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LEDランプの採用LED素子を確実に見極めろ!

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前回のLEDランプの消費電力を確実に見極めろ!が思った以上にアクセスが伸びたので、今回も見極めろ!シリーズ第二弾いきます♪
その名も、

LEDランプの採用LED素子を確実に見極めろ!

最近、遠慮が無くなってきたね(汗)

まず、現在アクア各社から販売されているハイパワーLED製品のうち、採用LED素子が明らかなものを以下にリストアップしました。

LEDベンダ LEDラインナップ LED採用製品
Cree XP-G
XP-E
XP-C
volxjapan Grassy LeDio 27 (XP-E)
やどかり屋 エリジオン閃光II (XP-E/XP-C)
Maxspect max-s Creeモデル (XP-G/XP-E)
Vertex SR260 Creeモデル (XP-G/XP-E)
リーフレイ コーラルシャインピコ (XP-G/XP-E)
MMC企画 Lumines 7 ホワイトサン (XP-G)
XR-E
XR-C
volxjapan Grassy LeDio 21 (XR-E/XR-C)
volxjapan Grassy LeDio 9 (XR-E/XR-C)
リーフレイ コーラルシャイン (XR-E)
クラマタ産業 ガラッシア300 (XR-E)
マーフィード ホバーLED (XR-E)
Philips Lumileds Luxeon Rebel Vertex SR200 Philips Lumiledsモデル
MMC企画 Lumines 7 ブルームーン
Edison Opto Sシリーズ volxjapan Grassy LeDio 9 (UV)
SiBDI (旧HCC) P2 海水館 リーフパワーLED 20W/15W (未確認)

アクアLED既製品で搭載が明らかなLED素子

CreeやPhilips Lumileds等は過去に散々書いてきたので今更説明は不要ですね。
でも・・・ひとつ聞きなれないLED素子が含まれているよね?
そう、海水館のリーフパワーLEDで搭載が謳われている、SemiLEDs社チップを採用したSiBDI社(旧HCC)のLED素子です。

・・・なにこれ?

と言う訳で、今回はこのSemiLEDsの世にも奇妙な謎(笑)を解明していきます。

実は僕もSemiLEDsのLED素子は経験が無く、知識もほとんど無かったのですが、かと言って検索してもその製品すら探し当てることは困難でした。

なぜかしら?

実はSemiLEDs社はLEDパッケージ製品をほとんど出していないのです。公式サイトにも唯一UV素子が1タイプあるのみです。

これは一体・・・?

でも、公式サイトを良く見ていくと、なるほど、ようやく答えが見えてきました。
この会社は主にLEDのチップを製造しているのだ♪
それを各社が買い、LED素子としてパッケージしていると言うことなのです。

詳しくはSemiLeds社の製品紹介ページパートナー紹介ページを見れば判ります。
現在掲載されているチップ採用先は、SiBDI社HPL社、そしてLite-On社です。
このうちSiBDI社のLED素子を使っているのが、海水館のリーフパワーLEDって訳。

・・・と言いたいところですが、実は僕は海水館のLEDの中身を確認した訳ではなく、ネットにも分解写真が見つからないので、これはあくまでも公称データを復唱しているに過ぎません。なので、もし該当製品をお持ちの方は、是非分解してLED素子を確認してみてください。万が一何か問題があっても、海水館なら良心的な対応が得られるはずです。

とは言え、このSiBDIのLED素子。。。見た目はよくある汎用パッケージです。特性もよくあるスペクトルです。ま、白系のスペクトルはCreeに似てるなぁ。。。
まずはデータシートからのスペクトルを以下に貼っておきます。

SiBDI P2 と Cree XP-E のスペクトル比較

チップパターンが似てると、スペクトルも似るんだろうか・・・?
白系もホントにそっくりだけれど、SiBDIの方が微妙にシアン欠乏症だ(汗)

では、僕の判る範囲でSemiLEDs社のチップの見分け方を記しておきます。

まず、最初のLEDの写真を良く見てください。LED素子自体のレンズがフロスト加工(刷りガラス風処理)されているのが判りますか? これは、白色LED特有の色分離を抑えるための工夫だと思われます。今までのLEDランプならばランプ側の拡散レンズなどで対処してきましたが、この機能をLED自体に持たせたと言うことなのでしょう。
ですから、白色LED以外の単色LEDは、従来どおりクリアレンズの可能性があります。そのため、例えば青色LEDであれば、レンズ越しにチップのパターンが確認できるはずです。

以下は、SemiLEDs社から供給されているLEDチップの主なパターンです。

SemiLEDs社LEDチップパターン各種

上のいずれかのチップが入っていれば、まずSemiLEDsチップを使ったLED素子に間違いないでしょう。形状とサイズ的にはSiBDI社のP2が一番 妥当だと考えられますけど、もしCreeみたいな形だったらS35の可能性もあります。あるいはSiBDIではなくHPL社やLite-On社の可能性もないとは限りません。

SemiLEDs社LEDチップを採用しているLEDベンダ各社

ま、万一SiBDI社のLEDじゃなくても、SemiLEDsチップ採用素子なら、上のいずれかのはずです。いずれにしても、SemiLEDsチップであることを祈ってます(汗)

でも、もしチップパターンが全然違っていたら。。。
その時は残念ながら、またいつものパターンかぁ・・・と言うことになりますねぇ(汗)

そもそも今回の記事は、実はもうひとつの狙いがあります。
それは、中国のランプ製造委託先が、
「今までみたいにCreeやPhilips Lumiledsを騙っても素子の形ですぐにバレてしまうから、素子の中のチップがSemiLEDs製と言うことにすればバレないだろう♪」
と考えたのではなかろうか!?という懸念からです。最近、CreeやPhilips Lumileds表記を見なくなったと思ったら、代わりにSemiLEDs表記がやたら目立ってきましたから。
だったら僕も絶対に怯む訳にはいかないので、徹底的に暴いてやろう!と。
「日本人はLEDのこと知らないからCreeとか言っとけばちょろいもんだぜ!」
なんて、こんなことは早く終わらせたいのです。

実は僕は、以前の偽装問題の真相は、今でもこう考えています。
ヤフオク業者が意図的に偽装した訳ではない。委託先の言うがままを信じて素子ブランドを表記しただけ。確かにちゃんと確認しなかったのは悪かったけれど、強いて言えばヤフオク業者も被害者。本当に悪いのは、謳い文句どおりのLED素子を搭載しなかった中国の委託先業者なのだ!と。
結局、ヤフオクで該当ランプを販売していた誰からも正式な謝罪は無く、単にブランド表記が消されただけに終わりましたが、きっと誰も初めからわざと偽装した訳じゃない。ノーブランド素子と知った上でブランド表記したとは思えない。そう信じています。

で、政田さんには悪いけど、今回のネタにさせていただきました。どうせこっそり指摘したって、海水館のことだから公表も対応もあるはずだもの。ワット表記の時のようにね。

ですから、これまでの関係者は勿論ですが、もしこれから参入しようと考えている各社さんにも、どうかLEDの知識をしっかりと身に付けていただき、絶対に騙されない強靭なスキルを身に付けて欲しいのです。
あいにくアクアリウムは小さなマーケットです。ほとんどのメーカーは製品開発に大きなコストは割けないのが現状です。だからと言ってそこで手を抜けば、そのしわ寄せは消費者に回ってきます。あるいは失敗を恐れ、無難な旧式の製品でお茶を濁すこともできますが、果たしてそれが本当に自社の最高の自信作だと、胸を張って消費者に勧められますか?
誤魔化さないこと。手を抜かないこと。参入しようとする分野に対して万全の兵力を投入すること。それができないなら、参入すべきではありません。中途半端に参入しても、中途半端な製品が巷に溢れることになり、結果的に消費者に迷惑を掛けるだけです。それは販売店に対しても同じです。故障品・返品の山を抱えるばかりか、客商売で一番大切な信頼を失うことになるのですから。

あ。騙されている前提で書いちゃってますが、勿論、公称通りの素子が乗っていればそれが何よりです。今までの布教活動も無駄ではなかったと言えますから。
「チッ・・・1023め・・・」
中国の業者には嫌われますが、今更ひとりやふたり、1社や2社に嫌われたところで、憎まれ役は僕の十八番、言わばライフワークです♪
でも、その時は海水館に謝罪しないとね。お詫びに応援市場に出品とか?(汗)

最後に、参考のため、手持ちのLED素子の中から、青色LEDのチップ写真を比較用に並べておきます。果たしてSemiLEDsチップ? ノーブランドチップ???

各社LEDチップ比較

残念ながら、手持ちの中にはSemiLEDsのチップは見当たりませんでした。強いて言えばLedEnginのチップがCreeかSemiLEDsに似てるくらいか。。。でもどんなに探しても公式情報が見つけられなかったので、今のところLedEnginのオリジナルチップと捉えておきましょう。

また、ついでなので軽く紹介しますと、Philips Lumileds Luxeon Rebelの売りは、チップを繋ぐボンディングワイヤーが無いことです。だからワイヤーによる光量ロスがありません。最新のCreeやLedEnginも片側だけはワイヤーがありますが、他の何本もある旧方式のノーブランドよりはロスを軽減できています。そういう技術が、LEDにはたくさん集約されています。

あと、Edison以降はどれも見た目そっくりな汎用パッケージのLED素子ですが、こうして比べるとチップが全く違うことが判りますね。ノーブランド1はチップが大きめだしワイヤー位置が工夫されているので明るいけど、ノーブランド3はチップも小さいしワイヤーがかなり邪魔なので明るさもそれなりだなぁ、とか。

ちなみにノーブランド4はグランクリエイトやクリスタルエリートに乗っていたチップ。探してみたら多分ここEP-B4545V-A3かな。でもこの上海の会社はチップ作ってるだけっぽいので、素子のパッケージングはまた別の会社なのでしょう。そこまでは判りませんでした。ま、少なくともCreeやPhilips Lumiledsではありませんけどね(汗)

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