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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

T5レビュー:GIESEMANN PowerChrome

この記事を含むタグの全記事リスト: T5 スペクトル 蛍光灯

ふとした経緯で、ギーゼマンパワークロムと言うT5ランプを試すことにしました。
検索したら、たまたま見つけた即日発送と言う売り文句に惹かれ即注文♪
ブルーミングアクアさんです。
基本的に在庫販売なので、15時までの注文分は大抵即日発送できるそうです。
よくある受注後に取り寄せと違って、急ぎの時なんかはありがたいですね。
ま、別に急いでなかったけど、待たずに済むならそれに越したことは無いですし。

今回は気になる5タイプを購入。ピンク系とか赤の入ったモノは辞退しました(汗)

GIESEMANN PowerChrome

  • GIESEMANN PowerChrome - Midday
  • GIESEMANN PowerChrome - AquaBlue+
  • GIESEMANN PowerChrome - LagoonBlue
  • GIESEMANN PowerChrome - Actinic+
  • GIESEMANN PowerChrome - PureActinic

GIESEMANN PowerChrome 球

光色はこんな感じ。

GIESEMANN PowerChrome 光色

個別にスペクトルを測定してみました。

GIESEMANN PowerChrome 各ランプ実測スペクトル

最後のPure Actinic、、、残念でした(苦笑)
まあ、そうだろうねぇ。。。

では、さらに突っ込んで、実測値とメーカー公称値を比較してみます。

GIESEMANN PowerChrome 各ランプの実測スペクトルと公称スペクトルの差異

1番目のMiddayは、公称値はなかなかフラットな理想的なスペクトルでしたが、実測値は普通に緑の前後が沈んでますね。まあ、むしろその方が妥当な曲線です。

2番目のAquaBlue+は、ATIで言うところのAquablue Specialです。ほぼ一致。

3番目のLagoonBlueは、AquaBlue+とActinicを足したような感じ。意図的に混ぜて作り出すくらいなら、これ一本で済むので意外と重宝するかも?

4番目のActinicは紛らわしい名前だけど、ATIで言うところのBlue Plusです。まさに。なんでこの名前にしたんだろう?

5番目のPureActinic、これこそATIで言うところのActinicそのものです。残念ながら公称スペクトルのUV大盛りは何かの手違いだったようです(笑)
ま、やっぱり所詮こゆのは一般向け製品の流用品なので、アクア専用に開発された蛍光体を使ったT5なんて存在しないのでしょう。あっちもこっちもみんなみんな兄弟です。
次回、ATIの同様のレビューを出しますので、その際に比較してみてください。

とりあえず、スペクトルだけ見れば、

  • PowerChrome AquaBlue+ ≒ ATI Aquablue Special
  • PowerChrome Actinic+ = ATI Blue Plus
  • PowerChrome PureActinic = ATI Actinic

と言うオチでした。

それにしても、このPowerChromeの公称スペクトルは、かなり適当ですねぇ(汗)
適当と言うより、これ、多分測定器が壊れてるか、測定方法が可笑しいです。
グラフを作成した時点で気付かなかったのかしら???
わざと放置してるなら景品表示法違反でしょっぴくぜぇ?

The official spectrum is considerably wrong.
Probably the measuring instrument is out of order, or the method is wrong.
When a graph is created, GIESEMANN should notice.
It is a fraud if maker perform it intentionally.

最後に、ATI SunPower 24W×4を使って、およそ実用的な構成も試してみました。

  • 系統 1 (白ch): Midday + AquaBlue+
  • 系統 2 (青ch): Actinic+ + PureActinic

でもMiddayの替わりにAquaBlue+×2の方が良いかも?

GIESEMANN PowerChrome 実用構成

色温度は計測不能ですが、x,y座標から見て、およそ50000Kくらいかな?

尚、PureActinicは1本しか入れなかったので、400nmは相対値で約2割しか確保できてませんから、ブルー系蛍光タンパクに対してはちょっと物足りないかも知れませんね。。。
まあ、足すにも限界がありますが、灯具の許す限り入れたいところです。

さて。スペクトルはこの辺にして、次は光量の測定結果を見てみましょう。
手を抜いてメタルラックに載せて測ったので、ちょい暗めに出てるかも(汗)

結果は・・・うーん。。。PowerChromeって、ATIより結構暗いようです(汗)
ま、これが価格差って奴かも知れません。まさに差額1,000円分の違いが。。。笑

100W構成
30cm測定
ATI GIESEMANN
PowerChrome
eco-lamps
KR93SP 24″
試験灯具 ATI SunPower 24W×4 -
構成 Aquablue Special ×2
Blue Plus ×1
Actinic ×1
=96W
Midday ×1
AquaBlue+ ×1
Actinic+ ×1
PureActinic ×1
=96W
白ch 63W
青ch 28W
=91W
交換球価格 (24W) 約3,000円 (1本) 約2,000円 (1本) -
JIS 照度 (AA) 10,814 lx 8,936 lx 18,368 lx
簡易照度 (CIE) 19,560 lx 14,880 lx 34,530 lx
PPFD 372 umol/m2/s 275 umol/m2/s 666 umol/m2/s
UV (UVA-UVB) 19.1 uW/cm2 39.1 uW/cm2 51.7 uW/cm2

* クリアパネルを外して測定、30分点灯後に測定

参考にフルスペも並べてみました。いじわる?笑
PowerChromeの方は専用灯具じゃ無いので云々・・・と言うケチが付くかも?笑

考え方としては、PowerChromeの方の白chにLagoonBlueが入ってる分、ATIの構成に比べると緑の帯域の強度不足がやや照度結果に影響したかな?とも考えられますが、それだけでPPFDに100umol/m2/sも差が付くことは考えられないので、要するにPowerChromeはATIよりも2割は暗い、と言うことができそうです。但し繰り返しますが、純正灯具だとどうなるのかは判りませんよ?よ?

また、UV値について念のため補足ですが、どこかにも書きましたが、フルスペの場合はLEDは単波長なので、UVメータが示す値は明らかに380-400nm(400nm LED由来)のUV強度を表しますが、T5の場合はUVメータの測定範囲280-400nm全域に微量の漏れUVを発しているため、それらが積もり積もった総和量としての値になります。よって、T5のUV値を見ても感嘆には値しませんからご注意ください。

  • LED(400nm入り)のUV測定時の判断:
    UV値 ≒ 400nm LEDの短波長側成分(380-400nm)の積算値
  • T5のUV測定時の判断:
    UV値 ≒ 280-400nmの全域の漏れUVの総和量

今回はPureActinicの公称スペクトルに期待(350-400nm大盛り?)してのレビューでしたが、残念ながらそんなに美味い話は無いって事が判りました(曝)
そんでもって、ギーゼマン・パワークロームは安かろう暗かろうと言う結果も判明?したので、その辺をよく理解した上で使用する分には問題ないと思います。

以上、参考になれば幸いです。

こちらのエントリーもどうぞ♪

禁断の異種格闘技100W対決(データのみ)

この記事を含むタグの全記事リスト: ATI eco-lamps KR93SP LED LEDライト T5 スペクトル

年明け第一回目は、異種格闘技 LED vs T5をお送りします。

実は昨年11月には実施済みでしたが、諸々の配慮?から公開を自粛してました(笑)
とは言え、せっかくのお正月なので、とりあえず お年玉替わり にデータのみ公開します。
すっかり首が伸びてしまった方、ごめんなさい、こんなんで許して(汗)

あ、お正月、お年玉、と言えば・・・

明けましておめでとうございます♪
今年も宜しくお願いいたします。

ちなみに、過去のLED vs メタハラ(KR93SP vs SC115)も参考にどうぞ。

尚、どーしても僕の超絶解説付きが読みたい方は、いいね!をクリックしてみてください。
そうね、100人超えたら考えましょう♪(書く気なしか)

LED 100W vs T5 100W : カード

LED :eco-lamps KR93SP 24″ (2nd後期)
T5 : ATI 24″ 4×24W SunPower

KR93SP 24" & SunPower 4x24W

KR93SP 24" & SunPower 4x24W, サイズ

LED 100W vs T5 100W : 構成

■KR93SP 構成

  • 白チャンネル ・・・ LED×63素子 = 63W相当
  • 青チャンネル ・・・ LED×28素子 = 28W相当
  • 計91W

■SunPower 構成

  • 系統1 (白ch相当) ・・・ AquaBlue Special ×2 = 48W相当
  • 系統2 (青ch相当) ・・・ True Actinic + Blue Plus = 48W相当
  • 計96W

KR93SP 24" & SunPower 4x24W, 光色

分光スペクトル対決結果

スペクトルの測定にはUPRtek MK350を使用。

KR93SP 24" & SunPower 4x24W, スペクトル

注) KR93SP 2nd後期は青系出力がアップしたのでUV系出力に追いつきました

光合成光量子束密度 PPFD [μmol/m2/s] 対決結果

PPFD測定にはApogee MQ-200を使用し、エクセルでグラフ化。

KR93SP 24" & SunPower 4x24W, PPFDグラフ

参考:サンゴの生育に必要なPPFD強度

Coral and their light requirementd μmol/m2/s
Mushrooms, Zooanthids, soft corals 50-100
LPS, some SPS 100-200
Axropora, Montipora, SPS, clams 200-500
Very few SPS 600-1,000

* CORAL Volume 8 Number 5 P47より引用

尚、T5の名誉のために補足すると、例えメタハラ150Wでも今回のT5 100WのPPFDと同等かそれ以下です。決してT5だけが弱い訳ではなく、レンズ付きLEDライト(今回の場合KR93SP)が秀逸すぎるだけなのです。それに、T5やメタハラならガラス面による反射光も加味されるので、もう少し光量もアップするでしょう。仮にそれで足りなくてもZEOvitなら積極的に抜く方向なので問題ないでしょう。
逆にLEDでZEOvitをする際は「抜けすぎ」に注意してください。特にマニュアルはT5で最適化されてるでしょうから、単純計算でも光量に反比例した調整を。

参考:メタハラのPPFDグラフ (MT250/MT150/SC)

PPFDグラフ:MT250, MT150, SC115

以上、データだけでも足りたよね?

こちらのエントリーもどうぞ♪

不都合な真実:T5はどうか?

この記事を含むタグの全記事リスト: T5 スペクトル 蛍光灯

前回までの関連記事

前回までに様々なメタハラのスペクトル測定結果をご紹介しましたが、多くの球にはある程度のスペクトル特性の癖があり、特に青系の球は微妙な演色の調整により、色味こそ違えど含まれている波長は大差ない事が判りました。よって極論を言えば、色の好みで球を選んでも波長の心配は無用、と言えそうです。そしてそれが言わばメタハラのメリットだったのでしょう。
しかし、あいにく今回は赤外線問題が発覚したので、せめて、この夏の節電に向けた球選びに役立てていただければと思います。

さて。まだ続きます。
実はメタハラ以外にも色々と測定してきました。
あ、もちろんLEDも測りましたが、それはまた次回。
今日はT5蛍光灯の測定結果をお送りします。

T5と言えばZEOvit。ZEOvitと言えばT5。なんかそんなイメージがありますが。。。

いろんなT5蛍光灯のスペクトル

えっと、何コレ? みんな兄弟ですね(笑)

前々から薄々判ってましたが、改めて蛍光灯って人間の目を満たすための光源なんだなぁと実感しました。人間の目って青と緑と赤を足せば白色光に見えますから、三波長型蛍光灯のように光の三原色が基本形になってる訳です。それ故、蛍光灯の原理として発光体の紫外線から励起される蛍光体のバリエーションも、450nmピークの青、540nmピークの緑、620nmピークの赤が主波長であり、本当の意味で波長目的のアクア向けランプの開発が行われない限り、400nmピークや500nmピークなどの特殊な蛍光灯は生み出されないと言う訳です。少なくとも今回測定対象となったアクア向け蛍光灯ランプ群の中には、そういったこだわりの製品は見受けられないように思いました。あくまでも一般向けランプの製造ラインを流用してのOEM製品の域を出ないものでしょう。その証拠に、巷の植物育成向け蛍光灯ランプでさえ、主波長構成はほとんど同じものです。2年以上前の古い記事ですが、それらの波長について触れた記事があるのでご参考ください。
雑学5.光合成色素の種類
ま、陸生植物のみをターゲットにしたなら、これらのスペクトルは各種光合成色素の吸収波長の要求とおよそシンクロした波長構成と言えるのですが、海水の場合は相手が光合成色素だけでは無く蛍光タンパクも備えた生物なので、特に400-500nmの波長強度は妥協する訳にはいきません。そのための専用設計の蛍光灯ランプがあれば良いのに、と思いました。

以下、今回測定した蛍光灯ランプの個別のスペクトル特性です。

いろんなT5蛍光灯のスペクトル 300-1100nm

演色を無視するなら、正直RGBの三波長がある程度カバーできてるタイプのいずれかひとつの球さえあれば、波長的にはそれ以上加算する意味はなさそうです。よって、こちらもまた、メタハラの時のように好みの色を作る事だけに注力して球を選択すれば良いのです。

今回たまたま蛍光灯ランプをブレンドした場合のスペクトルも測定したのでご紹介します。以下は、KZ社のSuperBlue 20000K、FijiPurple、NewGeneration 14000Kの3種の球をブレンドした例です。FijiPurpleはよく耳にするので人気がありそうですね。

KZ社T5蛍光灯3種ブレンド例

メンタル面でも満足度の高いブレンドだろう(汗)と思われますが、実は波長構成は大して変わらないことが判ります。変わったのはこれらの波長の比率による演色(目に見える色味)だけです。まあ、緑が強くなったり、赤が強くなることでの生体の反応の変化は勿論期待できますが、ユーザー意識としての「色んな球を足せば波長が補完しあって満遍なくスペクトルが形成されそう♪」と言う甘い期待は見事に裏切ってくれています(汗)

では、400nmや500nmを強化するにはどうしたら良いのか?
うーん。。。それに特化した製品が出ない限り、蛍光灯のみでは難しいと思われます。

  • 紫外線(400nm以下の本当のUV)や赤外線を無駄に含まない光源。。。
  • そして水温を上げたり無駄にクーラーをガンガン稼働させない光源。。。
  • 波長を満遍なく均一に再現できる光源。。。
  • 無駄に拡散せず水槽だけを効率よく照らせる光源。。。
  • ランニングコストの低減、設置スペース、調光などの機能面。。。

なんだ!
えるいーでぃがあるじゃんっ♪

一旦CMです。
ここまでの放送は、こっそりアップしたのに嗅ぎつけられて困る応援市場の提供でお送りしました。特にフルスペ12インチは時間の問題です。。。

こちらのエントリーもどうぞ♪