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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

紫外線LED:破天光

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破天荒
「今まで人がなし得なかったことを初めて行うこと」。
前人未到の境地を切り開くこと。
by Wiki

「破天荒」は意外と違う意味で捉えている人が多いですみたいですね。
型破りとか、豪傑とか、そんなんとちゃうそうですよ(笑)

さて、待ち遠しかったUV搭載LEDランプのサンプルが届きましたよ!
1.023world×volxjapanの初のコラボ製品です!
その名も「破天光」♪
天を裂く光、まさに紫外線を随えた目も眩む灼熱の波動に相応しいナンバー♪

あ、僕が勝手に言ってるだけで、正式名ではありませんよぉ~(爆)
正式名は暫定で、LeDio7+(プラス)です。

カラーは何タイプあるの?
UV素子はどんな仕様なの?
はい~、まだ秘密でしゅ~♪
チョイじらしておきましゅ~(笑)

LeDio7+ DeepBlue(Blue+UV)のサンプル

とりあえず型番から足がつくので、ワット数だけお知らせしておきませう。
このサンプルは、カラー素子もUV素子も全て1Wです。
画像のモデルはオールブルーで、中心にUVを備えたタイプです。
差詰め、ディープブルー・プラスと言ったところかな。

重量は現行のLeDio7(236g)よりチョイ軽めの約210g♪
ランプ前面もLeDio7(94mmφ)よりかなりシェイプされた約70mmφ♪
但し全長はLeDio7(75.5mm)よりチョイ伸びて約100mm。
しかし、何と言っても放熱性をかなりアップしたそのヒートシンクが素晴らしい!
見た目のフォルムも近未来的♪

実はこのLeDio7+の筐体の新仕様には「」があります。
それは、放熱性の確保よりも何よりも、紫外線による劣化耐性の確保と、人の目に配慮した紫外線の漏れ対策の徹底。それらの設計を実現するための仕様変更、だそうです。
その仕様により、レンズは一体成形型が採用され、現行モデルのような個別のレンズ交換には非対応となっています。あしからず。

肝心の明るさですが、このディープブルー・プラスの場合で、照度は約3,800lx(30cm)。
(LeDio7 DeepBlueの照度は4,200lx/30cm)
気になる紫外線量は、30cmで約0.01mW/cm2。20cmなら0.02mW/cm2前後。

え?
前回の試作と大して変わらんじゃないか!って?
ノンノンノン♪・・・よく考えてみてください。
前回の試作では、超狭角の15°の3mmφ砲弾型×7で、やっと0.05mW/cm2(5cm)、30cmではゼロだったでしょ?

今回のサンプルは、60°レンズ1WのUV素子1ヶでこのスペックです。
レンズのビーム角がもたらす光量の違いについては、過去にさんざん紹介したので、もうお判りですね?

そう。
この子が照らすサンゴには、満遍なくほのかなUVが降り注ぐという訳です♪
とりあえずスギノキのような超浅場のサンゴへのUVガンガン照射は次回策への課題として、まずは一般的な蛍光色をまとうサンゴへの色揚げアプローチを、この新開発UVブレンドLeDio7+に期待すると言う訳です。

そのための特別モニターとして、またまた業界の猛者たちに協力要請をお願いしております。誰かはまだ内緒♪
現時点ではまだ僕の零号機しかありませんが、もう少しで初号機隊も到着する予定なので、追ってご紹介致します。

またまたつづく♪

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紫外線LED:伏線

この記事を含むタグの全記事リスト: LeDio 9 LEDスポット LED電球 volxjapan 紫外線LED

機は熟した♪

と言う訳で、ようやくこの話題に触れられます(笑)
そして新たな実験シリーズの開始です。
タグは紫外線LEDです。

現行のアクア用LEDランプに足りないモノ。
そう、それは紫外線です!
そして遂に、アクア業界を震撼させるUVブレンドLEDランプの降臨となるか!?

が、その前に伏線を。(言った時点で伏線じゃないが)

かれこれ少し前、ちょうど例の東芝のLED電球で遊んでいた頃、実は秘密裏に進められていたプロジェクトがありました。
それがUVブレンドのLEDランプの試作品作り。
こんな感じです。

UVブレンドLEDランプの試作品作り

実は当時、このUVネタをまだオフレコとするため、例の東芝LEDランプの改造記事では、いちいちUV基盤を外して紹介してました(笑)
やっとお披露目できます♪

ちなみに、だにやんの記事も参考にさせていただきました。蛍光色の励起が見事ですね!

実験には、2タイプのUV素子を使用しました。ひとつは秋月で買った3mmφタイプ、もうひとつは近所のマルツ電波で買った5mmφタイプです。

本当は1WクラスのUV素子で試したかったけど、素子がなかなか売ってなかった事に加え、既製ランプへの割り込みとしては電源容量の確保や回路構成の実現が困難であるとの懸念から断念し、ごくごく一般的な砲弾型素子でのトライとなりました。

UV LED テスト 1. テスト 2.
型番 OSV4HA3A11A LHALED-P501
メーカー OptoSupply Linkman
サイズ 3mmφ 5mmφ
波長(ピーク) 392nm 410nm
Vf 3.4V 3.2V
If 30mA 20mA
光度 250mcd 250mcd
ビーム角 15° 45°

東芝LEDランプへの搭載に見合う回路としては、とりあえずランプ電源からのDC約23Vを並列で拝借する事にしました。UV素子はVfからの換算で7ヶの直列とし、更にIfに合わせた定電流ダイオードを接続して駆動させました(共に10mA容量の定電流ダイオード×2の並列接続)。勿論、それくらいの余力がLEDランプの電源にあるだろうと見積もっての話。
しかし実際にはこの加工により全体の照度が若干低下したため、恐らく電源側で電流制限が掛かっているであろう事が判明しました。よく考えれば事前に判りそうなもんだけど(汗)。要するに純正素子への電流供給を20mA程度奪う形になった訳です。純正では約300mA駆動(6.9W÷23V)なので、それが280mAくらいになったのでしょう。ま、むしろ安全で良かろうもん(笑)

さあ、その結果や如何に!?

とりあえずテスト2.は410nmピークと言う点と、45°と言う点で、却下となりました。だって、UV量が測定できないほどメチャ弱いんだもん(笑)。
そして残るテスト1.でも、5cm距離でやっと0.05mW/cm2と言う情けない結果となりました。もちろん30cmではゼロ。。。使い物にならん(-_-;
ちなみに自然下でのUV量は晴天時で約3.0mW/cm2、曇天時で0.1~0.5mW/cm2程度かしら。せめてメタハラには及ばなくても曇天くらいは目指したかったんだけど。。。

しかもですよ。凄い熱!!
とても触れません(汗)

と言う訳で、出力もプアだし、UV基盤の放熱確保も難しいため、結局この案はオールナッシングとなりましたとさっ♪

なんのこっちゃ(^^;

とは言え、理論上は250mcd×7=1,750mcdも出ていることになり、人間の視認でこそ暗いですが、光線としてはかなり出ていますから、間違っても直視は厳禁ですよ!
今回の目的は、「せめて曇天並みの紫外線量が欲しいなぁ」と言う欲求に対しての「弱い」ですから、ブラックライトや検査用途としては十分すぎるスペックだと思います。その点をご理解下さいね。

さあ、そこで独り言です。

「あぁ・・・誰かこんな製品作ってくれないかなぁ。。。」

「じゃ、作りましょう♪」

なんとボルクスジャパンさんが名乗りを上げましたっ!

つづく。

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30°その前に

この記事を含むタグの全記事リスト: LEDスポット 出張

以前、LeDio7の30°レンズ換装実験をして以来、30°レンズに関する問い合わせを頂くようになり、ついには僕がLeDio7向けレンズとして販売する事になりました(笑)

でもちょっと待ってください。
ネタとか実験は別として、何かしら効果を期待される場合は、この30°レンズの特性を今一度よく理解してからご検討下さい。

まずは、純正60°と集光30°の簡単な比較シミュレーションです。

ビーム角の比較

30°だと、ランプをかなり近接しても光面がスポットになるのがお判り頂けると思います。
さらにこれが900×450mm水槽でのシミュレーションだと以下のようになります。

ビーム角シミュレーション

60°だと均一に光が広がり、また光のクロス面では照度が加算されるのがお判り頂けると思います。これは、そもそもの30°に対する照度アップの期待を、60°でも既に実現できていることを示します。
一方30°では、水面付近で完全にスポットとなり、中層から底面に掛けてはクロスが得られますが、その照度差はとても顕著になり、ムラが非常に大きいと言えます。

30°レンズによる集光は、そもそも弱いLEDの光を増幅すべく採用された古いモデルの仕様であり、元々の光束量が大きいLeDio7のような最新のLEDランプでは必要性は感じられません。むしろ余裕を持った広角60°レンズで多灯した方が、ムラ無く均一に水槽を照らすことに適していると言えます。

しかし、特定のサンゴへの補助光として、特性を理解した上での利用は、とても理に適っていると思います。そう言う目的へはジャンジャン30°をオススメしたいと思います。
要するに、メイン照明でいくのか、補助ランプでいくのか、そこが選択の分岐点と言えるでしょう。もちろんメインなら60°、補助なら30°もアリ、でも60°のままでも十分補助で使えますよ、と言うことです。

先日の大阪放浪の際、ちょうど良い機会でしたので、少し足を延ばしてボルクスジャパンを訪問しました。日頃のご挨拶も兼ね、最近問い合わせの多かったメイン照明向けの多灯実験を行うため、ボルクスさんにはお忙しい中テストにご協力いただきました。

LeDio7×12灯テスト

この実験の目的は、90cm水槽に於けるLEDランプのメイン照明としての性能確認です(90cm水槽が無かったので写真では60cm水槽を置いてます)。用意したモノは、900×450mmのメッシュフレームと、E26レセプ×12ヶ、そしてLeDio7パールホワイト×12ヶです。照度結果は以下のようになりました。

LeDio7 PearlWhite×12
距離 照度
1M 6,000lx
30cm 16,500lx

この値の凄さがお判り頂けるかしら?

ランプ単体時のピーク値を都合良く拾った子供騙しではなく、多灯により光のレイヤが重なり合った結果、その距離でほぼ均一に分布している平均的な照度値です。しかも12灯合計で僅か84Wです。これでもまだメタハラに負けていると疑うなら、メタハラ150W相当として20台のLeDio7を並べてみるとどうでしょう? もはやメタハラは凌駕されたと言っても過言では無いと思われます♪

試験ランプ(LeDio7 PearlWhite)の単体での照度は、1Mで約500lx、30cmで約5,000lxです。しかし多灯により隣接する光は加算され、中心部では非常に強くて太い照度が得られたと言う訳です。

30cmで16,500lxと言う値は、30°レンズでのランプ単体の値とほぼ同じです。それが60°でも多灯により実現できると言う結果になりました。

メインなら60°と言うのがご理解頂けたら幸いです。

勿論、それでも30°を希望される方は、ご注文を承ります♪
(売りたくない訳ではないのでご安心下さい)

あ。ついでに一言言わせてください。

応援市場を開店して以来、たくさんの方々にLeDio7をお買いあげ頂き、またモニタ記事でも多くの方から喜びの声を頂き、僕も大変嬉しく思っています。ありがとございます♪
ただ、中には遠慮して本音を控えておられる方とかいませんか?
本当に明るいと思いましたか?(笑)

僕の経験上、色んなメタハラ、蛍光灯、他社のLED等、実際に触れたことのある方なら明るさの違いもお判りになると思うのですが、例えば初めてLEDを買われた方、メタハラが未体験の方の場合、このLEDだけを見てもなかなか明るさの実感が湧かないのではないか?と危惧しておりました。
また、LeDio7単体は所詮7Wですから、それを150Wのメタハラと比べて「暗いじゃないか!」なんて言われる方が一人くらい居ても良さそうなのに、それが無いのも拍子抜けだったりします(汗)

そうです。LEDの7Wがメタハラ150Wに勝てるはずはありません。しかし、7WのLEDを約20ヶ並べて同じ電力量相当で比較すれば、メタハラ150Wと同じ土俵で対決することが出来ます。勝敗は如何に?
ま、ホントに20ヶ並べると本末転倒なので、60cm水槽なら魚メインで3ヶくらい、SPSなら6ヶくらいあればいけると考えてます。スギノキの色揚げレベルまで求めるなら、9ヶくらいかしら? 上の実験のように12ヶでも良いけど(笑)
ま、スーパークールでも多灯するくらいの時代ですから、好みに応じて好きなだけ多灯してみるのも面白いですね。

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