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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

紫外線LED:渇虫藻

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本日はじらさずに二投目いきますね(笑)
今朝に引き続き、訃報からのリプレイです。

スギノキの亡骸

ガーン!!!
ハッカー来襲です!(懐かしいな)

正直、ミドリイシって難しいなぁ~なんて(^^;
過去のスキルがまるで生かされてないっ!
え? 飼ってましたよ。失礼なっ(笑)
ちょっと引き出しが硬くなってるだけ♪

で、斃死に至る経緯は、

  1. 大阪から帰還後、ライブロチェックバケツに浮かべたまま、正味3日間袋のままで放置
    この時点で、酸欠&光耐性低下か?
  2. いきなりLeDio7パールホワイトを15cm(約16,000lx)で照射
    調子こいてLeDio3 UVも15cm(約1.9mW/cm2)で照射
  3. 翌日、光障害に気づきUV中止、LeDio7を20cmに設定変更
  4. しかし、すべてのポリプの上面(光の当たる面)に白化の進行が見られる
    とは言え、構造上、照明アームをこれ以上高く伸ばせない(汗)
    なので、角度を少し外して様子を見るも、ポリプは萎縮したまま。。。
  5. 12/10、突然一気に白化。と言うか、まさにRTNの如く共肉剥離にて終了

やはり、衰弱個体に対する光の順応ケアが至らなかったことが原因と思われます。
通常の輸送でも光の耐性回復までは緩やかな光量の調整が理想的ですが、普通に一夜程度の日照範囲で許容される輸送時間なら、さほどの問題にはなりません。しかし今回はあまりに放置が長すぎました。しかもそこまでいくと極度の酸欠も懸念されますし、光合成回路にも支障をきたします。そこへいきなり強力な光を当てた訳ですから、衰弱による免疫の低下も相まって、光合成障害、活性酸素障害、光合成色素の破壊、何らかの感染症など、もう何がどう絡んだか判らないくらいの原因が推測されます。UVも初日だけとは言え、これらの障害を進行させる方向で働いたのは間違いないでしょう。

僕のバカーっ!!!

そこで一句。

紫外線、日焼けのあとの、 白い肌。

バカバカー!!!

さて、今朝の予告について。
このスギノキの死を無駄にしない「ある作業」とはなんでしょう?
それは、渇虫藻を顕鏡すること♪
そう言えば、今まで見る機会なかったなぁ。。。と思って。

で、VMワラワラ実験以来の久しぶりの顕鏡結果です。

共肉内の渇虫藻

意外と粒が大きかった。。。恐らく約20μm前後はあります。茶色い丸いの。
この写真は共肉内の細胞群の様子で、渇虫藻よりも小さな綺麗な粒々もたくさん見えますが、これらには一切の動きはありません。渇虫藻って動かないのか。。。つまんない。

共肉から排出された渇虫藻

こちらは共肉から流出してしまった渇虫藻やその他の細胞です。
なんか顕鏡してるうちにだんだん色が変わってきたような・・・?
先日、顕微鏡の電球をLEDに改造して光量アップしたので、なんか反応してんのかな?

それよりも面白い動画が撮れました。
今回の顕鏡も従来どおりの方法で、普通にスライドガラスへ細胞片を乗せ、カバーガラスを当てただけのものですが、共肉の収縮あるいはカバーガラスの圧迫による影響か、見ているとスライドガラス内にみるみる対流が発生し、すべての細胞がせわしなく動いて見えるのです。
いや、実際に動いているものも居るのですが、それらは恐らくサンゴ由来ではなく、さしづめ斃死した共肉に群がってきたピコピコ群と思われます。だって共肉の中にはピコピコいなかったもの。。。

いまさらながら、ちょっと感動。。。
しかも、なぜか見てるうちにカバーガラスの中に気泡も発生してきました。
まさか渇虫藻の光合成によって酸素が発生してたのかしら?
もしそうなら非常に面白いです。よね?(笑)

また、茶色いのは渇虫藻と察しがつくけど、更に小さくて綺麗な粒子は一体何でしょう?
スギノキ自身が持つ蛍光色素なのか、はたまたこれが例のMAAsと関係があるのか?

ちなみに、この顕鏡で少しでも原因が判れば、と思っていたのですが、サッパリでした(笑)
少なくとも、共肉内部に進入していそうな暴れん坊は何も見つかりませんでした。
一方、共肉の表面には1~5μm前後のピコピコが走り回ってましたが、恐らく共肉の損傷を嗅ぎ付けた細菌か鞭毛虫の類だろうと考えてます。
やはり、光障害による自滅的斃死だったのでしょうか。。。
あるいは、この倍率でも見えないようなもっと小さな怪獣でもいたのかなぁ。。。

て言うか、健常なミドリイシの渇虫藻も一度見てみるべきですね。
それで何か違いがあれば、今回の斃死の原因も何か糸口が見えてくるかも?
そのためには、まずは残りの枝たちを早く元気にしなければっ(汗)
ま、仮に僕が転けたら、最悪は特別モニタの方々に託します♪

あ。そうそう。
今回のUV-LEDランプの特別モニタ用の初号機隊が、今朝到着しました♪
で、すぐさま発送も完了しました。
が、本日は土曜日で近所の郵便局が閉まってたので、大きな郵便局までハイキング(笑)
たまにはお外の空気も良いですねぇ(^^;

では、今後の各プレイヤーのモニタ記事もお楽しみに♪
誰に送ったのかな~?
さっき電話したら、みんな東京にいました。良いなぁ。。。
僕は今日も凛々しく自宅警備員です♪

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紫外線LED:脚光

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じらしております♪

それでは、先日だにやんから頂戴したミドリイシの中から、スギノキの欠片をモデルにご紹介しましょう。

スギノキへのUV照射テスト

やはり一番目立つのは、LeDio3 UVのその威力でしょう。6,000K下では茶色く見えるスギノキも、これを当てるとグリーンが乗ります。ランプ単体では、まさにメタリックグリーンですね(汗)

で、本命のLeDio7+ですが、このスギノキに関してはブルー&UV光で励起する蛍光色は持たない(目立たない?)ようで、僅かにポリプ口にグリーンが乗るだけでした。

あ、ちなみにこのスギノキは、元々は茶色ではありません(多分)
今回は例の導入ミスが痛かった訳ですが、スギノキに限らず他のミドリイシも同様、未だチアローゼモード全開で、今なお心を閉ざしたままなのです(汗)

ま、さらに暴露すると、実はこのスギノキは、昨日天国に旅立ちました(大泣)

と言うのも、初日はポリプも出てたので、特に障害は無かったと判断(これが甘かった)し、いきなりLeDio7パールホワイトを15cmでガンガン当て、しかも上記のように調子こいてLeDio3 UVも当ててました。
が、翌日ポリプの出し方が可笑しかったので、UV障害か?と思いすぐにUVのみ外したのですが状態は変わらず。。。
本当はこの時点で光障害に気づけばよかったのですが、スギノキを不死身の如く買いかぶっていたことと、LEDの光強度を完全に甘く見ていたことが仇となりました。考えてみれば、LeDio7パールホワイトは15cmで16,000lx以上も搾り出すので、衰弱個体にはかなりの負担となったようです。
結局、さらにランプを20cmに引き上げて様子を見ましたが、時すでに遅し。昨日未明、突然糸が切れたように一気に共肉が剥離して、天に召されました。

気づいたときは。。。

スギノキの亡骸

だにやん、ごめん。
10年ぶりのミドリイシで、完全に腕が錆びてました。。。反省。
残りの子らは、今は慎重に進めています。
まだATフィールド全開ですが。。。

で、この子の斃死を無駄にしないためにも、過去に僕が一度も試したことのなかった、ある作業に取り掛かりたいと思います。

またまたつづく。

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紫外線LED:波動砲

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お待たせしました。
前回に引き続き、もうひとつのサンプルをご紹介します。
その名も・・・LeDio3 UV!
ま、まだ売るかも決まってない、僕も聞いてなかった、全くノーマークのナンバーです♪

LeDio3 UVのサンプル

届いたときは、あまりに小さいので、E26ソケットの中継アダプターかと思いました(汗)
しかし刻印を見てみると・・・なんと「Ultra Violet」とな!?
早速、恐る恐る点灯してみると・・・ぎゃぁぁぁ!!!
沁みるぅぅぅ!!!

なんと、このランプ。UVランプでんがな。
しかも1W×3でんがな。
・・・エライもん送ってきたな(汗)
まるで波動砲やん(^^;

で、早速その威力を測定してみると。。。

30cmデータ
照度 6,100lx
紫外線量 0.52mW/cm2
照射面積 強い部分で約8×8cm
ビーム角 およそ15°

マジですか!!!
紫外線量もひれ伏す値ですが、照度が6,000lx越え!?
しかもこのランプに使用されたUV素子は、前回ご紹介したLeDio7+に搭載されたUV素子と同一のものだと言うのです。
え? なんでこんなに差があるの?
それは、1素子+60°レンズと、3素子+15°レンズ、と言う設計の違いによります。
簡単に計算してみましょう。

まず理論的には、照度と光束には以下の関係があります。

照度 [lx] = 光束 [lm] ÷ 面積 [m2]

この公式に今回のLeDio7+とLeDio3を当てはめてみると、

■LeDio7+ 60°
30cm照度: 3,800 lx (前回紹介値)
30cmの面積: 0.09424 m2 (角度計算から)
素子1ヶあたりの平均光束量: 約 51 lm
■LeDio3 UV 15°
30cm照度: 6,100 lx (今回測定値)
30cmの面積: 0.00490 m2 (角度計算から)
素子1ヶあたりの平均光束量: 約 30 lm

LeDio3の値を用いて再度LeDio7+厳密に逆算すると、

■LeDio7+の青素子
51×7 = 357 lm
357 - 30 = 327 lm
327 ÷ 6 = 青1素子あたり約 55 lm

と言う感じです。
ちなみに、青もUVも共にちょいスペック高すぎる気がする(汗)けど、レンズの誤差や特性ムラなどを考慮すると、もう少し低いくらいでしょうね。

ちなみに、ボルクスジャパンにこのサンプルがなんなのか尋ねてみましたら、もし需要があるようなら販売しようと考えておられるようです。でも、実際に僕が使ってみた感想は、例え特定のサンゴ用スポットにする場合でも、ビーム角が鋭すぎて目的のサンゴと言うより目的の枝しか照らせない(笑)ので、もう少し広角にできないか?と提案したところです(笑)
ボルクスさん、頑張ってください♪

またまたつづく。
次回はスギノキへの照射テストです♪

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