルで使う事は、まずないです。
ましてや、露光をよく理解されていないなら、使わない方が無難です。

以上、LEDクリエイターからのワンポイントアドバイスでした♪

尚、他にも判断がつかない怪しいのを見かけましたら、お気軽にご相談ください。

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